お話の前に、以下のURLでRevit2018のHELPが公開されています。どのような機能が追加されたか、確認してみてください。
http://help.autodesk.com/view/RVT/2018/JPN/
コンクリートあご
さて、今回は防水立ち上がりのコンクリートあごの作成方法についての考察です。立ち上がり部を壁で作成し、あごはプロファイルを使って作成すると、立ち上がりの高さを壁の高さでコントロールできて便利です。
![](https://3.bp.blogspot.com/-NKEGL7MoB64/WPsgnK5vJMI/AAAAAAAAFnE/Bw5AHBbSc3ImWBal8oEMECYNq0L306w4ACLcB/s400/para2.PNG) |
こんなパラペットを作ってみます |
壁のタイプ
壁のレイヤは外側から順に
- 外部仕上ふかし 20mm
- 躯体 180mm
- 防水層 10mm
の三レイヤとします。任意のプロジェクトを開いて、壁タイプを作成します。
(1) プロジェクトブラウザ>ファミリ>壁>標準壁 の任意のノードを右クリック>複製
(2) 追加されたタイプを右クリック>名前変更で「パラペット」としOK
(3) パラペット をダブルクリックしてタイプを編集ダイアログボックスを開く
(4) 構造プロパティの[編集]ボタンをクリック。
(5) 各レイヤを追加する。マテリアルは適宜作成して設定する。
![](https://4.bp.blogspot.com/-gqkbKuQQl90/WPsiVGjdN0I/AAAAAAAAFnQ/9Rqh_zUVvgc783fsVs2nf4GNon29iy8tgCLcB/s400/para3.png) |
レイヤを追加・編集 |
(6) OKを2回押してタイプ編集を終了する。
プロファイル
笠木(あご)の部分のプロファイルを準備します。あごの部分を
躯体と
仕上に分けて2つ、それと
壁を切り欠くプロファイルを一つ準備します。
仕上のプロファイル
パラペットの形状に応じて自由にプロファイルを作成します。プロファイルは簡単に言えば「断面形状」で、どのような形状でも作成可能です。
(1) [R]>新規作成>ファミリ
(2) 「プロファイル(メートル単位).rft」を選択し開く
(3) プロパティウィンドウのプロファイルの用途プロパティを「壁の造作材」に設定。
(4) 以下のように仕上の部分をスケッチする。参照面の交点を外壁面の天端と考え、第3象限にスケッチする。
![](https://2.bp.blogspot.com/-AR--C6ItVuQ/WPsm9na3WZI/AAAAAAAAFnw/qNcC0QNBntIDKvuvzoHy8nYyu_6orVuqwCLcB/s400/para6.png) |
第3象限にスケッチする |
(5) [R]>名前を付けて保存 で「プロファイル_パラペット_仕上」として保存。
(6) ファミリエディタパネル>プロジェクトにロード をクリックする。
(7) プロジェクトの画面に切り替わるので、CTRL+TABを何度か押してプロファイルの画面に戻す。
躯体のプロファイル
躯体のプロファイルを作成します。プロファイルが重なったらエラーになるので、「プロファイル_パラペット_仕上.rfa」をベースに改造して使います。
(1) [R]>名前を付けて保存>ファミリ で名前を「プロファイル_パラペット_躯体.rfa」として保存する。
(2) 内側の部分だけを残し、他を削除。さらに底辺を下の図のように追加して躯体のプロファイルを作成する。
![](https://3.bp.blogspot.com/-DwbIIRxYDpA/WPspDF0ZTJI/AAAAAAAAFn8/BPc_EReZsgMsAS3ApVkr3BiDA9VYEMy5QCLcB/s400/para7.png) |
仕上プロファイルの内側を使って躯体のプロファイルを作成 |
(3) ファミリエディタパネル>プロジェクトにロード をクリックし、プロジェクトにロードする。
壁を切り欠き用のプロファイル
仕上と躯体を壁の上部にくっつけた分、壁を切り欠くのですがそのためのプロファイルを作成します。単なる長方形のプロファイルです。やはり参照面の交点が挿入点(外壁面天端)なのですが、今度は第4象限に作成します。
(1) [R]>新規作成>ファミリ
(2) 「プロファイル(メートル単位).rft」を選択し開く
(3) プロパティウィンドウのプロファイルの用途プロパティを「壁の化粧目地」に設定。
(4) 下の図のような矩形を第4象限に作成
![](https://3.bp.blogspot.com/-rbuO7Zxoifw/WPsrN3jlZrI/AAAAAAAAFoI/LJ8USAe4U0s-9hafsrmmyUw3sHK5N8U9gCLcB/s400/para8.png) |
切り欠き用プロファイルを「壁の化粧目地」として作成 |
(5) [R]>名前を付けて保存>ファミリ で 「プロファイル_パラペット_壁.rfa」として保存する。
(6) ファミリエディタパネル>プロジェクトにロード でプロジェクトにロードする。
壁の造作材・化粧目地の設定
ロードしたプロファイルをパラペットの壁タイプに適用します。
(1) プロジェクトブラウザ>ファミリ>壁>標準壁>パラペット のノードをダブルクリックしてタイプ編集ダイアログボックスを開く。
(2) 構造プロパティの編集ボタンをクリック
(3) サンプルの高さを「600」、プレビューを押して、ビューを「断面図:タイプ属性を修正」に設定。
![](https://4.bp.blogspot.com/-PWEBx7CPZM8/WPs62JNG_WI/AAAAAAAAFoY/MJcqRGS9AkEEF4nSquZbp333RrCUIgcQACLcB/s400/para9.png) |
サンプルの高さを「600」、プレビューをおして、ビューを断面図にする |
(4) 壁の造作材ボタンをクリック
(5) 追加ボタンを2回おして、ロードした「プロファイル_パラペット_仕上」「プロファイル_パラペット_躯体」を追加し、基準を「上」、壁を切り取るを「□」、マテリアルを壁タイプのレイヤ1とレイヤ2と同じものに設定する。適用ボタンを押して、正しい位置にプロファイルがあることを確認してOK。
※ここでのポイントは「壁を切り取る」をOFFにすることです。これをOFFにしないと、(6)以下の手順でエラーになります。切り取りは切り取りプロファイルに任せます。
![](https://3.bp.blogspot.com/-H_LRTTxsTfg/WPs-98HBlfI/AAAAAAAAFok/U-mQDulAKnstSTJN0i-vz6neHVvS-IjOQCLcB/s400/para10.png) |
壁の造作を追加 |
(6) 化粧目地ボタンをクリック。
(7) 追加ボタンを押して、ロードした「プロファイル_パラペット_壁」を追加し、基準を「上」として適用ボタンをおして、正しい位置にプロファイルがあることを確認してOK。
![](https://4.bp.blogspot.com/-pumqksQm2sc/WPs_3YIE5NI/AAAAAAAAFos/L-gcbFj5zX0FNtubnxX4aQjFiECctv7TwCLcB/s400/para11.png) |
化粧目地を作成 |
(8) OKを何度か押して、タイプ編集を終了する。
※2016までは、壁の造作は「壁のスイープ」、化粧目地は「壁のリビール」という正確な訳だったのですが、2017では翻訳がさらに悪化し、あちらこちらに誤訳が散見されます。
パラペットの作成
作成したパラペットを実際に使用してみます。
(1) R階などパラペットを配置するのに適切な平面ビューを開きます。
(2) 建築タブ>ビルド>壁
(3) タイプセレクタで「パラペット」を選択
(4) オプションバーで「見上げ」「指定」「600」「躯体の中心線」と設定し、必要な位置にパラペットを作成します。
(5) コーナーへトリムや単一要素をトリムなど、普通の壁と同様に編集できることを確認します。
![](https://4.bp.blogspot.com/-X6DpYSWCcXY/WPtCMXi6dvI/AAAAAAAAFo4/0ZYQ9ccjrmUYXKxf1iDAH7l0Zme_aj0DgCLcB/s400/para12.png) |
普通の壁と同様にパラペットを作成 |
断面図をみて、パラペット天端が600になっていることを確認します。
![](https://2.bp.blogspot.com/-I_G9_-syO2w/WPtDJvsnt5I/AAAAAAAAFpA/MCTd_cSeoZ079TjnzCSixT2vrQp1ehmcACLcB/s400/para13.png) |
パラペットの天端までの距離 |
上の図はラインワークを使って、パラペットの仕上と躯体の境界線を破線表示にしています。プロファイルを作成すれば、いろいろな形状のパラペットが作成できます。
![](https://3.bp.blogspot.com/-XbN-6yxV7lo/WPtEGgrweQI/AAAAAAAAFpI/EyU0ucMNtEcuxN_d6N741eznLKevKHDOgCLcB/s400/para14.png) |
完成したパラペット |
次回はハト小屋などの立ち上がり部のあごを作ってみます。