2016年4月3日日曜日

RC梁を作成する(1)

RC梁のファミリを作成する

Revitの構造フレームには、構造設計用の様々なパラメータが付随していますが、意匠設計、あるいは躯体図の作成などに適したRC梁のファミリを作成してみましょう。躯体図や断面図に必要な「ふかし」を考慮したファミリを作ります。

Step By Step

(1) ファミリテンプレート「構造フレーム - 梁とブレース(メートル単位).rft」を使って、新しくファミリを作成する。
(3) 立面図-右を開き、下の図のように参照面と寸法を追加する。
参照面と寸法を追加
既存のフォームは参照レベルを中心に上下均等に作成されていますが、一般にRC梁の基準となるポイントは上端であると思いますので、参照レベルを構造体の上端とします。
これば、上端にふかしを追加しても構造体の上端レベルが変わらないようにするための重要な設定です。既存のフォーム(参照レベルから上下に均等)では、上端に付加しをいれると、構造体の位置が変わってしまいます。

共有パラメータを作成

梁成、梁幅、上下左右のふかしなどは図面にしたとき、構造フレームタグに表示したいはずです。複数のファミリでパラメータを共有する場合は、「共有パラメータ」を作成する必要があります。

Step by Step

(1) [管理]-[設定]-[共有パラメータ]
(2) [作成]ボタンをおして、共有パラメータファイル名を指定して保存します。保存先はMetricLibraryなどが適しているでしょう。
(3) [グループ]の[新規作成]ボタンを押して、グループ名を設定してOK。
グループ名を指定
(4) [パラメータ]グループの[新規作成]
(5) 名前に「梁成」、専門分野を「一般」、パラメータタイプを「長さ」とします。必要に応じて「ツールチップを編集」を押して、パラメータの説明を加えます。
パラメータを作成
(6) 同様に「梁幅」、「ふかし右」、「ふかし左」、「ふかし上」、「ふかし下」を作成します。
共有パラメータを作成

ファミリにパラメータを追加

(1) 梁幅の寸法を選択し、オプションバーから「<パラメータを追加…>」を選択。
(2) [共有パラメータ]-[選択]をクリックし、「梁幅」を選択して[OK]。
共有パラメータを選択
(3) パラメータデータで「タイプ」を選択して、OK。
(4)  同様に「梁成」をタイプパラメータとして追加。
(5) 「ふかし上」「ふかし下」「ふかし右」「ふかし左」をインスタンスパラメータとして追加する。
ふかしはインスタンスパラメータとする
(6) 出来上がりは以下のようになる。(右面なので、左右が反転している)。
パラメータを追加したところ

フォームを作成

(1) 既存の押出しを選択し、プロパティの[表示/グラフィックスの上書き]を選択。「詳細レベル」の「簡略」にチェックを入れる。
(2) [押し出しを編集]をクリックし、下の図のようにパスを編集する。スケッチにのみ含まれている参照面は削除する。
最外形の参照面にスケッチをロック
出来上がりを確認するため、 [平面図]-[参照レベル]を開く。下図のように左右の外から2番目の参照面(部材左、右)まで押し出しの段部になっていることを確認します。
参照面には意味がある!
(6) 作成したフォームを選択し、プロパティの「マテリアル」の右端のボタンをクリックして、「構造マテリアル」を選択。
マテリアルを関連付ける
(7) [プロパティ]パネルの[ファミリカテゴリとパラメータ]をクリックし、[モデルのマテリアルの動作]を「コンクリート」にする。
モデルのマテリアルの動作をコンクリートに設定
詳細は次回以降に説明しますが、モデルのマテリアル動作を「コンクリート」に設定することは非常に重要です。コンクリート以外にすると他の部材との結合時にRC梁らしい振る舞いをしてくれません。

構造体ラインの作成

ふかしが発生した場合に、構造体の部分を破線で表示します。
Step by Step
(1) 立面図-右を開きます。
(2) [管理]-[設定]-[オブジェクトスタイル]をクリック。
(3) [サブカテゴリを修正]-[新規作成]をクリックし、「構造体」を作成。
サブカテゴリを作成
(4) [注釈]-[詳細]-[シンボル線分]でサブカテゴリを「構造体[切り取り]」として、下の図のように参照面にロックしながら、シンボル線分を作成します。もし×印を一点鎖線にしたい場合は、(3)の手順でサブカテゴリを作成してから作成します。
シンボル線分を作成
(5) [平面図]-[参照レベル]を開き、下の図のようにシンボル線分を作成します。線の端部もきちんと参照面にロックしましょう。
平面のシンボル線分

マテリアルの設定


(1) [プロパティ]-[ファミリタイプ]をクリックし、構造マテリアルを選択して、ダイアログボックス下部の「パラメータを修正」をクリック。パラメータデータを「タイプ」に変更しOK。
タイプパラメータに変更
(2) 構造マテリアルの[...]をクリックして、マテリアルダイアログボックスを表示し、ダイアログボックス下部の新規作成をクリックし、アイデンティティタブで名前を「RC」とする。
RCマテリアルを追加
(3) [外観]タブをクリックし、適切な質感を設定します。
外観を設定
(4) [グラフィックス]タブをクリックし、切断パターンを設定します。下の図では、グレーの塗りつぶしを指定しています。
切断面パターンを設定
以上で、ファミリの作成はいったん終了です。ふかし上下左右を0に設定して、保存します。
出来上がったRC梁ファミリ
次回は、実際の使い方や、構造フレームタグとの連携などを考察していきます。