2022年11月26日土曜日

壁のレイヤの高さ(2)壁のリビール編

リビールで削る

リビールタイプを作成して配置すれば、前回の壁のボイドファミリを配置するのと同様に壁レイヤの上部を「削る」ことができます。リビールタイプを作成するにはプロファイルが必要です。

プロファイルを作成する

  1. ファイル>新規作成>ファミリ で「プロファイル - リビール(メートル単位).rft」テンプレートを指定。
  2. 次のように参照面と寸法を配置して、寸法にラベルをつける。

  3. 作成タブ>詳細パネル>線 で矩形のプロファイルを作成する。線は参照面にロックする。

  4. 名前を付けて保存し、プロジェクトにロードする。

プロジェクトでプロファイルタイプを作成

たとえば次の図のような天井と壁があるとします。壁のレイヤ厚さは外から5mm、12.5mmです。
必要なプロファイルは
  • 厚さ:5mm、高さ1050mm
  • 厚さ:12.5mm、高さ968.5mm
の二種類です。そこで、プロジェクトブラウザ>ファミリ>プロファイルでロードしたプロファイルファミリを探して、タイプを作成します。

壁のリビールを配置

  1. 3Dビューまたは立面図、断面図を開く。壁のリビールは配置する壁面を表示する必要があります。
  2. 建築タブ>構築パネル>壁▼>壁リビール
  3. タイプ編集ボタンを押し、複製ボタンをクリック。
    1. 名前を「レイヤ5.0x1050」などと設定してOK
  4. 適切なプロファイルを設定してOK

  5. 配置先の壁の上辺をクリックして配置。

  6. 修正をクリックして配置完了。
  7. 建築タブ>構築パネル>壁▼>壁リビール
  8. タイプ編集ボタンを押し、複製ボタンをクリック。
  9. 名前を「レイヤ12.5x968.5」などと設定してOK
  10. すでにリビールを配置している位置には配置できないので、いったん壁の下のほうに配置する。

  11. 選択した状態で、プロパティ「壁面オフセット」を5に設定。
  12. 表示されている仮寸法を使うか、移動を使用して壁の頂部にリビールを合わせる。

断面図で状況を確認すると次のようになっています。

メリットとデメリット

リビールと壁ボイドファミリとを比較すると、後者のほうがよりお手軽で便利であることは明らかです。ただリビールを使うと局面の壁にも同様の処置ができます。これは壁ボイドファミリにはないメリットです。

曲面の壁についてはリビールを、その他の壁については壁ボイドファミリを設置するというような使い分けが良いと思います。

2022年11月19日土曜日

壁のレイヤの高さ(1)ボイドファミリ編

レイヤごとに高さを変えるには

LGSの壁など、複数のレイヤで構成する壁では、「LGSはスラブまでだけど、ボードは天井の少し上まで、仕上は天井下まで」というように、各レイヤごとに高さを設定したい場合があります。今回はこれを実現する方法を考察してみます。

壁のレイヤの高さをコントロールする方法はあるのか?

下げるのではなく削る

パーツに分割する方法もありますがなかなか煩雑です。また壁タイプで頂部の拘束を解除する方法もありますが各レイヤを独立して動かすことはできません。そこで、今回考えた案はレイヤの天端を下げるのではなく、「削る」という考え方です。壁を削るには二つの方法があります。
  1. 壁基準のボイドファミリを配置する
  2. 壁のリビールを配置する
それぞれメリットデメリットがありますので、今回は1の壁基準ボイドファミリを使ってみます。

壁ボイドファミリの概要

ファミリテンプレート「一般モデル(メートル単位)、壁基準面.rft」を使って壁にホストされるボイドだけのファミリを作成します。まずは2レイヤの高さを調整するファミリです。
壁ホストのボイドファミリ

平面図は次の図の通りですべてインスタンスパラメータです。レイヤ1、2の厚さをパラメータで変更できるようにします。
レイヤ1、2の厚さと幅をインスタンスパラメータに設定

立面図では高さをインスタンスパラメータで設定します。天端レベルを設定し、レイヤ1、2の高さをインスタンスパラメータとします。
レイヤ1、2の高さと天端の高さをインスタンスパラメータに設定

使い方

複層壁を作成してスラブ間に配置します。一例として次のような複層壁を想定します。
複層壁の内訳

また、複層の天井を適切な高さに配置します。これを断面図で見るとこのようになります。
高さの異なる複層壁の天井を壁を挟んで配置

壁に作成した壁ボイドファミリを配置して、レイヤ1厚さを5mm、レイヤ2厚さを12.5mmとし、高さと幅および天井範囲を調整します。同様に壁の反対側にも配置してレイヤ厚さを調整すると次のようになります。
壁ボイドファミリを壁の上端に配置する

隅に注意

これでほとんどの場合はうまくいきます。あとはレイヤの数に応じた壁ボイドファミリをいくつか用意しておけば様々なケースに対応できます。
一つだけ注意することは、この壁ボイドを配置した壁に他の壁が交差する場合です。
配置した壁ボイドと他の壁が交差すると・・・



ボイドと他の壁が交差すると次のような警告が表示されます。
ボイドと壁が直交すると警告が表示される

無視しても構わないのですが、交差する壁を避けて壁ボイドを配置したほうがよいでしょう。

次回は壁のスイープだとどのようなメリット・デメリットがあるのか、検証してみます。

2022年11月12日土曜日

パーツ(3)

ギャップ

ギャップは分割の隙間の距離です。このプロパティは分割編集モードでのみ表示されます。

  1. 分割されたパーツを選択して「分割を編集」
  2. プロパティウィンドウでギャップを20と入力
    ギャップを設定

  3. モードパネル>✔
分割ギャップが設定される

分割プロファイル~シングルチェーン

分割の形状(切り口)をプロファイルとして定義することができます。まずは分割プロファイルファミリを作成してみましょう。

  1. ファイルタブ>新規作成>ファミリ
  2. 分割プロファイル(メートル単位).rftを選択して開く
  3. プロファイル定義がシングルチェーンに設定されていることを確認
    シングルチェーン

  4. 作成タブ>詳細パネル>線 で次の図のように線を作成します。シングルチェーンではこのように切断プロファイルを1つの単線または連続線で定義します。
    分割プロファイルファミリを作成

  5. 名前を「分割プロファイルS1.rfa」として保存
  6. プロジェクトにロード
  7. 分割されたパーツを選択して「分割を編集」
  8. 分割プロファイルに分割プロファイルS1を設定
    分割プロファイルを設定


  9. 分割の形状がプロファイルを同じになることを確認します。
  10. プロファイルに沿ったフリップにチェックを入れて、どのようにフリップするか確認します。
    プロファイルに沿ったフリップ

  11. プロファイルに沿ったフリップを解除し、プロファイルをまたいでフリップに✔してどのようにフリップするかを確認
    プロファイルをまたいでフリップ

  12. プロファイルをまたいでフリップのチェックを解除
  13. エッジの一致で鏡像化を選択して、どのようになるか確認。
    鏡像化

  14. エッジの一致で回転を選択して、どのようになるか確認。
    回転


  15. モードパネル>✔
分割プロファイルを適用

分割プロファイル~二重チェーン

二重チェーンには分割線が2本あります。これはエッジの一致やギャップでは表現できない非対称な切り口を作成するときに有効です。

  1. ファイルタブ>新規作成>ファミリ
  2. 分割プロファイル(メートル単位).rftを選択して開く
  3. プロファイル定義を二重チェーンに設定
  4. まったく非対称な図形を中心の参照面の左右に作成する
    二重チェーンの分割プロファイル


  5. 名前をつけて保存
  6. プロジェクトにロードし、分割プロファイルに割り当てます。
    二重チェーンプロファイルを適用してのパーツ分割

ほとんどの場合はシングルチェーンで事足りると思われますが、二重チェーンを使えばより複雑な切り口を表現することが可能です。

2022年11月6日日曜日

パーツ(2)

パーツの分割

パーツは分割することができます。分割したパーツをさらに分割することもできます。分割には分割自体にプロパティがあり、その「切り口」を様々に加工することができます。

まずは基本の分割から

今回は壁を例にして分割の基本を行ってみます。まずは単一レイヤの壁でパーツを作成しましょう。

準備

  1. 建築テンプレートでプロジェクトを作成。
  2. 平面図:レベル1が開いていることを確認。
  3. 建築タブ>構築パネル>壁
  4. 標準壁:標準-150mmで任意に壁を作成
  5. 作成した壁を選択して、修正タブ>作成パネル>パーツを作成
    パーツを作成

分割には「スケッチ」による分割と「参照(通り芯・レベル・名前の付いた参照面)」による分割の二種類があります。

スケッチによる分割

  1. 作成したパーツを選択し、パーツパネル>パーツを分割
  2. 修正タブ>描画パネル>スケッチを編集
  3. パーツの周囲が破線(境界線といいます)で囲まれます。スケッチラインはこの境界線と交差するようにします。
    パーツの周りに

  4. 分割位置をスケッチ(複数可)

  5. モードパネル>編集モード終了(✔)
  6. モードパネル>編集モード終了(✔)
    分割されたパーツ

分割位置を修正するには、分割後のパーツを選択して、修正タブ>分割を編集でスケッチラインを編集します。

スケッチは立面図や断面図でも作成できます。またスケッチラインは単線でなくてもよいし、端部が境界線ではなくスケッチライン上にあっても、分割領域が確定できさえすれば自由に作成できます。

分割スケッチは領域が確定できれば任意の形状をスケッチ可能

参照による分割

「通り芯」「レベル」「名前の付いた参照面」で分割することができます。参照による分割のメリットは、編集モードに入らなくても分割位置を修正できることです。

  1. もう一枚壁を作成してパーツを作成
  2. 建築タブ>作業面パネル>参照面
  3. 分割位置に参照面を作成して、名前を「A1」と設定する
    参照面に名前を設定
  4. 作成した参照面「A1」を選択し、修正タブ>修正パネル>コピー
  5. オプションバーの複数に✔をいれて、任意の数だけコピーする。
  6. コピーした参照面すべてに名前がついていることを確認する。
    コピーした参照面に連番で名前が設定される

  7. 作成したパーツを選択し、パーツパネル>パーツを分割
  8. 修正タブ>参照パネル>参照の交差
  9. フィルタから「参照面」を選択
  10. 名前の付いた参照面をすべて選択してOK。

  11. モードパネル>編集モード終了(✔)
    パーツが参照面で分割される
参照面の位置を変更するとパーツの分割位置も修正されることを確認してください。
参照面を移動すると分割位置も移動する

複数の壁に適用する

参照面は無限の面をみなされるので、見た目上壁と参照面が交差していなくても分割することができます。
  1. 参照面と交差しない位置に壁を作成してパーツを作成
    参照面と交差していない位置に壁を作成

  2. 作成したパーツを選択し、パーツパネル>パーツを分割
  3. 修正タブ>参照パネル>参照の交差
  4. フィルタから「参照面」を選択
  5. 名前の付いた参照面をすべて選択してOK。
  6. モードパネル>編集モード終了(✔)
    参照面と交差していなくても分割される

参照面を修正すると、複数の壁のパーツが同時に修正されることを確認してください。これは上下のレベルにある壁を、同じ位置で分割する場合などに便利です。
参照面を修正することで複数の壁のパーツを修正


次回は「ギャップ」と「分割プロファイル」についてお話しします。

2022年10月29日土曜日

パーツ(1)

パーツの基礎

パーツ化可能なカテゴリ

パーツとはファミリが持っているフォーム(SOLID要素)を取り出して、切断や除外などの加工を行うものです。

たとえば複数のレイヤからなる壁は、それぞれのレイヤごとのSOLIDを取り出してパーツとして実体化されます。

パーツは壁の各レイヤを別々の部品にする

パーツを作成するには、要素を選択し、修正タブ>作成パネル>パーツを作成 をクリックするだけですが、パーツ化できるカテゴリは以下の通りです。

システムファミリ

  • 床(複数のレイヤの形状の編集された床を除く)
  • 壁(重ね壁およびカーテン ウォールを除く)
  • 天井
  • 屋根
  • 基礎(スラブ・壁)
  • スラブ ハンチ
  • 鼻隠し

ロード可能ファミリ

  • 構造フレーム
  • 構造柱
  • 基礎(独立)

パーツの表示

たとえば壁をパーツ化した後、パーツを表示するにはビューのプロパティ「パーツ表示」で

  • パーツを表示
  • オリジナルを表示
  • 両方を表示

の中から「パーツを表示」を選択します。そうすると、パーツ化されている壁はパーツのみが表示されます。

パーツ表示はビューのプロパティ

パーツは解除できる?

一旦パーツ化したけれど、パーツ化をやめたい場合は、各バーツを選択してDeleteキーで削除します。すると次のようなダイアログボックスが表示されます。


OKを押すと選択したパーツは(分割されたものも含め)すべて削除されます。オリジナルの壁とそのパーツはあくまでも関連性を持った別要素としてふるまいます。しかし、分割したパーツの一部だけを削除することはできません。

パーツのプロパティ

パーツには独自のインスタンスプロパティがあります。寸法や面積はわかりやすいのですが、一部誤訳もあってわかりにくい部分があります。各バージョンで多少異なるのですがここではRevit2021を例に説明します。

基準カテゴリ、基準ファミリ、基準タイプ、基準点別マテリアル、基準点別の構築された相、基準点別の解体された相
基準???

この「基準」はOriginalの誤訳で、パーツ表示プロパティ同様「オリジナル」と考えてください。また「相」はPhase、つまりフェーズです。

  • 基準カテゴリ→オリジナルカテゴリ
  • 基準ファミリ→オリジナルファミリ
  • 基準タイプ→オリジナルタイプ
  • 基準点別マテリアル→オリジナル別マテリアル
  • 基準点別の構築された相→オリジナル別構築フェーズ
  • 基準点別の解体された相→オリジナル別解体フェーズ

となります。つまり選択したパーツが作成されたオリジナルファミリの情報を表示しています。

構成~終了???

構成とはレイヤの「機能」のことです。つまり終了→Finish→仕上の誤訳です。しかしながらレイヤの機能を正確に分けているわけではなく、躯体境界の内側にあるか外側にあるかを示しています。

  • 躯体→構造→躯体境界の内側のレイヤ
  • 終了→仕上→躯体境界の外側のレイヤ
Finish=終了???

形状ハンドル

形状ハンドルをオン(☑)に設定すると、パーツの各面に形状ハンドル(▲)が表示され、パーツの形状を変更することができます。ハンドルをドラッグするとオリジナルの形状に関係なく、自由に形を変更することができます。このときオリジナルの要素は全く影響を受けません。
ハンドルをドラッグすると形状を変更できる。オリジナルは影響を受けない。
形状を変更すると、「形状が変更されました」プロパティがオン(☑)になります。また寸法は形状変更後の値を示します。
形状が変更されましたに☑が入る

除外

パーツは一部を削除することはできませんが、その代わりに除外することができます。除外を☑すると、パーツは非表示になります。
削除はできないが除外で非表示にできる

次回は「分割」についてお話しします。