2026年9月27日日曜日

『シンプル・確実な』Revitモデルの作り方(2)

【第2回】Revit標準テンプレートで十分

「Revitで綺麗な図面を描くには、テンプレートをガッツリ作り込まないとダメだ」と思っていませんか?実は、Revitに標準添付されている「建築テンプレート」のままでも、素直に機能を使いこなせば十分に美しく、見やすい図面が作成できます。データをダウンロードしてチェックしてみてください。

データのダウンロードはこちらから(ver2026・前回から少し修正しています)

標準機能を素直に使うコツ

  • 基本の見た目調整
    • 文字スタイル、オブジェクトスタイル、線種をちょっと整えるだけで、図面の品格は劇的に上がります。
  • 「ビューフィルタ依存」からの脱却
    • 図面作成で最も迷宮化しやすいのが、ビューフィルタの乱用です。「この要素、なぜこのビューで消えているの?」という原因不明のストレスは、ほとんどの場合過剰なフィルタ設定が原因です。

特殊なルールで要素を隠すのをやめ、Revitの標準的な表示制御(表示/グラフィックスやフェーズなど)に素直に従うことで、「誰もが仕組みを理解できる安心なモデル」へと生まれ変わります。

基本の見た目調整

文字タイプは文字サイズとフォント選びが重要です。まずA1出力前提として文字のサイズは2.5mmと2.0mmに、フォントは歴史と伝統のMS UI GOTHICを使用しています。少々古臭いのですが、Forgeも標準で対応しているMS UI GOTHICは超無難な選択です。

建築テンプレートの線種パターンは見分けがつきやすいのでそのまま採用していますが、少し引き締めた線種(1TS01~3HA04)を導入しています。

オブジェクトスタイルはで修正したのは、床・壁・天井・屋根の切断の太さです。線の太さは1,2,3を使うこととして、基本的には投影は1、ホスト要素の断面は3としています。

ビューフィルタ依存からの脱却

ビューの表現に「上書きの優先度」で述べたように、いろいろな段階があります。特にビューフィルタはRevitらしい機能なのですが、かえってわかりにくさを助長している面も否めません。

ビューフィルタは「サンプル意匠」から大幅に削減しています。原則として線の表現はオブジェクトスタイルで、カテゴリの表示非表示は表示グラフィックスで制御することとし、だれでも理解しやすいビューを作ることを心がけています。

平面図のビューフィルタは1つだけ

各図面について

各図(ビュー)の見どころについて説明します。

内部仕上表
集計キーを使った内部仕上表

集計キーの機能を使っています。作り方は「ゆるめの仕上表チュートリアル」の通りですが、使用しているパラメータは組み込みパラメータの
  • 部署
  • 仕上 床
  • 仕上 幅木
  • 仕上 壁
  • 仕上 天井
を使っています。下地と仕上は一つのパラメータにまとめています。値の入力方法については「複数行の入力」を参考にしてください。

外部仕上表
外部仕上表

組み込みパラメータの
  • マーク(タイプ)
  • コメント(タイプ)
  • 説明
を使用しています。作り方は「外部仕上表と立面図」をご覧ください。この情報は平面図などほかの図にもタグで表記していますので探してみてください。

平面図・立面図・断面図
平面図
立面図

断面図

  • 床壁天井のタイプ
    • タイプはまだ計画段階なので、原則として外壁200mm、内壁100mmのできるだけ簡素なタイプ分けにしています。
    • 二重壁などの詳細化は次の段階とし、まずは変更のしやすさ、作業性の良さを重視しています。
  • 壁・床の表現
    • 詳細レベルは「簡略」で尺度は「1:100」です。「サンプル意匠」のような床壁天井の黒塗り潰しはせず、それぞれのタイプの「簡略ハッチカラー」「簡略ハッチパターン」を使って、RC、押出成形版、区画壁の見分けがつくようにしています。
  • 図中の注釈
    • マルチカテゴリタグで、タイプパラメータ「説明」や「コメント(タイプ)」を表示しています。これにより各ビューで一貫した情報表示が可能になります。
  • 天井表現
    • 天井段差や庇のラインはラインワークで表示しています。手法については「天井のラインを平面図に表示するには?」を参考にしてください。
    • ブラインドボックスや天井点検口は造作工事のカテゴリです。造作工事はビュー範囲に含まれていれば切断線より上にあっても表示されるので、ビューのグラフィックを上書き>要素別で線種パターンをオーバーヘッド、透過度100%としています。
      ブラインドボックスの表示は要素で上書きしている

  • たくさんの断面
    • 断面は各スパンに1つ以上の断面ビューを作成しています。きれいな図面を作るにはきれいなモデルが必要です。断面ビューをたくさん図面として作ることで、モデルの隅々まで気を配ることができます。

天井伏図
天井伏図

  • 天井仕上
    • 天井仕上は組み込みパラメータ「仕上 天井」をタグで表示しています。こうすることでモデルとプロパティの内容の整合性をチェックしやすくなります。
    • 軒の仕上は外部仕上表にも使用したコメントと説明を使用しています。
  • 天井高
    • 指定点高さで実際の天井のレベルを表示しています。

建具表
建具表

  • ドア・窓については枠のファミリにパネルの共有ファミリをネストする方法で作成しています。ファミリの詳しい作り方や使い方についてはデータとともに次の機会に説明しますのでしばらくお待ちください。
  • 法の記号はBIM図面審査における確認申請図書表現標準初版のP2~の「文字記号」を使用しています。今後タグとして図中に表示できるように共有パラメータとしています。
  • カーテンウォールの建具表は「カーテンウォールの建具表」の方法を使っています。

面積関連
延床面積の集計表

  • BIM図面審査における確認申請図書表現標準初版のP13に従い、根拠式は採用せず各辺の長さを寸法で記入しています。
  • 延床面積の集計表では「集計表~用途別面積表」で紹介した方法を使っています。

2026年9月20日日曜日

『シンプル・確実な』Revitモデルの作り方(1)

【第1回】脱・迷宮化!モデルの「断捨離」

計画段階のBIMモデルを作成していて、こんなストレスを感じたことはありませんか?

  • 重くて動かない
    • 初期段階なのに細かく作り込みすぎてデータが肥大化している
  • 修正が手間すぎる
    • 独自の共有パラメータや設定が複雑で、どこを触ればいいか迷う
  • データが合わない
    •  図面の文字とプロパティの値がズレてしまう

近年のBIMは、最初からモデルもプロパティも細かく作り込みすぎる「過剰表現」に陥りがちだと感じています。これがデータの迷宮化を招く一因となっています。

しかし、Revitは製造用の詳細モデルを作るためだけのツールではなく、計画段階で本当に必要なのも、細部まで作り込まれたリアルな3D形状ではないはずです。

そこで今一度初心に立ち返り、モデルとパラメータの「断捨離」を実行してみることにしました。つまり次の3つを切り離したモデルを作ってみよう、と思い立ちました。
  • 過剰な3D形状(幾何ディテール)
  • 乱立する共有パラメータ
  • 「図面に文字を直書きする」習慣

手書き時代はどうだったか

昔の手書き図面を思い出してみました。


線数は少なくシンプルですが、必要な情報が美しく整い、変更にも柔軟に対応できていました。

「データは厳格に、形状はシンプルに」

これこそが、AIやクラウド(Forma等)と連携するこれからの時代に求められるBIMのひとつの姿ではないでしょうか。図面はモデルデータを可視化した「結果(ビュー)」に過ぎません。過剰な幾何形状を追うのを一度やめて、正しくプロパティを管理することに注力してみる。

そんな試みとして、Revit標準添付の「サンプル意匠.rvt」を、この思想のもとでゼロからモデリングし直してみました。

サンプルモデルの無料配布(Revit 2026版)

サンプル意匠.rvtを再構築

このモデルは特別なアドオンアプリを一切使わず、Revitの「標準機能のみ」で作成しています。使用したテンプレートも、標準添付の「建築テンプレート」そのものです。もちろんファミリもシンプルであることを第一として私が新たに作成したので自由にコピーしていただいてかまいません。

形状はシンプルに保つ

私自身、試行錯誤を重ねる中で「Revitが本来持っているソフトウェアの設計思想に素直に従い、我流のルールや過剰な作り込みを排除するだけで、BIMはこんなにも軽快で快適になるのか」と驚きました。

まだまだ模索中ではありますが、ビュー、集計表、シートなど、Revit本来の趣旨に沿って丁寧に作成したつもりです。まずはデータをお手元にダウンロードいただき、モデルを自由に触ってみていただければ幸いです。今後改定を進めていく予定です。

[ 📥 サンプルモデル(Revit 2026)をダウンロードする ]

リンクをクリックし、右上の[ダウンロード]ボタンでデータをダウンロードできます。



この「脱・迷宮化」を実現するための具体的なノウハウを全4回でお届けします。次回からは、このサンプルデータ内の具体的な工夫や見どころ(図面表現・ファミリ・パラメータの扱い方)を順番に解説していきます。

2026年9月13日日曜日

土量計算について

地形ソリッドで土量計算

地形ソリッドで土量計算をする手順を紹介します。地盤の時と基本の考え方は同じで

  • 同じ外形線
  • 隣り合うフェーズ

の二つの原則をまもれば、地盤同様に土量を計算できます。

既存地盤の作成

では建築テンプレートを使ってその手順を確認してみましょう。

  1. 建築テンプレートで新規プロジェクトを開始
  2. ビュー>平面図>設計GLを開き、20m四方の地形ソリッドを作成する
  3. 地形ソリッドのプロパティで次のように設定する
    • 名前:既存地盤
    • 構築フェーズ:既設
    • 解体フェーズ:新設

本来はサブ領域を編集して既存の地形を作成しますが、土量計算の仕組みを確認するだけなので何もしなくても構いません。

構築フェーズ=既設、解体フェーズ=新しい建設

計画地盤の作成

  1. 作成した既存地盤を選択してCTRL+Cでクリップボードにコピー
  2. 修正タブ>クリップボードパネル>貼り付け▼>同じ位置に位置合わせ
  3. プロパティを次のように設定する
    1. 名前:計画地盤
    2. 構築フェーズ:新しい建設
    3. 解体フェース:なし
  4. サブ要素を修正を押して、すぐに修正を押します。
この時点ですでに切土盛土の計算ができています。
切土盛土の値が表示される

あとはこの計画地盤をサブ要素を編集したり、サブ区画や掘削、切り取りなどのコマンドを使って加工していくと、盛土切土の数値が変化していきます。
計画地盤を加工することで土量が算出される
Revit2027ではその地盤を何が何㎥切り取っているかを示す、個々の要素の掘削量も示せるようになっています。


2026年8月30日日曜日

埋もれる白線

白線が地形ソリッドにめり込む原因

地形ソリッドに勾配を付けて駐車スペースのファミリを配置すると下の図のように床にめり込んだ状態になる場合があります。

地形ソリッドにめり込んだ駐車スペース

2つのポイントを押さえればめり込まずに配置することができます。

  • ファミリ:「常に垂直」をOFF
  • 地形ソリッド:十分な平坦面を確保する

常に垂直をオフ

ファミリプロパティ「常に垂直」をオンにすると、ファミリがホストされる面の勾配に関係なく、常に垂直に配置されるようになります。

オフにすると、ホストされる面の勾配なりに配置されます。

ファミリプロパティ「常に垂直」

駐車場の白線ファミリは「常に垂直」をオフにするとよいでしょう。するとファミリを配置するときにクリックした面に配置されます。

十分な平坦面を確保

それでもまだ、埋もれていたたり、浮いていたりすることもあります。

常に垂直をオフにするだけでは不十分

床や地形ソリッドなどに勾配を付けた場合、上面がいくつかの平面に分割されます。ファミリはクリックした面に配置されるため、その面には白線ファミリをホストするに十分な広さが必要です。

駐車スペースを配置する部分に十分な「平坦面」を確保します。勾配を付けるにしても地形ソリッドのサブ要素を編集し、駐車場ファミリを配置する部分に平坦な勾配面を作成しましょう。

平坦な勾配面を構成したうえでファミリを配置する

2026年8月23日日曜日

変圧器(MEP)

変圧器の役割

Revitの電気設備カテゴリにはいくつかのパーツタイプがあります。そしてその役割をまとめると次の表のようになります。

パーツタイプ主な役割
分電盤分岐回路へ電力を供給
配電盤より上位の配電設備
変圧器一次側→二次側へ電圧変換
設備スイッチ負荷機器への給電を開閉・遮断
他のパネル上記に当てはまらないパネル系設備

このうち変圧器の役割には注意が必要です。基本的には「電圧を変換するが、回路構成そのものを自由に変換する装置ではない」ととらえると理解しやすいです。

一次側と二次側

Revitの変圧器をプロジェクトに配置すると、インスタンスパラメータに「配電システム」と「2次配電システム」を選択できます。キュービクル内での高圧受電盤から低圧電灯盤への変圧器を考えると

1次側:三相3線 6600 V → 2次側:単相3線 200/100 V

という構成にしたいところですが、Revitの変圧器ではこのような極数(電圧線の数)の異なる配電システムの変換はできません。

三相3線6600 V から相3線200/100 Vへの変換はできない

現実には

高圧受電盤(三相3線6600V)→変圧器→低圧配電盤(単相3線200/100V)

ののような変圧器構成を考えることができますが、Revitが内部で「一次側の3本の線を、この巻線によって二次側のL1-N-L2に変換した」と電気工学的にシミュレーションしているわけではありません。

Revitの変圧器を理解するうえでは、「現実の変圧器を再現している」と考えるより、

「極数(Poles)は維持したまま、電圧だけを一次側→二次側へ変換する機器」

くらいに考えるのがよさそうです。

ですから、3相3線6600V(極数3)から変換できる配電システムは

  • 三相4線 240/415V(極数3)
  • 三相3線 400V(極数3)
  • 三相3線 200V(極数3)

などです。

三相3線6600Vから三相4線240/415Vの例

ではどうするのか?

ではキュービクル内で行っているような、

高圧受電盤(三相3線6600V)→変圧器→低圧配電盤(単相3線200/100V)

のような場合はどうすればいいでしょうか。Revitで回路が接続できるかどうかは

  • 電圧は整合しているか?
  • 極数は整合しているか?

という判断になりますので、変圧器では

一次側:三相3線6600V→二次側:三相3線200Vに設定し、

三相3線から三相3線へ。電圧のみ変換。

変圧器から供給される電圧線(極)2本を使って、単相3線200/100Vを接続することになります。

三相三線200Vに単相三線200/100Vを接続できる

低圧電灯盤(パーツタイプ配電盤)の電圧を200V、極数を2に設定すれば変圧器の二次側から出力される三相三線200Vに対して、極数、電圧ともに整合しているので接続可能というわけです。

実際の電気工学的なふるまいはさておき、Revitでキュービクルを再現するとすれば次のような構成になるでしょう。

キュービクルの中

システムブラウザ

2026年8月15日土曜日

Vulkanへの対応

Revit2027.2 新機能

Revit2027.2で グラフィック描画機能にちょっと注目すべき改善が入りました。Vulkanの採用です。


Autodesk Revit 2027 ヘルプ | アクセラレーテッド ビュー用の Vulkan ベースのグラフィックス エンジン オプション | Autodesk

いままで描画はOpenGLが使用されてきましたが、ここにきてAutodeskもOpenGLの限界とRevitモデルの巨大化を見据えて、Vulkanへの対応を始めたというところではないでしょうか?

Vulkanって何?

簡単に言うと、Vulkan(バルカン) は OpenGL の後継とも言える、高性能な3DグラフィックスAPIです。

これまで Revit の一部のグラフィックス処理では OpenGL が利用されていました。OpenGLは1992年に登場した非常に歴史の長い規格で、CADやシミュレーションなどで30年以上使われてきました。しかし

  • CPUへの負荷が大きい
  • マルチコアCPUを十分活用できない
  • GPU性能を引き出しにくい

という課題があります。

Vulkanは2016年に公開された次世代のグラフィックスAPIです。OpenGLを策定していた Khronos Group が開発したもので、OpenGLの欠点を改善しています。

特徴は

  • CPU負荷が小さい
  • GPUを直接効率よく制御できる
  • マルチスレッド対応
  • 高速描画
  • 大規模モデルに強い

という点です。Vulkanを採用することで、

  • モデル回転
  • パン
  • ズーム
  • 断面更新

などが滑らかになることが期待されます。要するに、

高性能価なグラボの恩恵を享受できるようになる可能性がある

ということです。画面更新をGPUに負担させることでCPUへの負荷を下げて、より効率的なデータ処理がなされるようになるはずです。

Vulkanを有効にするには?

現時点ではVulkanに関する特別なユーザーインターフェイスはなく、Revit.iniを直接修正するしかありません。といっても簡単なものです。

Revit.iniをみつけよう

Revit.iniはAppDataフォルダにあります。以下の一文をエクスプローラのアドレスバーに張り付ければすぐに見つかります。(一度はRevit2027を起動する必要があります。)

%APPDATA%\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2027

このフォルダ内のRevit.ini(拡張子が表示されていない場合は種類が「構成設定」になっているRevitという名前のファイルです)をメモ帳で編集するのですが、念のためにコピーを取っておきましょう。

Revit.iniをメモ帳で開き、[Graphics]セクションを検索します。そして[Graphics]セクションに

EnableAcceleratedRevitGraphicsVulkan = 1

の1行を追加します。
Revit.iniに追記

そして上書き保存し、Revit2027を起動します。

機能しているか確認

Revitを起動したら、何らかのファイルを開き3Dビューを表示し、アクセラレーテッドグラフィックスをオンにします。
3Dビューを開き、アクセラレーテッドグラフィックスをオンにする

そしてジャーナルファイルを確認しましょう。ジャーナルファイルは次の位置にあります。これもこの文字列をエクスプローラのアドレスバーに張り付けて移動してください。

%LOCALAPPDATA%\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2027\Journals

そして日付で降順に並べ替えて、最新のジャーナルファイルをメモ帳で開きます。次のような文が見つかればVulkanが機能している証拠です。

0:< ARG Configuration:
0:< Mode: Vulkan Hardware
0:<Hardware Acceleration: ON
ジャーナルファイルを確認しよう

Vulkanへの対応からみえること

Revitはざっくりいうと「計算70%、描画30%」のソフトです。Vulkanを採用することで主に描画部分が高性能化されるので、全体としては体感できるほどの効果は得られにくいかもしれません。
しかしながら、このVulkanへの対応はAutodeskがまだRevitのベース機能の改善をあきらめたわけではない、という姿勢を示していると私は考えています。Vulkanへの対応と一口で言っても簡単なことではありません。多くのリソースを割いてVulkanへの対応を始めた、という事実が重要で、将来はよりサクサク動くRevitが実現するかもしれません。

2026年8月8日土曜日

例によるタグ付け

Revit2027.2新機能

Revit2027が 2027.2にバージョンアップされて「例によるタグ付け」というとても便利な機能が実装されましたので紹介します。

手順1:お手本を作る

「例による」というぐらいなので、お手本となるようなタグを配置します。いくつでも構いません。次の図はサンプル構造.rvtの伏図で、符号とレベルの二つのタグを配置した例です。

"符号"を表示するタグと"レベル"を表示するタグ

これをお手本として他の構造フレームにもタグを作成します。

手順2:お手本を選択する

注釈タブ>タグパネル>タグ▼>例によるタグ付け

例によるタグ付け

「お手本」として作成した2つのタグを選択して"ENTER"

手順3:タグ付けする要素を選択する

お手本同様にタグ付けをする要素を選択します。CTRLキーで追加、SHIFTキーで除外できます。

お手本(黒表示)に倣って、選択した要素にタグ(緑色)が作成されます。CTRLキーを押しながらクリックすると追加され、SHIFTキーを押しながら選択すると除外されます。

選択が終了したら、修正|例によるタグ付けタブ>モードパネル>終了 で確定します。


この機能を使えば大幅にタグ付けの手間を削減することができますね!


2026年7月25日土曜日

要素の一致とは?

ルールベースの番号付けのオプション

Revit2027で登場した「ルールベースの番号付け」のオプション項目の一つに「要素の一致」があります。これは

  • 指定した条件が一致したら同じ番号をふる

というオプションです。実際に使ってその働きを見てみます。

ジオメトリの一致

カーテンパネルの「マーク」に番号付けをしてみます。形状が一致しているパネルには同じ番号を振ります。次のようなカーテンウォールを作成し、パネルとしてシステムパネル:ガラスを割り当てました。

すべて「システムパネル:ガラス」

まず、カーテンパネルを選択するフィルタを作成し、番号付けパラメータに「マーク」を指定します。


この時点では次のようになります。

全てのカーテンパネルに異なる番号


次に、要素の一致の[編集]ボタンをクリックし、一致(要素ジオメトリ値別)にチェックを入れます。
要素(ジオメトリ別)に✔

するとジオメトリ(幾何学図形)の形状が一致しているカーテンパネルには同じ番号が振られます。

形状が一致している要素には同じ番号が振られる

パラメータの一致

一部のパネルを選択して、システムパネル:ガラスを複製した、システムパネル:ガラス2に変更しても、聞か形状が一致していれば番号は変わりません。

ハイライトされたパネルが「システムパネル:ガラス2」

そこで一致条件にタイプパラメータの値を追加してみます。番号付けオプションダイアログボックスで要素の一致の編集ボタンをクリックします。

一致(パラメータ値別)にチェックを入れて、ファミリとタイプを追加します。

ファミリとタイプを条件に追加

すると、タイプの異なる2要素は異なる番号が振られます。

タイプが異なれば形状が同じでも異なる番号が振られる

2026年7月18日土曜日

ルールベースの番号付け

ルールベースの番号付けの基礎

Revit2027で導入された「ルールベースの番号付け」の機能を使ってみましょう。少々めんどくさそうに見えますが、コンセプトを理解すればいろいろと応用が考えられます。基本的な手順は

  1. 番号付け対象の絞り込み)
  2. パーティショニング(番号のグルーピング)
  3. 書式設定
  4. 実行

という流れです。

例:部屋の番号をレベルごとに設定する

サンプル意匠を使って、部屋番号をレベルごとに設定してみましょう。

手順1:番号付け対象の絞り込み(フィルタの作成)

番号付けする対象を絞り込むためのフィルタを作成します。対象は部屋のカテゴリで配置されているものだけ、つまり面積>0㎡とします。

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. [+]ボタンをクリックして、ルールの名前を設定します。ここでは「部屋番号」とします。
    ルールの名前を設定

  3. 番号付けルール>スコープ>フィルタの[フィルタ]ボタンをクリック
  4. 名前:部屋、カテゴリ:部屋、規則:面積が0より大きい でフィルタを作成しOK。
    フィルタを作成

  5. フィルタで作成した「部屋」を選択
  6. 番号付けパラメータで「番号」を選択。これにより、作成した番号が部屋のインスタンスパラメータ「番号」に設定されます。
    フィルタと番号付けパラメータの設定

手順2:パーティショニング

パーティショニングとは番号付けのグループです。今回はレベルごとに番号をリセットする、つまり1FLは101~、2FLは201~、というようにレベルごとに番号を振りなおすので、パーティショニングの基準として「レベル」を指定します。
パーティショニングの設定

手順3:書式設定

1FLで101~ということは「数字で3桁」に設定します。
書式の設定

手順4:実行

設定が完了したので、番号付けを実行しますが、パーティショニングを設定したので、[適用}→[パーティショニングの番号設定]→[OK]のステップで行います。
  1. [適用]ボタンを押します。ボタンを押す直前まで[番号付け順序]のボタンが非アクティブであることを確認してください。
    適用をクリック

  2. [番号付け順序]ボタンがアクティブになりますのでクリックします。
  3. レベル1の開始値を101に、レベル2の開始値を201に設定してOK。
    各パーティションの開始値を設定

  4. OK
これで各レベルごとに部屋の番号が設定されます。

番号付け

番号付けは常駐型である

このルールベースの番号付けは単に番号付けして終り、というものではなく常駐型の機能であり、要素の追加、削除に応じて番号を設定します。(だから注釈タブではなく管理タブにあるのです。)

要素の追加

次のように部屋を追加すると、動的に部屋番号が設定されます。

追加した部屋に番号が設定される

要素の削除

部屋を削除すると、欠番になります。

部屋を削除すると欠番が発生する

欠番の解消

欠番はRevitでは「ギャップ」と呼んでいます。これをリナンバーすることもできます。

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. テンプレートリストから「部屋番号」を選択し、[番号付け順序]のボタンをクリック。
    • [使用中]の番号の中に「*」が付いたパーティションはギャップ(=欠番)があることを示しています。
      *は欠番があることを示している

  3. ギャップありのパーティションをクリックし、[ギャップを削除]ボタンをクリック

  4. OK→OKでダイアログボックスを閉じます。
これで欠番以降が繰り上がって、欠番が解消されます。
ギャップ(欠番)が解消される

番号付けの一時解除

ここまで見てきたように、番号付けルールは常駐型です。これを一時的に解除したい場合は・・・

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. テンプレートリストから「部屋番号」を選択し、有効化のチェックを外します。
有効化のチェックを外す