2024年9月15日日曜日

丸柱の配筋

フリーフォームの鉄筋を使ってみよう

矩形の柱であれば、Revitの標準機能で鉄筋を配置できますが、丸柱の場合はフリーフォームの鉄筋ツールを使って主筋を配置します。

練習の準備

  1. 構造テンプレートでプロジェクトを新規作成
  2. 挿入タブ>ライブラリからロードパネル>Autodeskファミリをロード
  3. カテゴリから構造柱を選択し、柱 構造>コンクリート>RC柱 - 円をチェックしてロード

  4. 構造タブ>構造パネル>柱で配置する

帯筋

帯筋はふつうに配筋ツールで作成できます。

  1. 構造伏図>レベル2のビューの詳細度を詳細にする
  2. 構造タブ>鉄筋パネル>鉄筋。注意が表示されたらOK。
  3. オプションバーまたは鉄筋形状ブラウザで鉄筋形状:31を選択。
  4. タイプセレクタで、鉄筋棒のタイプD10を選択。
  5. 修正|鉄筋を配置タブで次のようにセット
    1. 配置方法パネル>ホストに展開
    2. 配置面>近方のかぶり参照
    3. 配置の向き>作業面と平行
    4. 鉄筋セット>レイアウト:最大間隔、間隔:150mm

  6. 柱の中心付近をマウスオーバーし、鉄筋がかぶり厚(緑の破線)全体に広がったところでクリックする

  7. 表示タブ>作成パネル>3Dビューで状況を確認する。

主筋はフリーフォームとして入力

主筋はフリーフォームとして、円筒面に沿って配置します。
  1. 作業ビューは3Dのままでよい
  2. 構造タブ>鉄筋パネル>鉄筋
    • 平面図や断面図と異なり、3Dビューでは鉄筋の配置方法はフリーフォームに限られます。
  3. タイプセレクタで鉄筋棒:D25を選択
  4. 分布タイプが平行であることを確認し、丸柱の円筒面(二つに分かれているので両方)を選択。
    二つの半円筒面を選択

    • 主筋はこの円筒面(RC柱のサーフェス)にホストされます。
  5. 次へ>パスを選択し、柱の上面のエッジを二つ選択します。

    • このエッジに沿って、鉄筋が並びます。
  6. 鉄筋セットパネルで、レイアウト:固定値、本数:12と設定
  7. モードパネル>✔

主筋のサーフェスからの距離を設定

作成直後の主筋は、帯筋同様にかぶり厚に拘束されているため、帯筋と重なっています。帯筋はD10で作成したので、その分内側にオフセットします。
  1. 作成した主筋を選択
  2. 修正|構造鉄筋タブ>拘束パネル>拘束を編集
  3. 表示される拘束アイコンの0.0mmをクリックし、表示された編集ボックスに-10mmと設定

  4. 複数パネル>✔(終了)

伏図で確認

  1. 作成した主筋を選択
  2. プロパティウィンドウでビューの表示状態の編集ボタンをクリック
  3. 構造伏図レベル2  の前面に表示チェックボックスをONにしてOK

  4. 構造伏図>レベル2をアクティブにする
  5. 帯筋を選択して、フックのグリップをドラッグして位置を調整

フリーフォームのホストとパス

ホストは面を指定します。指定した面から鉄筋までの距離を指定します。一方パスは鉄筋のレイアウトを規定する線(要素のエッジライン)となります。帯筋も、主筋と同じ鉄筋形状:1で円筒面に沿って配置することができます。
次の図のようにホスト面とパスを設定します。パスが円柱に沿った縦の線であることに注目してください。

鉄筋形状:1を固定間隔150で指定すると次のように帯筋が作成されます。

作成した帯筋のプロパティを次のように設定します。
  • スタイル:スターラップ/フープ
  • 始端のフック:スターラップ/タイフック 135度
  • 終端のフック:スターラップ/タイフック 135度
と設定します。

フリーフォーム配筋はこの「ホスト面」と「パス」の理解が重要です。

2024年9月7日土曜日

ハンチ梁の裏側

ハンチ梁の裏の線

次の図のようなハンチ梁(構造フレーム)の裏側の線(矢印)を

梁の裏の線を隠線表示するには?

平面ビューに表示したい場合があります。

梁の裏側の線も隠線として表示できる!

このように構造フレーム自身の裏側の線を表示するにはファミリプロパティ「隠線として表示」の設定がカギとなります。

隠線として表示

構造フレームのファミリテンプレート(構造フレーム - 梁とブレース(メートル単位).rft)を開きます。プロパティウィンドウにはファミリプロパティが表示されています。

モデルのマテリアルの動作の値をコンクリートまたはプレキャストコンクリートにすると隠線として表示プロパティが現れます。

「モデルのマテリアルの動作」がコンクリート、プレキャストコンクリートだと「隠線として表示」プロパティが現れる

この隠線として表示プロパティは3つの値が選択できます。

  • 他の要素により隠されたエッジ
  • 梁自体により隠されたエッジ
  • すべて

それぞれの振る舞いは次のようになります。

他の要素により隠されたエッジ

他の要素(この場合は床)によって隠されたエッジだけが隠線として表示されている。

梁自体により隠されたエッジ

梁自体により隠されたエッジとは梁の裏側の線のこと

すべて

すべてのエッジが表示されている

詳細はこちらのヘルプに記載されているので参考にしてください。

2024年8月25日日曜日

隠線表示と専門分野

隠線を表示する

壁の向こう側にある階段を表示するには隠線を表示すると便利です。

隠線で壁に隠れたササラを表示する
隠線表示を使用するには、ビューのプロパティ

  • 専門分野
  • 隠線を表示

の設定が重要です。

ビューのプロパティ「専門分野」「隠線を表示」

隠線を表示の意味

表示タブのグラフィックスパネルには隠線表示と隠線非表示のボタンがあります。

隠線表示/非表示
このボタンが機能するのは、ビューの隠線を表示の値が「専門分野別」の時だけで、「なし」または「すべて」のときは機能しません。

  • なし:隠線は全く表示されません。
  • すべて:すべての隠線が表示されます。

専門分野との関係~構造

専門分野が構造の場合、構造部材(構造フレーム、構造柱、構造壁、床、屋根)は、必ず隠線表示されます。これを隠線非表示コマンドで非表示にすることはできません。

床の下に構造柱、構造フレーム、構造壁、床を配置して

構造柱、構造フレーム、構造基礎、構造壁、床を床の下に配置

平面ビュー(見下げ)で、専門分野:構造、隠線を表示:専門分野別 とし、ビューの奥行を調整すると、次の図のように床下にある構造部材が隠線で表示されます。

床下の構造部材が隠線で表示される

自動的に隠線表示されるのは構造部材(床・構造壁・構造フレーム・構造柱・構造基礎カテゴリのファミリ)のみです。例えば階段のような建築ファミリは、床に隠れて表示されません。

構造ファミリでなければ自動的には隠線表示されない
非構造部材を強制的に隠線表示したい場合は、表示タブ>グラフィックスパネル>隠線表示ツールを使います。ボタンを押して、床→階段の順に選択すると隠線で表示されます。
隠線表示
手動で隠線表示した部材を非表示にするには、表示タブ>グラフィックスパネル>隠線非表示ツールを使って非表示に戻します。

自動で隠線表示された要素を非表示にする

隠線表示ツールは手動で隠線表示にするツールなので、自動で隠線表示された要素には効き目はありません。自動で隠線表示された要素を非表示にするには

  • カテゴリの<隠線>サブカテゴリを非表示にする
  • ラインワーク(線種変更)で線種<非表示>で線を上書きする
  • 要素を個別に非表示にする
のいずれかの方法で非表示にします。

専門分野との関係~設備

専門分野が機械・給排水衛生設備・電気の場合、ダクトと配管が交差したときの隠線が表示されます。この表示はMEP設定の隠線処理>MEP隠線を作成線種の値で調整できます。

例としてダクトが交差している状態を見てみます。

ダクトが異なる高さで交差している
これを平面ビュー(専門分野:機械+隠線を表示:専門分野別)で見ると、下側のダクトが隠線で表示されます。
重なったダクトが隠線で表示される
ところがダクトや配管のサブカテゴリには<隠線>がありません。どこで線種や表示非表示を設定するのでしょう?

ダクトと配管の隠線の表示および隠線の線種はMEP設定>機械設定>隠線処理で行います。

MEP設定>機械設定
表示非表示は「MEP隠線を作成」で、隠線の線種は「線種」で設定します。ダクトと配管の隠線の設定はビューごとではなく、プロジェクト単位で決まります。

専門分野との関係~建築とコーディネーション

専門分野:建築またはコーディネーション+隠線を表示:専門分野別、の場合の隠線表示はまったくの手動による指定で、初期的には隠線は全く表示されていません。

表示タブ>グラフィックスパネル>隠線表示ツールを使って、構造のセクションで説明した階段のように、隠線で表示したい要素を一つずつ指定します。

例:次の図のようにRC階段が壁を挟んで設置されている場合、

壁を挟んだRC階段

断面ビュー(専門分野=建築、隠線を表示=専門分野別)を作成すると、壁の向こう側の段は表示されません。

断面ビュー
表示タブ>グラフィックスパネル>隠線表示 をクリックし、壁→階段 の順番にクリックします。
隠線を表示した状態

この操作により、壁に隠された階段を表示することができます。なお隠線の線種は各カテゴリの<隠線処理>サブカテゴリで設定します

各カテゴリには<隠線処理>サブカテゴリがある


2024年8月18日日曜日

複層壁の領域を分割

壁のレイヤを水平に分割する

レイヤは水平に分割した例
壁のレイヤは上図のように水平に分割して異なるマテリアルを割り当てることができます。分割数はいくつでも構わないのですが、レイヤの厚さは一定です。

手順

ここでは「建築テンプレート」をもとに、具体的な手順について説明します。
  1. 標準壁:標準200mmで壁を作成
  2. 作成した壁を選択して[タイプ編集]をクリック
  3. [複製]ボタンをを押して、名前を適当につけてOK
  4. 構造の[編集]ボタンをクリックし、アセンブリを編集ダイアログボックスを開く。
  5. [<<プレビュー]ボタンをクリック
  6. ビュードロップダウンリストから断面図:タイプ属性を修正を選択
  7. サンプルの高さを5000程度とする。
  8. [挿入]ボタンをクリックし、レイヤ1に次のレイヤを追加
    1. 機能:仕上2
    2. マテリアル:レンガ、一般
    3. 厚さ:25mm

  9. [領域を分割]ボタンをクリックし、左側の断面ビューで第一レイヤを下端から1500程度でクリックして分割。

  10. [挿入]をクリックし、レイヤ1に次のレイヤを追加
    1. 機能:仕上2
    2. マテリアル:木目 - ナチュラル
  11. 新たに追加したレイヤ1の行を選択し、[レイヤを割り当て]をクリックし、断面ビューで分割したレイヤの上側の領域をクリック

  12. レイヤリストの厚さの項目がグレーになります。以降、レイヤの厚さは次の手順で編集します。
    1. [修正]ボタンをクリック
    2. 断面ビューで外側の境界をクリック
    3. 表示された寸法を編集

  13. OKを2回押す
    レイヤを分割した壁タイプ

壁のスイープを追加

さらに見切り材として壁のスイープを追加してみます。
  1. プロファイル - ホスト(メートル単位).rftで次のようなプロファイルを作成する。

  2. プロファイルの用途を壁スイープとして、プロジェクトにロードする。
  3. 壁のタイプ編集で、構造の[編集]ボタンを押し、アセンブリを編集ダイアログボックスを開く。
  4. [壁スイープ]ボタンを押して、[追加]をクリックし、次のように設定。

    1. 基準オフセット:1500
    2. 基準:下部
    3. 向き:面に垂直
    4. 側面:外部
    5. 側面オフセット:-20
    6. フリップ:□
    7. セットバック:0
    8. 壁の欠込:✔
    9. 切り取り可能:✔
これで境界に見切り(壁のスイープ)が配置されます。壁の欠込をチェックしたので、内側にオフセットしたスイープで壁のレイヤが切り取られてることに注目してください。
壁のスイープで見切りを追加
スイープとの組み合わせで腰壁+幅木なども表現できます。
弱点としては、やはりレイヤの厚さを分割領域ごとに変更することができないことですが、一方でマテリアルの面積などは正確に把握することができます。

2024年8月3日土曜日

RC梁のハンチ

ハンチファミリを作るべきだが。。。

RC構造フレームでハンチ梁が必要になった時、本来ならばハンチ形状をもつ構造フレームファミリを作るべきです。しかしながら今回は応急処置的に梁に開口をあけて対応する方法をご紹介します。

構造フレームに開口

まず普通の矩形のRC梁(Autodeskファミリだとコンクリート-長方形梁など)を配置し、断面図や立面図などで表示します。このとき、梁成はハンチ部分を含めた最大の高さにしておきます。

梁を作成し立・断面ビューを開く

  1. 構造タブ>開口部パネル>面をクリック
    開口部パネルの面

  2. 構造フレームをマウスオーバーすると、スケッチ面を表す緑の枠が現れるのでクリックして選択
  3. 修正|開口部の境界を作成タブ>描画パネルで矩形を選択して、形状をスケッチ
    削り取る部分をスケッチ

  4. モードパネル>✔を選択し、形状を確認する
    ハンチ梁の形状

斜めハンチも部分ハンチも思いのままに作成できます。

斜めにもできます

左右も開口部を作成できる

開口部は平面図でスケッチすれば鉛直に梁を削り取ることができます。平面ビューを開き、同様に開口部-面をクリックし、構造フレームをマウスオーバーします。緑色の枠が梁を囲みます。
緑の枠は作業面を表す

この緑色の枠は、スケッチを作成する作業面を表しています。構造フレームを選択して削り取る部分をスケッチします。
開口部をスケッチ
一度に二つのループは許可されていないので、同じ操作を繰り返すと、次のようなハンチも作成可能です。


配筋はできるのか?

ハンチ梁で気になるのが配筋のおさまりです。開口部-面でハンチを作成した場合も、問題なく拘束やかぶり厚を設定して鉄筋を配置することができるので、配筋の検討も十分に可能です。

鉄筋は問題なく配置できる

この方法だと、すべてのハンチ梁をいちいちスケッチしなくてはならないので、あまりお勧めできる方法ではない反面いろいろな形状が作れるので、ワンポイントリリーフ的に使うのであれば便利な機能です。