ラベル 外構 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 外構 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年3月10日日曜日

地盤(2)

舗装との関係

地盤に舗装を加えると、舗装を鉛直に切り落として平らな面を作成します。
建物の基礎底を舗装で作成
この場合の盛土・切土の計算はどうなるのでしょうか?注意すべきポイントは

舗装は地盤を分割する

ということです。ここに注意すれば、掘削土量を計測することができます。さらにもう一つ

地盤には名前を付ける

ということを習慣にしておくとよいです。

実際にやってみよう

前回の手順に従い既存地盤から計画地盤を作成します。地盤には「計画地盤」という名前をつけます。
計画地盤と既存地盤
この時点で既存の地盤からの切土盛土の量が表示されます。
計画地盤の切土盛土
次に立面図や断面図で適切な位置に1FLを作成します。
1FLの設定
1FLを基準面として、地下の基礎底のレベル(例えば1FL-1500)に舗装を作成します。
舗装を1FL-1500に作成
このとき、舗装により計画地盤は二つに分割されます。作成した舗装により作成された鉛直面を選択してください。舗装が分割されたことがわかります。
鉛直面を選択
舗装の下に作成された地盤を選択し、名前を「建物」とします。
プロパティに注目し切土と盛土が表示されていることを確認してください。
舗装部分の切土・盛土が計算される

集計表

切土盛土を集計してみます。

  1. [表示]タブ>[作成]パネル>[集計▼]>[集計表/数量]
  2. カテゴリで地盤面を選択しOK。
    集計表を作成
  3. フィールドを下の図のように設定
    フィールド
  4. 並べ替え/グループ化を下の図のように設定
    並べ替え/グループ化
  5. 書式を下の図のように設定
    書式
  6. OKで集計表を表示します。
    集計結果
切土と盛土の差は「正味切土/盛土」の合計値に表示されます。この場合マイナスの値なので切土が多いことがわかります。
1FL~基礎底の値を変えず、1FLのレベルを+300してみます。集計表は下の図のようになります。
正味切土/盛土の値が変わる

正味切土盛土の値が変わりました。この値を見ながら
  • 舗装(基礎底)の範囲
  • 舗装(基礎底)のレベル
  • 地盤の高さ
を調整し、搬出土量を最小になるように調整する1FLを決定ことができます。
搬出土量をできるだけ少なくする

2019年3月2日土曜日

地盤(1)

地盤面の機能をおさらい

地盤面には切土と盛土を計算する機能があります。今回はこの機能をふくめ、地盤に関する機能のおさらいをしてみましょう。

切土と盛土

切土盛土計算の条件をまとめてみると
  • 条件1:フェーズの異なる二つの地盤が必要
  • 条件2:二つの地盤の周囲は一致していなければならない
の二つです。この計算過程を確認してみます。

練習

まず練習ネタとなる地盤を作成してみましょう。等高線を表示すると便利ですよね。等高線を表示するには

  1. [マス&外構]タブ>[外構を作成]パネルの↘を選択して「外構設定」ダイアログボックスを開きます。
    外構設定
  2. 等高線を設定でメイン等高線とサブ等高線の間隔を設定しOK。
    メイン・サブ等高線の設定
  3. 地盤を作成します。地盤は測量図を基に敷地の周囲も含めて作成します。
    サブ等高線が100mmおきに、主等高線が1000mmおきに表示されます。
  4. 次に敷地境界線で地盤を分割します。[マス&外構]タブ>[外構修正]>[地盤面を分割]で、敷地境界線に沿って分割します。
    敷地境界線で分割
  5. 敷地境界線の内側の地盤を選択し、名前を「既存地盤」とし、フェーズを「既存」に設定します。土量の算出にはこの名前の設定フェーズの設定が重要です。
    名前と地盤の設定

整地?

で、ここから計画地盤の作成に入ります。「整地」コマンドを使用しますが、この名前はあまり正しく機能を表していません。このコマンドは

指定した地盤を現在のビューのフェーズにコピーする

だけです。現在アクティブなビューのフェーズが「新しい建設」であれば、このフェーズに地盤をコピーします。単にそれだけで特に「整地」をしてくれるわけではありません。
[マス&外構]タブ>[外構修正]パネル>[整地]をクリックすると下の図のようなダイアログボックスが表示されます。
整地を編集?ダイアログボックス
このダイアログをよく見ると、現在のフェーズで同位置の地盤面が作成されます、とあります。つまりフェーズをかえてコピーを取りますよ、と言っているのです。これで冒頭に掲げた条件1が満たされます。
次に条件2:二つの地盤の周囲が一致している、ですが、ここで重要なことは「内部の点」「周囲の点」を理解しておくことです。
二つの選択肢でその効果を確認してみます。下の図は「既存地盤」の点を表示した状態です。
既存の地盤
下の図は二つの選択肢を使って作成した地盤の点の様子を示しています。
「既存の地盤と全く同じ新しい地盤を作成」を選択
「周囲の点にのみ基づいて新しい地盤面を作成」を選択

どちらを選択しても「周囲の点(境界点)」は保持されますので、このコマンドにより条件2が満たされるということです。下の図の場合、内部の点が削除されているので、すでに切土盛土計算がされています。
切土盛土計算
名前を既存地盤から「計画地盤」に変更しておきます。

整地コマンドは必須ではない

整地コマンドを使わなくても、上記2条件が守られれば切土盛土の計算はできますので、整地コマンドが必須というわけではありません。例えば下の図は「新しい建設」フェーズに普通に地盤面を作成し、同じ敷地境界線で分割した地盤面です。
「新しい建設」フェーズに作成した地盤面。外形線は一致している。
3Dでみると
破線が既存フェーズの地盤

プロパティは
切土盛土は計算される

整地コマンドは若干??なところもあるので、普通にフェーズをかえて二つの地盤を作ったほうがわかりやすいかもしれません。

2017年10月21日土曜日

国土地理院・再び~道路データの前処理

道路や川のデータの前処理

基盤地図から取得した道路や川の外形線のデータは、区画を挟んでも基本的には端点同士がつながっているので、Revitの地形にサブ領域を作るのは比較的容易です。しかし、サブ領域は重なることができないので、川と道路が重なる部分はAutoCADで前処理しておいたほうがサブ領域を作りやすくなります。

前処理のポイント

川が道路に重ならないようにする

サブ領域は交差することができないので、水崖線と道路が交差しているところは、重ならないように線を処理しておく。
道路線(白)と水崖線(青)が重ならないようにする

ポリラインで閉じた領域にしておく

サブ領域を作成するには「閉じた線」が必要です。AutoCADでPEDITコマンドで閉じたポリラインにしておけば確実です。
道路、水崖線を閉じたポリラインにしておく

取り込んでサブ領域にする


  1. REVITで、前回地形を作成したプロジェクトを開き、平面ビューを表示
  2. 挿入>読み込みパネル>CADを読み込む
  3. 現在のビューのみを「」、配置を「自動 - 基準点合わせ」レイヤ/レベルで「指定...」を選択してOK
  4. 必要なレイヤ(例えば「水崖線」)を選択してOK
    必要なレイヤを選択
  5. 読み込んだCADデータを選択しオプションバーで「前景」を選択
  6. 読み込みインスタンスパネル>展開▼>完全に展開
  7. 全てを選択し、フィルタで線分(水崖線)のみ選択し、クリップボードに切り取る。
    線分のみを選択
  8. マス&外構タブ>外構を変更>サブ領域
  9. クリップボードパネル>貼り付け▼>現在のビューに位置合わせ
これでサブ領域のスケッチラインとして、CADデータを利用することができます。
CADデータをスケッチラインとして貼り付ける
線分の数が非常に多いので、貼り付けが終了するまでにはある程度の時間がかかりますが、CADデータの線をなぞる手間を考えると、こちらのほうが効率的です。

以上の手順を道路にも適用してサブ領域を作成し、適切なマテリアルを設定すれば、地盤面に道路や、川を作成することができます。
道路と川をサブ領域で作成
また、「建築物の外周線」を取り込めば、高さはわかりませんが、大体の建物の様子をモデリングすることも可能ですね。





2017年10月7日土曜日

国土地理院再び~道路や建物

基盤地図情報の活用

ずっと以前ですが、国土地理院の基盤地図情報の活用方法として、地形の作成方法をご紹介しました。こんどは

  • 建物の外形線
  • 道路
  • 川や池
  • 海岸線
などの一般的な地図情報をベクトルデータ(DWG/DXF)で取り出す方法をご紹介します。敷地の周辺の情報が詳細にはわかっていないときなどに使えると思います。

基盤地図情報ビューアを取得する

国土地理院の基盤地図情報のWebページにアクセスし「基盤地図情報のダウンロード」バナーをクリックします。
基盤地図情報のWebページ
会員登録が必要ですが、無料なのでぜひ登録しましょう。こんな有意義な情報が無料とは本当に驚きです。登録できたらログインして、基盤地図ビューアをダウンロードします。ダウンロードの項目の下部にリンクがあります。
「符号化規則、ファイル仕様書、表示ソフトウェア等」をクリック
表示ソフトの項目の「基盤地図情報ビューア」をクリックしてダウンロードします。
基盤地図情報ビューアをダウンロード
ダウンロードしたらZIPファイルを解凍して、任意の位置に移動しておきます。そして、フォルダの中のInstall.exeを起動すればインストールできますが、FGDV.exeをダブルクリックしても起動できるので、特にインストールは必要ありません。
基盤地図情報ビューア

基盤地図情報の取得

上部のバナーの左端の「ダウンロード」をクリックして、ダウンロードサービスのページへ戻ります。
ダウンロードサイトへ移り、左の「基本項目」のバナーをクリックします。
基本項目をクリック
日本地図の白地図が表示されるので必要な部分を選択します。このとき、画面左下のアイコンをクリックして、表示状態を変更することができます。
地図の表示状態を変更する
たとえば、下の図は[標準地図]を選択した状態です。
標準地図
左側のペインで「全項目▼」をクリックして、必要な情報だけを取得することもできます。しかしここでは全項目のままとして話を進めます。
必要項目だけをダウンロードすることも可能
区画にある数字をクリックして、左の選択リストペインに数字があることを確認し、「ダウンロードファイル確認へ」をクリック。
数字をクリックしてリストに追加
FG-GMLで始まる項目の[ダウンロード]ボタンをおして、情報をダウンロードします。
ダウンロード!

基盤地図情報ビューアで見る

ダウンロードしたファイルはZIPファイルですが、解凍する必要はありません。ZIPのまま基盤地図情報ビューアで見ることができます。

データの読み込み

  1. 基盤地図情報ビューア(FDGV.exe)を起動します。
  2. ファイル>新規プロジェクト作成
  3. プロジェクトのタイトルと、保存先フォルダを指定します。
  4. 追加ボタンをおして、ダウンロードしたZIPファイルを指定します。
    ファイル>新規プロジェクトを作成
  5. OK

必要範囲から情報を取り出す(1)

  1. エクスポート>DM図郭領域選択
  2. 画面上にさらに細かい格子が表示されるので、区画を選択する。複数でも良い。失敗したらエクスポート>DM選択領域クリアーでやり直す。
    DM図郭領域選択
  3. エクスポート>エクスポート

SXFかSHPか?

DWG/DXFファイルを直接作ることはできないので、SXFファイル(まだあったのね!)またはSHP(シェープファイル・土木や地図の世界では大変メジャーなファイル形式)にしてからDWG/DXFに変換しまます。
  • SXF → Autodesk CALS TOOLS → DWG
  • SHP → コンバータソフト → DXF
という経路を取ります。コンバータソフトは例えばShapeToDXFなどが無料で使えます。

Autodesk CALS Toolsのインストール

Autodesk CALS TOOLSは、サブスクリプションユーザーであれば、エクスチェンジストアでダウンロードできます。
エクスチェンジストアからCALS TOOLSをインストールする
インストールするとき、現在使用しているRevitのシリアルナンバーとプロダクトキーを入力しなければなりません。確認の仕方は

  • ver2016 : 画面右上の「?▼」からバージョン情報>製品ライセンス情報
  • ver2017 : 画面右上の「?▼」からバージョン情報>ライセンスを管理
  • ver2018 : スタート>Autodesk>オートデスクデスクトップアプリ

となっています。CALS TOOLSは

にあります。2017と2018は起動時にAutoCADが必要なので、ここでは単独で動かすことができる2016を使って説明します。

必要範囲から情報を取り出す(2)

基盤地図情報ビューアのエクスポート>エクスポートの続きです。
  1. 変換種別をSXFとし、出力先フォルダを指定し、変換したい情報にチェックを入れます。
    SXFファイルを作る
  2. OKしてファイルを出力します。DM区画ごとにsfcファイルが作成されます。

CALS Toolsで読み込んでDWGに変換


  1. Autodesk CALS Toolsを起動
  2. 出来上がったsfcファイルを指定して開く
  3. CAD製図基準テンプレート指定ダイアログボックスで[スキップ]を選択
    テンプレート指定はスキップ
  4. 出力タブ>ファイルパネル>外部ファイル保存
    外部ファイル保存
  5. ファイルの種類をDWGに指定して保存

Revitで地図DWGを読み込む時の注意

最後にRevitに読み込むのですが、Revitでのモデル作成サイズは33km四方に限られています。地図のような長大距離を扱うデータだと、範囲をはみ出してしまう可能性があります。こうした場合、Revitは自動的に読み込んだ情報を原点に移動しますが、これだとどれだけ離れているかがわかりません。
いったんAutoCADで読み込んで、XY一定の距離を移動して原点に近づけておきましょう。そのときXYそれぞれ何km移動したかをメモしておいてください。
RevitにDWGを取り込んだところ。

次回は、この情報にさらに地形データ(DEM)も読み込んで、ちょっと広い範囲の地形と道路、川、周辺建物を作成してみましょう。