躯体には「ふかし」がつきものです。今回は梁のふかしを作成してみます。
梁側面全体のふかし
梁の側面全体をふかすことは、梁のファミリを工夫することで対応できます。詳細は
こちらの記事を参考にしていただくとして、まずは実際にやってみましょう。右のライブラリから「躯体_40.rvt」をダウンロードして開いてください。
1階見上図(2階床梁・1階柱)のビューを作成
(1) [表示]-[平面図]-[構造伏図]
(2) [タイプ]で「見上図」、[1FL]を選んでOK。
![](https://4.bp.blogspot.com/-hu8nwYji4Ps/V7HBNQhEVuI/AAAAAAAAECs/Rd1gCoroAZQCdvvPyrWmpLF9B_owIb6tQCLcB/s320/kut302.png) |
見上ビューの作成 |
(3) ビューのプロパティで、ビュースケールを1:50、詳細レベルを標準、専門分野を構造とする。
![](https://1.bp.blogspot.com/-PqBFlfiJg6U/V7HCAHAjHFI/AAAAAAAAECw/0KKEqGSAr1k_vML1S7pFyYeMz33lJwYAACLcB/s320/kut303.png) |
ビュープロパティの設定 |
(4)さらにビュー範囲の断面のオフセットを1200に設定。
![](https://1.bp.blogspot.com/-VhhXp88rNag/V7HCbMYmrBI/AAAAAAAAEC8/uHIjla0z1nIZDCCAE88U6g4D_CFpvCbbQCLcB/s320/kut304.png) |
断面を1FL+1200の位置に設定 |
ふかし
(1) まず、タグを作成する。[注釈]-[すべてにタグを付ける]を選択し、床タグ、構造フレームタグ、構造柱タグを選択し、[適用]ボタンを押す。
![](https://4.bp.blogspot.com/-wT0Hh5tPShE/V7HDYh8bwvI/AAAAAAAAEDE/4k_jqgYBCM8VBCuStJ1Q3aCu1SWyPaTkwCLcB/s320/kut305.png) |
タグを追加 |
(2) X1通りの梁を二つ選択し、インスタンスプロパティ「ふかし左」を10に設定する。
![](https://1.bp.blogspot.com/-swUgpjzsPBs/V7HEje75kmI/AAAAAAAAEDQ/AUIbiqQnBoohbbjQyPUFhwg9khqa70kQwCLcB/s320/kut306.png) |
ふかしを追加 |
(3) X1通りの柱を三つ選択し、インスタンスプロパティ「ふかし左」を10に設定する。
![](https://4.bp.blogspot.com/-arw_tL5-hpk/V7HFABrSoVI/AAAAAAAAEDY/HTdSzlltVdA5OSBjPzB-UoM7tP7L-Gg1gCLcB/s320/kut307.PNG) |
ふかしが追加された梁と柱 |
部分ふかし
次は部分ふかしです。不整形な形状であればインプレイスファミリで対応しますが、単純な矩形であれば、面にとりつくファミリが便利です。X2-Y3の柱付近を拡大します。この壁と大梁の間にふかしを追加しましょう。
![](https://1.bp.blogspot.com/-9Kais4sBpXg/V7HG5p8l3ZI/AAAAAAAAEDk/SEbTgxWGtiobzJvbucxX9S1RiaBCEi5DQCLcB/s320/kut308.png) |
ここをふかす |
(1) X2-Y2~Y3の2G1を選択し、[修正|構造フレーム]-[表示]パネル-[検索ボックス]をクリックする。
![](https://3.bp.blogspot.com/-zzA1KppUpig/V7HIb6zY-dI/AAAAAAAAED0/3GdJV1JPm3AEZaOv9jWntVEdD7jm4RedwCLcB/s320/kut309.PNG) |
検索ボックスで梁を表示したところ |
(2) 上の図の赤丸の壁を選択し、一時的に非表示(選択してキーボードからHHと打つ)にする。
(3) [建築]-[構築]パネル-[コンポーネント]を選択し、「ふかし_矩形」を選び、梁の側面をクリックして配置する。
![](https://3.bp.blogspot.com/-RamsVKyK3-s/V7HJacztoxI/AAAAAAAAED8/omu0fmkHD8w92ZQ_UQrzLRZ7jEs6UkiggCLcB/s320/kut310.png) |
面にふかしを配置 |
(4) 構造伏図(見上図)-1FL-1FLのビューに戻り、配置したふかしを選択し、形状ハンドルをドラッグして長さを調整する。
![](https://2.bp.blogspot.com/-HcSzBv9rMdY/V7HKA93tkEI/AAAAAAAAEEE/vXteEjVB_cItfVdh3do8nzzkw9pwT8UWACLcB/s320/kut311.png) |
形状ハンドルでふかしのサイズを調整する |
(5) 断面図を作成する。[表示]-[作成]パネル-[断面]でふかしの断面を作成する。
![](https://3.bp.blogspot.com/-5OH4M4dyAuQ/V7HKqUzowyI/AAAAAAAAEEI/DX5o7-uebUwp1i2IznIvRGn86CTBDxu6wCLcB/s320/kut312.PNG) |
断面図を作成 |
(6) 作成した断面図ビューを表示し、ふかしを選択し、形状ハンドルで位置とサイズを調整する。
![](https://2.bp.blogspot.com/-s4oactHEpYs/V7HLHheZkFI/AAAAAAAAEEQ/rINAXOXFYqgoBEV5blo_Imf3sx1TLQjtQCLcB/s320/kut313.PNG) |
ふかしのサイズと位置を調整 |
(7) 必要であれば、梁・床・壁とふかしを結合する。
![](https://2.bp.blogspot.com/-Q-I8_MbltHY/V7HL7bEreSI/AAAAAAAAEEc/4s3PSppRSjYSSVgKHFB2L5Vk0TIC5PxAwCLcB/s320/kut314.PNG) |
周囲の梁・床・壁とふかしを結合 |
ふかしにハッチング
部分ふかしに斜線ハッチを加えてみましょう。こんな時はフィルタが便利です。
(1) [表示]-[グラフィックス]パネル-[フィルタ]で[新規作成]をクリック。
(2) [名前]を「ふかし」とし、[OK]
(3) [カテゴリ]から「一般モデル」、[フィルタ規則]に「ファミリ名」「で始まる」「ふかし」と設定しOK。
![](https://3.bp.blogspot.com/-qQHn35r04Xo/V7HNNiIx2aI/AAAAAAAAEEk/lasje80BDiwJyfifBHpRrR9YOBD_GzjQgCLcB/s400/kut315.png) |
フィルタの設定 |
(4) 構造伏図(見上図)-1FL-1FLのビューに戻り、[表示]-[グラフィックス]パネル-[表示/グラフィックス]
(5) [フィルタ]タブを選択し、[追加]をクリック、「ふかし」を選んでOK。
(6) [投影/サーフェス]と[切り取り]の[パターン]を斜線ハッチングに設定する。
![](https://4.bp.blogspot.com/-KBNe0aQ8H2w/V7HTaY9TjwI/AAAAAAAAEFA/Y4W8V3prT8MZfhgFXNl2qZCWmCRkonabgCLcB/s400/kut316.png) |
フィルタを設定 |
![](https://1.bp.blogspot.com/-_0nx9q5jvi0/V7HOzYYlAaI/AAAAAAAAEEw/yTZA4Ybhkmkz0VqxeqA0HqLR-Yy5dJwIwCLcB/s400/kut317.png) |
部分ふかしにハッチング |
フィルタを使うと、要素のプロパティを利用した、様々な表現が可能になります。この部分ふかしのファミリはライブラリに登録しているので、どのような作りになっているか、チェックしてみてください。