2015年11月29日日曜日

ぐにゃぐにゃした形(2)~アダプティブファミリ

カーテンシステム

作成したマスにカーテンシステムを作成してパネルを割り付けてみます。
カーテンシステムでパネル割をした場合

この場合、個々のパネルは平たんですので、カーブがきついところは隣のパネルと取り合っていない部分がでてきます。施工上はこうした検討は欠かせませんが、今回はもう少し「やわらかい」パネルを作成してみます。

UVグリッド

(1) インプレイスマスの編集モードに入り、作成したサーフェスを選択
(2) サーフェス表現パネルの「サーフェス」をクリック

(3) プロパティでタイプが「_パターンなし」になっていることを確認し、UグリッドとVグリッドの「番号(numberの誤訳)」に適切なグリッド(パネル)数(ここでは12)を入力。この作業はオプションバーでも可能です。

これで単純に等分割グリッドを作成できました。一旦マスを終了します。
数字は私が画像にいれたもので、Revit上には表示されません。

アダプティブコンポーネント


アダプティブコンポーネントとは基準点(アダプティブ点)を複数持つファミリです。
9点のアダプティブ点をもつファミリ

このファミリをUVグリッドに沿って配置すると、下の図のように滑らかな面を形成することができます。
アダプティブファミリのパネルを配置

ではまず簡単に6点のアダプティブ点をもつファミリを作成してみます。

(1) 「新規作成」-「ファミリ」で「一般モデル(メートル単位)、アダプティブ.rft」を選択する。
(2) [作成]タブ-[描画]パネル-[点要素]を選択

(3) 下の図のように6つの点を作成
点を作成(位置は適当でよい)

(4) 作成した点を選択して、[アダプティブ化]をクリック
点を選択してアダプティブ化する。
(5) アダプティブ化された点の脇にある小さな数字は配置するときのクリック順を示しています。数字を選択して、順番を整えます。
配置時のクリック順を整える

(6)手前の三つの点を選択し、[描画パネル]の[複数の点を通るスプライン]を選択して点を結びます。
点を結ぶ
(7) 同様に下の図のように、4辺のスプラインを作成します。
4辺を作成

(8)作成した辺の一つを選択すると、すべてのスプラインが選択されるので、そのまま「フォームを作成」をクリックします。下の図のように、面か立体かが選べるので、立体を選択します。
立体を作成
(9) 出来上がった立体を選択し、厚みやマテリアルのプロパティを調整します。パラメーターに関連付けても面白いですね。
パラメーターを調整

アダプティブ点を選択すると、ギズモが表示されるので、これをドラッグして、形状が追随することを確認してください。
アダプティブ点に形状が追随する
このアダプティブ点をUVグリッドに割り付けると、下の図のようになります。
UVグリッドへ割り付け

次回はこの割り付け手順について説明します。

2015年11月22日日曜日

ぐにゃぐにゃした形(1)

自由にモデリングする

Revitでライノセラスみたいなぐにゃぐにゃした形を作ってみましょう。Revitでは変な形は作れない、と思っていませんか?そんなことはありません。もっとRevitを自由に使いこなしてみましょう。
Revitでぐにゃぐにゃしたモデルを作ってみる(リアリスティック表示)
Revitのモデル空間では要素は施工可能な形状にある程度縛られています。ところが「マス」は非常に柔軟で、施工可能性を無視した様々な形状を作成することができます。いわば純粋なモデリングツールとして機能します。

マスにトライ!


まずは簡単に、Dynamoの回で紹介した下の図のような形状を作ってみましょう。作成プロセスはライノセラスとほとんど同じです。
ライノセラスで作成したサーフェイス
今回は「インプレイスマス」でプロジェクト内に直接形状を作成します。プロジェクトを新規に作成し、平面図ビューを開きます。

(1) 「マス&外構」タブで「インプレイスマス」を選択し、「名前」を適当につけてOKします。
(2)「描画」パネルから「点」を選択し、オプションバーで配置面がレベル1になっていることを確認します。
点を選択し配置面を確認

(3)下の図のように、点をレベル1上にいくつか作成します。
点を配置
(4) 右端の列にある4点をすべて選択し、「描画」パネルから「複数の点を通るスプライン」を選択し、点を結びます。

(5) 同じ手順を繰り返して、3本のスプラインを作成します。
3本のスプライン

(6) 3Dビューを開いて、点を選択すると赤・青・緑色の矢印(ギズモ)が表示されます。
ギズモ

(7)ギズモをドラッグして下の図のように形を整えます。
ギズモを移動して骨組みを作成

(8) 作成した3本のスプラインを選択し、「フォーム」から「フォームを作成」-「ソリッド」を選択します。
ソリッド作成
下の図は作成されたサーフェイスです。
作成されたソリッド

これを再度形状を変更するには、(7)のようにギズモをドラッグします。サーフェイスを選択し「X線モード」をクリックすると、再度点が表示されるます。
X線モード
この点を選択しギズモをドラッグします。
点をドラッグして編集する


「マスを終了」でサーフェイスしか含まれていない旨の警告が出ますが、無視して問題ありません。このようにマスを使えば、コンセプト段階でのモデリングは自由に行うことができます。次回はこのサーフェスにパネルを割り付けてみます。


2015年11月15日日曜日

ファミリ(3)~3D DWGを取り込む(3)

プロジェクトにロードする


作成したファミリをプロジェクトにロードして、配置してみます。
ファミリを配置たところ  (リアリスティック表示)

マテリアルを確認します。[管理]-[マテリアル]で「便器」や「便座」といった、前回ファミリに設定した「レンダリングマテリアル R-G-B」を変更して作成したマテリアル名がリストにあります。
ファミリの

これを編集すれば、プロジェクトにロード済みのファミリの外観を変更することができます。
マテリアルを変更したファミリ
少し、ネイティブのファミリとは勝手はことなりますが、プロジェクトにロードした後でもマテリアルの変更は可能です。

2次元表現


平面図や、立面図、断面図をチェックしてみましょう。下の図のように、ファミリで設定したシンボル線分で便器が表現されていることがわかります。

平面図
断面・展開
展開図

このように、REVITでは3Dと2Dで異なる表示が可能です。

マスク


さて、ここで、床や壁のマテリアルのサーフェイスにハッチングパターンを付けてみます。すると・・・

2D表示をシンボル線分で作成している場合、当然ながら便器は「透けて」その下や向こう側にある床や壁のハッチングが表示されます。便器の部分を白抜きにしたい場合は、ファミリを編集してマスキングを作成します。
ファミリの編集に入り、[平面図]-[参照レベル]を開きます。メッシュの便器を選択し、一時非表示とします。
平面図-参照レベルをひらき、便器のメッシュを一時非表示とする

次に、のこったシンボル線分をクリップボードへ「カット」します。そして、注釈タブの[マスキング領域]を選択します。
マスキングを作成
[貼り付け]-[現在のビューに位置合わせ]を選択します。
現在のビューに位置合わせ
このまま✔をクリックしたら、様々なエラーが出ますが、表現を簡略化するなど、すこし線分を整理して、ひとつながりの領域を作成します。
マスキング領域を作成
この時注意することは、領域の境界線のシンボル線分のサブカテゴリが「衛生器具」になっていることです。マスクキング領域が作成できたら、プロジェクトにロードして効果を確認します。
マスキング領域で、床のサーフェスパターンが隠された状態

このように、マスキング領域を使うことで、ファミリを不透明にすることが可能です。
立面にもマスキングを作成  (リアリスティック表示)

一時的に透明にするには?


マスキングをしても、ビューごとや要素ごとに再び透明にすることも可能です。それには、カテゴリあるいは要素単位で、サーフェスの透過性を100%にすればOKです。
説明を追加
この設定にした場合、下の図のように要素を透過することが可能です。

透過性100

こうしてみると、2次元表現は基本的にはマスキング領域で作成しておくのが汎用性が高いといえます。


2015年11月7日土曜日

ファミリ(2)~3D DWGを取り込む(2)

AutoCADの色=マテリアル範囲


RevitではAutoCADの色はマテリアルの範囲として認識されます。ByLayerのオブジェクトはレイヤに設定された色が範囲として認識されます。
AutoCADでDWGを開いて確認してみると下の図のような色の設定がされています。
AutoCADでオブジェクトの「色」を確認する

REVITで[管理]-[マテリアル]を見てみると
色がマテリアルになる

このように、AutoCADの色はそのまま「レンダリングカラー R G B」として取り込まれます。(255-255-255は画層0に設定されている白です。)

マテリアルの設定


ではこのマテリアルをそれぞれにふさわしい名前とテクスチャに設定しましょう。便座の色 255-127-0を選択し、アイデンティティタブで名前を「便座」とします。
名前を「便座」に、その他の情報も入れておく
次に「外観」タブを選択し、「このアセットを置き換えます」ボタンをクリックします。
外観アセットを置き換え
「外観ライブラリ」-「セラミック」-「磁器」の中から好みの色を選択し、右端の矢印ボタンをクリックします。
アセットブラウザ
また、色を適当に変更してもいいでしょう。下の図は、アイボリー(240-227-206)に変更した例です。
アイボリーカラーにした例

グラフィックスタブで「レンダリングの外観を仕様」にチェックをいれます。
グラフィックスタブ

これで、一旦マテリアルダイアログボックスをOKで閉じて、変化を確認してください。
マテリアルが変更された状態

その他の「レンダリングマテリアル」も適切な名前と、外観アセット、グラフィックスの設定を行います。
適切な名前とプロパティを設定

設定が終わったら、リアリスティックやシェーディングモードで外観をチェックします。
マテリアル設定後のファミリ

不要な情報を削除


以上で3DDWGをファミリ化できました。あとは、ファミリに含まれる余計な情報を削除します。ます、[管理]-[未使用の項目を削除]をクリックし、すべての項目が選択された状態で[OK]します。
未使用の項目を削除

いらないマテリアルを削除します。[管理]-[マテリアル]で不要なマテリアルは削除します。
余計なマテリアルを削除
不要なサブカテゴリを削除します。[管理]-[オブジェクトスタイル]をみると、AやPVなどのDWGの画層がサブカテゴリとして読み込まれていますので、これを削除します。
余計なサブカテゴリを削除
不要な線種パターンも削除します。[管理]-[線種パターン]をみると、「IMPORT-○○」という選手がありますが、これはDWG/DXFデータから読み込まれて生成された線種です。これを削除します。
余計や線種パターンも削除

プレビュー


最後にプレビュー画像(エクスプローラで表示される画像)を指定して保存します。まず、[3Dビュー]の[ビュー1]を開きます。そして、プレビューとしてふさわしい、角度にビューを回転し、グラフィックス表示オプションを適切に設定します。以下はその一例です。
グラフィックス表示オプションを見やすく設定
そして、[名前を付けて保存]するとき、[オプション]をクリックし、ソースにビュー1、「ビュー/シートが最新でない場合は再生成」にチェックをいれて保存します。
サムネイルの設定をして保存


次回はこれをプロジェクトにロードして、振る舞いを検証します。