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2018年9月8日土曜日

帖・坪表示と集計表の桁処理

帖数を表示するタグ

前回は面積を小数点以下第3位で切り捨てて表示するタグを作成しました。
面積を小数点以下第3位で切り捨てて表示するタグ
今度は帖数を部屋タグに表示してみます。前回同様小数点以下第3位で切り捨てて表示します。帖は各種係数はありますが、今回は1帖=1.62㎡として
1帖=面積(㎡)÷1.62
の計算式をタグに組み込みます。「帖」という単位はRevitには組み込まれていないので、タイプは「実数」を使用します。

作成手順

  1. 前回のタグを使用し、部屋面積の下に新たにラベルを作成します。
  2. 計算値ダイアログで以下の設定をします。
    • 名前:帖
    • 専門分野:共通
    • タイプ:実数
    • 計算式:rounddown((面積 / 1.62 / 1 m²) * 100) / 100
    • OK
      計算値ダイアログボックス
  3. ラベルを編集ダイアログのラベルパラメータの第1行で
    • 接頭表記:(
    • サンプル値:60.60
    • 末尾表記:帖)
      接頭表記:サンプル値:末尾表記
  4. [#]パラメータの単位書式を設定をクリックし
    • 既定の設定を使う:OFF
    • 単位:固定
    • 丸め:小数点以下の桁数 2
    • OK
      形式
  5. 保存する。
    完成した部屋タグ
プロジェクトにロードして試してみます。
小数点以下第3位で切り捨てて表示されている
この部屋の面積は実測で26.242㎡ですから帖数は
26.242(㎡)÷1.62=16.1987654(帖)
となります。部屋タグでは小数点以下第3位で切り捨てて「16.19帖」と表示されていることがわかります。

坪の場合も全く同じです。坪は
面積(㎡)×0.3025=坪
と考えて計算式は
rounddown((面積*0.3025/1)*100)/100
となります。

集計表で桁処理

ずいぶん前に集計表で面積のけた処理をする手法をご紹介しましたが、ちょっと復習しておきましょう。けた処理フィールドの計算式は

小数点以下第n位を切り捨てる場合
rounddown((面積/1)*10^(n-1))*1/ 10^(n-1)

となります。10^(n-1)は「10のn-1乗」という意味です。この式を使って集計表を作成すると次のようになります。
小数点以下第3位切り捨て
集計表の男子便所、女子便所などの面積に着目すると、部屋面積は小数点以下第3位が切り捨てられていることがわかります。
計算式は
部屋面積:rounddown((面積/1)*100)*1/100
帖   :rounddown((面積/1.62/1)*100)/100

となります。



2018年1月20日土曜日

集計表で強制改行

{SHIFT}+{ENTER}

集計表ビューではセル内の複数行表示に対応していませんが、集計表をシートに貼り付けたら、複数行表示が可能です。ずいぶん前からある「ワザ」ですが、プロパティの値を編集するとき{SHIFT}+{ENTER}で強制改行することができます。これはちょうどエクセルで{ALT}+{ENTER}でセル内改行が行われるのとよく似ています。(細かいことを言うと、Revitの改行コードとエクセルの改行コードは異なります。)

使い方としては、集計表で文字のプロパティを入力するとき、文字を入力し{SHIFT}+{ENTER}で開業して、第2行目を記入すればいいだけです。
{SHIFT}+{ENTER}で改行可能

テキストエディタを併用する

入力はなんとかできますが、編集はどうすればいいでしょうか?集計表ビューでは先頭行しか表示されないので、そのまま編集することは難しいですね。そこで、テキストエディタとコピーペーストを組み合わせて編集すると、案外と簡単に複数行文字の編集ができます。この場合、メモ帳よりも、「TeraPad」や「サクラエディタ」のような、本格的なテキストエディタを使用することをお勧めします。

新規入力

  1. テキストエディタで普通にENTER(改行)しながら複数行入力。
    ENTERで改行しながら入力(TeraPadの例)
  2. すべて選択し(最後の[EOF]は選択しない)、{CTRL}+{C}でクリップボードにコピー。
    [EOF]を除いてコピー
  3. Revitの集計表で、目的のセルを選択し、{CTRL}+{V}でペーストして{ENTER}。
    シートに配置した集計表

既存の編集

  1. Revitの集計表で、目的のセルをクリック。この時点でセル内の文字がすべて選択されているので、{CTRL}+{C}でクリップボードにコピー。
  2. テキストエディタで{CTRL}+{V}でペースト。
  3. 編集後、新規入力の手順でRevitの集計表のセルに貼り付ける。
テキストエディタは文字編集専用なので、非常に快適に文字を入力することができます。コピーペーストの手間は少々面倒ですが、試す価値はあると思います。

マルチラインテキスト

そもそも複数行の入力が想定されるパラメータならば、パラメータタイプを「マルチラインテキスト」にしておくという手があります。パラメータを追加するとき、パラメータタイプで[マルチテキスト]を選択します。
パラメータタイプでマルチラインテキストを選択する
この場合、集計表ではセルの右端に小さな[…]ボタンが表示されるので、これをクリックすると
マルチラインテキストのフィールドには[…]ボタンが表示される
下の図のような簡単なエディタが表示されるので、こちらも快適に文字の編集ができます。
エディタが開く
ただし、文字のセルのように他の値を選択することはできませんし、集計表上には先頭行のみが表示されます。
シートでは複数行表示されるが、集計表では先頭行のみ表示される

結合フィールドで強制改行

パラメータを結合したフィールドでも強制改行できます。例えば仕上表で仕上と下地のパラメータを2行で表記したい場合などに使えます。ここで重要なのが先述の本格派テキストエディタです。下の図はTeraPadですが、改行したところに(↓)改行マークが表示されています。このマークが重要です。本格派のテキストエディタには、こうしたコードを表示する機能があります。

  1. この↓を選択してクリップボードにコピーしておきます。
    単純に改行してクリップボードにコピー
  2. 結合パラメータを作成するとき、[区切り]のセルに、{CTRL}+{V}で貼り付けます。見た目には何も変化がありません
    区切りにCTRL+Vで貼り付けるが、見た目には変化がない。
  3. これで、複数のパラメータの値を2行で表示することができます。
    複数のパラメータを改行して表示できる
集計表のユーザーインターフェイスは、一つのセルに複数の行を表示することはできませんが、工夫すればシート上での表示は十分に可能です。



2018年1月13日土曜日

/1の効用

単位にうるさい計算式

集計表の計算式は便利なのですが、「単位」について非常に厳格です。ちゃんと筋が通っていないとエラーになります。たとえば、換気計算の式に次のようなものがあります。

必要換気量(㎥/h) = 20(㎥/h・人)×床面積(㎡)÷一人当たりの専有面積(㎡)

この計算式では20は固定値で、一人当たりの専有面積は部屋の用途に応じて一定の値が定められています。(必要換気量の求め方:三菱電機参照
例えば、Excelであれば、数値だけの操作になるので、この計算表を作ることは簡単です。しかしRevitの集計表で作ろうとすると、単位をそろえなければならないので一工夫必要です。

計算式で自動的に単位を補ってくれる場合

(1) 床面積:㎡

これは素直に部屋の面積を使えばいいです。

(2) 一人当たりの専有面積:㎡

新たに単位を面積としてインスタンスパラメータを作成します。こちらの値は部屋の用途に応じて手動でインプットします。

(3) 必要換気量:㎥/h---計算式

必要換気量を求める式を作成します。式の結果としては㎡/hの単位が必要なので専門分野[HVAC]で[風量]を使います。[風量]の単位は㎥/hですからこれがそのまま使えます。

そして式ですが、素直に「20*面積/一人当たりの専有面積」としてOKします。
OKしてもエラーは起きない
何もエラーは起きないはずです。
もう一度編集ボタンをおして式をチェックしてみる。

もう一度計算式フィールドを編集ボタンで見てみると

  • 20 m³/h * 面積 / 一人当たりの専有面積

となっており、定数20の後に自動的に単位「m³/h」が補われています。「面積/一人当たりの専有面積」の部分が「㎡/㎡」で単位がなくなってしまうので、定数部分の20に「㎥/h」が補われているのです。

自動的に単位を補ってくれない場合

必要換気量の計算として以下のような式もあります。

必要換気量(㎥/h)=毎時必要換気回数(回/h)×部屋の容積(㎥)

部屋の容積はRevitからそのままいただくとして、毎時必要換気回数の「回/h」はどうしたものでしょうか?Revitでは「回/h」という単位は扱えないので、「整数」としてパラメータを作成します。整数は無単位です。(少数がある場合は「実数」を使います。)計算式に

  • 毎時必要換気回数*容積

としてOKを押すと、以下のようなエラーが表示されます。
エラーが表示される
式の中に定数があればRevitが不足する単位を補ってくれるのですが、今回は定数がないので、単位を補完することができず、エラーとなってしまいました。

定数 /1

そこで、無理やり式に定数を加えます。毒にも薬にもならない「÷1」つまり「/1」を式に加えます。Revitが/1に適切な単位を加えてくれるはずです。

  • 毎時必要換気回数/1*容積

としてOKを押します。こんどはエラーが表示されません。もう一度編集ボタンをおして式の様子を見てみると
s(秒)が補完されている

  • 毎時必要換気回数 / 1 s * 容積

となって、時間の単位[s]が補充されてます。今回の時間の単位は秒ではなく時間なので、この「s」を「h」に書き換えてOKします。
「s」を「h」に書き換える

  • 毎時必要換気回数 / 1 h * 容積

これで目的の必要換気量を求めることができます。

*1でもOK

毒にも薬にもならないといえば/1以外にも*1(×1)でも値が変化しないという点では同じですよね。試しに、

  • 毎時必要換気回数*容積*1

としてみると計算式は
「Hz」が補完される

  • 毎時必要換気回数 * 容積 * 1 Hz

と「翻訳」されます。Hzは回/秒ですから理にかなってますね。この式に「/3600」を加えて
  • 毎時必要換気回数 * 容積 * 1 Hz / 3600
とすれば、結果は同じになります。
計算式を作成するときに起こりがちな単位に関するエラーですが、「/1」や「*1」を加えることで、Revitが単位を適切に処理してくれます。

2017年4月15日土曜日

躯体ボリュームを拾う(2)

金額を設定する

集計表に単価を設定して、合計金額を求めてみます。まずマテリアルに単価を設定します。

  1. 管理タブ>設定パネル>マテリアル
  2. 目的のマテリアルを選択し、コストに単価を設定
    マテリアルに単価を設定

集計表の修正

前回作成した集計表を開きます。

  1. プロパティウィンドゥでフィールドプロパティの編集ボタンをクリック
  2. 「マテリアル:単価」を選択し追加
  3.  書式タブで「マテリアル:単価」を選択し、見出しを「単価(\/㎥)」位置合わせを「右」に設定する。また、形式ボタンを押して書式を設定。

書式タブ
集計表は次のようになります。
集計表

計算フィールドの追加

「体積×単価」の計算フィールドを追加します。

  1. フィールドプロパティの編集ボタンをクリック
  2. fxをクリックし計算値として名前は「金額」、タイプに「通貨」、計算式に「マテリアル: 体積 * マテリアル: 価格」と入力しOK
    計算式のフィールド

すると、単位が一致しません、という警告が表示されます。
単位が一致しません
マテリアル:体積は㎥、価格は¥なので答えが ㎥×\ となり、通貨の単位と異なります。この単位の違いを解決する方法は簡単で、式の一番後ろに「/1」を加え、1で割るといいのです。

  1. 計算式を「マテリアル: 体積 * マテリアル: 価格 /1」と入力しOK
  2. もう一度計算式の編集ボタンを押すと、「マテリアル: 体積 * マテリアル: 価格 / 1 m³」となって、自動的に単位 m³ が追加されていることを確認します。

単位㎥は自動的に追加される

  1. 書式タブで、「合計値を計算」を選択、その他の設定を以下のようにする。

書式タブ
集計表は以下のようになります。
金額を計算した集計表
強度(単価)の異なるコンクリートを使用する場合は、それぞれのマテリアルを準備しておいて、ファミリに割り当てればマテリアルごとの合計も求めらます。

打設日ごとに色分けする

Dateの値に応じて部材を色分けするにはフィルタを使います。

フィルタの作成


  1. 表示>グラフィックス>フィルタ
  2. フィルタグループの下部左端の「新規作成」をクリックし、名前を「Date_20170401」とする。
  3. カテゴリグループで、一般モデル、壁、床、構造フレーム、構造基礎、構造柱に✔
  4. フィルタ規則グループで、フィルタを「Date」、「等しい」、「20170401」
    フィルタの作成
  5. 適用

以上の手順を繰り返して、各Dateの値ごとの規則によるフィルタを作成する。

ビューへ適用

3Dビューにフィルタを適用して色分けします。

  1. 任意の3Dビューを開く
  2. 表示タブ>設定>表示/グラフィックス
  3. 追加ボタンをクリックし、上記で作成したフィルタをすべて選択し、OK
  4. それぞれのフィルタのサーフェスと切断面に色と塗潰しパターンを設定しOK
    フィルタの設定

プロパティに応じて3D表示を色分けすることができました。
打設日で色分けした躯体
表示/グラフィックスダイアログのフィルタタブで、表示チェックボックスをOFFにすれば、
表示のチェックをはずしてフィルタに引っかかる要素を非表示にする
Dateプロパティが設定されていない躯体を素早く見つけることができます。
Dateプロパティを入力していない要素を発見!



2017年4月8日土曜日

躯体ボリュームを拾う(1)

コンクリート立米数を拾うには

作成した躯体モデルを使って、コンクリートの立米数を集計表を使って拾ってみましょう。さらには打設した日付ごと、かつカテゴリごとに分けて集計してみましょう。

モデリング上の注意事項

床はスパンに分けて作成する

モデリングは普通に躯体モデルを作成すればいいのですが、床は要注意です。床を複数のスパンにまたがって一枚で作成してしまうと、スパンごとに拾うことができません。床はグリッドで分割して作成します。

躯体は結合する

躯体が結合されない状態で重なって作成されていると、立米数は重なっている部分はダブルで集計されます。結合していればダブらずに拾うことができます。

打設日を表す共有パラメータを決める

打設日を入力するパラメータを決めます。打設日はインスタンスパラメータなので、コメントなどのパラメータで代用することができますが、できれば共有パラメータを準備したほうがタグにも集計表にも表示できて便利です。

マテリアル

コンクリートを表現するマテリアルを作成し、各要素に割り当てます。もしコンクリート強度ごとに拾いたいという場合は、それぞれの強度を表す複数のコンクリート用マテリアルを準備しておきます。

実際に拾ってみる

下の図のような簡単な躯体を使って、まずマテリアルごとに数量を拾ってみましょう。
この躯体の数量を拾ってみます
(1) 表示タブ>作成パネル>集計▼>部材拾い出し
(2) カテゴリで「マルチカテゴリ」、名前に「コンクリート立米数」
新しい数量積算
(3) フィールドタブで「マテリアル:名前」「マテリアル:体積」を選択して集計済みのフィールドに追加
フィールド
(4) 並べ替え/グループ化タブで並べ替え方法に「マテリアル:名前」、「各インスタンスの内訳」のチェックをはずす。
並べ替え/グループ化
(5) 書式タブで以下のように設定しOK
書式タブ
まずは以下のようにマテリアルごとの集計表ができます。
簡単な集計表ができる

カテゴリごとにまとめる

今度はこれをカテゴリごとにまとめます。
(1) 集計表のインスタンスパラメータ「フィールド」の編集をクリック
(2) フィールド「カテゴリ」を追加し一番上に
フィールド
(3) フィルタタブ以下のように設定し「RC」のマテリアルだけが集計表に表示されるようにする。
フィルタ
(4) 並べ替え/グループ化の設定---カテゴリごとに集計するように設定する
並べ替え/グループ化
(5) OK
カテゴリごとに集計
これでマテリアル「RC」だけが集計されます。

打設日ごとに集計するには

集計の対象とするカテゴリは上の表から

  • 一般モデル
  • 構造柱
  • 構造フレーム
  • 構造基礎

の5つのカテゴリです。これらのカテゴリに対して、打設日を表すインスタンスパラメータ「打設日」を共有パラメータとして追加します。

共有パラメータの作成


  1. 管理タブ>設定パネル>共有パラメータで[作成]をクリックし、適切なフォルダに適切な名前で共有パラメータファイルを作成
  2. グループの[新規作成]で「施工」というグループを作成
  3. パラメータの[新規作成]で「Date」という名前のパラメータを「整数」で作成。
    Dateプロパティを整数として作成
  4. [OK]でダイアログボックスを閉じる

パラメータをプロジェクトに追加する

上ではパラメータを定義しただけですので、これをプロジェクトで使えるように、プロジェクトに追加します。

  1. 管理タブ>設定パネル>プロジェクトパラメータで、[追加]をクリック
  2. パラメータプロパティダイアログボックスで、パラメータタイプの共有パラメータを選択し、[選択]ボタンで作成した「Date」を選択しOK
    共有パラメータの追加
  3. カテゴリで、一般モデル、壁、床、構造フレーム、構造基礎、構造柱に✔
    パラメータDateを設定するカテゴリを選択
  4. パラメータデータでインスタンスを選択
    インスタンスパラメータとして追加
  5. OK

打設日の設定

打設日をモデル要素に設定します。設定方法は
  1. 複数の要素を選択
  2. 修正|複数選択タブ>選択パネル>フィルタ
  3. 対象とするカテゴリだけにチェックしてOK
    対象とするカテゴリだけにチェックを入れる
  4. プロパティウィンドゥでDateに「20170401」などの日付を表す数字を入力
    打設日をインスタンスパラメータに設定
これを繰り返すだけです。

集計表の修正

集計表を修正して打設日ごとの数量を拾ってみます。

  1. 集計表を開いて、プロパティウィンドゥの[フィールド]の編集ボタンをおす。
    フィールドの編集をクリック
  2. フィールドタブで「Date」を追加し一番上へ移動
    Dateを追加して一番上へ
  3. 並べ替え/グループタブで以下のように設定
    並べ替え/グループ化
  4. 書式タブでDateを選択し、非表示のフィールドに✔
    書式
  5. OK
すると次のような集計表ができます。
集計表
集計表の体裁と各設定の関係を下の図に示します。
見出し・フッタの設定の関係
集計表の仕組みは最初ちょっと難解なところがあると思いますが、慣れてしまえはこれほど便利なものはありません。
次回は金額を計算する集計表や、フィルタを使った色分けなどについて説明します。
打設日ごとに色分けした躯体


価格を計算した集計表