2016年5月29日日曜日

躯体モデルチュートリアル(2)

基礎小梁は基礎伏図の切断面より上にあるため、1階の床伏のビューを作成し小梁を作りやすくします。右のリンクから「躯体モデル_10.rvt」をダウンロードして開いてください。

ビューの作成

(1) [表示]-[作成]-[平面図▼]-[構造伏図]でタイプを「見下図」、レベルを「1FL」を選択しOK。
1FLの床伏ビューを作成
(2) ビューの奥行きを調整します。ビューのプロパティで「ビュー範囲」の[編集]をクリックし、下の図のように設定し、フーチングをビュー範囲から除外します。

ビュー範囲の調整
(3) 縮尺、詳細レベル、専門分野を設定。
その他の設定

基礎小梁の作成

(1) [構造]-[構造]-[梁]で、タイプセレクタから[FB1]を選ぶ。
FB1を選択
(2) オプションバーで配置面を「1FL」、構造用途を「小梁」に設定し、小梁を作成する。
小梁を作成
(3) 作成した小梁を選択して、プロパティウィンドウで[始端レベルオフセット][終端レベルオフセット]を「-150」にする。
梁レベルを下げる
(4) 小梁のインスタンスプロパティ[ふかし上]を150とする。
ふかし
基礎伏図に基礎小梁を表示

(1) 基礎伏図ビューを開く。
(2) ビューのプロパティでアンダーレイ(下敷参照図)を以下のように設定し、小梁を表示する。
アンダーレイを表示
(3) [修正]-[表示]-[ラインワーク]で[線種]を「2Dot 黒 実線」を選ぶ。
ラインワークの設定
(4) (2)で表示された小梁の外形をクリックして、破線にする。
小梁を破線表示にする
(5) アンダーレイ(下敷参照図)を「なし」にする。
アンダーレイを解除

タグの表示

(1) Peeler Libraryから「ラベル_構造フレーム」「ラベル_構造柱」「ラベル_フーチング」をダウンロードし、適切なフォルダに保存する。
(2) [挿入]-[ライブラリからロード]で、(1)でダウンロードしたファミリをプロジェクトにロードする。
(3) [注釈]-[タグ]-[すべてにタグをつける]で、「現在のビューのすべてのオブジェクト」をチェックし、構造フレームタグ(ラベル_構造フレーム:ふかし)、構造基礎タグ(ラベル_フーチング)、構造柱タグ(ラベル_構造柱:標準)を選択しOK。
構造柱タグは「標準」を選択
(4) ビューに表示されたタグの位置を調整する。
タグの位置を調整

寸法


[注釈]-[寸法]-[平行寸法]で柱の寸法、フーチングの寸法、梁の寸法を作成する。
寸法を追加

完成したプロジェクトはPeeler Libraryの躯体モデル_20.rvtです。
伏図を中心に作業していると、自分が行っている作業がどこに影響しているのか、何をしているのかが見えづらくなります。慣れないうちは必ず、3Dビューを確認しながら作業を進めてください。
伏図と3Dビューと両方表示しながら作業する
次回は「スラブ」について考察します。

2016年5月22日日曜日

躯体モデルチュートリアル(1)

今回から数回に分けて、躯体モデルおよび躯体図の作成について、チュートリアルを連載します。ライブラリからファイルをダウンロードして、練習してみてください。より良い方法が見つかったら、更新してまいります。Revit2017では躯体モデルにとって、いくつかの点が改善されていますが、まずはRevit2016をベースにします。

準備-基礎伏ビューの作成

(1) 右上のリンクから「躯体モデル_01.rvt」をダウンロードして開いてください。このファイルはRevit2016で作成されています。
(2) [平面図]-[作業用]-[作業用 1階]を開き、1階の柱が作成されていることを確認します。この柱の直下にフーチングを作成します。
(3) [表示]-[作成]-[平面図]-[構造伏図]
(4) [タイプ]に「見下図」、「基礎下端」を選択してOK。
見下図、基礎下端を選択
(5) ビュースケールを「1:50」、詳細レベルを「標準」、専門分野を「構造」、ビューの名前を「基礎伏図」(レベルの名前は変更しない)とする。

1階の柱をアンダーレイとして表示

(1) 下敷参照図グループの[範囲:基準レベル]を「1FL」に、[下敷参照図の方向]を「見下ろす」として、基礎伏図ビューに1FLの柱を表示する。
アンダーレイの設定
基礎伏図ビューに1FLの柱を表示

フーチングの配置

(1) [構造]-[基礎]-[独立]をクリックし、タイプセレクタで「フーチング1:F1」を選択。
(2) プロパティを以下のように設定。

  • レベル        設計GL
  • オフセット      -2000
  • 解析モデルを有効 オフ
    フーチングのプロパティ

(3) 柱の中心をクリックして、フーチングを配置する。
柱の中心にフーチングを配置

ここで [表示]-[作成]-[3Dビュー]で状況を確認すると、フーチングと1階柱の間に空隙があることが確認できます。

構造柱の追加

フーチングの一つを選択し、プロパティを見ると、[上部の高さ]が-800となっています。
フーチングの上部の高さ
基礎上端と1FLの間に構造柱を作成します。
(1) 1FLの柱をすべて選択し、[クリップボード]-[コピー]
(2) [貼り付け]-[同じ位置に位置合わせ]
(3) コピー直後は柱が選択されているので、プロパティを以下のように設定。
柱のプロパティ
(4) 基礎と1FL柱の間に新たに柱が作成されたことを確認する。

基礎伏図の調整

基礎伏図のビューを開いてみると、作成した柱が表示されていないので、ビュー範囲を調整します。ビューの切断位置はフーチングの上端の少し上がいいでしょう。

(1) ビューのプロパティ[ビュー範囲]の「編集」をクリックし、下の図のように範囲を設定する。
ビュー範囲
(2) 下敷参照図も「なし」とし、柱が表示されていることを確認する。
柱が表示された基礎伏ビュー

梁の配置

基礎梁を配置します。基礎梁の配置面は1FLとし、置きスラブと考えて、構造体のレベルを1FL-150として、上端を150ふかします。

(1) [構造]-[構造]-[構造フレーム]を選択し、オプションバーとプロパティを下の図のように設定する。
梁を配置する準備
(2) 柱と柱の中心をクリックして、基礎梁を配置。
基礎梁を配置
(3) 作成した基礎梁をすべて選択し、プロパティを以下のように設定し、上端を1FL-150とする。
レベルを-150に
(4) 全ての基礎梁のインスタンスプロパティ「ふかし上」を150とする。

柱の部分を拡大してみると、梁と柱の包絡がきれいにできていないことがわかります。
柱と梁の包絡ができていない
こういう場合は、一旦柱をクリップボードにカットして、再度貼り付けるときれいに包絡されます。

(1) 柱をすべて選択して、[クリップボード]-[カット]
(2) [貼り付け]-[同じ位置に貼り付け]
柱と梁が包絡された

梁の寄りを設定

外周の基礎梁の外面を柱の外面に合わせます。

(1) 基礎梁を選択し、[修正|構造フレーム]-[位置合わせ]-[yオフセット]
(2) 下の図の1-> 2の順にクリックして、面を合わせる。
面合わせ
外周全ての面を合わせると次の図のようになります。
面合わせ後の様子
3Dビューで確認
今回までの完成モデルは「躯体モデル_10.rvt」です。

次回は、基礎小梁と注釈(タグ・寸法など)を作成します。

2016年5月8日日曜日

基礎(1)

ファミリのライブラリ

RC梁、RC柱とそれぞれのタグの完成(試作)ファミリを、右のリンクから自由にダウンロードできるようにしました。時折バージョンアップしてまいります。何かあっても責任は負えないのですが、よろしければご利用ください。また何か問題があればコメントをお願いします。

構造基礎

杭頭・フーチングのカテゴリは「構造基礎」です。様々な形状のフーチングがありますが、基本さえ押さえれば、いかなる形の基礎でも自由に作成することができるようになります。

(1) 構造基礎(メートル単位).rteを使って新規のファミリを開始し、「モデルのマテリアルの動作」を「コンクリート」に設定。
モデルのマテリアルの動作をコンクリートに設定
(2) [管理]-[共有パラメータ]で、「基礎高」「基礎寸法1」「基礎寸法2」の長さのパラメータを作成する。
共有パラメータを作成
(3) 図のように参照面と寸法を追加して、寸法に共有パラメータのラベルを追加する。
共有パラメータ「基礎寸法1」「基礎寸法2」を追加
(4) [作成]-[フォーム]-[押し出し]で、矩形をスケッチして、参照面にロックし編集を終了。
参照面にロック
(5) 作成したフォームを選択し、プロパティウィンドウの「押し出し終点」の関連付けボタンをおして、共有パラメータ「基礎高」に関連付ける。
説明を追加
(6) フォームのマテリアルを「構造マテリアル」に関連付ける。
マテリアルを関連付ける
 (7) 名前をフーチング1.rfaとして保存する。
以上でフーチングファミリの作成は終了です。同じ要領で様々な形状のフーチングを作成することができます。

タグ

記号と基礎底レベル、基礎高さを表示するタグを作成します。

(1) 「注釈」フォルダの「一般タグ(メートル単位).rft」を使って、ファミリ作成を開始し、[ファミリカテゴリとパラメータ]でカテゴリを「構造基礎タグ」を選択。
カテゴリを選択
(2) 下の図を参考に、ラベルと線分を追加して、外観を整える。詳細は「構造フレームタグ」「構造柱タグ」を参考にしてください。
ラベルを追加
下部の高さとはフーチング底面のZ座標です。この場合、プロジェクトでは設計GLがZ=0であると想定しています。同様に「上部の高さ」はフーチングの最上部のZ座標の値です。フーチングの高さではなく、上端のレベルを表示したい場合は、「上部の高さ」を使用します。

次回は、これらのファミリを利用して基礎伏図を作成してみます。
次回は基礎伏図に挑戦



2016年5月2日月曜日

構造柱(2) タグ

構造柱タグの作成

タグに表示するパラメータは共有パラメータでなければなりません。「複数のファミリで共有するパラメータ」という意味です。前回の構造柱(1)では、柱サイズのパラメータに共有パラメータを用いたので、タグに表示することができます。

Step by Step

(1) [R]-[新規作成]-[ファミリ]でテンプレートは「注釈」-「一般タグ(メートル単位).rft」を選択する。
(2) [作成]-[プロパティ]-[ファミリカテゴリとパラメータ]で「構造柱タグ」を選択しOK。
カテゴリを変更
(3) 赤い字を削除。
(4) [作成]-[文字]-[ラベル]を選択し、プロパティウィンドゥの[タイプを編集]をクリック。
(5) 下の図を参考に、ラベルのタイプを設定する。
ラベルのタイプを設定
(6) 参照面の交点あたりをクリック。
(7) [カテゴリパラメータ]から「タイプ名」をクリックして[]をラベルパラメータに追加。
ラベルの編集
(8) ダイアログボックス右下の[パラメータを追加]ボタンを押して、[共有パラメータ]-[選択]で「柱X」「柱Y」を選択して追加。
共有パラメータを追加
(9) 「柱X」「柱Y」を下の図のようにラベルパラメータに追加して、下の図を参考に接頭表記や分割を設定する。
ラベルパラメータの設定
(10) 名前を付けて保存します。(ラベル_構造柱.rfa)
完成した柱タグ

タイプの作成

ふかしのパラメータを追加して、複数のタイプを作成します。
Step by Step
(1) (8)の手順で共有パラメータ「ふかし上」を追加し、下の図のように書式を設定して配置します。
共有パラメータを追加して、書式を設定する
ラベルを追加
(2) 同様に、「ふかし下」「ふかし右」「ふかし左」を追加する。
(3) ふかしの4つのラベルを選択し、プロパティウィンドゥの[表示]の関連付けボタンを押し、パラメータ[ふかし]を追加。
表示のパラメータ「ふかし」を追加
(4) 「標準」と「ふかし」のタイプを、それぞれ「ふかし」パラメータをOFF、ONとして作成する。詳細は「RC梁を作成する(3)」で述べていますので参考にしてください。
タイプの作成

使ってみる

それでは実際に構造柱に対してタグを作成してみます。 プロジェクトにタグのファミリをロードして、[注釈]-[タグ]-[カテゴリ別にタグをつける]を選択し、オプションバーの[引出線]のチェックを外し、構造柱をクリックします。
タグでプロパティを表示

さらに、タイプを「ふかし」に変更すると・・・
ふかしを表示
タグを作成することで「インプレイス」でふかし寸法をコントロールできるようになります。

サンプルデータ

A360ドライブにデータをアップロードしておきました。特に制限はありませんし何かあっても責任は負いません。時折、バージョンアップしていきます。