2017年2月25日土曜日

L型側溝

道は床でつくると便利

外構、特に道路や歩道は一般的にはまず地形を作成し、舗装を使って道路や歩道を作成します。ただ、舗装はその外形線が他の舗装とダブることが許されず、多少扱いが面倒です。そこで、今回は床を使って歩道や道路、縁石などを作成する方法をご紹介します。
床で作成された歩道と車道
上の図の歩道と車道、緑地はすべて床で作成しています。

スラブエッジでL型側溝・縁石をつくる

床で外構を作成するメリットは、縁石や側溝をスラブエッジを使って表現できるということです。
3種類のスラブエッジを使っている
このモデルは3種類のスラブエッジを使っています。
上の図の青い部分

低いL型側溝

縁石の部分

これらのプロファイル(右のライブラリに登録してありますのでご自由にお使いください。)でスラブエッジのタイプを作成しておいて、下の図のように歩道と車道を床で作成します。歩道切り下げ部は勾配矢印を使ってスロープにしておきます。
側溝や縁石部を除いて床を作成する
あとは[建築]-[構築(ビルド)]-[床▼]-[スラブハンチ]を使って、床のエッジをなぞれば側溝や縁石を作成できます。
床のエッジをクリックして縁石と側溝を作成
足りない部分はスラブエッジを選択して端点をドラッグして延長します。
スラブエッジを延長
床も舗装も層構造を表現できたり、勾配矢印でスロープを作成で来たりする点は同じですが、スラブエッジを使えることと、多少重なってもエラーにならないこと、形状編集が使えることなど床のほうがなにかと便利な機能が多いので、外構の作成に床を活用することを検討してみてください。

注意する点

床は平面図の表示範囲に含まれていなくても、マイナス1200程度までは平面図に表示されます。詳細はこちらをご覧ください。一方地形や舗装は、描画範囲から外れていると表示されません。舗装・地形・床による外構が共存する場合は、表示範囲に注意してください。


2017年2月19日日曜日

立面図

立面図に一工夫

Revitで立面図を作成すると下の図のような立面図ができます。
説明を追加
正確であることはいいのですが、すべて「見えかかりの線」なので、オブジェクトスタイルの設定に従い表示されます。そこで、少し表現を工夫して見やすくしてみます。
規定だどすべて同じ太さの線で表示されている

外形線を明確にするには

かつての2Dの立面図では、建物の輪郭を明確にするために太線にしていました。Revitでもラインワークを使えばできるのですが、もう少しRevitらしい方法でやってみましょう。
(1) ビュープロパティの[グラフィック表示オプション]の編集をクリック。
(2) 「背景グループ」の「背景」に「グラデーション」を設定し、色を図のように設定する。
(3) アンチエイリアシングのチェックを入れてOK
建物の外形がはっきりする
背景にグラデーションを設定することで、建物の外形線がはっきりしました。

影の設定

外形はわかるようになりました。次は建物の面の出入りを影を使ってわかりやすくします。
(1) 再び「グラフィックス表示オプション」を表示し、「影付け」をチェックする。
(2) 日照で「影」を30程度に設定する。
影付けをチェックし、影を30程度にする
(3) [太陽の設定]のボタンを押して、方位角を135度、高度を35~40度程度に調整する。
角度を変更して適切な影を落とす
影の濃さや角度は立面図を見ながら調整します。
影の設定で建物の凹凸を表現

ガラス

ガラスはガラスのマテリアルを工夫してみます。サーフェスにグレーの塗潰しを設定して、ガラスの範囲を明確にしてみます。
[管理]-[マテリアル]でガラスに使用しているマテリアルのサーフェスパターンを変更します。
サーフェスのパターンをグレーの塗りつぶしに
これで下の図のようになります。
ガラスマテリアル
これらの工夫で、立面図はかなり見やすくなります。
見やすくなった立面図
この方法ならば、ビューテンプレートを作成して、すべての立面ビューに簡単に適用することができます。
ビューテンプレートを適用するだけ

背景に空を

カラーを使うことができる状況であれば、背景に空の画像を割り当てることができます。インターネット上にある商用フリーの空の画像をダウンロードし、以下の手順で背景に割り当てます。
(1) グラフィック表示オプションで「背景」を「イメージ」とする。
(2) [イメージをカスタマイズ]をクリック。
イメージをカスタマイズをクリック
(3) スタイルを「リアリスティック」、背景イメージダイアログボックスで[イメージ]をクリックして、画像を選択。スケールを幅か高さなど適切なオプションを選択。
イメージを指定
これで立面図の背景に空の画像をはめ込むことができます。
立面図に空の画像を適用

2017年2月12日日曜日

通り芯寸法はなぜ動くのか?

いつの間にか動く?

通り芯寸法がいつのまにか動いてしまった、という経験はないでしょうか?特にワークセットを使って複数で作業をしていると、いざ出力しようとしたら通り芯寸法がなくなっていた、などという経験はないですか?
なぜ、通り芯寸法がどこかにいってしまうのでしょう?誰かが動かしてしまったのでしょうか?

実験

おそらくそれは通り芯の3D範囲を変更してしまったためにおこるのです。通り芯は3D要素なので立体的に存在しており、その実在範囲は通り芯を選択したときに表示される○で表されます。
○が3D範囲
この◯をドラッグすると、通り芯の立体的な範囲が変更されます。
通り芯の3D範囲を変更すると寸法も移動する。
と同時に、通り芯寸法の位置も変更されています。Revitの寸法は押さえている要素の参照を保持しているため、要素から影響を受けます。したがって、通り芯の立体的な状況に応じて、寸法の位置も変わります。
困るのは、このビューだけではなく、この通り芯を表示しているほかのビューにも影響が出てしまうということです。たとえば、2階や3階のビューの通り芯寸法の位置も変更されてしまいます。
ほかのビューの通り芯寸法位置も変更される
印刷用のビューにある寸法が、本人も知らない間に位置が変わってしまうというのは、かなり困りものです。実施設計などで図面が増えてくると、かなり面倒なことになります。図面の体裁を整えつつ、「勝手に動かない」寸法を作成するにはどうしたらいいでしょうか?

通り芯寸法が知らないうちに動くのを防ぐには

こうした面倒を回避するには、まず

心得1:通り芯やレベルの3D範囲はできるだけ広く

するということが重要です。計画変更などで、ちょっと外壁の位置がかわっても大丈夫なぐらい、敷地の外側まで十分に広げます。けっこう「こんなに必要?」と思えるぐらい広くていいです。
通り芯の3D範囲は十分に広く

心得2:通り芯寸法はトリミングしてから

印刷用のビューは必ずトリミングします。必要なくてもトリミングします。トリミングに合わせて通り芯は短くなるので、そのあと通り芯寸法を作成します。
トリミングした後で通り芯寸法を作成する
トリミングした後に通り芯に対して作成した寸法は、トリミングの中でも外でも、通り芯の範囲が変わったからと言って、位置が変わってしまうことはありません。たとえば、上の図の右上のトリミング領域内に作成している寸法も、通り芯の3D範囲が変わったからと言って変更されることはありません。いつまでもその位置にいます。
トリミング後に通り芯を選択した場合、小さく「2D」と表示されます。
この2Dの状態だと範囲は●で表示されます。こうなった時に作成した寸法は通り芯そのものの状況には影響されず、いつまでも作成したときの位置にいます。
通り芯を選択すると「2D」と表示される
2D範囲を変更しても通り芯寸法の位置は変わらない

トリミング内に3D範囲が無いように!

いくらトリミングを設定しても、トリミング領域内に3D範囲がある場合は、寸法の位置が変わってしまう可能性があります。
トリミング領域内に3D範囲があると寸法が動く
このような場合、作成した寸法は立体図形としての通り芯を掴んでいるので、通り芯の立体的な範囲が変更されたら、当然それに追随して位置が変わります。
通り芯の3D範囲は必ずトリミング領域の外になるようにします。

レベルの3D範囲も十分に広く

同様のことがレベルにも言えます。レベルの3D範囲も十分に「これでもか!」というぐらい広く取っておきます。また、通り芯も上下に十分に広く広げます。
通り芯もレベルも広く取る
そして、レベルの寸法を作成するときは、必ずトリミングをしてから作成してください。
トリミング領域を設定してからレベル・通り芯寸法

PINの活用

通り芯やレベルの3D範囲を十分に広げたら、「ピンで固定」しておくとよいでしょう。
通り芯やレベルはピンで固定
そうしておいて、修正の▼をおして、「ピンされた要素を選択」のチェックをはずしておきます。
ピンされた要素を選択をはずす
これで、不用意に通り芯の位置を動かしたり、削除したりするミスも防ぐことができます。

2017年2月4日土曜日

折板

カーテンシステムによる折板屋根の作成

折版屋根
折板屋根の作成はカーテンシステムを利用すれば案外と簡単にできます。屋根であれば勾配もつけやすいので、工場などの屋根の作成に向いています。

折板パネルの作成

カーテンパネルのファミリを作成します。

(1) [R]-[新規作成]-[ファミリ]で「カーテンウォール パネル(メートル単位).rft」を選択
(2) 下の図のように参照面を作成し寸法でロックする。屋根の場合、下側が上向きとなる。
数字のある寸法はすべてロックする
(3) [作成]-[フォーム]-[押し出し]で下の図のようにスケッチ。
スケッチ
(4) [修正]-[オフセット]で10mmオフセット。
10mmオフセット
(5) 端部をふさいで✔
端部をふさいでスケッチ終了
(8) 同様の手順で右側に押し出しを作成する。
右側を作成
(7) 立面図-外部のビューで、高さを調整。上端と下端を参照面に確実にロックする。
上下を参照面にロック
(8) 出来上がったフォームを選択して、マテリアルをタイプパラメータに関連付ける。
マテリアルをタイプパラメータに関連付ける
(7) 名前を(丸馳折版Ⅰ型x2.rfa)付けて保存。

カーテンシステムを屋根に適用

パネルをプロジェクトにロードして使ってみます。
(1) 建築テンプレートを使って新規にプロジェクトを作成し、[ファミリをロード]で作成した折板のパネルをロードする。
(2) 片流れの屋根を作成します。30m四方の屋根をスケッチして、1辺を残して、その他の3辺の「勾配を設定」のチェックをはずします。
1辺を残して勾配の設定のチェックをはずす
(3) 残りの1辺を選択し、数字をクリックして勾配を「5%」としてENTER
勾配は「5%」、そのほかにも「=5/100」などと入力してもよい。
(4) 3Dビューに移動し、屋根を選択しタイプを「傾斜ガラス」にする。
(5) タイプを編集をクリックし、[複製]を押して名前を「折板屋根」とする。
(6) タイプパラメータの「カーテンパネル」を「丸馳折版Ⅰ型x2」、グリッド1のレイアウトを固定間隔、間隔を666、マリオンに合わせて調整はオフとしOKする。
プロパティの設定
端部に端数が出ると、その部分だけはパネルが作成できませんが、ほぼすべての面に折版が作成されます。
折板屋根
拡大するとこうなっています。
拡大

平面図表現

うまくできたように見えますが、[平面図]-[外構]のビューを見てみると、ちょっと密度が高すぎるようです。
[平面図]-[外構]での表示
折れ線がすべて表示されるので、詳細図はともかく、一般図としてはもうすこし簡単に表示したいところです。もう一度、パネルのファミリを開いて簡略表現を追加しましょう。

(1) 3Dビューで折板のフォームを選択し、[モード]パネルの[表示設定]
(2) 「簡略」のチェックボックスを外します。
簡略のチェックボックスを外す
(3) 平面図のビューを開き、[作成]-[フォーム]-[押し出し]で下の図のように矩形をスケッチ
矩形をスケッチ
(4) スケッチを終了し、外側のビューで高さを調整。
上端と下端を確実にロック
(5) [モード]パネルの[表示設定]で「標準」と「詳細」のチェックをはずす。
標準と詳細のチェックをはずす
(6) マテリアルのパラメータを関連付ける。

保存して、プロジェクトにロードします。外構のビューは「簡略」モードなので、矩形のプロファイルが表示されます。
簡略ビューでは矩形のフォームが表示される
この折板パネルのファミリは右のライブラリに登録しておりますので、参考にしてみてください。
折板1枚のパネルや3枚のパネルを作成しておけば、応用範囲が広がるでしょう。