コンクリート立米数を拾うには
作成した躯体モデルを使って、コンクリートの立米数を集計表を使って拾ってみましょう。さらには打設した日付ごと、かつカテゴリごとに分けて集計してみましょう。
モデリング上の注意事項
床はスパンに分けて作成する
モデリングは普通に躯体モデルを作成すればいいのですが、床は要注意です。床を複数のスパンにまたがって一枚で作成してしまうと、スパンごとに拾うことができません。床はグリッドで分割して作成します。
躯体は結合する
躯体が結合されない状態で重なって作成されていると、立米数は重なっている部分はダブルで集計されます。結合していればダブらずに拾うことができます。
打設日を表す共有パラメータを決める
打設日を入力するパラメータを決めます。打設日はインスタンスパラメータなので、コメントなどのパラメータで代用することができますが、できれば共有パラメータを準備したほうがタグにも集計表にも表示できて便利です。
マテリアル
コンクリートを表現するマテリアルを作成し、各要素に割り当てます。もしコンクリート強度ごとに拾いたいという場合は、それぞれの強度を表す複数のコンクリート用マテリアルを準備しておきます。
実際に拾ってみる
下の図のような簡単な躯体を使って、まずマテリアルごとに数量を拾ってみましょう。
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この躯体の数量を拾ってみます |
(1) 表示タブ>作成パネル>集計▼>部材拾い出し
(2) カテゴリで「マルチカテゴリ」、名前に「コンクリート立米数」
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新しい数量積算 |
(3) フィールドタブで「マテリアル:名前」「マテリアル:体積」を選択して集計済みのフィールドに追加
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フィールド |
(4) 並べ替え/グループ化タブで並べ替え方法に「マテリアル:名前」、「各インスタンスの内訳」のチェックをはずす。
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並べ替え/グループ化 |
(5) 書式タブで以下のように設定しOK
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書式タブ |
まずは以下のようにマテリアルごとの集計表ができます。
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簡単な集計表ができる |
カテゴリごとにまとめる
今度はこれをカテゴリごとにまとめます。
(1) 集計表のインスタンスパラメータ「フィールド」の編集をクリック
(2) フィールド「カテゴリ」を追加し一番上に
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フィールド |
(3) フィルタタブ以下のように設定し「RC」のマテリアルだけが集計表に表示されるようにする。
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フィルタ |
(4) 並べ替え/グループ化の設定---カテゴリごとに集計するように設定する
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並べ替え/グループ化 |
(5) OK
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カテゴリごとに集計 |
これでマテリアル「RC」だけが集計されます。
打設日ごとに集計するには
集計の対象とするカテゴリは上の表から
- 一般モデル
- 壁
- 床
- 構造柱
- 構造フレーム
- 構造基礎
の5つのカテゴリです。これらのカテゴリに対して、打設日を表すインスタンスパラメータ「打設日」を共有パラメータとして追加します。
共有パラメータの作成
- 管理タブ>設定パネル>共有パラメータで[作成]をクリックし、適切なフォルダに適切な名前で共有パラメータファイルを作成
- グループの[新規作成]で「施工」というグループを作成
- パラメータの[新規作成]で「Date」という名前のパラメータを「整数」で作成。
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Dateプロパティを整数として作成 |
- [OK]でダイアログボックスを閉じる
パラメータをプロジェクトに追加する
上ではパラメータを定義しただけですので、これをプロジェクトで使えるように、プロジェクトに追加します。
- 管理タブ>設定パネル>プロジェクトパラメータで、[追加]をクリック
- パラメータプロパティダイアログボックスで、パラメータタイプの共有パラメータを選択し、[選択]ボタンで作成した「Date」を選択しOK
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共有パラメータの追加 |
- カテゴリで、一般モデル、壁、床、構造フレーム、構造基礎、構造柱に✔
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パラメータDateを設定するカテゴリを選択 |
- パラメータデータでインスタンスを選択
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インスタンスパラメータとして追加 |
- OK
打設日の設定
打設日をモデル要素に設定します。設定方法は
- 複数の要素を選択
- 修正|複数選択タブ>選択パネル>フィルタ
- 対象とするカテゴリだけにチェックしてOK
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対象とするカテゴリだけにチェックを入れる |
- プロパティウィンドゥでDateに「20170401」などの日付を表す数字を入力
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打設日をインスタンスパラメータに設定 |
これを繰り返すだけです。
集計表の修正
集計表を修正して打設日ごとの数量を拾ってみます。
- 集計表を開いて、プロパティウィンドゥの[フィールド]の編集ボタンをおす。
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フィールドの編集をクリック |
- フィールドタブで「Date」を追加し一番上へ移動
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Dateを追加して一番上へ |
- 並べ替え/グループタブで以下のように設定
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並べ替え/グループ化 |
- 書式タブでDateを選択し、非表示のフィールドに✔
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書式 |
- OK
すると次のような集計表ができます。
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集計表 |
集計表の体裁と各設定の関係を下の図に示します。
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見出し・フッタの設定の関係 |
集計表の仕組みは最初ちょっと難解なところがあると思いますが、慣れてしまえはこれほど便利なものはありません。
次回は金額を計算する集計表や、フィルタを使った色分けなどについて説明します。
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打設日ごとに色分けした躯体 |
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価格を計算した集計表 |