2016年5月22日日曜日

躯体モデルチュートリアル(1)

今回から数回に分けて、躯体モデルおよび躯体図の作成について、チュートリアルを連載します。ライブラリからファイルをダウンロードして、練習してみてください。より良い方法が見つかったら、更新してまいります。Revit2017では躯体モデルにとって、いくつかの点が改善されていますが、まずはRevit2016をベースにします。

準備-基礎伏ビューの作成

(1) 右上のリンクから「躯体モデル_01.rvt」をダウンロードして開いてください。このファイルはRevit2016で作成されています。
(2) [平面図]-[作業用]-[作業用 1階]を開き、1階の柱が作成されていることを確認します。この柱の直下にフーチングを作成します。
(3) [表示]-[作成]-[平面図]-[構造伏図]
(4) [タイプ]に「見下図」、「基礎下端」を選択してOK。
見下図、基礎下端を選択
(5) ビュースケールを「1:50」、詳細レベルを「標準」、専門分野を「構造」、ビューの名前を「基礎伏図」(レベルの名前は変更しない)とする。

1階の柱をアンダーレイとして表示

(1) 下敷参照図グループの[範囲:基準レベル]を「1FL」に、[下敷参照図の方向]を「見下ろす」として、基礎伏図ビューに1FLの柱を表示する。
アンダーレイの設定
基礎伏図ビューに1FLの柱を表示

フーチングの配置

(1) [構造]-[基礎]-[独立]をクリックし、タイプセレクタで「フーチング1:F1」を選択。
(2) プロパティを以下のように設定。

  • レベル        設計GL
  • オフセット      -2000
  • 解析モデルを有効 オフ
    フーチングのプロパティ

(3) 柱の中心をクリックして、フーチングを配置する。
柱の中心にフーチングを配置

ここで [表示]-[作成]-[3Dビュー]で状況を確認すると、フーチングと1階柱の間に空隙があることが確認できます。

構造柱の追加

フーチングの一つを選択し、プロパティを見ると、[上部の高さ]が-800となっています。
フーチングの上部の高さ
基礎上端と1FLの間に構造柱を作成します。
(1) 1FLの柱をすべて選択し、[クリップボード]-[コピー]
(2) [貼り付け]-[同じ位置に位置合わせ]
(3) コピー直後は柱が選択されているので、プロパティを以下のように設定。
柱のプロパティ
(4) 基礎と1FL柱の間に新たに柱が作成されたことを確認する。

基礎伏図の調整

基礎伏図のビューを開いてみると、作成した柱が表示されていないので、ビュー範囲を調整します。ビューの切断位置はフーチングの上端の少し上がいいでしょう。

(1) ビューのプロパティ[ビュー範囲]の「編集」をクリックし、下の図のように範囲を設定する。
ビュー範囲
(2) 下敷参照図も「なし」とし、柱が表示されていることを確認する。
柱が表示された基礎伏ビュー

梁の配置

基礎梁を配置します。基礎梁の配置面は1FLとし、置きスラブと考えて、構造体のレベルを1FL-150として、上端を150ふかします。

(1) [構造]-[構造]-[構造フレーム]を選択し、オプションバーとプロパティを下の図のように設定する。
梁を配置する準備
(2) 柱と柱の中心をクリックして、基礎梁を配置。
基礎梁を配置
(3) 作成した基礎梁をすべて選択し、プロパティを以下のように設定し、上端を1FL-150とする。
レベルを-150に
(4) 全ての基礎梁のインスタンスプロパティ「ふかし上」を150とする。

柱の部分を拡大してみると、梁と柱の包絡がきれいにできていないことがわかります。
柱と梁の包絡ができていない
こういう場合は、一旦柱をクリップボードにカットして、再度貼り付けるときれいに包絡されます。

(1) 柱をすべて選択して、[クリップボード]-[カット]
(2) [貼り付け]-[同じ位置に貼り付け]
柱と梁が包絡された

梁の寄りを設定

外周の基礎梁の外面を柱の外面に合わせます。

(1) 基礎梁を選択し、[修正|構造フレーム]-[位置合わせ]-[yオフセット]
(2) 下の図の1-> 2の順にクリックして、面を合わせる。
面合わせ
外周全ての面を合わせると次の図のようになります。
面合わせ後の様子
3Dビューで確認
今回までの完成モデルは「躯体モデル_10.rvt」です。

次回は、基礎小梁と注釈(タグ・寸法など)を作成します。