2020年11月29日日曜日

鉄骨タブ(5)

ボルト作成時のエラー

次の図のようにパラメータを設定して、H型鋼の構造フレームファミリを作成してみました。

構造フレームファミリを作ってみた
このファミリをプロジェクトに配置し、前回の手順でプレートを作成しボルトで接合しようとしたところ、次のような警告が表示されました。
「接続されている要素の[標準]詳細レベルの形状に丸めが含まれています」
このエラーを回避する方法は二つあります。

断面形状からフィレット円弧を取り除く方法

警告の内容に従って、構造フレームの詳細レベルが標準の時の断面の形状からコーナーのフィレット円弧を取り除くと、エラーを回避できます。

標準ではコーナーの丸め(フィレット円弧)を取り除く
コーナーの丸めを取り除くのは「標準」のときだけでよく、「詳細」においてはコーナーの丸めをつけておいても問題ありません。
詳細モードではコーナーの丸めがついていても問題ありません。

断面形状を定義する方法

もう一つはファミリの「断面形状」を定義する方法です。断面形状パラメータは構造フレームと構造柱カテゴリのファミリに割り当てることができます。詳細はヘルプをご覧いただくとして、割り当て方を説明します。

  1. ファミリを開き、ファミリのパラメータ「断面形状」の[...]をクリック。
    断面形状パラメータ
  2. 適切な形状(ここではH型鋼)を選択しOK。
    断面形状を設定

  3. この指定により、いくつかのパラメータが追加されていることを確認します。これらのパラメータは「構造断面ジオメトリ」「構造解析」「寸法」に追加されます。
    断面形状を設定することによって追加されたパラメータ

  4. これらのうち、鉄骨加工に重要なパラメータは「構造断面ジオメトリ」のパラメータで、これらがどの値を示すかは、パラメータ名をマウスオーバーしてしばらく待つと図示されます。

  5. これに従って再度、パラメータをつけなおしてみます。
    構造断面ジオメトリのパラメータを設定


  6. 図心 水平方向と図心 垂直方向はそれぞれ式に「0.5 * 幅」「0.5 * 高さ」と設定します。
    構造断面ジオメトリ

  7. 単位をmmにしたい場合は、管理タブ>設定パネル>プロジェクトで使う単位で、構造>断面プロパティで単位をミリメートルに変更します。
    断面プロパティの単位を変更する

断面形状プロパティを設定すれば、形状を変更しなくても、ボルトを作成することができます。
断面形状プロパティの設定によりボルトの加工が可能になります。

2020年11月23日月曜日

鉄骨タブ(4)

プレート

プレートはあらかじめ作業面を指定しておくのがポイントです。たとえば次のような鉄骨があったとします。


このフランジ上部にプレートを作成する場合は

  1. ビューのプロパティ詳細レベルを「詳細」に設定。プレートは詳細モードでのみ表示されます。
  2. 鉄骨タブ>製造要素パネル>プレート
  3. 作業面パネル>セット
  4. 作業面ダイアログボックスで「面を選択」を選択してOK。
  5. プレートを設置する面をクリック
    プレートを設置する面を選択

  6. 描画パネルから適切なツールを選択して、プレートの外形を作成します。
    外形線をスケッチ

  7. モードパネル>✔
    説明を追加

プレートのインスタンスプロパティ

プレートはちょっと特殊で、タイプがありません。インスタンスプロパティのみです。構造マテリアル、厚さなどは文字通りですが、位置合わせには注意してください。

位置合わせ

位置合わせの値は0から1の間の実数です。これは作業面を基準としてのプレートの厚さの比率を示しています。
位置合わせの値による変化

ボルト

作成したプレートと鉄骨をボルトで接続します。接合する要素をCTRLを押しながらすべて選択し、最後にENTERで選択を確定するのがポイントです。

  1. 鉄骨タブ>製造要素パネル>ボルト▼>ボルト
  2. プレートと鉄骨をCTRLを押しながら選択(①、②、③)し、ENTER
    ①→②→③→ENTER

  3. ボルトを配置する面を選択。目標の面のエッジ合せると面が反応します。にこの場合はプレートの上面を選択しています。ボルトは選択した面に対して垂直に作成されます。
    ボルトの設置面を選択 面のエッジにカーソルを合せると選択できる

  4. パターンから長方形を選択して、ボルトを配置する領域をスケッチする。ボルトはこの矩形の辺上に作成される。
    ボルトを配置する領域

  5. モードパネル>✔
    ボルト

プロパティ

ボルトのインスタンスプロパティを編集して、形を整えます。
  1. ボルトを選択し、側面1のエッジ距離、側面2のエッジ距離の値を50とすると、作成したスケッチラインから50mm内側にボルトが移動します。
    側面1、2のエッジ距離

  2. 側面1の数、側面2の数でボルトの配列を変更してみます。
    側面1、2の数

  3. ボルトの規格ですが、残念ながらずばりJISというのはないので、ISOで代用してみます。
    • 標準:EN ISO4014
    • 直径:24mm
    • アセンブリ:Na2W(ナットと2枚のワッシャー)
      説明を追加

ボルトを作成すると、接合の対象となる鉄骨にも穴があきます。


ところが、構造フレームのファミリによっては、ボルトの長さがおかしくなったり、穴が開かなかったりします。これは構造フレームのファミリの作り方によるものです。次回はこの理由を考えてみます。

2020年11月15日日曜日

鉄骨タブ(3)

構造接合のサブカテゴリ

構造接合を作成・編集する前にビューの表示状態をチェックしておきましょう。

  1. 表示タブ>グラフィックスパネル>表示/グラフィックス
  2. モデルカテゴリタブのフィルタリストで構造に☑が入っていることを確認する。
  3. 構造接合を展開し、すべてのサブカテゴリにチェックを入れる。
    構造接合のサブカテゴリを全て表示する
これらのサブカテゴリは、フィルタリストが構造の時だけ表示されるものがたくさんあります。
建築のみ☑した場合は隠線処理しかない

鉄骨接合の編集のためにはすべて必要ですので、常に表示するようにしてください。

貫通

貫通は鉄骨フレームに他の構造フレームの貫通孔を作成するツールです。

使い方

たとえば、次の図のような構造フレームが交差しているような状況を想定して、使い方を説明します。

  1. 鉄骨タブ>パラメトリックの切断パネル>貫通
  2. CTRLキーを押しながら二つの構造フレームを選択(交差選択でもOK)して、ENTERキーを押す。
    • この結果次の図のようになります。
    • ●が主材、つまり穴が開けられる側の部材、②が貫通する部材です。もし、反対になっていたら②の下の●をクリックして●と②を入れ替えます。

  3. 接合パネル>パラメータを修正で以下の項目を変更してみる
    • 溶接のチェックを外す-----構造接合のボックスを表示するため
    • 短縮を作成のチェックを外す----主材を切断しないため

  4. さらに以下の操作を行って振る舞いを確認する
    • ギャップの値:20
    • 等高線の形状:標準
    • コーナーの切り取り:面取り
    • コーナーのサイズ:50

「等高線」は英語バージョンでは「Contour」となっています。「輪郭」と訳すべきところを文脈を無視して一律に「等高線」と訳してしまっていますね・・・。

溶接にチェックを入れた場合、パラメータの編集するには溶接記号(+)を選択してください。
溶接記号

切り取り

T字型に交差した鉄骨の切り欠き部分を作成します。次の図のような状況で

  1. 鉄骨タブ>パラメトリックの切断パネル>切り取り
  2. 二つの鉄骨を選択してENTER

  3. 接合パネル>パラメータを修正でパラメータを変更して振る舞いを確認してください。


2020年11月4日水曜日

AUガイド(2)

注目のセッション

AUでは非常にたくさんのセッションがあります。Revitユーザーとして面白そうなセッションを抽出してみました。多分こういった悩みに答えてくれるんだろう、という感じで抽出してみました。

【Revitの解析機能】

解析タブの日照解析のボタンってどうやって使うんだろう?

Solar Analysis: Calculating Shaded Areas in Revit for Sustainable Design

解析タブの構造の部分って今は使ってないけど、ほんとはどうやって使うのだろう?

Automate Structural Analytical Modeling Workflows in Revit

【Revitの座標】

分野間のモデルの位置合わせについてもっと知りたい

Allies at Last: Getting Architects and Engineers on the Same Coordinate Page

共有座標っていまいちわかりにくいんだよね

Shared Coordinates—Because After All These Years I Still Don’t Get It!

土木と共同作業の方法について知りたい!

Coordinating Civil 3D and Revit with Shared Reference Points

【機械学習】

MEP要素配置を機械学習で行うってすごいな!

Automating MEP Element Placement Using Machine Learning in Revit

ジェネレーティブデザインの使い道について事例を知りたい!

Non-Geeks Guide to Optimizing Daily Workflows with Generative Design

【ダイナモ】

ダイナモの基礎を知りたい!

Dynamo for Revit: More Baby Steps for the Non-Genius

ダイナモで日照検討。これならまねできそう

Using Dynamo to Assist with a Solar Study

【ビジュアライゼーション】

マテリアルについて深く知りたい!カッコいいレンダリングを作るコツを知りたい!

Next-Level Visualizations with Revit Advanced Materials

【インターオペラビリティ】

ISO19650って最近よく聞くけど何?

ISO19650, the Common Data Environment and Autodesk Construction Cloud

ISO19650の話もだけど、そもそもBARTの延伸計画ってなんだかおもしろそう(^^)/

Bringing ISO 19650 to Silicon Valley: BIM Challenges on the BART Extension

COBIEやBIM Interoperability toolについて知りたい!

Make Your Model BMS Ready

【BIM360】

巨大プロジェクトをBIM360でどうやって管理すればいいのだろうか?

Managing Mega Projects in BIM 360

BIM360のデスクトップコネクターの上手な使い方

Setting Up and Using Desktop Connector with BIM 360 Docs

クラッシュチェックをBIM360とNavisで行う方法

Clash Modeling Without Social Distancing: Using BIM 360 Model Coordination and Navisworks Together

【Construction Cloud】

Construction Cloudって何ができるのかな?

Harnessing the Power of BIM and Assemble

未来のコーディネーションを語るのか?

The Future of Model Coordination is more than Clash Detection!

【FORGE】

プログラマには重要です!

BIM 360 API Update and Beyond

基本を知りましょう!

Design Automation for Revit: 基礎から応用へ

いろいろ盛りだくさんの内容で、本当に楽しみです!