梁に開口
基礎躯体につきものの「人通口」ですが、単純に梁に穴をあけるだけであればそれほど難しくありません。断面図を作成しておいて、
(1) [構造タブ]-[開口部]-[面]
(2) 断面図で下の図のようにスケッチして[OK]
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| 人通口を梁の面にスケッチ |
これだけの手順で簡単に穴をあけることができます。
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| 梁に穴は開いたが・・・ |
しかしながら、この穴は基礎伏図では表示されていません。
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| 人通口は表示されていない |
もちろんこれは切断位置が人通口をカットしていないからですが、そうかといって部分切断領域を使って切断位置を調整しても、思うような表現にするのは一苦労です。
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| 部分切断領域を使ってもなかなか思うような表現にならない。 |
そこで、配置するだけで表示してくれる人通口のファミリを作成してみます。
人通口のファミリをつくる
振る舞いの条件は
- 面に配置したら穴をあける
- 平面上に人通口の位置を表示できる
ということです。カテゴリはとりあえず一般モデルでいいでしょう。まず面にとりつくファミリなのだから、ファミリテンプレートは「一般モデル(メートル単位)、面付き.rft」を選択します。
人通口のソリッドを作成
(1) [作成]-[フォーム]-[押し出し]で、図のように円をスケッチし、半径寸法を作成して、タイプパラメータ「半径」を作成して
✅をクリック。
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| 円をスケッチ |
(2) 立面図-正面を開き、下の図のように参照線と、寸法、インスタンスパラメータ「奥行」を作成する。なお下側の参照線は「強参照」とする。
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| インスタンスパラメータ「奥行」 |
(3)ソリッドの上面と下面を参照面に位置合わせしてロックする。
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| ソリッドの上部と下部を参照面にロック |
(4) ファミリタイプを開いて、タイプパラメータ「直径」を追加し、半径の式を「0.5*直径」とする。
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| タイプパラメータ「直径」を追加し、半径の式を設定 |
(5) 参照面を下の図のように追加し、寸法とパラメータを設定
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| さらに参照面を左右に追加 |
(6) [管理]-[オブジェクトスタイル]で、サブカテゴリ「破線」を追加し、線種を「破線」としてOK。
(7) [注釈]-[シンボル線分]で、サブカテゴリを「破線[切り取り]」に指定して、下の図のように、平面図に表示する記号を作成する。
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| 平面図に表示する記号を作成(赤の部分) |
(8) 3Dビューを開き、円柱のソリッドを選択し、プロパティの[ソリッド/ボイド]を、「ボイド」にする。
(9) [修正]-[ジオメトリ]-[切り取り]を使って、板とボイドを選択して板に穴が開いていることを確認する。
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| 穴をあける |
(10) 平面図を開き下の図のように参照線と寸法(パラメータ)を加える。
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| 参照面とパラメータを追加する |
(11) [作成]-[モデル線分]で、サブカテゴリを<非表示>に設定し、図のように参照面に端部をロックして作成。
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| <非表示>のモデル線分を作成する |
以上でファミリは完成です。完成品は右上のライブラリの「人通口A.rfa」にあります。
使ってみる
ライブラリの「躯体モデル_30.rvt」を開いて、ファミリをプロジェクトにロードします。
(1) 基礎伏図ビューを開き、[挿入]-[ライブラリからロード]-[ファミリをロード]で作成した人通口のファミリをロードします。
(2) [建築]-[コンポーネント]をクリックし、[配置]-[垂直面に配置]を選択して、梁の面をクリックします。
(3) 配置後、形状ハンドルをドラッグして、梁幅に合わせます。
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| 形状ハンドルをドラッグして奥行を調整 |
(4) 断面図を作成して、穴の高さを適正な位置に配置する。
(5) 人通口を選択して、基礎伏図を表示し、アンテナ長プロパティを1000程度にすると平面図に人通口の記号が表示される。
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| 人通口が基礎伏図に表示された! |
このアンテナ長は、非表示のモデル線分がの長さを調整して、平面図のビュー範囲の断面位置に引っかかるようにししているのです。
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| 非表示のモデル線分が重要な役割を果たす |