2014年5月17日土曜日

ExcelとRevit(2)~仕上表と平面図では部屋の呼称を変えたいとき

平面図では「廊下(1)」、「廊下(2)」、仕上表では両方「廊下」

Revitは部屋をあつめて仕上表をつくります。確かに理に適ってはいますが、世の中そう理屈通りにはいかないもので、仕上表という一覧性を考えた場合、複数の部屋の情報を一行にまとめる、という行為はたいていの建物の設計行為の中で発生します。この場合は、部屋という要素に「本名」と仕上表用の「ニックネーム」が必要です。そしてほとんどの部屋ではこの「本名」と「ニックネーム」は同じであるため、パラメーターの値をコピーする必要があります。

使用するパラメーターは?

rac_advanced_sample_project.rvtの平面図、01 - Entry Levelを開くと、下側のウィングにInstructionという部屋が4つほどあります。集計表で部屋を集めるとそのほかにも同じ名前の部屋がたくさんあるので、これに通し番号をつけて、仕上表では一行にまとめる、という作業を実践してみましょう。
Revit集計表 同じ名前の部屋に通し番号(1)などを付けた
ます、本名とニックネームに使用するパラメーターですが、共有パラメーターを使ってもいいですが、今回は「コメント」を使います。
  • 本名------------「名前」
  • ニックネーム-----「コメント」
この「名前」パラメーターに格納されている値を「コメント」にコピーします。ここで前回ご紹介したRUTS2014のExcel書出/読込機能を活用します。

Excelへ書出し

RUTSのExcelパネルの「エクスポート拡張版」を起動します。
「部屋」「Instance」を選択し、「コメント」と「名前」を選択しまます。
部屋の名前とコメントをチェック
「名前」、「コメント」の順番で出力します。
名前、コメントの順でOK
エクセルに部屋の一覧が出力されます。
出力されたExcel

Excelでコメントの情報を編集

名前列の値をコメント列にコピーします。
名前をコメントにコピー

次にエクセルの置換機能をつかって、末尾の(1)や(2)を削除します。ワイルドカードを使えば簡単に(1)などの通し番号を削除できます。
検索文字列にワイルドカード「*」を使って空白スペースに置換する
エクセルでは使い慣れた豊富な関数や機能が自在に使えるので、パラメーター値の編集にはもってこいです。
EXCELは様々な機能で値の編集をサポートしてくれる
この値をRUTSの「インポート」を使ってRevitに戻してやりましょう。
Revitに編集後のパラメーターを戻す
集計表の並べ替えを変更し、仕上表の体裁を整えます。並べ替えの基準をコメントとし、各インスタンスの内訳をオフにします。

コメントを並べ替え方法とし、各インスタンスの内訳をオフ
そうすると、複数の部屋を一つの行で表示することができます。
室名の値はコメントを利用している

平面図では部屋の名前をタグに表示

この手法は一つの部屋に二つの名前を付けるという点で、ちょっと問題があるかもしれませんが、エクセルの活用方法の一つとしてご紹介しました。