2017年3月25日土曜日

鉄筋(2)

梁の配筋

今回は梁の配筋です。こんな配筋を考えてみます。
柱と手順はほとんど同じです。

かぶり厚の設定

梁にかぶり厚を設定します。かぶり厚の定義の仕方は前回のブログを参考にしてください。

  1. 梁を選択
  2. プロパティウィンドゥで[かぶり厚-上面]、[かぶり厚-下面]、[かぶり厚-その他の面]プロパティを「かぶり厚40mm<40mm>」に設定
    かぶり厚の設定

上端筋と下端筋、腹筋

作業は梁の断面で行うとやりやすいです。

  1. 構造タブ→鉄筋パネル→鉄筋
  2. オプションバーの[...]を押して鉄筋形状ブラウザを開き、「鉄筋形状:00」を選択
  3. 上・下端筋は3-D22なので、タイプセレクタからD22を選択
  4. 修正|鉄筋を配置→配置面パネルで「現在の作業面」、配置の向きパネルで「かぶりと平行」、鉄筋セットパネルでレイアウトを「固定数」、本数を「3」
  5. 垂直のかぶり(緑の破線)に沿ってマウスカーソルを移動して、上端と下端に鉄筋を配置する。
    垂直の緑の破線に沿って動かすのがコツ!
  6. 腹筋はD10なので、タイプセレクタからD10を選択、鉄筋セットパネルの本数を「2」にして中央付近をクリックして配置

スターラップの配置


  1. 鉄筋形状ブラウザから「鉄筋形状:18」を選択
  2. 配置の向きパネル→作業面と平行
  3. 鉄筋セットパネルでレイアウトに「最少間隔」、間隔に「200」
  4. タイプセレクタで「D13」を選択
  5. マウスカーソルを梁の断面内で移動して、フックの位置が適切な位置になったらクリックして配置する

フック

以上の手順で梁に鉄筋を配置できました。
端部にフックを追加してみる
次は上端筋と下端筋にフックを付けてみましょう。

  1. 上端筋と下端筋を選択
  2. プロパティウィンドゥで[始点のフック]または[終点のフック]で「標準フック-90度」を選択
    端部にフックが追加される
  3. 上の図のようにフックが上を向いてしまった場合は、上端筋を選択し、修正|構造鉄筋タブ→モードパネル→スケッチを編集
  4. 曲がっている部分に表示された回転マークをクリックして、フックの方向を変更する。
    フックの方向を変更

フックの位置の変更

下側のフックをもう少し梁の側に寄せます。

  1. 下端筋を選択
  2. 表示された形状ハンドルをドラッグして、適切な位置に移動
  3. 腹筋を選択し、形状ハンドルをドラッグして適切な位置に移動。
    形状ハンドルで位置を変更


フックの長さの変更

上端筋のフックはもう少し長くしてみます。フックの長さはを設定するには鉄筋服のタイプを新たに作成し、鉄筋棒のインスタンスプロパティに適用します。
まず鉄筋フックのタイプを作ります。

  1. プロジェクトブラウザでファミリ→構造鉄筋→鉄筋フック
  2. いずれかのノードを右クリックして「複製」
    鉄筋フックのタイプを複製
  3. 作成したノードをミグクリックして[名前を変更]を選択し「標準フック - 90度 - 30d」とする。
  4. ノードをダブルクリックしてタイププロパティを表示する。
  5. [スタイル]を「標準」、[フックの曲げ角]を「90°」、[延長の乗数]を「30」とします。延長の乗数とは鉄筋の径の何倍かを決める数字で、L=30dであれば30と入力します。
  6. 上端筋を選択し、始点のフック(または終点のフック)を「標準フック - 90度 - 30d」を選択。

鉄筋棒の長さが変更されました。鉄筋はD22なので30d=660mmとなります。
鉄筋が延長される

鉄筋棒のタイププロパティを確認


  1. 上端筋を選択し、プロパティウィンドゥ→タイプを編集
    フックの長さを編集
  2. フック長さの編集ボタンをクリック
    適用可能な鉄筋フックのタイプとフックの長さ

鉄筋棒に適用可能な鉄筋フックのタイプにチェックが入っています。
また、自動計算のチェックをはずすと任意の長さを設定できます。
それぞれの長さはこちらのヘルプに詳細に書かれていますので参考にしてください。

フック

2017年3月18日土曜日

鉄筋(1)

鉄筋を描いてみよう

構造柱に鉄筋をモデリングしてみましょう。構造設計の知識がなくても、構造図を見ながら鉄筋をモデリングすることはできます。まずは、下の図のような柱の鉄筋を作成してみます。
鉄筋を描画する

鉄筋形状ファミリのロード

まず、鉄筋形状ファミリをプロジェクトにロードします。鉄筋形状とは文字通り鉄筋の形状だけを定義したファミリです。
(1) [挿入]タブ-[ライブラリからロード]パネル-[ファミリをロード]
(2) Libraryの[構造鉄筋形状]フォルダの中にあるファミリをすべて選択してOK
[構造鉄筋形状]フォルダの全てをロードする

かぶり厚の設定

次に、柱に鉄筋のかぶり厚さを設定します。ここでは40mmにしてみます。
(1) 平面図を開いて、構造柱を表示します。
(2) [構造]タブ-[鉄筋]パネルの▼-[かぶり厚設定]
かぶり厚設定
(3) [追加]をクリックし、下の図のように「かぶり厚40mm」という名前で40mmのかぶり厚さを登録しOK

かぶり厚さを登録
(4) 構造柱を選択し、インスタンスプロパティ「かぶり厚」を「かぶり厚40mm」に設定。
構造柱にかぶり厚を設定
主筋をかく!
まずは主筋を描いてみます。
(1) [構造]タブ-[鉄筋]パネル-[鉄筋]をクリック。警告が出ますが気にせずOK。
(2) [オプションバー]の[…]をクリックし、「鉄筋形状ブラウザ」を開く。
鉄筋形状ブラウザを開く
(3) [鉄筋形状ブラウザ]で「鉄筋形状00」が選択されていることを確認する。
(4) [タイプセレクタ]で「鉄筋棒25」を選択
(5) [配置の向き]パネルで「かぶりと垂直」を、[鉄筋セット]パネルでレイアウトに「固定数」、本数に「3」を設定。
固定数・3
(6) 構造柱上にマウスを移動すると、緑の破線でかぶり厚の線が表示されるので、各辺の真ん中あたりをクリック。
緑の破線の真ん中あたりをそれぞれクリックして鉄筋を配置
配置した鉄筋はそれぞれ端部がダブっているます。これを取り除きます。
(1) 各辺の真ん中の配筋をどれか一つクリックして選択。
(2) ☑が現れるので、一つのチェックをはずす。
チェックボックスを外す
(3) これを各辺繰り返す。

帯筋の配置

帯筋を配置します。
(1) 柱を選択し、[修正|構造柱]タブ-[配筋]パネル-[配筋]
(2) 鉄筋形状ブラウザで「鉄筋形状18」を選択。
鉄筋形状18を選択
(3) タイプセレクタで「鉄筋棒D13」を選択
(4) [配置の向き]パネルで「作業面と平行」、[鉄筋セット]パネルでレイアウトを「最大間隔」、間隔を「150mm」とする。
配置の設定
(5) 構造柱の平面上でマウスを移動し、希望の状態になったらクリック
機能の位置にレイアウトされたらクリックして決定
主筋は自動的に帯筋の内側に移動します。

3Dビューで確認

3Dビューに切り替えても、鉄筋は構造柱の内部なので表示されませんが、設定次第で鉄筋を表示することができます。
(1) 交差選択で、構造柱と鉄筋を選択。
(2) [プロパティ]ウィンドゥで「構造鉄筋」を選択。
(3) [ビューの表示状態]の編集ボタンをクリック。
構造鉄筋を選び、ビューの表示状態の編集ボタンをクリック
(4) 鉄筋を表示したい3Dビューの行で、「前面に表示」と「実径で表示」をチェックしてOK。
目的の3Dビューで前面に表示と実径で表示をチェック
これで目的の3Dビューに鉄筋を表示することができます。
配筋の表示
意外と簡単だと感じたのではないでしょうか?まずは基本の仕組をおさえましょう。

2017年3月12日日曜日

ルーフドレンと雨水排水管(2)

専門分野

下の図は前回作成した雨水配管の地下部分です。
配管ルートが適切ではない
もうすこし離れた部分、梁貫通可能な部分で配管を曲げてみましょう。前回の続きのファイル(こちらのリンクからルーフドレンの練習3.rvtをダウンロードしていただいてもいいです。)を開き、[10平面図]-[建築]-[平面図:1FL]を開きます。
この状態では平面図には床下の配管は表示されていません。
配管は表示されていない
ビューのプロパティの[専門分野]を「給排水衛生設備」に変更します。
配管が表示される
すると床下の配管が表示されるようになります。それだけではなく

  • 建築要素がハーフトーンで表示される
  • 断面線が消えた

などの変化が見られます。ビューの専門分野プロパティを変更すると図面の見え方が変わってきます。

断面線はなぜ消えたのか?

断面線が消えてしまったのは、この断面ビューの専門分野が[建築]だからです。
[12 断面図]-[建築]-[断面図:ルーフドレン]のビューを開き、[専門分野]プロパティを「建築」から「給排水衛生設備」に変更します。
断面図ビューのプロパティ[専門分野]を「給排水衛生設備」に変更
平面図に戻ると断面線が表示されているはずです。
同じ専門分野の断面だけが表示される
このように、平面図上に表示される断面線や立面図の記号はそれぞれのビューの専門分野が同じものだけが表示されます。もちろん、給排水衛生設備だけでなく、その他の専門分野でも同様です。

平面図で配管を描画する

配管が表示された平面図ビューを開いて、配管を描画してみます。まず、水平な配管(竪管から屋外への配管)を選択して削除します。このとき、わずかに残ったエルボを選択すると、回転マークが表示されます。
回転マーク
このマークを数回クリックして、エルボの向きを下側に向けます。
エルボの向きを下に
このエルボの先端の接続マークを右クリックし、[配管を描画]
エルボの先端から配管を描画する
[修正|配置 配管]タブ-[傾斜配管]パネルで、 [下り勾配]をON、[勾配値]を1%
下り勾配、1%
下の図のように配管を作成。
配管を作成(断面図の内側に入るように描画してください)
断面図を開いて状態を確認します。
3Dビューで確認します。
詳細レベルを[詳細]にする

タグ

平面図のビューに配管サイズをタグで表示します。
(1) [注釈]タブ-[タグ]パネルの[タグ▼]-[ロードされたタグと記号]
ロードされたタグと記号
(2) [ファミリをロード]で、Library-[注釈]-[パイプ]-[M_配管サイズ タグ.rfa]を選択してロードし、OK。
(3) [カテゴリ別にタグをつける]で配管を選択。
タグが表示される

Φを接頭表記にするには

Φの記号が末尾についています。これを接頭表記に変えてみます。
(1) [設備]タブ-[給排水衛生設備および配管パネル]の「↘」をクリック。
機器設定
(2) [配管設定]を選択し、「配管サイズの接尾表記」のΦをクリップボードにカットして、「配管サイズの接頭表記」にペーストします。

mmを非表示にするには


(1) [管理]タブの[設定]パネル-[プロジェクトで使う単位]
(2) [専門分野]を「配管」
(3) [配管呼寸]のボタンをクリックし、単位記号を「なし」
配管呼寸の設定
平面図の表示は以下のようになります。
タグの表記が変更された
設備の表記設定は建築よりもやや複雑ですが、その分系統立ててシステムが作り込まれています。