2021年7月18日日曜日

電気器具ファミリ(3)~ 平衡と不平衡

電力の二種類のコネクタ

電力のコネクタには「平衡」と「不平衡」があります。どちらを選択してもシステムタイプは「電力」なので、回路に接続することができます。これはファミリの性質ごとに決めればよいのであって、特にプロジェクト全体になにか影響を及ぼすようなものではありません。

極数が2または3の時に意味がある

極数が1の時は平衡も不平衡も違いはありません。極数が2以上(といっても2と3しかありませんが)の場合に意味を持ってきます。次の図は単相三線式の配電方式に、コネクタを平行に設定した200Vコンセントと、不平衡に設定した200Vのコンセントを接続している様子です。いずれも極数は2で、二つの電力線を引き出しています。

不平衡と平衡では皮相負荷の設定方法が異なる

コネクタのシステムタイプが「電力-平衡」の場合、コンセントに設定したトータル負荷が、それぞれの極に均等に配分されます。コネクタのプロパティも次の図のように「皮相負荷」のみが利用できます。

平衡+極数2

コネクタのシステムタイプが「電力-不平衡」の場合、各極にそれぞれ皮相負荷の値を設定できます。

不平衡+極数1
同様に極数が3の場合は、次の図のようになり、3つの極それぞれに皮相負荷を設定できるようになります。
極数3の場合

極数が1の場合は、平衡でも不平衡でも、電圧線が1本しかないので、いずれにしても設定できる皮相負荷は一つだけです。

極数が1の場合は、結果としては同じ

設定の効果

平衡、不平衡の設定はどのような効果があるのでしょうか?これは回路を介して分電盤に接続されたときに現れます。

たとえば次のように分電盤にコンセントが接続されていたとします。200Vコンセントは不平衡と平衡に設定されています。

接続例
不平衡のコンセントを10VAと50VAに設定して、1L-2に接続されている状況をパネル集計表を作って確認すると、次のようになります。
P5,6の回路に注目

平衡のコンセントが接続されている回路はP3,4です。設定された60VAの値がA相B相均等に30VAずつ分配されています。一方、不平衡のコンセントの回路はP5,6ですが、A相とB相でそれぞれ10VA、50VAとなり、総負荷がA相80VA、B相120VAでバランスが取れていません。
そこで、200V不平衡コンセントの皮相負荷を30VAずつに割りててみます。すると、パネル集計表は次のようになります。
A相とB相で同じ負荷となった

平衡か、不平衡か?

このように皮相負荷は、相ごとに集計されますので、配電盤で電力の平衡を細かく調整したい場合は不平衡を選択しておくとよいでしょう。どちらを選択しても電力システムとして回路を構成できるので、ファミリの性質や、普段の業務スタイルなどの条件でどちらかに決めるとよいでしょう。

2021年7月11日日曜日

電気器具ファミリ(2)~極数

 コネクタの設定

形状が作成できたら次はコネクタを設定します。ファミリはコネクタを介して回路を経由して盤に接続されます。まずは電気コネクタをファミリに配置します。

コネクタの位置は「参照面」または「フォームの面」の中央に配置することができます。

  1. 3Dビューを表示し、「面」のフォームを選択。
  2. ビューコントロールバーから「要素を非表示」を選択して非表示にする。
    基準面のフォームを非表示にする

  3. コンセントの裏側を表示する。
  4. 作成タブ>コネクタパネル>電気コネクタ
  5. 配置パネル>面を選択し、コンセントの任意の面をクリックしてコネクタを配置する。
    コネクタを配置

電気コネクタのシステムタイプ

作成した電気コネクタを選択し、プロパティウィンドウを確認してください。コネクタのプロパティはシステムタイプによって、内容が変化します。

システムタイプの種類

電気コネクタには次のシステムタイプがあります。
------電力------
電力 - 平衡
電力 - 不平衡
電力 - 平衡を選択した場合のプロパティ

------弱電------
データ
電話
警備
火災報知
ナースコール
監視制御
通信
弱電のシステムタイプを選択した場合

電力系のシステムタイプを選択すると、極数、電圧など電力に関する情報を設定することができますが、弱電系のシステムタイプを選択した場合、システムタイプ以外に設定する項目はありません。
コンセントは電力を消費するので、「電力 - 平衡」または「電力 - 不平衡」を選択します。では「電力 - 平衡」と「電力 - 不平衡」は何が異なるのでしょうか?そのためにはまず極数について理解しておく必要があります。

極数とは

極数とは、このファミリが配電システムから引き出す電圧線の数、つまり電極数を示しています。極数はファミリが必要とする電圧と接続先の配電システムによって決まります。

単相2線式 100Vに接続する場合(100V=極数1)

単相2線式100Vの場合、電圧線を1本取り出せば100Vの電力を得ることができます。したがって極数は1となります。
単相二線式 100Vから100Vを取り出す


単相2線式 200Vに接続する場合(200V=極数1)

単相二線式200Vから200Vを取り出す場合は、引き出す電圧線は1本ですので極数は1です。
単相二線式 200V から200Vを取り出す

単相3線式 100/200Vに接続する場合(100V=極数1、200V=極数2)

次の図では単相三線100/200Vの配電システムに、コンセントを接続し100Vと200Vを取り出してます。
単相三線式から200Vと100Vを取り出す
200Vの電圧と取り出すためには、2本の電圧線に接続する必要があるので、極数は2です。また100Vの電圧と取り出すには、1本の電圧線に接続するので、極数は1です。

三相3線式 200Vに接続する場合(200V=極数2)

三相三線200Vの場合は、3本すべてが電圧線で、どの2つの組み合わせも200Vですので、これも200Vの場合は極数は2です。
三相三線から200Vを取り出す場合

三相4線式 240/415Vに接続する場合(200V=極数1)

三相四線240V/415Vの配電方式から、200Vを取り出す場合は、引き出す電圧線は1本だけでよいので極数は1となります。極数は1、2、3が設定可能です。この配電方式の場合、400Vを取り出す場合、極数が3となります。
三相4線から200Vと400Vを取り出す

このように同じ200Vの電圧でも、接続する配電方式(Revitでは配電システム)により、極数は異なります。一方100Vの場合はいずれの配電方式でも極数は1となります。

次回は、平衡と不平衡の違いについてです。

2021年6月27日日曜日

電気器具ファミリ(1)

コンセントをつくる

MEPの電気器具カテゴリでコンセントのファミリを作成してみます。MEPの電気分野の機能はなかなかよくできているのですが、ドキュメント化されていないことが多いので、コンセントのファミリを作成しながら理解を深めていきましょう。

コンセントファミリを作る手順は大筋次のような流れになります。

  1. モデルの作成
  2. コネクタの設定
  3. 電気記号の設定
  4. モデルと記号の表示設定
ひとつずつ進めていきましょう。

目標

今回は、次の図のような基本的なコンセントを作成してみます。
コンセントのファミリをつくる

寸法は次の図を参考にします。
参考図

ファミリの配置方法

ファミリテンプレートを選択する時重要なことは「ファミリの配置方法」です。Revitのファミリには次の配置方法があります。
  1. OneLevelBased
    家具のように、1点をクリックして任意の位置に配置
  2. OneLevelBasedHosted
    ドアのように1点をクリックしてかつ壁などのホスト要素にとりつく
  3. TwoLevelsBased
    柱のように上と下のレベルを指定して配置する要素
  4. ViewBased
    注釈のようにビューに依存する点配置の要素
  5. WorkPlaneBased
    参照面または何らかの要素の面に取り付く要素
  6. CurveBased
    線基準のモデル要素
  7. CurveBaseedDetail
    線基準の注釈要素
  8. CurveDrivenStrucural
    構造フレーム
  9. Adaptive
    アダプティブコンポーネント
コンセントは壁面に取り付きますので2と思うかもしれませんが、この配置方法を選択すると配置面は壁に限定されてしまいます。またリンクインスタンスにある壁は「面」としてしか認識できません。
コンセントの場合、適切な配置方法は「1」または「5」です。今回は「5」の面に取り付くファミリとして作成してみます。

テンプレートの選択

  1. ファイル>新規作成>ファミリ で「一般モデル(メートル単位)、面付き.rft」を選択
  2. プロパティパネル>ファミリカテゴリとパラメータ で電気器具を選択しOK。

カテゴリについて

コンセントのカテゴリは電気器具です。電気関連のカテゴリは、電気器具をはじめ電気設備、照明器具、照明装置などのカテゴリがありますが、末尾の二文字が重要で
設備>器具>装置
というヒエラルキーがあります。
設備>器具>装置
最上位の電気設備は盤類であり、次に電力を消費するカテゴリとしてで電気器具と照明器具、弱電類として○○装置というカテゴリがあります。

モデルの作成

今回はモデルの大きさは固定なので、参照面は使わずにモデルを作成します。(パラメータを用いてサイズを変更できるようにするならば、参照面が必要です)
Revitのモデルは製造用ではないのであまり細かく作りすぎないようにします。ポイントは「おさまりが検討できる」「それっぽく見える」ことです。

  1. 作成タブ>フォームパネル>押し出し
  2. 描画パネルから選択(緑色の線)を選択
  3. オプションバーの奥行を9、オフセットを35として、垂直の参照面を選択して左右にオフセット。
  4. オプションバーのオフセットを60として水平の参照面から上下にオフセット。
    左右に35、上下に60

  5. 描画パネルのフィレット円弧を選択し、オプションバーの連結と半径にチェックを入れて、半径尾10とし、コーナーを成型する。
    コーナーを10mmで面取りする

  6. もう一度描画パネルから選択(緑の線)を選択し、左右に15、上下に35
  7. 修正パネル>コーナーへトリムでコーナーを直角に成型する。

  8. モードパネル>✔
  9. 作成したフォームを選択し、クリップボードパネル>コピー
  10. クリップボードパネル>貼り付け▼>同じ位置に位置合わせ
  11. モードパネル>押し出しを編集
  12. 外周のスケッチラインを削除して、モードパネル>✔

  13. プロパティパネルの押し出し終端の値を10、押し出し始端の値を-25として適用
  14. 3Dビューで形状を確認する。

  15. フォームをすべて選択し、プロパティパネルのマテリアルの関連付けボタンを押す。
  16. 新規作成ボタンを押して、名前をコンセントパネルとしてOK。
    フォームのマテリアルをパラメータに関連付ける

  17. プロパティパネルのファミリタイプをクリックし、既定の高さにコンセントの取り付け高さの基本として200を設定する。これは参照面の交点の位置の高さを示します。
  18. 名前を付けて保存します。
以上の手順でコンセントのモデルの部分の設定はできました。次回はコネクタの設定について詳細に説明します。


2021年6月12日土曜日

座標公開

座標=真北+測量点

座標公開とは簡単にいうと、リンクしたプロジェクトに、ホストに設定された「真北」と「測量点(ベンチマーク)」を送り込む、ということです。ここでいう座標とは地理的な位置、土木測量上の位置のことであり、これにより二つのプロジェクトで、地理的な位置を共有することができます。Revitでは地理的な位置は真北と測量点で保持されます。

敷地と建物で座標を共有する

建物と敷地のプロジェクトをリンクする

前回までに、真北と測量点(=ベンチマーク)が設定できました。この敷地のプロジェクトに建物のプロジェクトをリンクします。下の図のようなプロジェクトを想定してみます。内部基準点、プロジェクト基準点、測量点はこの時点では次の図のようになっています。

内部基準点/プロジェクト基準点/測量点の位置に注意

このプロジェクトを敷地のプロジェクトにリンクして、適切な位置に配置します。

平面位置の調整

このとき平面位置(XY)だけではなく、高さ(Z)もきっちりと合わせます。

高さも合わせる

敷地の確認

敷地プロジェクトの「敷地」を確認します。

  1. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>場所
  2. 敷地タブをクリック
このリストが1項目だけであることを確認してください。もし、項目が複数あれば、(現在)と接尾されていない項目をすべて削除してください。
敷地は一つだけにする

座標を公開するプロジェクト(この場合敷地プロジェクト)では、敷地の項目が単独である必要があります。

座標公開

「座標を公開」というよりも「座標系を発行」といったほうがわかりやすいかもしれません。敷地プロジェクトに設定されている座標系(=真北+測量点)を建物プロジェクトに発行します。
  1. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>座標▼>座標公開
  2. リンクされた建物をクリック
  3. 建物プロジェクトに設定されている敷地の情報が表示されます。座標を発行する敷地を選択してOKをクリック
    建物プロジェクトの敷地一覧が表示される

  4. ファイル>保存で次のダイアログボックスが表示されるので「保存」を選択する。
    リンクプロジェクトの処置を決定

敷地のプロジェクトを閉じて、建物のプロジェクトを開きます。測量点を選択すると、真北の方向とBMの位置が敷地プロジェクトと同じになっていることが確認できます。
座標(=真北+BM=測量点)が共有された

今度は建物のプロジェクトに敷地プロジェクトをリンクします。
  1. 挿入タブ>リンクパネル>Revitリンク
    1. 敷地プロジェクトを選択
    2. 配置から「自動-共有座標を指定」を選択
    3. 開く
  2. 敷地境界線と地盤が適切な位置にリンクされることを確認してください。
敷地と地盤がリンクされる



これで敷地←建物、建物←敷地のリンクが全く同じ位置となりました。二つのプロジェクトで地理的位置(BM+真北=測量点)が「共有」されたことになります。

地理的位置を複数のプロジェクトで統一するには「真北」と「測量点」を統一するということになります。

2021年6月5日土曜日

地盤と敷地境界線

地盤を作成したあとの手順

前回は測量座標をベンチマークを合わせてRevitに取り込み地盤を作成しました。

この時点では上が真北


ここからの手順は建物と敷地は別プロジェクトにする前提で進めます。

  1. 測量図を取り込んで敷地境界線を作成する
  2. 地盤・敷地境界線・取り込んだ測量図をBMを中心に回転してプロジェクトの北を設定
  3. 測量図の真北に合わせて真北を設定
  4. 測量点の設定

測量データを取り込んで敷地境界線を作成する

測量CADデータを読み込み敷地境界線を作成します。たとえば次の図のような敷地図データがあり、矢印の辺に対して建物を平行に計画するとします。

矢印の辺に対して建物を平行に計画する

敷地のデータを読み込む

  1. 配置図のビューを開く
  2. 挿入タブ>読込パネル>CAD読込
    1. 「現在のビューのみ」にチェック
    2. 配置で「手動-中心」
    3. 読込単位で適切な単位(一般にmm)を選択
    4. 開くで配置(この時いったん敷地の外に配置する)
  3. 配置した敷地のCADデータを選択し、オプションバーから「前景」を選択

敷地のデータを真北に向ける

  1. 敷地のCADデータを選択
  2. 修正パネル>回転
    1. オプションバーの「配置」をクリックし、方位記号の中心をクリック
    2. 回転して真北が上を向くようにする。
  3. 修正パネル>移動
    1. BMの位置を内部基準点に合わせる。
      敷地図の真北とBMを合わせる

敷地境界線を作成する

  1. マス&外構タブ>外構修正パネル>敷地境界線
  2. 「スケッチで作成」を選択
    1. 描画パネルから「選択」を選択し、敷地境界線をスケッチする
    2. モードパネル>✔

プロジェクトの北を決定する

建物は敷地境界線の↓の辺に対して平行に計画するので、この辺がプロジェクトの基準となります。作成した
  • 地盤
  • 測量図CADデータ
  • 敷地境界線
BMを中心に回転します。
  1. 注釈タブ>詳細パネル>詳細線分
  2. 描画パネルから選択を選択し、建物の基準となる敷地境界線の一辺をクリックして詳細線分を作成。
  3. 作成した詳細線分を選択し、修正パネル>移動で端点をBMに移動
    詳細線分を作成する

  4. 地盤・測量図CADデータ・敷地境界線・先の手順で作成した詳細線分を選択
  5. 修正パネル>回転
    1. オプションバーの「配置」をクリックし、BMを指定
    2. 先の手順で作成した詳細線分の辺のうえの任意の点をクリック
    3. 水平になるまで回転してクリック。
プロジェクトの北の設定完了


真北の設定

次に真北を設定します。角度がわかっていればプロジェクト基準点の角度を直接変更しても構いませんが、ここでは画面上でクリックして設定します。

  1. 平面図のビュープロパティ「向き」を「真北」に設定
  2. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>位置▼>真北を回転
    1. オプションバーの「配置」ボタンをクリックし、方位記号の中心をクリック
    2. 方位記号の先端をクリック
    3. 真上に車で回転してクリック
      真北の決定

  3. 平面図のビュープロパティ「向き」を「プロジェクトの北」に設定

測量点の移動

真北の回転により測量点(△)の位置が移動してしまいます。測量点はベンチマークなので、BMの位置に移動します。このときクリップがONになった状態で移動します。

BMに測量点を配置

BMレベルの設定

このプロジェクトを敷地のみのプロジェクトとする場合は、レベルはBMのみでよいことになります。立面図を表示しBM(測量点)にレベルを設定します。この時点ではBMレベルの高さは0になっているはずです。

測量点にBMを設定


以上の手順で敷地の設定は終了です。次回は、さらに建物のファイルをリンクして、座標を公開します。

2021年5月23日日曜日

土木測量データを読み込む

測量データで地盤を作成するには

測量データがあれば、このデータを利用して地盤を作成することができます。

  1. マス&外構タブ>外構作成パネル>地形
  2. ツールパネル>読み込みから作成▼>点ファイルを指定
この時の「点ファイル」とは、土木測量用の点ファイルです。この測量用の点ファイルの形式は
  • 北,東,高度,その他の情報
です。いってみればxyzではなくyxzとなっていますがこの点はRevitがうまく処理してくれるので気にする必要はありません。

地球は球体(楕円体)ですが、これを扱いやすくするために「地球は大きいので部分的には平面直角座標系」として扱います。この内容については国土地理院がわかりやすく解説してくれているので「日本の測地系」のWebページをご覧ください。

現在日本は19の座標系に区分されています。担当しているプロジェクトの原点がどこにあるか、調べてみてください。

GoogleMapでの調べ方

余談ですが、GoogleMapを使って、関東付近の基準となる第9系の原点がどこにあるか探してみましょう。第9系の原点は「北緯36度0分0秒、東経139度50分0秒」です。

  1. GoogleMapを開く
    検索窓に緯度経度を入力する

  2. 検索窓に「36°0'0''N139°50'0''E」と入力しENTER
    ここが第9系の原点

ここからの真北をX、直交する東方向をYとして座標が算出されます。

測地座標値は大きい

ここで注意が必要なことは、Revitのモデリング空間は半径10マイル(16km)である、ということです。

たとえば、東京新宿にある東京都庁は平面直角座標第9系の原点から「北:-34km -東 約-13km」の位置にあります。(参考サイト:地図から座標値を取得するページ

東西はともかく南北は大きく16kmを超えています。たいていの場合、座標の値は非常に大きな数字であり、Revitの内部原点をそのまま測量原点にすることはできません。このデータを読み込んで地形を作成しようとすると

点データを読み込んだときに表示される警告

という警告が表示されます。これは「読み込んだデータの座標値が大きすぎてモデリング空間を超えてしまうので、データの中心を相対的に内部原点の中心に移動して地形を配置します」という意味です。

BMの座標がわかっている場合

ベンチマーク(BM)の座標がわかっている場合は、あらかじめ点データを加工しておけば、正確に位置合わせすることが可能です。

サンプルの測量データはこちらからダウンロードできます。

サンプルデータをそのままメートル単位で読み込むと上記の警告が表示されます。適当な位置に移動されても困るので、BMを原点として地盤を作成しましょう。

エクセルで加工して読み込む

事前にデータを加工して、BM座標からの相対座標にしておけば、内部原点をBMとして読み込むことができます。

  1. ダウンロードしたファイルをエクセルで開く
    点データをエクセルで開く

  2. 仮に第1行目がベンチマークの座標とします。
  3. D,E,F列に1行目との差分の座標を計算式で求めます。
    BMとの差分を計算
  4. 計算結果の値をA,B,C列に張り付けて、D,E,F列をクリアして保存
    相対座標値をABC列にセットする
このデータを使って地形を作成すれば、BMを内部基準点とした地盤を作成することができます。


さらに注意することはこの測量座標系は真北に正対しているということです。読み込んだ地形はプロジェクトの北を真北として作成されるので、地形を真北の方向へ回転する必要があります。この時重要なのがプロジェクト基準点と測量点です。次回はは測量座標系、プロジェクト基準点、測量点の関係について説明します。