2020年5月10日日曜日

ブラケット手摺(1)

上部手摺と手摺子ファミリで作れます

ブラケット手摺
階段や廊下で見かけるブラケット手摺を作ってみましょう。ブラケット手すりを作るには
上部手摺(ハンドレール)----プロファイル
手摺子(ブラケット)------手摺子ファミリ
を使用します。

上部手摺

プロファイルの作成

今回はナカ工業の室内用の手摺を作成してみます。
手摺は横部材と縦部材の規則的な配列です。横部材はすべてプロファイルのスイープです。上部手摺を作成するにはまずはプロファイルが必要です。形状は様々ありますがまずは簡単に⌀34の円形で作成します。
  1. ファイルタブ>新規作成>ファミリ
  2. プロファイル - 手すり(メートル単位).rftを選択。手摺中心線と手摺上の交点が、トップレールの天端になるので、高さ調整の利便性を考えて、円の上部が参照面の交点になるように直径34mmの円を作成します。
  3. ファイルタブ>
  4. 作成タブ>詳細パネル>線で、下の図のように円を適当に作成。
    適当に円を作成
  5. 円を選択し、プロパティの中心マークを表示に☑
  6. 作成タブ>寸法パネル>平行寸法と半径で下の図のように寸法を作成し、ラベル「半径」を付ける。
  7. 修正パネル>位置合わせで、たての参照面に円の中心を合せてロックする。
  8. プロパティパネル>ファミリタイプで半径プロパティを17とし、タイプ名を⌀34とする。
  9. ファイル>名前を付けて保存>ファミリで、作成した寸法を選択し、手摺_〇_中上.rfaとして保存。
  10. ファミリエディタパネル>プロジェクトにロードして閉じるで目的のプロジェクトファイルにロードする。

上部手摺ファミリの作成

上部手摺はシステムファミリなのでプロジェクト内で定義します。
  1. プロジェクトブラウザ>ファミリ>手>笠木手摺タイプ(一部バージョンでは上部手摺と表記)を展開し、任意のタイプを右クリック>複製
  2. 複製されたタイプを右クリックし、名前を「ハンドレール⌀34」とし、ダブルクリックしてタイププロパティダイアログボックスを表示
  3. プロファイルで、「プロファイル_手摺_〇 : ⌀34」を選択。すると握りのクリアランスが-17と表示されます。
    • 握りのクリアランスとは、手摺のスケッチラインからプロファイルの左端がどれだけ空いているかを示します。
    • スケッチラインの進行方向に向かって左が-、右が+。
    • 今回は壁面からトップレールの中心までを55mmとしたいので、握りのクリアランスの値を下の図のように-72mmとします。
    • 適切なマテリアルを設定

次回は手摺子を作成します。

付録:上部手摺の既定の結合による違い

ここで既定の結合プロパティの働きについて知っておきましょう。既定の結合には
  • 留め継ぎ
  • フィレット
があり、フィレットを選択すると、フィレット半径を設定できます。これは、スケッチラインが下の図のように折れ曲がるときにその違いが判ります。
手摺のスケッチラインが折れ曲がるとき
これが留め継ぎならば
留め継ぎ
フィレットならば
フィレット
となります。一見フィレットのほうが便利そうに見えますが、いずれにしても結局ブラケット(手摺子)がセグメント(スケッチライン)の端部に集まってしまいます。
このような場合はスケッチラインそのものにフィレットを付ければ
スケッチラインに丸みをつける
ブラケットの位置をコーナーの両脇に移動することができます。
ブラケットの位置が分かれる
そういうわけで、今回のような手摺は既定の結合は「どちらでもよい」ということになりますが、後工程で、より正確にブラケットを割り付けるのであれば、フィレットにしておくことをお勧めします。