2022年1月22日土曜日

折板(2)~簡略表示

 ファミリの簡略表示

前回作成した折板を屋根伏図で表示すると次のようになります。

平面図の表示としては密度が高すぎる

これでは少々密すぎるので、簡略な表示を設定してみます。モデルと異なる表示を行うために用いる方法としてはシンボル線分やマスキング領域を使用する方法が考えられます。

マスキング領域

平面図でかつ簡略と標準のときは、フォームを非表示とし、代わりにマスキング領域を表示するように設定してみます。

マスキング領域を使用して折板の範囲を作成します。

マスキング領域を作成してフォームを隠す

この状態で保存して、プロジェクトにロードします。

プロジェクトでの表示

プロジェクトに配置して、適切なレベルを作業面として折板を作成し、表示を簡略モードに切り替えると簡略表示となります。

平面(レベル)に配置した折板ファミリはこのような表示になるが・・・

ところが、前回作成したように勾配のついた作業面に配置した折板の表示は変わりません。

勾配面に配置したファミリは変化がない

実はファミリの表示設定はそのファミリの座標系に対して直交した方向にカメラがある場合は表示設定どおりに機能します。

ファミリの「上」とビューの向きが同じ

しかし、ファミリの上下左右前後とカメラの方向が一致していないときは3D同様にモデルを表示するのです。

ファミリの「上」とビューの向きが一致していない

このためビューに正対しているレベルを作業面として配置した折板ファミリは、ファミリに設定したマスキング領域が表示され、勾配のついた作業面に配置された折板はモデルが表示されている、というわけです。

簡略モデルの追加

平面図で簡略表示する、というようにビューの向きで表示を切り替えることができないので案としては二つです。

  1. 簡略モデルと標準・詳細モデルを作成してビューの表示モードに応じて切り替えるようにする。
  2. サブカテゴリ「折板-簡略」と「折板-標準・詳細」を作成してフォームに割り当てる
他の要素に影響を与えず、折板屋根だけで表示を切り替えるには2がいいでしょう。
まず、折板を包む矩形をファミリに作成します。これが簡略時に表示するフォームです。
簡略時のフォームを追加
サブカテゴリを追加します。
サブカテゴリを作成

それぞれのフォームにサブカテゴリを設定します。
フォームにサブカテゴリを割り当てる


プロジェクトにロードして、ビュー/グラフィックスの上書きで、サブカテゴリの表示を切り替えます。
簡略で平面図を表示した場合
断面では詳細に表示すればよいでしょう。
断面図では詳細に表示

2022年1月15日土曜日

折板

折板のモデリング

折板ファミリを作ってみよう!

今回は折板のモデルを考えてみます。今回はより具体的に形状を再現してみます。参考にさせていただいたのはヨドルーフ90です。

折板のプロファイル

折板は一定形状の引き延ばし、つまりスイープで作成します。スイープにはプロファイルが必要なので、ヨドコウさんのHPよりヨドルーフ90ハゼのDXFデータをダウンロードしておきます。

  1. ファイル>新規作成>ファミリ で、「プロファイル(メートル単位).rft」を選択して開く。
  2. 挿入タブ>読込パネル>CAD読込 で、ダウンロードした断面形状を表示したDXFファイル(09000001.dxf)を指定して開く。
    1. このとき、配置を手動-中心にしておきます。
    2. いったん画面上の適当な位置に配置します。
  3. 鉄骨天端と折板の左基点を参照面に位置合わせする。
    鉄骨天端と折板左を参照面に位置合わせ

  4. 作成タブ>詳細パネル>線分
    1. 描画パネルから「選択(緑色の線のアイコン)」を選択
    2. 折板の仕上面(上側)をクリックしてなぞる
    3. このときあまり複雑な形状にならないように、コーナー面取りの円弧などは直線化しておく
      コーナーはできるだけ直線化しておく

  5. 修正タブ>修正パネル>オフセット
    1. オプションバーのオフセットを2.0、コピーにチェックを入れて、厚さ2mmのプロファイルを作成する。
    2. 実際の板厚は1mm程度ですが、Revitのフォームとしては薄すぎるのでちょっとデフォルメして2mmとしています。
    3. 閉じた形状、一筆書きになっていることを確認してください。
      閉じた形状にする

  6. CADデータを選択して削除
  7. 名前を付けて保存する。ここでは「プロファイル-ヨドルーフ90ハゼ」とします。

線基準の一般モデルでつくる

折板は勾配が必要ですので、プロジェクトで鉄骨天端を示す参照面に配置できるように、線基準のファミリとして作成します。
  1. ファイルタブ>新規作成>ファミリ で「一般モデル(メートル単位)、線基準面.rft」を選択して開く。
  2. 挿入タブ>ライブラリからロード>ファミリロード で作成したプロファイルをロードする。
  3. 作成タブ>フォームパネル>スイープ
    1. スイープパネル>パスをスケッチ
    2. 次の図のように線をスケッチする
    3. モードパネル>✔

    4. スイープパネルのプロファイルのリストから「プロファイル-ヨドルーフ90ハゼ」を選択

    5. モードパネル>✔
  4. 作成したスイープを選択し、プロパティのマテリアルの関連付けボタンをクリックし、ファミリパラメータ「マテリアル」を作成する。
    マテリアルをパラメータ化しておく

  5. 作成タブ>コントロールパネル>コントロール
    1. ダブル垂直をクリックし、配置する
    2. これによりプロジェクトに配置したときに、反転させることができるようになります。
      コントロールを配置する

  6. ファイル>名前を付けて保存で「ヨドルーフ90ハゼ.rfa」として保存する。

プロジェクトに配置

作成した折板ファミリをプロジェクトに配置してみましょう。

  1. プロジェクトで、断面図を作成して、鉄骨天端という名前の付いた参照面を作成します。
    1. 名前を付けた参照面は作業面として使用することができます。
      鉄骨天端を示す参照面を作成して名前を付ける
  2. 作成したプロジェクトに作成した「ヨドルーフ90ハゼ.rfa」をロードします。
  3. 作業面「鉄骨天端」を見ることのできる屋根伏平面図を表示します。
  4. 建築タブ>構築パネル>コンポーネントを配置
    1. オプションバーで配置面を「鉄骨天端」に設定
    2. 任意の2点をクリックしてファミリを配置します。

    3. 修正タブ>修正パネルの「位置合わせ」や「単一要素をトリム/延長」を使って適切な位置に配置します。線基準ファミリなので、トリム/延長が使えます。
    4. 配置した折板ファミリを選択し、修正パネル>配列 を使って適切な数だけ配列複写します。
これで折板を配置することができました。
折板を配置した状態

次回は簡略表示について考えてみます。