2025年3月22日土曜日

鉄筋の干渉チェック

Navisworksの出番です

鉄筋の干渉チェックはRevit単体ではできません。 コラボレートタブ>コーディネイトパネル>干渉チェック を実行しても鉄筋棒のカテゴリが表示されません。

鉄筋棒のカテゴリが表示されない=鉄筋棒は干渉チェックできない
鉄筋の干渉チェックはNavisworksで行いましょう。

Navisworks NWC エクスポートユーティリティ

RevitからNavisworks用のデータを作成するためには専用のエクスポーターが必要です。次のページにアクセスしてエクスポーターのインストーラを入手しましょう。

https://www.autodesk.com/jp/products/navisworks/3d-viewers

このページの下のほうに移動すると、「Navisworks NWC エクスポート ユーティリティ」の項目があるので、Revitのバージョンに適応したインストーラをダウンロードしてインストールしてください。

Revitのバージョンに対応したインストーラを入手しよう

RevitからNWCを出力

目的のファイルを開き、アドインタブ>外部パネル>外部ツール▼>Navisworks 2025(バージョン番号)をクリックします。

NWCファイルを作成する

ファイル名を指定して保存します。

Navisworksに読み込んで干渉チェック

Navisworksを起動し[新規]をクリックします。

Navisworks2025の場合

ホームタブ>プロジェクトパネル>追加 をクリックし、Revitから出力したnwcファイルを追加します。

ホームタブ>ツールパネル>ClashDetectiveをクリック

Clash Detectiveパネル内の[現在定義されているクラッシュテストはありません]をクリックしてパネルを展開し、[テストを追加]をクリック

干渉チェックテストを追加する

選択Aと選択Bで、<レベルがありません>を展開して鉄筋棒を選択。

干渉チェックの対象カテゴリを選択
[テストを実行]ボタンを押すと、干渉箇所がリストアップされますので、クリックして確認します。
干渉箇所を確認する

便利なスイッチバック

干渉箇所がわかったら、Revitで修正する必要があります。干渉位置を特定する方法はスイッチバックが便利です。

まず、Revitで アドインタブ>外部パネル>外部ツール▼>Navisworks Switchvback 2025(バージョン番号) をクリック。


なにも変化は起こりませんが、これはRevitをスイッチバック情報の受け入れモードに設定するという意味があります。

NavisworksのClash Detectiveパネルの項目領域で スイッチバックボタンを押します。

スイッチバックボタンをクリック

するとRevitに Navisrowks Switchback というビューが作成されますので、鉄筋を除いてすべてのカテゴリを非表示にしてみましょう。

RevitのNavisworks Switchbackビュー
Navisworksと同じ見え方の3Dビューが作成され、選択して要素がハイライトされています。
Navisworksのビュー

これで、Navisworksで干渉位置を特定し、Revitで修正する、というワークフローが出来上がります。


2025年3月15日土曜日

構造フレームのトリセツ~鉄骨編

前回に引き続き鉄骨構造フレームのTipsです。(中にはRCにも適用できるTipsもあります。)

勾配屋根の梁とブレース

構造フレームは特殊な線基準ファミリです。線基準ファミリには作業面が必要です。勾配屋根の梁やブレースを作成する場合はまず「名前のついた参照面」を作成して、これを作業面として構造フレームを配置しましょう。

勾配屋根のフレーミング方法は?

 まず水勾配に平行な断面ビューを作成して、鉄骨天端を示す参照面を作成します。例えば折板の下端などがよいでしょう。次に参照面に名前を付けます。例として「鉄骨天端」としてみます。

参照面に名前を付ける

そして屋根伏の平面ビューを開き、構造タブ>梁、オプションバーで配置面を参照面:鉄骨天端として、

オプションバーで名前の付いた参照面を配置面に設定

いつも通りに構造フレームを配置します。
参照面に構造フレームが作成される

梁天端のオフセットはZオフセットの値を調整してください。

大梁を50mm下げた例

構造フレームを鉛直に保つ

作業面に勾配がついていると構造フレームを作業面に対して垂直に配置されます。

向きが標準だと作業面に垂直に配置される

構造フレームを鉛直に保つ場合はパラメータ「向き」で水平を選択します。

向きを水平にすると鉛直に配置

アタッチ解除

構造フレームは作成時には作業面に「アタッチ」されています。そのため作業面を移動すると作業面との相対距離を保ったまま移動します。アタッチされている構造フレームのプロパティには「作業面」のプロパティがあります。

アタッチされている構造フレームには作業面がある

作業面とは関係なく位置を維持したい場合は右クリックして「面からアタッチ解除」を選択します。

右クリック>アタッチ解除

すると作業面のプロパティはなくなります。

作業面プロパティはなくなる
再びアタッチするには修正|構造フレームタブ>作業面パネル>作業面を編集 でレベルまたは名前の付いた作業面を選択します。


カットバックと延長

鉄骨の構造フレームには始終端の「接合部カットバック」と「延長」のパラメータがあります。構造フレームと構造柱が結合している場合は「接合部カットバック」で始終端の位置を調整します。これは◀▶でドラッグすることと同じです。


構造フレームの端部の●を右クリックして[結合を禁止]を選択すると結合が解除されます。


その場合、「延長」で始終端の位置を調整します。

勾配梁と水平梁で異なるタグを配置したい

勾配の付いた梁と水平の梁で異なるタグを配置することができます。

  1. 勾配用と水平用のタグを作成してプロジェクトにロードします。
  2. 注釈タブ>タグパネル>梁注釈
  3. ダイアログボックスで水平と勾配のタブで適切なタグを設定します。
    梁の注釈:伏図の水平梁
    梁の注釈:伏図の傾斜梁
    OKでタグが水平梁と傾斜梁に異なるタグが配置されます。
    水平梁と傾斜梁で異なるタグを配置できる

構造フレーム同士の結合を留め継ぎにしたい

構造フレーム同士が端部で結合されている場合、結合の勝ち負けを設定できます。

修正タブ>ジオメトリパネル>梁接合/柱接合をクリックすると、調整可能な梁の端部に矢印が表示されます。
矢印をクリックすると勝ち負け、留め継ぎへの変更ができます。


小梁を大梁のウエブにぶつけたい

普通に小梁を配置すると、梁のフランジの範囲でトリムされます。

小梁を選択して、修正|構造フレームタブ>接合ツール>参照を変更 を使えば小梁端部ををウエブ表面に移動することができます。

構造柱に斜めに取りつく構造フレームの端部を斜めに切り落としたい

構造柱と構造フレームが次のような関係にあるとき
構造柱に構造フレームが斜めに取りついている

構造柱と構造フレームを選択し、 鉄骨タブ>パラメトリックの切断▼>のこぎり切断-フランジ を選択すると構造フレームを斜めに切断できます。
この時注意することは、構造フレームのパラメータから「始終端カットバック」と「始終端延長」のパラメータがなくなってしまうことです。
つまり、一般的なモデリングの領域を離れて鉄骨加工モデリングになってきていますので、構造フレームの反対側にも同様の処置が必要になります。
寸法の調整は、作成されたサブ接合を選択して、パラメータを修正します。
サブ接合のダイアログボックス

2025年3月9日日曜日

構造フレームのトリセツ-RC編

今回はRC構造フレームにまつわる様々なTipsをつづってみます。

通芯に配置する

構造フレームと構造柱は平面ビュー上で通り芯を選択して一度に配置することができます。

次のように通り芯を作成しておいてまず構造柱を作成します。このとき、[通り芯位置に]を選択して、通り芯を選択すれば通り芯の交点に一度に配置することができます。

次に構造フレームを配置するときに[通芯上]を使うと、すでに配置した構造柱と通芯の情報をもとに構造フレームを配置できます。


構造柱と構造フレームの配置


構造柱と構造フレームが結合しない1

構造柱と構造フレームでマテリアルを一致させて結合しているのに構造柱と構造フレームの間の線が消えないということがあります。


こんな時は構造柱をクリップボードにカットして同じ位置に貼り付けます。そうすると再描画されて構造柱と構造フレームの間の線は消えます。


構造柱と構造フレームが結合しない2

結合しているはずなのに構造フレームと構造柱、構造フレームと構造フレームの間に隙間が生じることがあります。


これは「簡略時に表示するジオメトリが存在しない」ことが原因です。


ファミリを修正して、フォームが簡略時に表示されるようにしてください。


鉄骨造であれば、簡略時にスティック記号のみを表示し、標準以上でジオメトリを表示するという方法で問題ないのですが、RCの場合は簡略時に適切にジオメトリが表示される必要があります。

構造柱と構造フレームが結合しない3

もう一つ考えられることはビューの専門分野が「構造」になっている場合です。
ビューの専門分野:構造

上記の手を使ってもなお構造フレームと構造柱の間に線が入る場合はビューの専門分野を建築またはコーディネーションにしてみましょう。
ビューの専門分野:建築

複数の構造フレームを柱に外面合わせしたい

構造柱の面に構造フレームの面を合わせる方法はいくつかありますが、Yオフセットで数字で合わせてみるといろいろと便利です。構造フレームを選択して位置合わせパネルのyオフセットボタンを押して、梁面→柱面の順にクリックします。


すると、梁面が柱面に位置して、構造フレームのyオフセットプロパティに数字が設定されます。


この数値を他の構造フレームに設定すれば手早く柱面合わせができます。

構造柱に構造フレームが斜めに取りつくとき、梁面を柱の角に合わせることも容易です。

梁面→柱面の順にクリック



構造フレームはFL±0では見えない?

構造フレームはビュー範囲のメイン範囲の外にある(接触してもだめ)と見えなくなってしまいます。よくRC造の床などで次のような平面ビューをみかけます。

一見構造フレームが表示されているようにみえるが実は床のエッジ

「ちゃんと床と構造フレームを結合して3Dビューでは構造フレームの線は出ていないんだけどな」と不思議に思うかもしれませんが、これは構造フレームの線が見えているのではなく床の端部が見えているのです。構造フレームはビュー範囲に入っていないと表示されません。

構造フレームの天端がFL±0だとメイン範囲に入らない

ビュー範囲をFLより下げればきちんと見えるようになります。


結合の勝ち負けの強さはシステムファミリ(床壁)>ロード可能ファミリ(構造フレームや構造柱)なので、結合順位の調整を行わない限りはこのようにはなりません。

小梁の始点はどこに取るべきか?

大梁に小梁をかける場合、小梁の始終点は大梁の配置基準線上にとるとよいです。わざわざ梁面で止める必要はありません。配置基準線は構造フレームのサブカテゴリで、次の図の青色の線です。


ファミリのプロパティモデルのマテリアルの動作がコンクリート同士であれば、構造フレームであろうと柱であろうと直角でも斜めでも自然な結合状態が得られます。

構造フレームを作成するときは配置基準線を表示しておくと便利です。

構造フレームの水平断面

基礎伏など構造フレームの切断面を表示したい場合、ビューの詳細レベルに注意してください。

簡略の場合は常に投影として表示されます。

簡略:構造柱は断面、構造フレームは投影線なので何か変?

標準・詳細で切断として表示されます。

標準・詳細:構造柱も構造フレームも断面が表示される

構造フレームの仕上

構造フレームの外面をタイル張りで仕上げたい場合は壁との結合状態を調整しましょう。

構造フレームの下端の仕上は軒裏を使うとよいでしょう。軒裏とは言ってみれば「水平な壁」です。


まず仕上だけの薄い壁タイプを作成します。次に建築タブ>構築パネル>屋根▼>屋根軒裏 をクリックし、タイプセレクタで壁タイプを選択します。

次に軒天を作成する範囲をスケッチして高さを設定します。