2020年6月28日日曜日

配列複写を含むファミリ

配列複写をパラメータ化する

たとえばグレーチングのように、長さに応じてフォームの数が変わるようなファミリを作ってみます。
長さが変わっても一定ピッチで割り付けるファミリ
キーとなるのは配列複製です。

作り方

外枠

どのカテゴリでも構わないのですが、今回は造作工事カテゴリとして作成してみます。まずは外枠を組み立てます。以下のように参照面と寸法・ラベルを作成して、フォームを作成してください。今回の主題ではないのでこの辺りは省略させていただきます。
平面:押し出しで外枠を作成

正面

{3D}

ネストファミリの作成とロード

配列複製する要素はできればその部分だけをファミリにして、外枠のファミリにネストして作ることをお勧めします。こちらも詳細は省略しますが、次の図のような立方体のファミリを作成し、上記の枠のファミリにロードします。

そして、幅を厚さ、奥行を奥行、高さを高さに関連付けます。
パラメータを関連付け

パラメータの準備

配列複写を行うためにまずパラメータを用意します。
間隔は芯-芯の距離です。
  1. 作成タブ>プロパティパネル>ファミリタイプ
  2. 新しいパラメータボタンを押して、パラメータを追加します。いずれもタイプパラメータとします。
    • 本数:整数
    • 間隔数:整数
    • 間隔:長さ
      パラメータを追加
  3. 次の図のようになります。
    順不同です。自由に並べ替えてください。

  4. もう一度新規作成ボタンをおして、「希望ピッチ」という長さのパラメータを追加し値を100とします。
    希望ピッチ=100

  5. 次に各パラメータの「式」に式を設定します。
    • 本数:間隔数-1
    • 間隔数:(幅 + 厚さ) / 希望ピッチ
    • 間隔:(幅 + 厚さ) / 間隔数

配列複製

次に参照面とフォームを作成して、パラメータを割り当てます。
  1. 右側の枠の中心に参照面を配置し、寸法を使って均等にロックします。
    枠の中心に参照面を作成
  2. 適当に参照面を1本作製し、1で作成した参照面との間に寸法を作成、「間隔」を割り当てます。
  3. ロードしたネストファミリを配置し、2の参照面と、水平の中央の参照面にロックします。
    ネストファミリを配置して参照面にロック
  4. 配置したネストファミリと、1で作成した参照面を選択して、修正パネル>配列複製
    • このとき参照面も一緒に配列複製することが重要です。
  5. 適当に2点をクリックして、複製を作成
    参照面との間に寸法を作成し、パラメータ「間隔」を割り当て
  6. 複製された参照面との間に寸法を作成して「間隔」パラメータを割り当て
  7. 複製されたフォームを選択すると、わかりにくいが青い字で「2」という数字が表示される。この時表示される寸法線(下線)を選択する。
  8. オプションバーで「本数」を選択
    オプションバーでパラメータを選択
  9. 下の図のようになります。

幅や希望ピッチの値を変更して破綻がないかどうか入念にチェックしてください。
例:幅2000 奥行400 希望ピッチ100
例:幅1000 奥行1000 希望ピッチ50

注意

配列複製する対象はこの例のようにネストして作成することをお勧めします。フォームを直接配列複製してももちろんかまわないのですが、コントロールが難しいのと、なによりパフォーマンスがかなり低下します。

2020年6月21日日曜日

排煙チェックは可能か?

窓とドアの部屋から部屋へ

窓とドアの集計表には「部屋から」と「部屋へ」というパラメータがあります。これがどのように認識されているかについては
に書きましたが、これを使って排煙計算が可能か下の図のような簡単なサンプル(図中のH2400などは、上枠の高さを示しています。)で考察してみましょう。垂れ壁がある場合など複雑なものはさておき、単純に天井レベルから800、必要面積1/50として考えます。 

必要なパラメータ

部屋のインスタンスパラメータを一つだけ追加します。集計表だけではなくタグにも表示したければ共有パラメータにしますが、今回はプロジェクトパラメータで試してみます。
  1. 管理タブ>設定パネル>プロジェクトパラメータ
  2. 追加をクリック
  3. パラメータプロパティダイアログボックスで
    • カテゴリから部屋を選択
    • パラメータデータで名前を平均天井レベル
    • パラメータタイプを長さ
    • パラメータグループを解析結果(なんでもよい)でOK
    • カテゴリからを選択
    • パラメータデータで名前を排煙開口比率
    • パラメータタイプを実数
    • パラメータグループを解析結果(なんでもよい)
    • タイプを選択してOK。
  4. OK

窓集計表の作成

次に窓の集計表を作成します。

フィールドの設定

  1. 表示タブ>作成パネル>集計▼>集計表/数量
  2. カテゴリから窓を選択してOK。
  3. フィールドタブで、
    1. 使用可能なフィールドを選択で部屋からを選択し、次のフィールドを追加
      • 部屋から:レベル
      • 部屋から:番号
      • 部屋から:名前
      • 部屋から:面積
      • 部屋から:平均天井レベル
    2. 使用可能なフィールドを選択で窓を選択し、次のフィールドを追加
      • マーク(タイプ)
      • 排煙有効比率
      • 上枠の高さ
    3. 計算値をおして、計算値ダイアログボックスで
      • 名前:有効高さ
      • タイプ:長さ
      • 計算式:800 mm - (部屋から: 平均天井レベル - 上枠の高さ)
    4. 計算値で
      • 名前:排煙有効開口面積
      • タイプ:面積
      • 計算式:有効高さ*幅*排煙開口比率
    5. 計算値で
      • 名前:排煙必要面積
      • タイプ:面積
      • 計算式:部屋から: 面積 / 50
  4. 並べ替え/グループ化タブで次の図のように設定

  5. 書式タブでレベルを非表示にする。
  6. OK
集計表がいったん完成

排煙開口比率の設定

排煙開口比率が0なので、排煙有効開口面積もすべて0になっています。集計表で適切な値(引違なら0.5、両開きなら1.0など)を設定して、変化を確認

合計値でチェック

次に窓の排煙有効開口面積を合計します。
  1. 集計表のプロパティウィンドウで書式をおして
    • 排煙有効開口面積を選択し、合計を計算を選択
  2. 並べ替えグループ化タブで
    • 各インスタンスの内訳の☑を外す
  3. OK
    排煙有効開口面積と排煙必要面積
J列の排煙有効開口面積と排煙必要面積を比較することで、チェックすることは可能です。

部屋の集計表ではどうか?

部屋の集計表で同様の検討が可能でしょうか?残念ながらいくつかのハードルがあって、実現は難しそうです。

部屋が窓を認識しない?

下の図は部屋の集計表で、組み込み集計表を使って窓を表示したものです。内容は上記窓集計表と同じなのですが。。。
部屋は窓を認識しないのか?
では部屋は窓を認識できないのか?というと、実はそういうわけではなさそうです。

部屋へ(外側)なら認識する

これは考え方の違いなのか、バグなのかよくわからないのですが、窓を反転して外側を内側に向ければ部屋は窓を認識します。そうすると次の図のような集計表が作成できます。
外側ならば認識される

しかし、外側を内側に向けるわけにもいきませんから、これはなんとも残念な話ですね。

2020年6月7日日曜日

ブラケット手摺(4)手摺の終端

手摺の端部

笠木手摺と補助手摺は手摺の始端と終端にエンドキャップを付けることができます。方向性のないエンドキャップは特に難しくはありません。
終端をつけてみよう!

端部ファミリの作り方

  1. ファミリテンプレート「手摺の終端(メートル単位).rft」を使って新規ファミリを開始。
  2. テンプレートの水平な線を上部手摺の中心と考えて、モデルを作成します。イメージで書くとこんな感じです。
    笠木手摺の中心が参照面の中心
  3. これは水平に関しても同じで、参照レベルの中心が笠木手摺の中心になります。
  4. 左を開き、外径34mmと外径38mmの円柱を押し出しで作成。
    立面図>左
  5. 平面図>参照レベルで任意の長さに調整。システムパラメータ「延長の長さ」は特にシステムで利用されているわけではないが、円筒の右端をアタッチしておく。
    パラメータを割り当てる
  6. タイプ名を決めておきます。プロジェクトでは終端はファミリ名が表示されないので、わかりやすい名前を付けておきます。
    ファミリタイプを設定
  7. 名前を付けて保存し、プロジェクトにロード

プロジェクトでの設定

  1. プロジェクトブラウザ>ファミリ>手摺>笠木手摺タイプ>で目的の笠木タイプをダブルクリック。
  2. 端部セクションの始端/下部の端部、終端/上部の端部に作成した終端ファミリのタイプを選択(このときファミリ名が表示されないので、終端ファミリはタイプ名にファミリを認識可能な名前にしておくとよいでしょう。
    終端ファミリを指定
  3. これで終端にエンドキャップを追加できます。
    エンドキャップが追加されました

スケッチラインに注意!

なかなか便利なのですが、スケッチラインとの関係には注意してください。スケッチラインの端部よりさらに先に終端がつくので、スケッチラインの端部位置に注意する必要があります。
終端はスケッチラインの外


終端の方向に注意

笠木手摺タイプの終端は自由に作成可能なのですが、方向性があるので注意してください。たとえば、次のような壁側に曲がった終端を作成した場合、
方向性がある場合
同じ終端タイプを始端と終端に設定すると、始端はよくても終端が・・・
このようになります。
始端と同じファミリでは方向性に問題あり

終端には終端用、始端には始端用のファミリを作成しておく必要があります。
始端用と終端用のファミリを準備しておく



2020年5月24日日曜日

ブラケット手摺(3)手摺の作成

手摺の体系

まずは手摺ファミリの体系から理解しましょう。

手摺はやや複雑なシステムファミリです。手すりを構成する部品の関係は次のようになっています。Sはシステムファミリ、Lはロード可能ファミリです。

手摺ファミリ(S)-----------------------①
┗┳横部材(S):プロファイル(L)------②
 ┣縦部材(L):手摺子----------------③
 ┣笠木手摺(S):プロファイル(L)----④
 ┃┗端部(L)--------------------------⑤
 ┗補助手摺(S):プロファイル(L)-----⑥
  ┣端部(L)---------------------------⑦
  ┗補助手摺支持(L)------------------⑧

今回は①~④を使って、ブラケット手摺を構成してみます。(最終的にはすべての部材を使用して2段手摺まで作る予定です。)

手摺ファミリの作成

①手摺ファミリ

まず手摺ファミリを用意します。手摺ファミリはシステムファミリなのでプロジェクト内でしか作ることができません。まず前回作成したファミリを前々回に笠木手摺を作成したプロジェクトにロードします。次に・・・
  1. プロジェクトブラウザ>ファミリ>手摺の任意のタイプをダブルクリック
  2. 複製を押して名前を「ブラケット手摺AFN55」としOK。

②横部材

横部材はブラケット手摺では使用しないのですべて削除します。
  1. 手摺横桟構成の編集ボタンをクリック
  2. 全ての構成要素を選択して削除する。
    すべて削除して空にする
  3. OK

③縦部材

縦部材は前回使用した手摺子ファミリを使用します。
  1. 手摺子構成の編集ボタンをクリック。
  2. 次の図のように設定する。
    手摺子の構成
このダイアログボックスはなかなか理解しにくいのですが、次の図のように考えてください。
主パターンと手摺柱
  • セグメントとは、パスのライン一つ一つの線分のことです。
  • セグメント(の間)は主パターンに設定した情報で埋め尽くされます。ここでは手摺子を1000ピッチで配置し、セグメントの長さに応じてフィットさせる(間隔を丸める)ようにしています。
  • 手摺柱とは●で示した部分で、そこに何を立てるか、ということを設定します。
  • スペースとは、手摺の進行方向へ向かって指定した数だけ配置する位置をずらすという意味です。
  • 0にすると、始点終点にぴったりとりついてしまうので、100㎜ずつ内側(始点側は+、終点側はー)へずらしています。
  • 下部と上部は手摺子ファミリの下端と上端をどこに合わせるかを指定します。
  • 次の図は手摺子のファミリテンプレートです。上部の二つの参照面、下部の二つの参照面は、この上部と下部の部材によって決まります。
    上部と下部の位置は手摺子構成できまる

④笠木手摺

  1. 笠木手摺セクションで次を指定します。
    • 笠木手摺の有無:☑
    • 高さ:1100
    • タイプ:ハンドレース⌀34
  2. OK
以上で手摺ファミリができました。

使ってみる

これで不通に手すりを作ってみてください。コーナーは下の図のようにフィレット円弧を使って丸めておくといいでしょう。壁と手摺の隙間は38mmしかないので、半径は出隅ならば30mm程度でいいでしょう。
コーナーは丸めるとよい

これでブラケット手摺がきれいに出来上がります。
ブラケット手摺
次回は手摺にもう一工夫加えて、エンドキャップなど端部の処理についてです


2020年5月16日土曜日

ブラケット手摺(2)

ブラケットは手摺子で

ブラケットは「手摺子」ファミリです。メーカーから提供されているCADデータを使って手摺子のファミリを作成してみましょう。
手摺子でつくる

ファミリ作成

基本

  1. ファミリ>新規作成 で「手摺子(メートル単位).rft」を開く。
  2. 立面図>正面を開く
  3. 作成タブ>作業面パネル>セット
  4. 参照面:中心(正面/背面)を選択
    作業面を設定
  5. 挿入タブ>読込パネル>CAD読込で下の図のように設定して、メーカーサイトからダウンロードしてDWG/DXFファイルを読み込む。
    CADデータを読み込む
  6. ビューにある水平の参照面がホストへのアタッチ面(この場合は上部レールの下端)、垂直の線が手摺のパス(マゼンタのスケッチライン)になることを考慮してCAD図を位置合わせする。
    位置合わせに注意
  7. 作成パネル>フォーム>押し出しで、柄の部分をなぞります。階段に使う場合も考慮して、水平の参照面より少し上まで延ばすようにします。
    • 製作用のモデルではないので、過度にリアリティを求めず、おさまりの検討とデザインの検討ができる、バランスのよい、適切な詳細度でモデルを作成するようにしてください。
  8. モードパネル>✔
  9. 立面図>左のビューを開きます。
  10. 作成タブ>作業面パネル>セットで「参照面:中心(左/右)」を選択
  11. 新たに斜めの参照面を加えて、図のように寸法を作成してロックします。この斜めの参照面は階段で使用するときに柄の部分の天端を階段の勾配に沿って削るときに使用します。
    参照面と寸法を追加
  12. 作成タブ>フォームパネル>ボイド>押し出し で、下の図ようにスケッチし、押し出し終端を80とする。
  13. 3Dを表示し、柄の部分がカットされていることを確認。
  14. プロパティウィンドウでマテリアルの関連付けボタンを押して、「マテリアル_柄」というマテリアルを作成してOK
    マテリアルにパラメータを関連付ける
  15. 再び正面を表示して、作成タブ>フォームパネル>押し出しでカバーの部分をスケッチする。
    カバーの部分をスケッチ
  16. 押出 終端を16.5、押出 始端を-16.5
  17. マテリアルの関連付けボタンを押して、「マテリアル_カバー」を作成して関連付ける。
  18. モードパネル>✔
  19. CAD図を選択して削除

重要:拘束の確認

CAD図をスケッチして作成すると、思わぬ位置にスケッチラインが拘束されていることがあります。ちょっと試運転をして、間違いがないかどうか確認します。
  1. プロパティパネル>ファミリタイプ
  2. 手摺子の高さ(規定値)の値を1200にして適用
  3. 形状に乱れがないか確認する。
  4. 同様に様々な数字に変更して、確認する。
  5. 上部のカット角度(規定値)の値を60にして適用。
  6. 形状に乱れがないか確認する。
  7. 同様に様々な数字に変更して、確認する。
  8. OK
  9. 名前を付けて保存

自動スケッチ寸法

もし、形がおかしくなるようであれば、
  1. 形状がおかしくなったフォームをスケッチしたビュー(ここでは正面)で選択
  2. モードパネル>押し出しを編集
  3. 表示タブ>グラフィックスパネル>表示/グラフィックス
  4. 注釈カテゴリタブ>寸法>自動スケッチ寸法に✔
    自動スケッチ寸法に✔
  5. 下の図のように青色の寸法が表示されます。これがRevitが自動で作成した寸法です。この寸法を吟味して、おかしな拘束がないかどうか確認し、寸法の付け替えや削除を行います。
    自動スケッチ寸法に注意

タイプの作成

タイプを作成します。今回タイプパラメータはマテリアルのみなので、柄の部分とカバーの部分にお好みのマテリアルを設定して、複数のタイプを用意してみます。
オーク

ナチュラル

最後にパージを忘れずに

DWGファイルを読み込んだのでいろいろと余計な情報がファミリに入っています。これらをすべて削除してからプロジェクトにロードします。

  1. 管理>設定パネル>未使用の項目を削除
  2. OK
  3. 何も項目がなくなるまで何度か繰り返す
次回はこれらを組み合わせて、実際に手すりを作成します。