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2025年4月27日日曜日

建築工事標準詳細図(2-01)

内外装タイル

建築工事標準詳細図の2-01は壁仕上のうちタイルについて、標準的なおさまりの詳細が記載してあります。今回はタイルの壁タイプを作成してみました。

2-01 壁:仕上げ:内外装タイル

 サンプルプロジェクトのダウンロードはこちら

今回留意した点は以下の点です

  • 壁タイプのレイヤの構成
  • 誘発目地と伸縮目地

壁のレイヤについて

壁のレイヤは、原則として次の要素に分けてみました。

  1. タイル+張付けモルタルや接着剤
  2. 下張り(GB-S、GB-SのGL工法、モルタル下塗りなど)
  3. 躯体とふかし

それぞれのレイヤにマテリアルを作成して設定しています。マテリアルの外観アセットは「内装タイル100x50馬目地」「外装タイル100x50馬目地」「外装タイル100x100芋目地」で統一しています。詳細はマテリアルエディタで各マテリアルをご確認ください。マテリアルクラスは「外装タイル」「内装タイル」です。

三種類の外観アセットを使用

床同様にタイプ名は詳細番号とタイトル名とし、タイプパラメータ「説明」に詳細番号の部分を除いた名称を設定し、マルチカテゴリタグで表示しています。

タイププロパティ「説明」を活用


目地

伸縮調整目地とひび割れ誘発目地については壁スイープを使用しました。それぞれにプロファイルを作成して壁スイープタイプとしました。サブカテゴリはどちらも「目地」としています。タイプパラメータ「壁の欠込み」をオンにしているため、壁を切り欠きます。オフにすれば壁は切り欠かれないので、尺度によってはサブカテゴリ「壁/目地」をオフにして表示を調整してもいいでしょう。

壁のサブカテゴリ「幅木」をオフにすると壁が欠き込まれているのがわかる

タイプパラメータ「挿入による切断」をオフにしているので、開口部にかかる場合は、開口部と交差している部分が切り取られます。

窓やドアの開口部では壁スイープが切り欠かれる

またタイプパラメータ「説明」に簡単な名称を設定し、マルチカテゴリタグで表記しています。壁スイープはプロジェクト標準の転送で他のプロジェクトにプロファイルごと転送できます。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください

2025年4月20日日曜日

建築工事標準詳細図(1-31)

屋内防水
屋内防水のサンプル

屋内防水のサンプルを作成してみました。作成したのは

  • 壁と重ね壁のタイプ
  • 床タイプ
  • 吹き出し(詳細図)

などです。今回はモデリングだけではなく、吹き出しの使い方についても参考にしていただけると幸いです。

サンプルファイルのダウンロードはこちらから

重ね壁は便利

防水層の立ち上がりはH=300までです。そこで、H=300 を境に上下で壁タイプを作成し、重ね壁の構成壁タイプに取り込みました。重ね壁にすることで、防水立上りの壁の高さを変更しやすくしています。

防水立上りの部分と上部で重ね壁に

壁厚が一定ならば領域分割も一手

1-31-1のように、防水立上り部分と上部の壁で厚さが変わらないような壁であれば、重ね壁ではなく標準壁として作成することもできます。プロジェクトの壁タイプには「1-31-1 屋内防水(アスファルト防水)」というタイプがあります。この構造を見てみると次のように領域を分割・結合・レイヤを割り当てして作成していることがわかります。

領域を分割・結合しレイヤを割り当てる

ただし立ち上がりの高さ(ここではH=300)については、重ね壁同様にタイプを分ける必要はあります。

吹き出しには2種類ある

今回も詳細は別途詳細ビューを作っていますが、いままでの製図ビューではなく、詳細ビューで作成しています。1-01と1-02、1-21ではレベル1のビューの吹き出しタグに「参考」のマークが入っています。

吹き出しタグには「参考」の文字がある

これは「モデルとは直接関係のない製図ビューを参考にしている」という意味で「参照ラベル」と呼ばれるものです。なお参照ラベルは自由に変更できるのでリンクをクリックしてヘルプをご確認ください。

吹き出しの点線の部分を選択しリボンの修正|ビュータブの参照パネルを見てください。ここで参照する製図ビューを変更することができます。

参照する製図ビューは変更できる

このようにして、一つの製図ビューを複数個所(平面でも断面でも)に割り当てることができます。

一方、断面ビュー「1-31-1~3 屋内防水」を表示してみると、同様の吹き出しが配置されています。

一見同じような吹き出しだが・・・

吹き出しの点線部分を選択しても、修正|ビュータブ>参照パネル で参照先のビューを変更することはできません。

参照先は変更できない

同じ吹き出しでも、このビューは詳細ビューというシステムファミリで、モデルベースのビューになります。

モデル表示

1-31-1の吹き出しを選択し、右クリックしてビューに移動を選択します。一見、製図ビューと同様に塗り潰し領域や詳細線分などで詳細図が書かれていますが、ビュープロパティのモデル表示を確認してください。

モデル表示を確認

値が「表示しない」に設定されています。

表示/グラフィックスの上書きを使って、詳細項目カテゴリを非表示にしてみてください。次のような図になるはずです。

詳細項目を非表示にすると…

モデル表示をハーフトーンまたは表示にしてみてください。断面ビューの吹き出しが囲んでいた部分のモデルが表示されます。

モデルが表示される
詳細ビューではこのようにモデルを「下敷き」として、より詳細な情報を詳細項目、詳細線分などで上書きして、最後にモデル表示を「表示しない」とすることでディテールを作り込みます。
モデルを非表示
このようにモデルは表示されていないとはいえ、モデルの断面には違いないので参照先を変更することはできないのです。

1-31-2 屋内防水(塗膜防水)と1-31-3 屋内防水(合成高分子系ルーフィングシート防水屋内保護密着工法)の詳細ビューは、ラスを除いて詳細項目は使用せず直接モデルを表示しています。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください

2025年4月13日日曜日

建築工事標準詳細図(1-21)

トラフのサンプルを作ってみた

サンプルファイルのダウンロードはこちら

建築工事標準詳細図の1-21のタイトルは「トラフ」つまり屋内側溝です。

1-21 トラフ

どの範囲をファミリにしようかと考えたのですが、側溝自体は床と壁で作るのが妥当だと思われたので、W150mmの床と壁でまず溝を作りました。壁を上下の床にアタッチすると作りやすいです。

床と壁で側溝を作成

蓋はしま鋼板やグレーチングなどがありますが、受枠まではモデリングせず、受枠を含む範囲で蓋を作成し、床ホストのファミリとしました。カテゴリは造作工事を使用しています。

床と同面になるように配置時に床を切り取るようになっています。床ホストなので外構のU字側溝の蓋には使えませんが、確実に床面に固定することができます。

それに、隠線表示の機能を使えば、溝幅を隠線で表示することができます。

隠線表示でふた→床の順でクリックし、隠線を表示

そして例によって、受枠や取付方法などの詳細は製図ビューに任せることにしました。

詳細は製図ビューで

ご利用上の注意

ファミリや製図ビューは自由にご利用いただいて構いませんが、何かあっても一切責任は取りかねますので、そこらへんはご承知おきの上で自己責任でよろしくお願いします。

2025年4月6日日曜日

建築工事標準詳細図(1-01)

床のサンプルを作ってみた

国道交通省官庁営繕が発行している「建築工事標準詳細図(2)」には、床や壁のおさまり詳細図が多数掲載されています。これをRevitでモデリングするとどうなるのか、ということで、利用規約上、複製などは自由にできるようなので、サンプルモデルを作成してみました。

サンプルモデル:床

ダウンロードはこちらから

とりあえず「1-01-1」「1-01-2」について

  • モデル
  • 製図ビュー
  • シート

を作成してみました。

作成条件

  • Revitバージョン:2024
  • 使用したテンプレート:標準添付の建築テンプレートを基準に一部改良
  • 文字フォントとサイズ:原則としてMS UI GOTHIC で1.5mm

作成上留意した点

「Revitは製造モデルを作るためのソフトではない」ということを念頭に、計画段階で使いやすいモデルを考えてみました。なかなかさじ加減が難しいのですが考慮したのは以下のポイントです。
  • モデルはあまり詳細になりすぎないよう、かつおさまりは検討できるように粒度を決めてあります。
  • モデルは1/50程度であとは吹き出し&製図ビューで詳細を表示するようにしています。
  • 製図ビューのスケールはA3使用を前提に1/10(建築工事標準詳細図は1/5)で作成してあります。
  • 新たなパラメータは追加せず、説明やコメントなどのシステムパラメータを使用するようにしています。
  • マテリアルはオートデスクマテリアルライブラリのみで作成しています。
  • その他、Revitの基本機能の使い方の参考になるよう心がけています。

使い方

モデル

モデルはコピペで

サンプルプロジェクトをダウンロードして開き、目的の床を選択しコピー&ペーストで自分のプロジェクトに張り付けてください。点字ブロックなどのファミリも自由にご利用ください。

製図ビュー

製図ビューはビュー挿入で

  1. 挿入タブ>ライブラリからロードパネル>ファイル挿入▼>ビュー挿入
  2. ダウンロードしたサンプルプロジェクトを指定して必要な製図ビューをロードしてください。
    製図ビューとモデルはペアで使うとよい

シート

  • シートのサイズはA3です。
  • シートには各製図ビューの詳細番号を指定して配置しました。
  • タイトルに表示されているのは各製図ビューの「シートのタイトル」パラメータです。
    シート

今後順次モデル化を進めてみようと考えております。