2013年4月29日月曜日

包絡に関する考察(3)


表示モードで図面表現が変化

構造フレームには水平断面がない!?というショーゲキ的?な事実が発覚しましたが、簡単に解決する方法があります。表示モードを[簡略]から[標準]に変更すると、あっさりと構造フレームの水平断面が表示されます。



ビューモードを標準にすると包絡する。


「隠線」って何?

包絡とはちょっと話題がそれますが、次に杭頭(独立基礎)が梁によって非表示になっている部分を破線で表示します。こんな時にも決して詳細線分で加筆したりしないでください。「隠線」を使います。
[管理]タブ-[設定]パネル-[オブジェクトスタイル]を選び、「構造基礎」カテゴリを展開してみてください。その中に「隠線」というサブカテゴリがあります。この「隠線」はほとんどすべてのカテゴリに存在します。
サブカテゴリ「隠線処理」はほぼすべてのカテゴリに存在する。

「隠線」を表示するには?

[表示]パネル-[グラフィックス]パネル-[隠線を表示]を選択し


①梁
②基礎

の順番でクリックすると、梁が隠している基礎の「隠線」がサブカテゴリ「隠線処理」で指定した線種表示されます。

これなら梁や基礎の変更に追随していつも隠線が表示されます。Revitにはその意味がよくわからないサブカテゴリが多々存在しますが、これらのサブカテゴリの働きを把握することは、図面化作業を行う上で重要です。
http://wikihelp.autodesk.com/Revit/jpn/2014/Help/0001-dchedgcd1/1481-dchefhaj1481/1681-dchegeej1681/1733-dchegggd1733/1751-dcheghbh1751
http://wikihelp.autodesk.com/Revit/jpn/2014/Help/0001-dchedgcd1/2855-dchebbbg2855/2907-dchebbea2907/2996-dchebbia2996/2998-dchebbib2998/3006-dchebbie3006#GUID-87BE9363-1DC1-43FD-8F3F-9BEC40D5A415

包絡に関する考察(2)


前回、Revitの包絡は

①結合していること
②マテリアルが同じであること

の二つが原則であると申し上げましたが、この原則を満たしてもなおかつ包絡されない場合があります。例に挙げている基礎伏図ですが、下の図のように切断面をピット+1200に設定すると


下図のように柱と梁の間に仕切線が入って包絡されていません。おまけに構造柱には「RCのハッチ(三本線)」が入っているのに、基礎梁(構造フレーム)にはハッチがありません。どういうこと?

ビューモードに注意!!

①②の大原則を満たしているのに包絡されない場合は、まずビューモードをチェックします。Revitには「簡略」「標準」「詳細」の3つの段階で要素を描き分ける機能がありますが、「簡略」の場合、①②の原則を満たしていても、包絡されない<特殊カテゴリ>が存在します。この「構造フレーム」もその<特殊カテゴリ>の一つです。

構造フレームには「水平断面」がない!?

「ビューの表示/グラフィックの上書き」で、構造フレームの「投影/サーフェス」の線分とパターンに図3のように色を付けてみます。



そうすると、なんと基礎梁の表示が設定したとおりに変わります。


切断面が基礎梁を切断しているにもかかわらず、構造フレームは切断面ではなく「見えがかり」を表示していたのです。一方、構造柱は素直に切断面を表示しているので、いくら①②の原則を満たしていても仕切線が入ってしまうのです。

そ、そんな馬鹿なー!!(@_@;)何とかならないの????

そう、何とかなります。続きは次回にお話しします。

包絡に関する考察(1)


美しい図面のために

Revitで図面を作成するとき、やたらと二次元図形でレタッチをしているプロジェクトを見かけるのですが、基本的にはRevitはレタッチなしでとてもきれいな図面を作成することができます。そのキモとなるのはもちろん「正確なモデリング」ですが、「包絡のメカニズム」を理解することが大事です。意匠設計図の基礎伏図(ピット図)を題材に理解を深めていきましょう。

包絡のメカニズム

Revit2013で建築テンプレートを選んで、構造柱と構造梁をつかい基礎の柱と梁を作成すると次の様な絵になります。柱と梁が包絡されていません。


包絡させるには次のメカニズムを理解しておくことが必要です。

①要素同士が結合している
②マテリアルが同じである

の二つがそろった場合、包絡されます。そこでまず①のために梁と柱を結合します。次に②の条件を満たすために、柱にも梁にも「コンクリート-現場」のマテリアルを割り当てます。そうすると下の図のようにきれいに包絡されます。



一般的にはこれできれいに包絡されます。
http://wikihelp.autodesk.com/Revit/jpn/2014/Help/0001-dchedgcd1/2855-dchebbbg2855/2907-dchebbea2907/2996-dchebbia2996/3010-dchebbif3010
http://wikihelp.autodesk.com/Revit/jpn/2014/Help/0001-dchedgcd1/2855-dchebbbg2855/3114-dchebccf3114/3116-dchebccf3116
ところが、皆さんもこの基礎伏図を実際に作成してみればわかるのですが、単純にはそううまくいきません。Revitには「包絡を阻む知られざる魔の手」がたくさん存在するのです。次回はそのあたりをお話ししましょう。

2013年4月28日日曜日

ごあいさつ

Autodesk RevitというBIMソフトは非常にすぐれたソフトウェアで、世界中で使用されているのですが、機能が膨大すぎるのか、いまいち日本語の解説がうまくありません。このブログではAutodesk Revitについて、いいろなトピックを順番に書き綴って参ります。


このブログは言ってみればWikiHelpの解説書であり、ヘルプを隅々まで読めばわかるような内容ばかりです。しかしながら、実際問題としてそんなことは難しいと思います。記事にはWikiHelpのURLを張っておきますので、そちらも参照してください。

ブログのタイトルは文字通り、Revitというソフトウェアを使用しているときにおこったさまざまな疑問を、ひとつひとつ、わかりやすく、ちょうどジャガイモの皮をむくピーラーのように解きほぐしていくことから名づけました。

だいたい週一回の投稿を目指しておりますので、どうぞよろしくお願いします。