2026年7月18日土曜日

ルールベースの番号付け

ルールベースの番号付けの基礎

Revit2027で導入された「ルールベースの番号付け」の機能を使ってみましょう。少々めんどくさそうに見えますが、コンセプトを理解すればいろいろと応用が考えられます。基本的な手順は

  1. 番号付け対象の絞り込み)
  2. パーティショニング(番号のグルーピング)
  3. 書式設定
  4. 実行

という流れです。

例:部屋の番号をレベルごとに設定する

サンプル意匠を使って、部屋番号をレベルごとに設定してみましょう。

手順1:番号付け対象の絞り込み(フィルタの作成)

番号付けする対象を絞り込むためのフィルタを作成します。対象は部屋のカテゴリで配置されているものだけ、つまり面積>0㎡とします。

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. [+]ボタンをクリックして、ルールの名前を設定します。ここでは「部屋番号」とします。
    ルールの名前を設定

  3. 番号付けルール>スコープ>フィルタの[フィルタ]ボタンをクリック
  4. 名前:部屋、カテゴリ:部屋、規則:面積が0より大きい でフィルタを作成しOK。
    フィルタを作成

  5. フィルタで作成した「部屋」を選択
  6. 番号付けパラメータで「番号」を選択。これにより、作成した番号が部屋のインスタンスパラメータ「番号」に設定されます。
    フィルタと番号付けパラメータの設定

手順2:パーティショニング

パーティショニングとは番号付けのグループです。今回はレベルごとに番号をリセットする、つまり1FLは101~、2FLは201~、というようにレベルごとに番号を振りなおすので、パーティショニングの基準として「レベル」を指定します。
パーティショニングの設定

手順3:書式設定

1FLで101~ということは「数字で3桁」に設定します。
書式の設定

手順4:実行

設定が完了したので、番号付けを実行しますが、パーティショニングを設定したので、[適用}→[パーティショニングの番号設定]→[OK]のステップで行います。
  1. [適用]ボタンを押します。ボタンを押す直前まで[番号付け順序]のボタンが非アクティブであることを確認してください。
    適用をクリック

  2. [番号付け順序]ボタンがアクティブになりますのでクリックします。
  3. レベル1の開始値を101に、レベル2の開始値を201に設定してOK。
    各パーティションの開始値を設定

  4. OK
これで各レベルごとに部屋の番号が設定されます。

番号付け

番号付けは常駐型である

このルールベースの番号付けは単に番号付けして終り、というものではなく常駐型の機能であり、要素の追加、削除に応じて番号を設定します。(だから注釈タブではなく管理タブにあるのです。)

要素の追加

次のように部屋を追加すると、動的に部屋番号が設定されます。

追加した部屋に番号が設定される

要素の削除

部屋を削除すると、欠番になります。

部屋を削除すると欠番が発生する

欠番の解消

欠番はRevitでは「ギャップ」と呼んでいます。これをリナンバーすることもできます。

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. テンプレートリストから「部屋番号」を選択し、[番号付け順序]のボタンをクリック。
    • [使用中]の番号の中に「*」が付いたパーティションはギャップ(=欠番)があることを示しています。
      *は欠番があることを示している

  3. ギャップありのパーティションをクリックし、[ギャップを削除]ボタンをクリック

  4. OK→OKでダイアログボックスを閉じます。
これで欠番以降が繰り上がって、欠番が解消されます。
ギャップ(欠番)が解消される

番号付けの一時解除

ここまで見てきたように、番号付けルールは常駐型です。これを一時的に解除したい場合は・・・

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. テンプレートリストから「部屋番号」を選択し、有効化のチェックを外します。
有効化のチェックを外す

2026年7月11日土曜日

特定のマテリアルだけ転送

プロジェクト標準転送は便利だけど・・・

 管理タブ>設定パネル>プロジェクト標準を転送を使って、いろいろなファミリタイプや設定を他のプロジェクトから転送できます。マテリアルだってもちろん転送可能なのですが、

プロジェクト標準を転送でマテリアルを転送する

この場合、コピー元のプロジェクトにあるすべてのマテリアルが転送されてしまいます。特定のマテリアルだけ転送したい場合はどうすればいいでしょうか?

マテリアルライブラリ

こんな場合は独自のマテリアルライブラリを作れば、目的のマテリアルのみをコピーすることができます。

マテリアルライブラリの作成手順

  1. コピー元のプロジェクト、ファミリファイルを開く
  2. 管理タブ>設定パネル>マテリアル でマテリアルブラウザを開く
  3. マテリアルブラウザ左下のフォルダのアイコンをクリックし、[新規ライブラリを作成]を選択。
    新規ライブラリを作成

  4. 適切なフォルダを選択し、ファイル名を付けて保存する。(ここではMyマテリアルライブラリとした)
  5. 転送したいマテリアルを右クリック>追加先>(作成したライブラリ名)を選択
    作成したライブラリにマテリアルを追加

  6. 同じ手順を繰り返して転送したいマテリアルをライブラリに追加する。
    画面左下のライブラリのリストで確認できる

  7. OK

マテリアルをインポートする

  1. コピー先のプロジェクト、ファミリファイルを開く。
  2. 管理タブ>設定パネル>マテリアル でマテリアルブラウザを開く
  3. マテリアルブラウザ左下でホーム>Myマテリアルライブラリを選択
    マテリアルライブラリを選択

  4. ライブラリ内のマテリアルを選択し↑でプロジェクトにマテリアルを追加する。
    マテリアルをドキュメントに追加

これで特定のマテリアルだけを転送できます。今回はマテリアルライブラリを作成しましたが、同一PC内で転送を行う場合は、ライブラリを作らなくても「お気に入り」を利用することもできます。マテリアルライブラリにしておけば、異なるPC間でもマテリアルの転送が可能になります。その場合は、作成したマテリアルライブラリファイルを目的のPCにコピーしたあとに、マテリアルブラウザの[既存を開く]を利用してマテリアルライブラリを開きます。
マテリアルライブラリファイルを指定する場合

2026年6月20日土曜日

複数行の入力

EXCELが最適

文字型のパラメータに複数行の値を入力するときは、Excelを使うと簡単です。 早速やってきましょう。

例えばサンプル意匠の2階の平面図、ELVホールのエレベータかごに

11人乗

105m/min

のように、複数行の情報を「説明」に設定して表示したいとします。この場合Excelを立ち上げて、任意のセルに「ALT+ENTER」で改行して文字列を入力します。

Excelのセル内改行は"ALT+ENTER"

セルをアクティブにして、文字をクリップボードにコピーします。

セルをアクティブにし、すべての文字を選択してCTRL+C

Revitでエレベータのかごを選択し、タイプ編集をおして、説明にペーストします。

説明など文字型のパラメータにペースト

これで、集計表やタグで改行した状態で表示できます。

複数行のパラメータ値が表示できる


2026年6月13日土曜日

IfcSpaceは使えるぞ!

Formaでは表示されない部屋の属性

RVTデータをFormaにアップロードしてビューアで見るとき、いつも困るのが「部屋」の情報が一切表示されないことです。部屋には仕上の情報その他、重要な属性が含まれているのになぜかFormaで表示することはできません。

ところがIFCに変換してFormaで閲覧すると、部屋の情報をIfcSpaceとして部屋形状と属性を出力・表示することができるのです。

サンプル意匠.rvtを使って、早速やってみましょう。

手順1:Pset集計表の作成

まず、出力用の集計表を作成します。

部屋カテゴリ、名前を"Pset_仕上表"として、次のフィールドを追加します。

仕上情報として出力したいフィールドを追加する

並べ替えは特に必要ありませんが、一応レベル、番号の順にしておきます。

並べ替えは必須ではありません。
重要なのは「書式」タブの「見出し」です。この「見出し」がIfcSpaceのプロパティ名となります。見出しが重複しないように一意の名前を付けてください。

見出し名=プロパティ名

OKして出来上がった集計表を確認してください。

手順2:IFCに出力する

2026までは、IFC出力設定の「プロパティセット」タブで、

  • 集計表をプロパティセットとして書き出し
  • タイトルにIFC、Pset、Commonが含まれる集計表のみを書き出し

にチェックを入れます。

~v2026

Revit2027では、プロパティマッピングの[...]ボタンで、任意の集計表を直接指定します。また、プロパティ名もこのダイアログボックスで編集することができます。

v2027のプロパティマッピング

エリアは出力しない

IfcSpaceには部屋のほかにエリアと、設備のスペースが含まれます。エリアとスペースを出力しないようにしておくことがポイントです。

IFC出力設定の[一般]タブのカテゴリマッピングの[...]を押して、

意匠モデルではエリアとスペースのチェックを外しておきます。MEPモデルでは部屋とエリアのチェックを外すとよいでしょう。

意匠ではエリアとスペースは出力しない
MEPでは部屋とエリアを出力しない

Formaで見てみる

この状態で作成したIFCをFormaにアップロードしてビューアで表示し、モデルブラウザを見てみると、ちょっとわかりにくいですが部屋のプロパティが表示されます。

FormaでSpaceが表示される

BIMvisionで見てみる

BIMvisionで見るともっとわかりやすいです。

BIMvisionでの部屋の表示

IFCを活用すれば、部屋の情報をビューアで直接読み取ることが可能になります。

2026年6月6日土曜日

Autodesk Forma(旧ACC)で回転させない方法

Formaはいつでも共有座標

Autodesk Forma(旧ACC)にRevitのデータをアップロードした際に、X-Y軸が傾いてしまうことがあります。これは、Revitのデータに真北を設定した際に起こる現象です。

サンプル意匠.rvtをFormaで見たところ
右上のビューキューブと比べると回転していることがわかる

Formaにアップロードする際に、任意の点を原点としてプロジェクトの北に正対した座標で配置したい場合は、Forma用の共有座標を作成し、現在に設定した状態でアップロードします。

手順

使用しているバージョンはRevit2026、データはサンプル意匠.rvtです。わかりにくいので、リンクのサンプル構造はロード解除した状態で説明します。

敷地(=共有座標)の作成

まず、新たな敷地(=共有座標)を作成します。

  1. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>場所>敷地タブ
    1. 「東京」と「内部」という複数の敷地があります。末尾に(現在)とついている「東京」はプロジェクトの北から真北までの角度が15度になっています。このままFormaにアップロードすると15度東側に「回転した」状態になります。
      プロジェクトの北から東側へ15°「回転」している

    2. 「内部」はプロジェクトの北から真北までの角度が0度なので、こちらを現在に指定した状態でFormaにアップロードすれば「回転」した状態にはなりません。今回はあえて新しくForma用の共有座標を作成してみます。
      「内部」は「回転」していない

  2. 「東京」を現在に設定して[複製]ボタンを押します。
  3. 名前を「Forma」としてOK

  4. [現在の値にする]をクリックし、「Forma(現在)」となっていることを確認してからOK

回転角度を0度に

プロジェクトブラウザ>ビュー>建築>*作業者名>平面図>作業用 1階 を開く

一時的に「プロジェクト基準点」と「測量点」だけを表示します。

画面左下ビューコントロールバーの「一時ビューのプロパティを有効化」をクリック


表示タブ>グラフィックスパネル>表示/グラフィックス

モデルカテゴリタブで、外構カテゴリの「プロジェクト基準点」と「測量点」を除いて非表示とします。

ビューの一時プロパティ

X1-Y1の交点にある「プロジェクト基準点」を選択し、真北の角度の345°の文字をクリックしてアクティブにし、0と入力


共有座標原点を移動する~XY平面編

測量点を現在の共有座標(Forma)の原点に移動します。ここで重要なことはクリップを解除してから測量点の座標値を変更することです。

  1. 測量点を選択し、クリップをオフにします。
  2. 高さの値を選択し、0に変更

共有座標原点を移動する~Z座標編

断面図を作成し、測量点の原点の位置を変更します。

  1. 表示タブ>作成パネル>断面
  2. タイプセレクタから「*作業者名」を選択してから、図のようにX1-Y1の交点付近に断面図を作成します。

  3. 作成した断面線を右クリック>ビューに移動 で断面ビューを表示します。今度は測量点だけを表示します。
  4. 測量点を選択し、クリップをクリックして、クリップがオンの状態であることを確認します。また、N/S E/W 高さの値がすべて0であることを再度確認してください。

  5. 測量点をまっすぐ上に移動して1FLに合わせます。クリップをONにした状態で測量店を移動することで、座標系そのものを移動することができます。

測量点を1FLに移動

これで、現在の共有座標、すなわち敷地:Formaの座標原点が、X1-Y1-1FLの交点、かつプロジェクトの北=Y方向 に設定された状態になります。

Formaにアップロード

この状態(共有座標(敷地)Formaが現在の状態)で保存して、Formaにアップロードすれば、「回転していない状態」で、かつ「X1-Y1-1FL」が原点の状態でRevitモデルが配置されます。

Formaで正対して配置された状態になる

2026年5月23日土曜日

IFC座標基底

座標系の変更ができる

RevitのIFC出力では出力時の座標基準が選択できます。

  • 共有座標
  • 測量点
  • プロジェクト基準点
  • 内部原点
  • 真北に向けられたプロジェクト基準点
  • 真北に向けられた内部原点

これはIFC出力設定の地理的参照タブの座標基底から選択できます。

座標基底

それぞれ、どのような結果になるのか、次のような簡単なプロジェクトを出力して確認してみます。10m角の壁だけがあるプロジェクトです。

4隅に内部原点、測量点、プロジェクト基準点、共有座標原点を配置

検証にはBIMvisionを用いています。(Navisworksはいろいろと気を利かせて補正が入ってしまうからです。)

内部原点

真北の影響:なし

右上の2通りとB通りの交点を原点(0,0,0)として、プロジェクトの北に正対して出力されます。

内部原点


プロジェクト基準点

真北の影響:なし

BIMvisionで「プロジェクト原点」と「内部原点」を読み込んで重ねてみました。真北の越境を受けずにプロジェクトの期待に正対しています。「プロジェクト基準点」で出力すると任意の位置に座標原点(0,0,0)を移動できることがわかります。

内部原点とプロジェクト基準点

共有座標

真北の影響:あり

共有座標の原点は1通り-B通りの交点(左上)です。この点がIFC上の原点になっています。共有座標は真北を上にして出力されています。

内部原点と共有座標

測量点

真北の影響:あり

測量点は2通りとA通りの交点(右下)です。やはり真北の影響を受けていますね。

内部原点と測量点

真北に向けられたプロジェクト基準点

真北の影響:あり

プロジェクト基準点は1通りとA通りの交点(左下)です。こちらも真北の影響を受けています。

内部原点と真北に向けられたプロジェクト基準点

真北に向けられた内部原点

真北の影響:あり

内部原点は2通りとB通りの交点(右上)です。これも名前の通り真北の影響を受けています。

内部原点と真北に向けられた内部原点

しかし結局のところ「共有座標」が最強

座標基底が自由に選択できるのは素晴らしいのですが、これはIFCを受け取る側の座標の解釈に依存しています。少なくともIFC4x3の形式で、Autodesk FormaやNavisworksでこのIFCを受け取る場合は、共有座標で配置されます。

サンプル意匠でのIFC出力設定の地理的参照タブ

このまま作成したIFCはZ軸で15°回転した状態で作成されます。やはり、特定の位置に共有座標を作成して出力するのがベストです。

次回は「回転」しない、共有座標の設定につて考えてみましょう。