2020年12月20日日曜日

鉄骨タブ(7)~モディファイヤ

 短縮

鉄骨を短縮するには、一般には鉄骨のインスタンスプロパティ

  • 始端延長
  • 終端延長
  • 始端の接合部カットバック
  • 終端の接合部カットバック

を使いますが、モディファイヤで短縮することも可能です。

使い方

  1. 鉄骨タブ>モディファイヤパネル>短縮
  2. 鉄骨の端部をクリック

これで板状のモディファイヤが鉄骨フレーム端部に作成されます。

短縮モディファイヤ

インスタンスプロパティ「長さ」は鉄骨の端点からの距離を示します。マイナスの値を設定すると延長されます。

「高さに沿った角度」に値を設定すると切断面が回転します。

高さに沿った角度

「幅に沿った角度」の振る舞いは次の図のようになります。

幅に沿った角度

輪郭加工

輪郭とは要するに「穴+余白(ギャップ)」の開口を示します。例えば、ウェブにスリーブをあける場合を考えてみます。
  1. 「輪郭加工」を起動し、ウエブの面を選択します。
    面を選択(面の端っこにカーソルを合わせると選択しやすい)

  2. 輪郭をスケッチして、モードパネル>✔
    輪郭をスケッチ

  3. 穴が開きます。詳細モードにして穴の中心あたりにカーソルを合わせると+マークが表示されるので、TABキーを押して「モディファイヤ」のみを選択します。
    モディファイヤを選択

  4. プロパティで、ギャップの幅に適当な値を設定して、振る舞いを確認します。
    ギャップに値を設定すると「余白」が生じる

  5. 境界の値を側面1とし、協会の距離1の値を0にしてみます。すると穴は中央でとまり貫通せず、凹みの状態となります。


  6. 穴の形状が矩形であれば、「半径」パラメータで角に丸みをつけることができます。
    R加工

  7. ボーリング加工をチェックすれば角に加工用の穴を形成できます。







2020年12月6日日曜日

鉄骨タブ(6)~モディファイヤ

 モディファイヤ

モディファイヤとは修飾子、つまり加工用のファミリのことです。鉄骨ファミリを様々な形状に切り欠きます。パラメトリックの切断パネルの様々なツールは、このモディファイヤを組み合わせて作成されています。

隅切

使用方法は作成したプレートのコーナーをクリックするだけです。タイプ(形状)が「直線」「凸型」「凹型」の3種類あり、インスタンスプロパティで変更できます。

直線

凸型

凹型

屈曲した切り欠き

鉄骨の構造フレームまたは構造柱の端部に取り付いて、鉄骨を切り欠く「ボイド要素」です。コマンドをクリックし、鉄骨の構造フレームの端部をクリックすると、L型に折れ曲がった2枚の透明の板状の要素が表示されます。
屈曲した切り欠きモディファイヤ

この2枚の板は見た目と異なり、L型の無限の平面であると考えてください。無限といっても、平面が交差している側は有限なので一方向に無限ということになります。

軸からの距離

垂直の位置は「軸からの距離」パラメータで制御できます。構造フレームの場合、軸とは
選択したときに表示される始点と終点を結ぶ線ですが、構造フレームの「z位置合わせ」により、切り欠く位置は異なりますので注意してください。次の図のモディファイヤの「軸からの距離」はすべて0ですが、構造フレームのz位置合わせの値により軸の位置が異なるため、それぞれ切り欠く位置が変わります。
構造フレームの「Z位置合わせ」で結果は異なる

カットバック

構造フレームの場合、カットバックは始点終点からの距離を意味します。視点から100mmの位置で切り欠きたければ、素直に100と入力します。

カットバックと軸からの距離


半径

モディファイヤのコーナーの半径を設定します。下の図は半径の値を20に設定したところです。
半径の効果

ポーリング工法

ポーリング工法にチェックを入れると、半径で指定した値でコーナーに切り欠きが作成されます。
ポーリング工法

傾斜角

傾斜角はモディファイヤの傾きを定義します。次の図は傾斜角を45度に設定した状態です。
傾斜角=45°の場合


構造フレームのZ位置合わせ=0、軸からの距離=0として、回転角度を45度に設定した状態です。

構造フレームのプロパティの変化に注意

端部にモディファイヤを追加すると、構造フレームのプロパティ
  • 始端延長
  • 終端延長
  • 始端の接合部カットバック
  • 終端の接合部カットバック
は無効になります。次の図は始端にモディファイヤを追加する前と後の状態です。
構造フレームのジオメトリの位置プロパティの変化に注目
端部の処理は、モディファイヤを追加した場合は、モディファイヤでおこなうことになります。




2020年11月29日日曜日

鉄骨タブ(5)

ボルト作成時のエラー

次の図のようにパラメータを設定して、H型鋼の構造フレームファミリを作成してみました。

構造フレームファミリを作ってみた
このファミリをプロジェクトに配置し、前回の手順でプレートを作成しボルトで接合しようとしたところ、次のような警告が表示されました。
「接続されている要素の[標準]詳細レベルの形状に丸めが含まれています」
このエラーを回避する方法は二つあります。

断面形状からフィレット円弧を取り除く方法

警告の内容に従って、構造フレームの詳細レベルが標準の時の断面の形状からコーナーのフィレット円弧を取り除くと、エラーを回避できます。

標準ではコーナーの丸め(フィレット円弧)を取り除く
コーナーの丸めを取り除くのは「標準」のときだけでよく、「詳細」においてはコーナーの丸めをつけておいても問題ありません。
詳細モードではコーナーの丸めがついていても問題ありません。

断面形状を定義する方法

もう一つはファミリの「断面形状」を定義する方法です。断面形状パラメータは構造フレームと構造柱カテゴリのファミリに割り当てることができます。詳細はヘルプをご覧いただくとして、割り当て方を説明します。

  1. ファミリを開き、ファミリのパラメータ「断面形状」の[...]をクリック。
    断面形状パラメータ
  2. 適切な形状(ここではH型鋼)を選択しOK。
    断面形状を設定

  3. この指定により、いくつかのパラメータが追加されていることを確認します。これらのパラメータは「構造断面ジオメトリ」「構造解析」「寸法」に追加されます。
    断面形状を設定することによって追加されたパラメータ

  4. これらのうち、鉄骨加工に重要なパラメータは「構造断面ジオメトリ」のパラメータで、これらがどの値を示すかは、パラメータ名をマウスオーバーしてしばらく待つと図示されます。

  5. これに従って再度、パラメータをつけなおしてみます。
    構造断面ジオメトリのパラメータを設定


  6. 図心 水平方向と図心 垂直方向はそれぞれ式に「0.5 * 幅」「0.5 * 高さ」と設定します。
    構造断面ジオメトリ

  7. 単位をmmにしたい場合は、管理タブ>設定パネル>プロジェクトで使う単位で、構造>断面プロパティで単位をミリメートルに変更します。
    断面プロパティの単位を変更する

断面形状プロパティを設定すれば、形状を変更しなくても、ボルトを作成することができます。
断面形状プロパティの設定によりボルトの加工が可能になります。

2020年11月23日月曜日

鉄骨タブ(4)

プレート

プレートはあらかじめ作業面を指定しておくのがポイントです。たとえば次のような鉄骨があったとします。


このフランジ上部にプレートを作成する場合は

  1. ビューのプロパティ詳細レベルを「詳細」に設定。プレートは詳細モードでのみ表示されます。
  2. 鉄骨タブ>製造要素パネル>プレート
  3. 作業面パネル>セット
  4. 作業面ダイアログボックスで「面を選択」を選択してOK。
  5. プレートを設置する面をクリック
    プレートを設置する面を選択

  6. 描画パネルから適切なツールを選択して、プレートの外形を作成します。
    外形線をスケッチ

  7. モードパネル>✔
    説明を追加

プレートのインスタンスプロパティ

プレートはちょっと特殊で、タイプがありません。インスタンスプロパティのみです。構造マテリアル、厚さなどは文字通りですが、位置合わせには注意してください。

位置合わせ

位置合わせの値は0から1の間の実数です。これは作業面を基準としてのプレートの厚さの比率を示しています。
位置合わせの値による変化

ボルト

作成したプレートと鉄骨をボルトで接続します。接合する要素をCTRLを押しながらすべて選択し、最後にENTERで選択を確定するのがポイントです。

  1. 鉄骨タブ>製造要素パネル>ボルト▼>ボルト
  2. プレートと鉄骨をCTRLを押しながら選択(①、②、③)し、ENTER
    ①→②→③→ENTER

  3. ボルトを配置する面を選択。目標の面のエッジ合せると面が反応します。にこの場合はプレートの上面を選択しています。ボルトは選択した面に対して垂直に作成されます。
    ボルトの設置面を選択 面のエッジにカーソルを合せると選択できる

  4. パターンから長方形を選択して、ボルトを配置する領域をスケッチする。ボルトはこの矩形の辺上に作成される。
    ボルトを配置する領域

  5. モードパネル>✔
    ボルト

プロパティ

ボルトのインスタンスプロパティを編集して、形を整えます。
  1. ボルトを選択し、側面1のエッジ距離、側面2のエッジ距離の値を50とすると、作成したスケッチラインから50mm内側にボルトが移動します。
    側面1、2のエッジ距離

  2. 側面1の数、側面2の数でボルトの配列を変更してみます。
    側面1、2の数

  3. ボルトの規格ですが、残念ながらずばりJISというのはないので、ISOで代用してみます。
    • 標準:EN ISO4014
    • 直径:24mm
    • アセンブリ:Na2W(ナットと2枚のワッシャー)
      説明を追加

ボルトを作成すると、接合の対象となる鉄骨にも穴があきます。


ところが、構造フレームのファミリによっては、ボルトの長さがおかしくなったり、穴が開かなかったりします。これは構造フレームのファミリの作り方によるものです。次回はこの理由を考えてみます。

2020年11月15日日曜日

鉄骨タブ(3)

構造接合のサブカテゴリ

構造接合を作成・編集する前にビューの表示状態をチェックしておきましょう。

  1. 表示タブ>グラフィックスパネル>表示/グラフィックス
  2. モデルカテゴリタブのフィルタリストで構造に☑が入っていることを確認する。
  3. 構造接合を展開し、すべてのサブカテゴリにチェックを入れる。
    構造接合のサブカテゴリを全て表示する
これらのサブカテゴリは、フィルタリストが構造の時だけ表示されるものがたくさんあります。
建築のみ☑した場合は隠線処理しかない

鉄骨接合の編集のためにはすべて必要ですので、常に表示するようにしてください。

貫通

貫通は鉄骨フレームに他の構造フレームの貫通孔を作成するツールです。

使い方

たとえば、次の図のような構造フレームが交差しているような状況を想定して、使い方を説明します。

  1. 鉄骨タブ>パラメトリックの切断パネル>貫通
  2. CTRLキーを押しながら二つの構造フレームを選択(交差選択でもOK)して、ENTERキーを押す。
    • この結果次の図のようになります。
    • ●が主材、つまり穴が開けられる側の部材、②が貫通する部材です。もし、反対になっていたら②の下の●をクリックして●と②を入れ替えます。

  3. 接合パネル>パラメータを修正で以下の項目を変更してみる
    • 溶接のチェックを外す-----構造接合のボックスを表示するため
    • 短縮を作成のチェックを外す----主材を切断しないため

  4. さらに以下の操作を行って振る舞いを確認する
    • ギャップの値:20
    • 等高線の形状:標準
    • コーナーの切り取り:面取り
    • コーナーのサイズ:50

「等高線」は英語バージョンでは「Contour」となっています。「輪郭」と訳すべきところを文脈を無視して一律に「等高線」と訳してしまっていますね・・・。

溶接にチェックを入れた場合、パラメータの編集するには溶接記号(+)を選択してください。
溶接記号

切り取り

T字型に交差した鉄骨の切り欠き部分を作成します。次の図のような状況で

  1. 鉄骨タブ>パラメトリックの切断パネル>切り取り
  2. 二つの鉄骨を選択してENTER

  3. 接合パネル>パラメータを修正でパラメータを変更して振る舞いを確認してください。