2026年2月22日日曜日

カプラー

カプラーのファミリをつくる

カプラー特有のシステムファミリがあります。

  1. 全体の長さ
  2. 外径
  3. 鉄筋の結合 1
  4. 鉄筋の結合 2

このうち、1~2はフォームに関連付けます。例えば次のような機械式継手を作るとします。

JFE条鋼HPより

  • 全体の長さ=Lc
  • 外径=Wc2
  • 鉄筋の結合 1=L1
  • 鉄筋の結合 2=L2
と考えて、全体の長さと外径のみをフォームに関連付けます。鉄筋棒が差し込まれる穴はモデリングする必要はありません。

六角形ファミリの作成

カプラーは正六角形なので、外接円の直径を外径に割り当てて拘束します。外接円の直径をパラメータで制御し、かつ絶対に形が崩れない堅牢な六角形を作るには、スケッチ自体に寸法を付けるのではなく、「数式を使った参照面」を作成し、そこにスケッチをロックするという方法がベストプラクティスです。
  1. 構造鉄筋カプラー テンプレートを用いてファミリを新規作成します。
  2. 平面図>レベル1を開きビューの尺度を1:20程度にします。
  3. 縦の参照面を中心の縦の参照面の左右に1つずつ作成
  4. 寸法を作成し、均等拘束および全体に寸法を作成して、パラメータ全体の長さを割り当てます。

  5. ファミリタイプダイアログを開いて、以下ののパラメータ(すべてタイプは「長さ」)を作成し、数式を入力します。
    1. R (数式:外径 / 2) ※外接円の半径
    2. W (数式:R / 2) ※中心から斜めの頂点までのX方向の距離
    3. H (数式:R * sqrt(3) / 2) ※中心から斜めの頂点までのY方向の距離
  6. 立面図>右 を開き ビューの尺度を1:20程度にします。
  7. 中心の十字の参照面を基準にして、以下の6本の新しい参照面を描画します。
    1. 縦の参照面(4本): 中心の縦線の左右に2本ずつ引きます。
    2. 横の参照面(2本): 中心の横線の上下に1本ずつ引きます。
  8. 作成した参照面に対して寸法を記入し、パラメータを割り当てていきます。すべて中心の参照面からの距離として寸法を付けてください。
    1. 縦の参照面(内側の左右):寸法を付け、パラメータ W を割り当てる
    2. 縦の参照面(外側の左右):寸法を付け、パラメータ R を割り当てる
    3. 横の参照面(上下):寸法を付け、パラメータ H を割り当てる

  9. フォームを作成します。作成>フォーム>押し出し をクリック
  10. 描画ツールから「線」を選び、先ほど作成した参照面の交点を順番にクリックして六角形を描きます。描いたスケッチラインは確実に参照面にロックしましょう

  11. スケッチを完了(緑のチェックマーク)します。
  12. 平面図>レベル1を開きます。
  13. 作成した押し出しを選択し、両端の形状ハンドルをドラッグして、左右の参照面にロックします。

ボルトの穴は作成する必要はありません。あとはカタログ値を見ながらファミリタイプを追加します。このとき重要なのは鉄筋のサイズ 1、2です。これを指定しておくことで配置するときに適切なタイプが選択されます。

また、鉄筋の結合1 と2により、配置時に鉄筋の長さが伸縮します。カプラー配置時に伸縮した鉄筋はカプラーを削除しても長さが変わらないので注意してください。

カプラーの配置

カプラーを配置するには、二つの鉄筋を選択するのですが、二つの鉄筋の離隔距離についてはヘルプに許容差が表示されています。
カプラー配置の許容値

また、二つの鉄筋を指示する順番も重要で、「鉄筋1は動かない」という点に注意してください。鉄筋棒の長さや位置が変化するのは2番目に指示する鉄筋2です。
例えば次のような鉄筋2本の間にカプラーを配置するとします。
左:鉄筋1、右:鉄筋2とする
構造>鉄筋>鉄筋カプラー を選択し、左→右の順にクリックすると
左の鉄筋1は動かない

最初に選択した左の鉄筋の位置は動かず、右の鉄筋の位置と長さが変更されます。

カプラーの回転

配置したカプラーは断面で見るとこのようになっています。

カプラーを30度回転させたいのですが、インスタンスパラメータカプラー回転角度が編集できません。
これはファミリのプロパティビューに位置合わせがオンになっているためです。


このチェックを外して再ロードすれば任意の角度にカプラーを回転させることができます。

カプラーファミリに特有のパラメータを理解すれば、目的にあったカプラーを自在に作れるようになります。

2026年2月14日土曜日

地形とAutoCAD

地形をCADからつくる方法

地形ソリッドはCSVまたはCADデータから作成することができます。今回はAutoCADを使って「なめらか」で「整形」な地形ソリッドを作る方法をご紹介します。

AutoCADで等高線を作成

まずAutoCADで等高線を作成します。作成方法のポイントは

  1. 等高線はポリラインで作成
  2. 広めに作成する

の2点です。

等高線

なめらかな地形を作成するには、等高線が欠かせません。AutoCADで等高線を作成するオブジェクトはポリライン(PLINE)が最適です。まず、主要な点を直線で結びます。

ポリラインで等高線の概形を作成

その後ポリライン編集(PEDIT)でスプライン(S)にします。

ポリライン編集でスプライン化する

さらに要素のプロパティ「高度」に、等高線の高さを設定します。この時の高度は、Revit上で再現したい高さ、例えば設計GLからの相対高さで指定しておくと便利です。

"高度"に等高線の高さを設定する

地形ソリッドをCADから作成するには、立体モデルが必要です。ポリラインでなくても線分(LINE)や円弧(ARC)などの要素でもよいのですが、Z方向の高さを設定することを考えるとポリラインが最も効率よく等高線を作成できます。

高度を設定したポリライン

広めに作成する(推奨)

必要な部分より大きめに作成することをお勧めします。広めに作っておいて必要なところだけを切り取ることで地形ソリッドの端部がきれいに切り落とされます。

Revitで地形ソリッドを作る

まず作成したAutoCADのデータを、[挿入]>[CADリンク]または[CAD読み込み]を使ってプロジェクトにロードします。CADデータは3Dとして読み込むので、現在のビューのみのチェックを外しておきます。また、適切な読み込み単位を指定してください。

CADリンクまたはCAD読込

3DビューでCADデータが立体として取り込まれていることを確認してください。

CADデータが立体として取り込まれる

[マス&外構]>[地形ソリッド▼]>[読み込みから作成]をクリックし、[修正|読み込みから地形ソリッドを作成]>[CADから作成]を選択します。


画面上で読み込んだCADをクリックし、等高線が描画されているレイヤ名にチェックを入れてOKすると、地形ソリッドが作成されます。


必要な部分の切り取り

配置図など、作成した地形ソリッド全体を見ることができる平面ビューを開きます。

[修正]>[修正]>[要素を分割(SL)]で、地形ソリッドを選択します。

要素を分割で地形ソリッドを指定

[修正|スケッチを分割]>[描画]で必要な範囲を囲みます。

必要な範囲をスケッチ

✔で編集を終了し、不要な部分を削除します。

分割された地形ソリッド

リンクまたは読み込んだCADデータは削除しても問題ありません。

地形ソリッドのレベルを合わせる

作成された地形ソリッドの基準レベルを、AutoCADで設定した高さの基準レベルに合わせると、適切な高さに地盤が配置されます。

なめらかな地形ソリッドが作成されました。

2026年1月31日土曜日

ひっくり返る照明

単線天井に注意!

地盤が地形ソリッドに変わって、Revitからサーフェスモデルがなくなったと思っていたら、まだ「単線天井」が残っていました。

まだあったサーフェス要素=単線天井

単線天井は断面が「皮一枚」の要素で、見た目はシンプルで良さそうなのですが、これが結構厄介です。

単線天井はサーフェス、つまりソリッドではない

ひっくり返る照明

天井伏図で、単線天井でできた天井にAutodeskライブラリからロードした面基準の照明を配置してみます。

天井伏図:面に配置オプションを選択し、単線天井をクリック

これを3Dでみると上を向いて配置されてしまいます。

面基準ファミリの照明が上向きに配置される

この単線天井をタイプ変更して天井:無地など、厚みのある天井にしてから、もう一度、面基準ファミリの照明を配置してみると、きちんと下向きに配置されます。

きちんと下向きに配置される
これは天井がリンクの場合でも同じことですので、電気設備エンジニアの方は特に注意が必要です。

面基準ファミリは、基本的には「クリックした面の法線方向につく」のですが、単線天井は面の法線ベクトルが常に上を向いているため、上から(平面図で)クリックしても、下から(天井伏図で)クリックしても、一様に上を向いてしまいます。

単線天井は面であり、法線は上だけ

(複層)天井はソリッドなので、上下(および側面)に面があるため、それぞれ法線を持っています。

複層天井は各面に法線がある


天井基準ファミリでの注意

ファミリの新規作成で「天井基準面」のテンプレートを選択した場合、最初に配置されている天井は「単線天井」です。

最初においてあるのは単線天井

このまま作成すると、単線天井にのみホストされるファミリになってしまい、(複層)天井には適正な方向に配置されません。

この天井を選択して、天井(複層天井)にタイプ変更してからファミリを作成することで、この問題を避けることができます。

天井に変更する

「思った方向にファミリが取りつかないな?」というときは、天井ファミリをチェックしてみてください。

2026年1月25日日曜日

Data Exchange と IFC

Data Exchange

「Data Exchange」または 「データ交換」とは、「全体または部分の形状情報と属性情報をACCを経由して異なるソフト間で交換する手段」です。

Data Exchange

皆さんも、言葉は聞いたことはあるでしょうが、実際にどんなものか体験してみないとわからないものです。今回はIFCからデータ交換を作成してRevitに取り込むという過程を体験してみましょう。

※Autodesk Construction Cloud Docsへのアクセス権が必要です。

※IFCからデータ交換が作成できるのは、2025年7月22日以降に作成されたプロジェクトです。

コネクタのインストール

まず必要なのはコネクタと呼ばれるプラグインです。これはAutodesk Accountの[すべての製品とサービス]でRevitを選択し、適切なバージョンの[プラグイン]をクリックし、Autodesk Data Exchange Connector for Revit(バージョン)をダウンロードして、インストールします。


コネクタを入手

インストールしてRevitを起動すると、Revit 2026/2025/2024の場合は、コラボレートタブ>共有パネルに[データ交換]アイコンが表示されます。

コラボレーションタブ>共有パネル

IFCからデータ交換を作成

  1. IFCデータをACC Docsにアップロードします。今回はRevitに標準添付される「サンプル設備.rvt」をIFC4x3の形式で保存して、ACC Docsのフォルダに保存しました。
  2. 次にデータ交換を保存するフォルダを作成しておきます。(→のフォルダ)
    データ交換を保存するフォルダを作っておく

  3. アップロードしたIFCファイルをクリックしてビューアを開きます。
  4. 左側サイドバーの[データ交換]をクリック
    データ交換をクリック

  5. データ交換パネルには規定値で3つのフィルタが表示されます。このフィルタはカスタマイズできますが今回はこのまま使用します。
  6. 一番上のIFC Attribute/IfcClass で、データ交換に含めたい任意の項目をチェックします。全部チェックしてもOKです。今回はダクト関連のみということで次の図のように選択してみました。
    データ交換に含める項目をチェック

  7. データ交換パネルの一番下にある[交換を作成]をクリック
  8. 保存先と、名前を設定して[交換を作成]
    交換を作成


  9. 保存先に指定したフォルダに、データ交換ファイルが作成されたことを確認します。
    データ交換ファイルが作成された

Revitで取り込む

このデータ交換ファイルをRevitで取り込んでみます。本来はサンプル意匠.rvtを開いて取り込むべきでしょうが、どんな状態で取り込まれるのかを分かりやすくするために、あえて建築テンプレートを使った新規プロジェクトに取り込んでみます。
  1. 建築テンプレートを使用して新規プロジェクトを作成し、3Dビューを開きます
  2. コラボレートタブ>共有パネル>データ交換
  3. [Load]または[Load Exchange]ボタンをクリック
    Loadボタンをクリック

  4. 目的のデータ交換ファイルを指定して[Create]をクリック
    アカウント、プロジェクト、ファイルを指定

  5. レベルをインポートするかどうか(今回はオフ)、取り込んだデータをグループ化するかどうか(今回はオフ)、基準点(今回はProject Base Point)を選択して、[Load]をクリック
    条件を設定してLoad
  6. 取り込みにはしばらく時間がかかります。
    取り込みが開始される

  7. 取り込みが完了しました!
    データ交換を取り込んだ状態

取り込まれたデータはすべてDirect Shapeで構成されますが、IFC関連のデータは保持しています。
形状と属性情報を維持している

カテゴリも対応するカテゴリになっているので、カテゴリの表示非表示にも対応できます。

データ交換はRevitのデータからでももちろんできます。時間のかかるデータ変換作業をクラウドに任せられるのは大きなメリットです。

2026年1月17日土曜日

Dynamo - PanelSurface

Dynamo Primer 2 は学習に最適だが・・・

ダイナモの勉強には「ダイナモ入門」が最適です。 考え方を基礎から学べ、各項目にはステップバイステップの演習がついていて、サンプルのモデルやダイナモのグラフもダウンロードできます。

Dynamoの学習に最適

ただ、少々古い部分もあり、手が止まってしまうところもあります。例えば[Revit用のDynamo]>[カスタマイズ]の演習です。この中で[LunchBox for Dynamo」]をインストールするところがあります。しかし、LunchBox for Dynamoは現在、残念ながら開発が中止されており、過去のパッケージは現在のDynamo3.6では機能しません。

Lunch Box for Dynamoは開発中止に((+_+))

今回はこの部分をちょっと書き換えて、以後の演習が続けられるようにしてみます。

PanelSurface

2026年1月時点でのDynamoの最新バージョンは3.6です。Revit2026を使用して説明します。

現在のバージョン
このバージョンではGeometry>Panel Surfaceが追加されているので、これを使えばこの演習を進めることができます。

PanelSurface

演習のリライト

Geometry.PanelSurface.ByQuadノードをキャンバスに追加します。このノードのsurface入力に、パラメトリックサーフェスを接続します。IntegerSliderノードを追加し値を15に設定して、numU入力とnumV入力に接続します。boundaryCondition入力には特に何も接続しません。

PanelSurface.ByQuadsを追加

すると複数の長方形のパネルからなるサーフェスがDynamoのプレビューに表示されます。

Geometry.PanelSurface.GetPanelPointノードをキャンバスに追加します。ByQuadノードのPanelSurface出力を、panelSurface入力に接続します。出力が4点の組み合わせのリストになっていることを確認してください。これは長方形パネルの四隅の点を表す点のリストです。

PanelSurface.GetPanelPointsを追加

これから Revit 内の多数のジオメトリをインスタンス化するので、必ず事前に Dynamo のソルバを[手動]に切り替えてください。

Family Types ノードをキャンバスに追加し、[ROOF-PANEL-4PT]を選択します。

AdaptiveComponent.ByPoints ノードをキャンバスに追加し、その points 入力に PointSurface.GetPanelPointsノードの Point[]...[] 出力を接続します。familySymbol 入力に Family Types ノードを接続します。

AdaptiveComponent.ByPoints

[実行]をクリックします。

アダプティブコンポーネントが配置される

さあ、これで以降の演習を続けることができます。Dynamoの開発はどんどん進んでいますので、ブログをみて更新情報をチェックしておきましょう。