2025年6月29日日曜日

建築工事標準詳細図(3-31/32) ~カーテンボックス

カーテンボックスのサンプル

建築工事標準詳細図3-31-3のアルミニウム製埋込み形と3-32-1木製埋込み形のファミリを作成しました。

平面図1FLのビュー:カーテンボックスファミリの位置

製図ビューにはディテールシートも作成しています。

3-31-3アルミニウム製埋込み形

シートにレイアウトしています

サンプルデータのダウンロード(v2024)

基準点

挿入基準点は窓の中心&壁面としました。インスタンスパラメータ「D」「L1」「L2」で位置やサイズ調整ができるようになっています。
建築工事標準詳細図より引用
「幅」は窓の額縁の外面に合わせてください。

カテゴリと表示について

カーテンボックスのカテゴリは「造作工事」としました。

「窓」「造作工事」「一般モデル」のカテゴリに属する要素は平面図における表示に注意が必要です。この三つのカテゴリの要素(ファミリのフォーム、シンボル線分)は平面図の「メイン範囲」に入っていれば、断面より上にあっても描画されます。

②断面、⑤メイン範囲
カーテンボックスを造作工事で作成したのは、平面図に表示させるためです。

平面図での表示方法

平面図では何もしないと次のように表示されます。

カーテンボックスの「上」から見た図と窓の断面が重なって表示されているため、窓の額縁部分が見えなくなっているということです。

これを修正するにはカーテンボックスを選択して次のように表示を要素別で上書きします。


こうすることで平面図で次のように表示されます。

平面図での表示

天井伏図は下から順に描画するので大きな問題はありません。

天井伏図 簡略と標準/詳細

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください

2025年6月15日日曜日

パラメータグループの並び順2024~2026

パラメータグループの並び順

2018年にパラメータグループの並び順について調査した記事を掲載しましたが、最近はどうなっているのかver2024、2025、2026について調べてみました。

現在の並び順

2024/2025/2026のパラメータグループの並び順は以下の通りです。

  1. サブ区画(v2024で追加)
  2. 拘束
  3. 構成
  4. 鉄筋セット
  5. セット
  6. グラフィックス
  7. 文字
  8. マテリアルと仕上げ
  9. 分割ジオメトリ
  10. 電気
  11. 電気工学
  12. 電気 - 照明
  13. 電気 - 負荷
  14. セグメントと継手
  15. 給排水衛生設備
  16. メイン端部(元「端部 1」)
  17. サブ端部(元「端部 2」)
  18. 構造
  19. レイヤ
  20. スラブ形状編集
  21. 寸法
  22. 機械
  23. 機械 - 流量
  24. 機械 - 負荷
  25. 解析モデル
  26. 解析用位置合わせ
  27. リリース/要素荷重
  28. 構造解析
  29. 荷重
  30. モーメント
  31. フェーズ
  32. エネルギー解析
  33. IFC パラメータ
  34. 防火
  35. タイトル文字
  36. Green Building プロパティ
  37. フォトメトリック
  38. 解析結果
  39. モデル プロパティ
  40. 一般
  41. 電気 - 回路
  42. データ
  43. 表示
  44. 全凡例
  45. 電気解析
  46. ビジュアライゼーション(v2025で追加)
  47. 人命の安全管理
  48. シート上のビューの位置(v2026で追加)
  49. 構造断面寸法
  50. その他
  51. 識別情報


2025年6月8日日曜日

建築工事標準詳細図(2-41) ~地下二重壁

 地下二重壁

建築工事標準詳細図シリーズ、2-41は地下二重壁です。

地下二重壁のモデリング
2-14-1では地下二重壁はRC150mmをH150mm立ち上げて、鉄骨下地窯業系サイディングの壁を梁下まで立ち上げています。

サンプルデータ(v2024)ダウンロードはこちらから

データの見方

3Dビューでは次の図の位置にあります。

3Dビュー
平面図は平面図 BFLを参照してください。ここから標準図や断面図に移動することができます。
平面図 BFL

断面図 2-41-1にも吹き出しを作成して標準図に移動できるようにしてみました。

断面図 2-41-1

二重壁

モデルの二重壁には重ね壁を使用しています。RC立上り部と上部の窯業系サイディングの壁タイプを仕上面外部で位置合わせしてタイプを構成しています。

重ね壁の構成

二重壁タイプを作成すると上下の壁の位置合わせに気を遣うことがないため効率的に整合の取れたモデルを作成できます。

点検口

点検口は壁ホストの造作工事カテゴリとしてファミリを作成しました。標準図をみると特段開き勝手はなさそうなので簡易な形状としています。

点検口のファミリ

標準図

標準図は製図ビューの「2-41-1 地下二重壁」です。このビューはPDFを600DPIで1:20に設定した製図ビューに読み込んで、"スナップを有効にする"をオンにしたうえで、詳細線分でなぞって作成しました。

読み込んだPDFのスナップを有効にする

CADベース(ベクトルベース)のPDFであれば、このスイッチをオンにすることで、PDFの線にスナップを効かせることができます。

製図ビュー

Cチャンネルやアングルは詳細項目ファミリを作成しています。形状が決まっているものはファミリにしたほうが扱いが簡単です。

詳細項目ファミリ

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください

2025年6月1日日曜日

シート間で位置合わせ(v2026新機能)

Revit2026で解決

複数のシートに平面図を配置して、その通り芯の交点の位置を一致させたい、というニーズにこたえるため、Revit2026には新たに「位置を保存」の機能をが追加されました。使い方をマスターしましょう!

ビューポートの位置を保存する

標準添付されている「サンプル意匠.rvt」を開いて、その手順を確認しましょう。

  1. ファイル>開く>サンプルファイル
  2. サンプル意匠.rvtを開く
  3. プロジェクトブラウザ>シート>実施図>1001 - 平面図(1)を開く
  4. 左側の"1 - 平面図 ピット" を選択
  5. 配置とビューパネル>ビューのアンカーで"ビューの原点"を選択
  6. 配置とビューパネル>位置を保存 をクリック
    位置を保存

  7. ビューの位置保存ダイアログボックスで、名前を「平面図左」と入力しOK
    ビューの位置に名前を付ける


  8. 同様に、右側のビュー"2 - 平面図1階"を選択し、ビューの位置を"平面図右”として保存する。

異なるシートでビューの位置を合わせる

  1. プロジェクトブラウザ>シート>実施図>1002 - 平面図(2)を開く
  2. 左側の"1- 平面図 基準階"を選択
  3. 配置とビューパネル>保存位置から平面図左を選択
    保存位置を選択

  4. 同様に右側のビューを選択し、保存位置で"平面図右"を選択
  5. 二つのシート間で、通り芯の位置が一致していることを確認する
    二つのシートでビューの通り芯の位置が一致している

自動?レイアウト

自動というほどのものでもないのですが、あらかじめ位置を指定してビューをレイアウトすることもできます。
  1. プロジェクトブラウザ>ビュー>建築>10 平面>平面図>平面図 5階を選択
  2. ビューのプロパティでシート状のビューの位置グループ>保存位置で"平面図左"を選択。
    位置を指定


  3. 同様に平面図 6階の保存位置を"平面図 右"に設定。
  4. プロジェクトブラウザ>シート>実施図>1002 平面図(2)を右クリック>シートを複製>空のシートを複製
  5. 作成されたシートに平面図 5階と平面図 6階をそれぞれドラッグ&ドロップする
  6. ビューが指定された位置に自動的にレイアウトされることを確認してください。
    各ビューは指定した位置にレイアウトされる

位置の編集

保存した位置を移動することができます。
  1. プロジェクトブラウザ>シート>実施図>1001 - 平面図(1)を開く
  2. 左側の1-平面図 ピットを選択
  3. 配置とビューパネル>位置を編集

  4. この時点でビューには5つの■が表示され、その一つかオレンジ色になっています。オレンジ色のは現時点でのビューのアンカーを示しており、各■をクリックすることでビューのアンカーを変更することができます。今回はビューのアンカーは変更しません。
    ビューのアンカー

  5. ビューを移動します。
    ビューを移動

  6. ビューの位置を編集パネル>✔終了
  7. 保存された位置を更新ダイアログボックスが表示されます。保存位置「平面図左」を割り当てた他のビューの位置も更新してしまいますよ、という警告なのでOKをクリック。
    OKを押して次へ進む

  8. 1002 - 平面図(2)や1002 (1)-平面図(2)のレイアウトが更新されていることを確認する。
    他のシートでも位置が更新されている

保存位置の名前の変更

保存位置の名前の変更や、割り当てられたビューの数は位置を管理で行えます。

  1. プロジェクトブラウザ>シート>実施図>1001 - 平面図(1)を開く
  2. 左側の1-平面図 ピットを選択
  3. 配置とビューパネル>位置を管理

このダイアログで、名前変更、削除、割り当てられたビューの数の確認ができます。

2025年5月11日日曜日

建築工事標準詳細図(2-11) ~幅木

製図ビューの縮尺を変更しました

建築工事標準詳細図シリーズ第6回はシート番号2-11の幅木をいろいろと作成してみました。

幅木のモデル

ですがその前に、今まで作成した製図ビュー(詳細図)の縮尺が間違っていたことに気が付きました。1/10で作成していた製図ビューをすべて1/5に修正して再度シートにレイアウトしていますのでサンプルプロジェクトをダウンロードしてご確認ください。

尺度を修正してシートを再作成しました
サンプルプロジェクトのダウンロード

幅木

幅木は壁スイープ/リビールで作成しています。壁のスイープ/リビールは立面ビュー、断面ビュー、3Dビューでしか作成することはできないなど不便な面もありますが、一方で開口部(ドア、窓など)によって壁と一体で切り欠かれ、インスタンスパラメータ"長さ"も開口部をひき去った値となるなど便利な面も多々あります。

ビニル幅木の例

入り幅木

②の「ビニル床シート立ち上げ幅木」は壁の仕上面から壁内に入り込む入り幅木の形状になっています。

10mm入り込んでいる幅木

この形状はスイープとリビールを使って作成できます。リビールで壁を削っておいて、同じ位置にスイープを配置します。
スイープとリビールの合わせ技で

スイープのジオメトリの位置をオフセットするために、インスタンスパラメータ"側面オフセット"を調整します。
側面オフセットでジオメトリの位置を調整

木製幅木

④の木製幅木は壁仕上面と同面で幅木を納めて、8㎜の目透かしを取っています。

目透かし8mmをモデリングするのか?

これをモデリングするにも、リビールで壁の裾を切り欠いたうえで、スイープで幅木を作成すればよいです。
こんなこともできるが、やりすぎかも。。。

ただ、実際にここまで凝ったモデルを作ると修正手間も大変なので、リビールは省略して、ディテールシートと合わせて運用するのが現実的かもしれませんね。

プロファイル

スイープもリビールもプロファイルが必要です。今回作成したプロファイルは以下のファミリです。


このうち2-02のプロファイルの用途が「壁の化粧目地」で


その他は壁のスイープです。


こうしてプロファイルの用途を限定しておくと、設定時に比較的簡単に目的のプロファイルを発見できます。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください

2025年5月4日日曜日

建築工事標準詳細図(2-02)~石と打放し

石と打放しのおさまり

建築工事標準詳細図(2-02)は外壁と内壁の石のおさまりと、コンクリート打放し用の各種の目地について記載されています。

石のおさまりと打放しの納まり

サンプルプロジェクトのダウンロード

今回も製図ビューと、対応する壁タイプを作成しています。

壁の領域分割・結合とリビール

壁タイプ「2-02-13 吸音材の上ガラスクロス張り」は、下端が入り幅木のようなおさまりになっています。

-13 吸音材の上ガラスクロス張り

これを実現するにはいくつかの方法がありますが、今回はH=100 と想定して

  • 壁のリビール
  • 壁の領域分割と結合

の合わせ技で実装しました。

壁のリビールだけだと?

吸音材の厚さが25mmなので100mmx25mmのプロファイル「ボイド幅木:100x25」を作成してプロジェクトにロードします。

リビール用のプロファイル

次に壁タイプのアセンブリを編集ダイアログボックスで、ビューを断面に設定し[壁リビール]ボタンをクリックして、プロファイル「ボイド幅木:100x25」を外側下端に配置します。

壁の下端にリビールを追加する

この状態では断面はいいのですが、3Dビューで見るとリビールした部分の仕上が吸音材のマテリアルが表示されます。

矢印の位置のマテリアルが??

これは仕上の吸音材のレイヤをリビールしたので、「薄皮1枚」だけ吸音材が表示されているということだと思われます。

そこで、いったんリビールを解除して、仕上レイヤの領域を下端から100mmで分割し、構造体と結合しコンクリートのマテリアルを割り当てたうえでリビールを配置すれば見た目も問題ありません。

  1. 壁のアセンブリを編集ダイアログボックスを開く
  2. プレビューで断面を表示
  3. [壁リビール]ボタンを押して、壁のリビールを削除
  4. [領域を分割]ボタンをクリックし、仕上のレイヤを下端から100mmで分割
    外面をマウスでなぞって仮寸法が100になったらクリック

  5. [領域を結合]ボタンをクリックし、仕上と躯体の境界上にマウスを移動し、アイコンが左向きの矢印になったらクリックし、構造レイヤと結合する。

  6. このようになる

  7. [壁リビール]ボタンを押して、再度壁のリビールを設定

こうすると、幅木の部分に構造体レイヤのマテリアルが表示されます。
幅木部分に構造体のマテリアルが表示される


この場合、高さはH=100、かつ仕上レイヤの厚さ=25に固定されますが、メンテナンスなしでこの形状を保ってくれるので、高さや仕上レイヤの厚さが一律であれば便利な機能です。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください