2016年4月23日土曜日

構造柱(1)

ふかし入りの角柱ファミリ

梁と同様に共有パラメータを使ってふかし入りの構造柱とタグを作成してみましょう。まずは柱からです。

Step by step

(1) 「構造柱(メートル単位).rft」を使用して、ファミリを新規に作成。
(2) [作成]-[プロパティ]-[ファミリカテゴリとパラメータ]で、モデルのマテリアル動作をコンクリートに指定する。
モデルのマテリアル動作を「コンクリート」

「平面図:下参照レベル」のビューには幅と奥行のパラメータ付き寸法が表示されているが、これは共有パラメータではないのでタグに表示することができません。そこで、新たに共有パラメータを作成して付け替えます。

(1) 「幅」のラベルがついた寸法を選択し、オプションバーの「ラベル」から<パラメータを追加...>を選択。
(2) パラメータタイプから「共有パラメータ」を選択し、「選択」ボタンを押す。
共有パラメータ→選択
(3) 「共有パラメータ」ダイアログボックスで「編集」をクリック。
新たに共有パラメータを追加するために「編集」をクリック
(4) パラメータグループの[新規作成]をクリック。(共有パラメータが指定されていない場合は、構造フレーム(1)を参考にしてください。)
パラメータ新規作成
(5) 名前に「柱X」、パラメータタイプを「長さ」にしてOK。
新規の共有パラメータを追加
(6) [OK}を2回押して、「共有パラメータ」ダイアログまで戻り、追加した「柱X」を選択してOK。
タイププロパティをチェック
(7) OKして寸法のラベルが入れかわったことを確認。同様に「奥行き」についても「柱Y」という共有パラメータを作成して入れ替える。
ラベルを確認

ふかし部分のパラメータを追加する

(1) 下の図のように参照面と寸法を追加する。
参照面と寸法を追加
(2) 作成した寸法を選択し、オプションバーの「ラベル」から<パラメータを追加…>を選択。
(3) [パラメータタイプ]の[共有パラメータ]を選択し、[選択]ボタンを押す。
説明を追加
(4) 梁のとき追加した共有パラメーター「ふかし右」「ふかし左」「ふかし上」「ふかし下」を選択。
(5) パラメータデータの「インスタンス」を選択しOK。
インスタンスパラメータとしてふかしを追加
(6) すべてのふかし寸法にインスタンスパラメータを追加する。
パラメータをふかしに追加
(7) 柱Xと柱Yの参照面を選択し、プロパティで「参照なし」とする。
参照面を選択し参照のプロパティを「参照なし」とする


(8) 一番外側のふかしの参照面4つのプロパティ「参照」を「強参照」にする。
強参照

フォームを作成

(1) [作成]-[フォーム]-[押し出し]を選択し、図のようにスケッチしてロックして✅
参照面にロック
(2) [立面図]-[正面]を開き、作成したフォームの上下を、上下のレベルにロックする。
上下のレベルにロック
(3) フォームを選択し、プロパティのマテリアルの関連付けボタンをおして、「構造マテリアル」を選択。
説明を追加

構造体部分の描画

(1) [管理]-[オブジェクトスタイル]で「構造体」というサブカテゴリを作成し、線種パターンと線の太さを設定する。
サブカテゴリを作成
(2) [注釈]-[シンボル線分]で、サブカテゴリ「構造体[切り取り]」を使って、構造体部分をスケッチする。
構造体部分のシンボル線分を作成する

パラメータの整理

(1) [作成]-[プロパティ]-[ファミリタイプ]
(2) 「奥行」「幅」のパラメータを削除
奥行と幅を削除
(3) ふかしのパラメータ4つを0にする
(4) 「構造マテリアル」を編集して、インスタンスパラメータにする。
構造マテリアルをタイプパラメータに変更
(5) ファミリタイプダイアログボックスで、寸法に関するすべてのパラメータを「ロック」します。
パラメータはすべてロックしておきましょう。
以上で、構造柱のファミリの作成は終了です。あとはプロジェクトにロードして振る舞いを確認します。

プロジェクトにロードして確認

出来上がったファミリをプロジェクトにロードして配置してみます。選択すると柱の周囲に三角形の形状ハンドルが表示されるので、これをドラッグしてふかし部分の振る舞いを確認してください。
ドラッグや、プロパティで数字を調整してふかしの振る舞いを確認します。
次回は柱タグを作成して、実際に使ってみます。

RC梁を作成する(1)を一部手直ししました。テンプレートに含まれる押し出しを使用して作るほうが振る舞いが確実のようなので、そのやり方で修正いたしました。既読の方はご再読ください。

2016年4月16日土曜日

RC梁を作成する(3)

タグ

前回作成した梁をタグを使ってコントロールしてみましょう。まず構造フレームタグ作成の基本からです。

(1) [R]-[新規作成]-[ファミリ]で[注釈]-[一般タグ]を指定して、新規ファミリ作成を開始します。
(2) [作成]タブ-[プロパティ]パネル-[ファミリカテゴリ]とパラメータ]で下の図のように設定。
カテゴリを構造フレームタグ、コンポーネントとともに回転に✅、アタッチポイントを中点
(3) 赤い文字を削除。
(4) [作成]-[詳細]-[線分]で、記号の形状を作成する。
記号の形状を作成する
(5) [作成]-[文字]-[ラベル]で、参照面の交点をクリックすると「ラベルを編集」ダイアログボックスが表示されます。カテゴリパラメータから「タイプ名」を選択し、をおして、ラベルパラメータに追加します。サンプル値に「1G1」などの文字を入れます
説明を追加

(6) 作成されたラベルを選択して、プロパティの「タイプを編集」ボタンを押す。
(7) [名前を変更]ボタンをおして、名前を「2.5」として、下の図のようにパラメータを設定する。
ラベルタイプを設定
(8) 次に梁の天端レベルを追加します。[作成]-[文字]-[ラベル]で、挿入位置をクリックし、カテゴリパラメータの中から「始点レベルオフセット」「終点レベルオフセット」を追加し、2行目のスペースを0に、接頭表記を「~」にします。サンプル値も適当な文字を設定します。
スペースを0、接頭表記に「~」
(9) 1行目を選択し、下の「パラメータの単位書式の設定」ボタンを押し、下の図のように表示単位を設定する。同様に2行目も設定する。


(10) 梁サイズを示すパラメータを追加します。[作成]-[文字]-[ラベル]で、挿入位置をクリックし、ダイアログボックス左下の[パラメータを追加]ボタンを押し、パラメータプロパティの[選択]、共有パラメータ「梁幅」を選択します。
共有パラメータを追加する
(11) 同様に「梁成」を2行目に追加し、下の図のように「スペース」を0、「接頭表記」を「×」と設定します。
共有パラメータ梁幅と梁成を追加
(12) 同様の方法で、「ふかし右」「ふかし左」「ふかし上」「ふかし下」を追加します。必要に応じて、ラベルの文字揃えをのプロパティを調整します。
水平位置合わせの調整
以上の手順で、下の図のような構造フレームタグが作成できます。
構造フレームタグ

タイプの作成


ふかしのパラメータを表示するタイプと、表示しないタイプをさくせいします。

(1) ふかしのラベルを選択し、プロパティの「表示」パラメータの右端の小さなボタンをクリックし、ファミリパラメータの関連付けダイアログボックスで[パラメータを追加]を選択、パラメータ名を付けてOKします。
表示のパラメータを関連付ける
(2) [作成]-[プロパティ]-[ファミリタイプ]で、「ふかし」と「標準」のタイプを作成し、それぞれ下の図のように設定して「適用」ボタンを押します。
タイプ作成ボタンをおして、「標準」と「ふかし」タイプを作成
「標準」を選び、すべてのチェックを外して「適用」
「ふかし」を選び、すべてのチェックを入れて「適用」
(3) 名前をつけて保存します。

使ってみる

それではプロジェクトにロードして実際に使用してみます。前回作成したプロジェクトを開いきます。

(1) まず、伏図のビューを作成します。[表示]-[作成]-[平面図]-[構造伏図]で[タイプを編集]をクリックします。ここでは「見上げ図」を作成したいので、「ビュー方向」を「上へ」を選択します。
ビュータイプを編集
(2) 「レベル1」を選択しOK、縮尺を1:50とします。
(3) [挿入]-[ライブラリからロード]-[ファミリをロード]で、作成した構造フレームタグをロードする。
(4) [注釈]-[タグ]-[梁の注釈]を選択し、[注釈の場所ととタイプ]で、上の段の中点の[...]をクリック。

<中点>をクリック
(5) 「構造フレームタグ」を選択し、リストの中から作成した構造フレームタグの「ふかし」を選択。

作成した構造フレームタグを選択
(6) 「梁の注釈」ダイアログの「注釈の場所とタイプ」で、下側の<中点>の[...]をクリック。
(7) 「指定点高さ」を選択し、以下のように設定します。
梁はレベル2にとりついているので、レベル1から梁底までの距離を表示するように設定した。
(8) [OK]を押す。
構造フレームタグと指定点高さがはいちされた

梁の名前

作成されたタグをみると、中央の値が「400x600」となっています。これは「タイプ名」のラベルなので、梁のタイプ名を「2G1」にしてみます。

(1) 梁を選び、「プロパティ」の「タイプを編集」をクリック。
(2) 「名前変更」ボタンをおし、タイプ名を「2G1」に変更する。
タグにタイプ名が表示されていることを確認します。
タイプ名が表示されていることを確認

梁の上下をふかしてみる


梁の上下をふかしてみましょう。

(1) 構造フレームタグの「ふかし下」のラベルをクリックし、100と入力する。指定点高さの値が変わることを確認する。
ふかし下を100にすると、梁下端の値が3400から3300になる
(2) 同じく構造フレームタグの「ふかし上」のラベルをクリックし、100と入力する。指定点高さの値は変わらない。
「ふかし上」を100としても、下端は変わらない
このように梁のZ位置合わせを「基準点」としたので、上端にふかしを入れても、梁底のレベルは変化しません。
上端ふかしを入れても、梁底レベルはかわらない。
タグはそのタグが所属している要素のプロパティを表示するだけでなく、タグから要素のプロパティをライブでコントロールできます。

2016年4月9日土曜日

RC梁を作成する(2)

配置の準備(通り芯と構造柱)

梁を配置するとき注意すべき点は、配置基準です。実際に作成しながら振る舞いを確認しましょう。

Step by Step

(1) 新しいプロジェクトを作成します。ここでは建設テンプレートを使いました。
(2) 天井伏図「レベル1」を開いて、下の図のように通り芯を作成します。
(3) [挿入]-[ファミリをロード]で前回作成した構造フレームのファミリ(ファミリ名はRC梁)をロードします。
(4) プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[構造フレーム]-[RC梁]を展開し、ノードの一つをダブルクリックして、タイププロパティを開き、名前を400x600、梁幅を400、梁成を600とします。
名前、梁幅、梁成を修正
(5) 柱をロードします。[挿入]-[ファミリをロード]でMetric Libraryの[構造柱]-[コンクリート]-「RC柱 - 正方形.rfa」を選択します。タイプの指定で「600x600」を指定します。
600x600を選択してOK
(6) 柱をレベル1とレベル2の間に配置します。[構造]-[柱]を選択し、オプションバーで「見上げ」「レベル2」を選択します。
見上げで梁を作成
(7) [修正]-[通り芯位置に]を選択し、通り芯を選択し、終了ボタンを押します。
通り芯の交点に柱を作成

構造フレームの配置

(1) [構造]-[梁]を選択。
(2) プロパティで、「RC梁:400x600」を選択し、[参照レベル]を「レベル2」、[構造用途]を「大梁」、[Z位置合わせ]を「基準点」にします。
プロパティを設定
(4) [修正|配置 梁]タブの[複数]パネルの[通り芯上]を選択し、通り芯を選択して「終了」をクリックします。
通り芯上に梁を配置
(5) 終了をクリックします。
出来上がったフレーム

振る舞いの確認

(1) 任意の梁の断面図を作成します。
梁の上端がレベルにそろっている
(2) 梁を選択して、プロパティの「ふかし上」を200とします。すると、構造位置が変わらずに、上端にふかしがはいります。
ふかし上を200に設定
z位置合わせ:基準点
(3) この状態で、プロパティ[z位置合わせ]を「上」に変更します。そうすると、梁全体の上端がレベル2になり、構造体部分がレベル2-200となってしまいます。
構造体部分が下がってしまう
Z位置合わせ:上
一般に上端にふかしを加えたからといって、構造体の天端レベルは変わりませんから、z位置合わせは「基準点」がよいでしょう。
さらに「ふかし右」「ふかし左」「ふかし下」などに値を設定して、表現を確認してください。
ふかし右、ふかし左、ふかし下=15

面合わせ

柱と梁の面を合わせるには「yオフセット」を使います。
(1) 天井伏図や平面図を開いて、移動したい梁を選択します。
(2) [修正|構造フレーム]-[位置合わせ]-[yオフセット]を選択。
yオフセット
(3) 梁の面→柱の面の順で点をクリック。
1→2の順番にクリック
単純に「位置合わせ」で面を合わせると、柱と梁の関係性が崩れるので、こちらの方法がおすすめです。
面合わせ