2024年2月24日土曜日

レベル側の手摺をつなぐ

レベルサイド踊場の手摺と手摺の接続

階段のレベル側の踊場、つまり上の階段と下の階段の手すりが取り合う部分のつなぎ方を考えます。

笠木手摺を編集する方法

次の図は建築テンプレートを使って階段を作成して、内側に900mmパイプのタイプで手摺を作成した階段です。

レベルサイドの踊場手摺の接続は?
レベル1~レベル2とレベル2~レベル3の手すりのスケッチラインは同じです。

手すりのスケッチライン

手っ取り早いのは笠木手摺の端部を少しだけ編集することです。作業面の関係上、次のような二つの断面図を作業ビュー(A/B)を準備します。

作業用の断面A Bを用意する

  1. レベル1~レベル2の笠木手摺を選択します。
    • 手摺をマウスオーバーしてTABキーを押し、ツールチップに「笠木手摺:○○○○」と表示されたらクリックして選択します。
  2. 修正|笠木手摺タブ>連続手すりパネル>手すりを編集 をクリック

  3. 修正|連続手すりを編集タブ>作業面パネル>設定▼>作業面を設定

    • 参照面:延長面:終端/上部 を選択
    • OK
  4. ビューに移動ダイアログが表示されたら、断面図:Aを選択して[ビューを開く]。

  5. レベル1~レベル2の手摺の上端の端点と、レベル2~レベル3の手すり小口の上端をクリックして結ぶ

  6. 次の図のようになる
    笠木手摺が追加される
  7. 断面図Bを開く

  8. 修正|連続手すりを編集タブ>ツールパネル>パスを編集 をクリック
  9. 描画ツールから直線を選択
  10. レベル1~レベル2の手すりの終端と、レベル2~レベル3の手すりの始端をクリックして結ぶ。

  11. 次の図のようになる

  12. モードパネル>✔


笠木手摺の始終端を編集すると、手軽に高さの差を埋めることができます。

スケッチラインの高さで調整する

水平部分のスケッチラインの高さに手を加えることで接続することもできます。レベル2~3の手すりの始端が指定の高さ900mm以上あるのは、階段にゆとりがないため、一番下の水平部の高さが「900mm+階段の蹴上」の高さになっています。


階段にゆとりがない以上は、この高さは変更できないので、レベル1~レベル2の手すりの水平部の高さを蹴上1段分の高さ(194.44)を加えてみます。

  1. まずはスケッチラインの分割位置を修正します。
  2. レベル1~レベル2の手すりを選択して、パスを編集
  3. 上がり際のセグメントを半分(矢印1)に分割

  4. 上の図で1の位置が手摺の始端・終端になるように「始端を次のコーナーに移動」アイコンと、「スケッチの向きを切り替え」アイコンを使って調整してください。

  5. 次の図に示すスケッチラインを選択し、


  6. オプションバーの高さをカスタムに、値を194.4に

  7. モードパネル>✔


いずれにしても接続先の手すり水平部の高さを意識することがポイントです。


2024年2月18日日曜日

踊場階段手摺の接続

内側の階段手摺

建築テンプレートを使って、次のようなちょっとゆとりのない階段を作成すると・・・


内側の手すりの形状はなんだか納得いかないモデルになってしまいます。


この接続を修正してみましょう。

傾斜手摺と水平手摺の接続を変更する方法

手摺には階段経路にホストされる「傾斜手摺」と踊り場にホストされる「水平手摺」があります。階段手摺のスケッチラインは、手摺のスケッチラインは作成直後は「階段経路」と「踊場」および「コーナー」でセグメントが5つに分かれています。


①⑤が階段経路上にある「傾斜手摺」で、②③④が踊り場上にある「水平手摺」です。形状がおかしいのは④のセグメントで、⑤の傾斜手摺端部と③の水平手摺端部を接続しようとしてなんだか無理なモデリングになっています。
もし、上部の階段経路が1段送られていて、十分にスペースがあれば次の図のようにきれいに接続されます。

⑤と④のような傾斜手摺と水平手摺の接続方法は、手摺のタイププロパティ「勾配部分の接合」で調整できます。
値が「手すりを交わるまで延長」に設定されていると、④の部材がなんとか水平と傾斜を接続しようとしておかしな結果となるのですが、このように高さがとりあうスペースが十分にない場合は、
手摺のタイププロパティ
勾配部分の接合を「鉛直/水平セグメントを追加」にしてましょう。
勾配部分の接合:鉛直/水平セグメントを追加
高さが取り合うことができない傾斜手摺と水平手摺の接続部分に鉛直セグメントが追加されました。

スケッチラインを変更する方法

スケッチラインを修正する方法もあります。④のセグメントを削除して⑤と③をトリムで接続すると。。。。。

すると次の図のように接続されます。

セグメントの高さを指定する

手摺の高さはスケッチラインごとに指定することができます。踊り場の中間で高さを変更するために次のようにスケッチラインを分割します。

④と⑤のスケッチラインをそれぞれ選択し、オプションバーを次のように設定します。
高さ:カスタム 250
これは、④⑤の部分の手すりの高さを、手摺のタイププロパティで指定した手摺の高さ+250の高さで作成する、という意味です。こうすると③④の間に鉛直セグメントが挿入されます。
踊場の中間に鉛直部材

いったん水平にしないと曲がらない

手摺は傾斜手摺の端部でいきなり左右水平に曲げることはできません。必ずいったん水平に着地する必要があります。

階段手摺の接続においては、この手摺の特性を踏まてスケッチライン、プロパティを調整してみてください。

2024年2月10日土曜日

切断面プロファイル

ちょっとだけ加筆

切断面プロファイルというややレガシーな機能があります。これはRevitの初期から存在する機能で、モデルの断面形状を2D的に「お化粧」するための機能です。モデル形状が変化するわけではないのですが、知っておくと便利な機能です。

例えば、次の図のように階段とスラブがと取り合っている場合、スラブの端部形状を少し修正してみましょう。

赤丸の部分の形状を修正してみる

  1. 表示タブ>グラフィックスパネル>切断面プロファイル

  2. オプションバーで面を選択

  3. 床を選択
  4. 形状をスケッチします。
    • このときスケッチラインの両端は、床のオリジナル断面形状を示すオレンジの線に接している必要があります。しかも同一のオレンジの線に両端が接している必要があります。
    • また、青色の矢印が内側に向かっていることを確認します。外向きになっていたらクリックして反転します。
      スケッチラインの端点と矢印に注意!

  5. モードパネル>✔

「面」と「面の境界」

オプションの面と面の境界の違いですが次のような違いがあります。

  • 面:面の周りの境界全体を編集する場合
  • 面の境界:面の間の境界線を編集する場合

面の境界を使用すると、複層構造をもつ床壁天井屋根の境界線を編集することができます。

  1. 表示タブ>グラフィックスパネル>切断面プロファイル
  2. オプションバーで面の境界を選択
  3. 床や壁などのレイヤの境界線を選択
    レイヤの境界をクリック

  4. 形状をスケッチします。

  5. モードパネル>✔

プロファイルを元に戻すには、スケッチ部分をマウスオーバーすると、スケッチ部が選択できるので、選択してDeleteキーで削除します。
元に戻すときはスケッチ部を選択してDelete


切断面プロファイルはモデル編集ではありませんが、ビューの表示を整えるために、知っておいて損はない機能です。

2024年2月3日土曜日

レイヤの[1]~[5]

レイヤの機能と躯体境界

壁と壁が取り合う場合、壁の各レイヤはどのような理屈で結合するのかを調べてみましょう。ここではレイヤの機能と躯体境界が大きな役割を果たしています。

機能の[]は結合の優先順位

壁や天井のタイプのレイヤには機能に[1]~[5]の数字があります。

[]内の数字の意味は?

この数字は壁同士あるいは壁と天井などの層構造をもつホストファミリ(床・壁・天井・屋根)が結合したときに、どのレイヤが優先的に結合するかを示しています。

RC外壁と間仕切壁の結合

次の図では、LGSに両面ボード張りで仕上にケイ酸カルシウム板をはった間仕切壁が、内側をGLボンドで仕上げたRCの壁と結合しています。

LGS(紫)とRC(灰)が結合していることに注目!
[]内の数字は、壁と壁が結合する場合の各レイヤの結合の優先順位を示しています。LGS(紫)のレイヤは構造[1]なので、RC壁の化粧FK[5]、GB12.5[4]、GLボンド[3]、断熱材[3]を突き抜けて、RC[1]と結合しています。

ここで、LGS壁のGB12.5を仕上1[4]から下地[2]に変更してみます。

下地[2]GB12.5が断熱層を突き抜けている

下地の優先順位は[2]なので、断熱層または通気層[3]よりも強いため、下地が断熱層を突き抜けています。また上の図では包絡していたGB12.5のレイヤ(クリーム色)ですが、下の図ではレイヤの機能(仕上1[4]と下地[3])が異なるので、包絡されていません。

耐火間仕切壁と一般間仕切壁の結合

耐火間仕切壁と一般間仕切壁の結合を考えてみます。例えば吉野石膏B15はスタッドの両面に強化石膏ボードを2枚張りしています。この壁に一般のLGS壁が取り合う場合、この強化ボードが通っている必要があります。

結合の優先順位は[]内の数字以上に躯体境界の内側が最優先されます。次の図は、強化石膏ボードを優先順位最高位の構造[1]にし、躯体境界の外側に設定した場合です。

耐火間仕切と一般間仕切のLGSが結合している

耐火間仕切壁のレイヤ構成

このように、耐火間仕切壁のLGSに、一般間仕切壁のLGS65が強化GBを突き抜けて結合しています。では強化GBのレイヤを躯体境界の中に入れてみます。

性能壁を構成するレイヤをすべて躯体境界の中に入れてみる

すると次の図のように理想的な結合となります。

強化石膏ボードが通っている理想的な結合

では、ここで強化GBのレイヤの機能を下地[2]にするとどうなるでしょう?

強化GBを下地[2]に設定
すると、やはり構造[1]のほうが下地[2]より強いために次の図のようになります。
これでは元の木阿弥。。。
結局一番強いのは躯体境界の中にある構造[1]のレイヤということになります。