自由なファミリデザインはREVITの最大の魅力
Revitの大きなメリットの一つに、「ファミリ(部品)をユーザーレベルで自由にデザインできる」という点があげられます。今回から、基本的なファミリの仕組みについて理解を深めていきましょう。まずは、既存の3Dデータを取り込んで作るところから始めます。
![](//4.bp.blogspot.com/-jSB0Q-CDaxM/VjP9aYzsRfI/AAAAAAAACaw/tdfiLDR-Y4Y/s400/fam0117.PNG) |
3D DWGを取り込んだファミリ |
DWGデータの活用
既存の三次元DWG/DXFデータを使ってファミリを作成する効果的な手順を考えてみます。今回はTOTOのCOMETで提供されている3次元CADデータをサンプルとして使用します。
このサイトでは、TOTO製品の三次元CADデータが公開されています。この中から、住宅用の大便器を例にして、ダウンロードしたDWG/DXFを使ったファミリの作成法を考えてみます。
3D/2D DWGのダウンロード
今回は下の図の商品をサンプルにしてみます。
![](//1.bp.blogspot.com/-VSQIFiQzihU/ViOa0BMTxHI/AAAAAAAACXw/3sKtsLis6iY/s400/fam0101.PNG) |
様々な衛生器具の3D/2Dデータが公開されているTOTOのサイト |
モデルとして3Dデータを、図面表示用として2Dデータをダウンロードします。
![](//2.bp.blogspot.com/-AD5qhCBdgvs/VjHybrsMueI/AAAAAAAACYc/XbtLdMmvARo/s1600/fam0105.PNG) |
3DはDXFデータを使う |
![](//1.bp.blogspot.com/-av6VscsK5Ho/VjHya9Vo2OI/AAAAAAAACYo/HSJFJCexHcs/s320/fam0102.PNG) |
平面図は簡単なDWG |
![](//1.bp.blogspot.com/-1EsfSW5tGk8/VjHya3D32EI/AAAAAAAACYk/IZv1u2DdZis/s320/fam0103.PNG) |
立面図として正面図のDWG |
![](//3.bp.blogspot.com/-JCy2nA51iuI/VjHya7kdHgI/AAAAAAAACYg/ZYstM0PYy-4/s320/fam0104.PNG) |
側面もDWG |
ファミリの作成
まずは「衛生器具(メートル単位).rfa」を使ってファミリを新規に作成します。そして
[挿入]-[CADを読み込む]
で3Dデータを読み込みますが、このとき、いくつか注意が必要です。
(1) 3Dとして取り込むので、「現在のビューのみ」のチェックを外す
(2) エッジを黒にしたいので「白黒」とする
(3) ミリメートルを選ぶ
![](//1.bp.blogspot.com/-wG9QPy7XW00/VjH0omSapTI/AAAAAAAACY0/u1NktX30FvE/s400/fam0106.png) |
オプションに注意 |
です。そして、挿入後適当な位置におきます。次に、読み込んだデータを適切な位置におくのですが、プレビューをきれいに見せるために、下の図のように、上向きにおきます。
![](//2.bp.blogspot.com/-y7l7-iZRm_4/VjH1QXFKpfI/AAAAAAAACY8/HOPTpGDgs7w/s400/fam0107.PNG) |
上向きに配置する |
これがけっこう重要なポイントです。こうしないとプレビューがいつも後ろ向きになってしまいます。
3D表示のコントロール
読み込んだデータはメッシュになっているので、これが平面図に表示されると厄介です。そこでこのモデルは3D以外では表示しないように設定します。よみこんだモデルデータを選択し、プロパティパレットの[表示/グラフィックスの上書き]の編集ボタンをクリックし、下の図のように設定します。
![](//2.bp.blogspot.com/-q0Ln5ScNHKA/VjH2Mv3KtFI/AAAAAAAACZI/or7G1ZGYNH0/s400/fam0108.png) |
3Dビューでのみ表示 |
これで、平面図、立面図、断面図にはメッシュが表示されなくなります。
2D表示のコントロール
平面図の2Dデータ(DWG)を平面図に読み込みます。このとき読み込みのオプションは下の図のように設定します。
![](//3.bp.blogspot.com/-Z237_hj58_I/VjIeG2cnaCI/AAAAAAAACZY/2hVTBB8ECrA/s400/fam0109.png) |
2Dのオプション |
便器の平面図、正面図、側面図は平面図や立面図でしか表示しないのでそれぞれ、「現在のビューのみ」にチェックをいれて
- 平面図 - 参照レベル に平面図
- 立面図 - 背面 に正面図
- 立面図 - 右 に左側面図
を挿入します。
次に挿入した2D-DWGを選択し、[読み込みインスタンス]-[分解]-[完全に分解]で分解します。
分解後の線分を選択し、サブカテゴリを「衛生器具」に変更します。
![](//4.bp.blogspot.com/-hgWChKsFzds/VjIgZCiVX8I/AAAAAAAACZk/DJJnIICXtTs/s400/fam0110.png) |
詳細線分のサブカテゴリを「衛生器具」に変更 |
分解直後の線分のサブカテゴリはAやPVとなっています。これらは読み込んだDWGに含まれるレイヤの名前です。そのままでは、プロジェクトに挿入した後の表示コントロールが面倒なので、ネイティブのサブカテゴリに変更しておきます。
モデル線分からシンボル線分に
分解直後の線分は「モデル線分」になっています。このモデル線分を選択して、[線種を変換]をクリックしてシンボル線分に変換します。
シンボル線分は平面図や展開図など、2次元図面にのみ表示されます。
![](//4.bp.blogspot.com/-KOhrV5ktJEg/VjIjS4YkQ7I/AAAAAAAACZw/eJOuwvxiPV8/s400/fam0111.png) |
モデル線分を詳細線分に変換する |
この時点で、多少線分を整理して、表現を整えておきます。
![](//3.bp.blogspot.com/-ktMkThRoNWA/VjIjq4xqRmI/AAAAAAAACZ4/QufKZEZd9nw/s320/fam0112.PNG) |
図面表現を見やすく整える。 |
![](//1.bp.blogspot.com/-Crqj_XBDHOc/VjIlCe2-4SI/AAAAAAAACaE/tGrovep7NpA/s400/fam0113.PNG) |
これが横からの立面図に表示される |
これで、二次元図面上での表現はOKです。
マテリアル
よく「読み込んだCADデータのマテリアルは変更できないの?」と聞かれるのですが、これはちょっといつもとは変わった方法で可能です。
3Dビューに切り替えて、シェーディングにしてみます。すると、下の図のように色がついた状態になります。
![](//4.bp.blogspot.com/-ObdU8bVRLOE/VjIl3PuszAI/AAAAAAAACaM/HVxkFlmnCNY/s400/fam0114.PNG) |
3Dビューでシェーディングにする |
ここで[管理]-[マテリアル]を表示します。そうすると「レンダリングマテリアル-数字-数字-数字」というマテリアルがいくつか並んでいます。
![](//2.bp.blogspot.com/-0Gxkh3UZXGU/VjIms-NDSeI/AAAAAAAACaU/q8MbhJ-404U/s400/fam0115.png) |
レンダリングマテリアル |
この「レンダリングマテリアル」は、DWG/DXFファイルを読み込むごとに作成されます。これはDWGファイル内のレイヤや要素の「色」を示しています。つまり、
「AutoCADの色」=「Revitのマテリアル範囲」
となります。試しに元のDXFをAutoCADで開いてみると下の図のようになっています。
![](//4.bp.blogspot.com/-pJRfp4ged18/VjIo4SdfmuI/AAAAAAAACag/QJw-36H06PQ/s400/fam0116.PNG) |
AutoCADで開いてみる |
読込CADデータのマテリアルを設定したければ、AutoCADなどで、オブジェクトに色を付けておけばいいのです。
次回は、この色ごとのマテリアルを設定します。