2022年11月19日土曜日

壁のレイヤの高さ(1)ボイドファミリ編

レイヤごとに高さを変えるには

LGSの壁など、複数のレイヤで構成する壁では、「LGSはスラブまでだけど、ボードは天井の少し上まで、仕上は天井下まで」というように、各レイヤごとに高さを設定したい場合があります。今回はこれを実現する方法を考察してみます。

壁のレイヤの高さをコントロールする方法はあるのか?

下げるのではなく削る

パーツに分割する方法もありますがなかなか煩雑です。また壁タイプで頂部の拘束を解除する方法もありますが各レイヤを独立して動かすことはできません。そこで、今回考えた案はレイヤの天端を下げるのではなく、「削る」という考え方です。壁を削るには二つの方法があります。
  1. 壁基準のボイドファミリを配置する
  2. 壁のリビールを配置する
それぞれメリットデメリットがありますので、今回は1の壁基準ボイドファミリを使ってみます。

壁ボイドファミリの概要

ファミリテンプレート「一般モデル(メートル単位)、壁基準面.rft」を使って壁にホストされるボイドだけのファミリを作成します。まずは2レイヤの高さを調整するファミリです。
壁ホストのボイドファミリ

平面図は次の図の通りですべてインスタンスパラメータです。レイヤ1、2の厚さをパラメータで変更できるようにします。
レイヤ1、2の厚さと幅をインスタンスパラメータに設定

立面図では高さをインスタンスパラメータで設定します。天端レベルを設定し、レイヤ1、2の高さをインスタンスパラメータとします。
レイヤ1、2の高さと天端の高さをインスタンスパラメータに設定

使い方

複層壁を作成してスラブ間に配置します。一例として次のような複層壁を想定します。
複層壁の内訳

また、複層の天井を適切な高さに配置します。これを断面図で見るとこのようになります。
高さの異なる複層壁の天井を壁を挟んで配置

壁に作成した壁ボイドファミリを配置して、レイヤ1厚さを5mm、レイヤ2厚さを12.5mmとし、高さと幅および天井範囲を調整します。同様に壁の反対側にも配置してレイヤ厚さを調整すると次のようになります。
壁ボイドファミリを壁の上端に配置する

隅に注意

これでほとんどの場合はうまくいきます。あとはレイヤの数に応じた壁ボイドファミリをいくつか用意しておけば様々なケースに対応できます。
一つだけ注意することは、この壁ボイドを配置した壁に他の壁が交差する場合です。
配置した壁ボイドと他の壁が交差すると・・・



ボイドと他の壁が交差すると次のような警告が表示されます。
ボイドと壁が直交すると警告が表示される

無視しても構わないのですが、交差する壁を避けて壁ボイドを配置したほうがよいでしょう。

次回は壁のスイープだとどのようなメリット・デメリットがあるのか、検証してみます。