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2026年9月20日日曜日

『シンプル・確実な』Revitモデルの作り方(1)

【第1回】脱・迷宮化!モデルの「断捨離」

計画段階のBIMモデルを作成していて、こんなストレスを感じたことはありませんか?

  • 重くて動かない
    • 初期段階なのに細かく作り込みすぎてデータが肥大化している
  • 修正が手間すぎる
    • 独自の共有パラメータや設定が複雑で、どこを触ればいいか迷う
  • データが合わない
    •  図面の文字とプロパティの値がズレてしまう

近年のBIMは、最初からモデルもプロパティも細かく作り込みすぎる「過剰表現」に陥りがちだと感じています。これがデータの迷宮化を招く一因となっています。

しかし、Revitは製造用の詳細モデルを作るためだけのツールではなく、計画段階で本当に必要なのも、細部まで作り込まれたリアルな3D形状ではないはずです。

そこで今一度初心に立ち返り、モデルとパラメータの「断捨離」を実行してみることにしました。つまり次の3つを切り離したモデルを作ってみよう、と思い立ちました。
  • 過剰な3D形状(幾何ディテール)
  • 乱立する共有パラメータ
  • 「図面に文字を直書きする」習慣

手書き時代はどうだったか

昔の手書き図面を思い出してみました。


線数は少なくシンプルですが、必要な情報が美しく整い、変更にも柔軟に対応できていました。

「データは厳格に、形状はシンプルに」

これこそが、AIやクラウド(Forma等)と連携するこれからの時代に求められるBIMのひとつの姿ではないでしょうか。図面はモデルデータを可視化した「結果(ビュー)」に過ぎません。過剰な幾何形状を追うのを一度やめて、正しくプロパティを管理することに注力してみる。

そんな試みとして、Revit標準添付の「サンプル意匠.rvt」を、この思想のもとでゼロからモデリングし直してみました。

サンプルモデルの無料配布(Revit 2026版)

サンプル意匠.rvtを再構築

このモデルは特別なアドオンアプリを一切使わず、Revitの「標準機能のみ」で作成しています。使用したテンプレートも、標準添付の「建築テンプレート」そのものです。もちろんファミリもシンプルであることを第一として私が新たに作成したので自由にコピーしていただいてかまいません。

形状はシンプルに保つ

私自身、試行錯誤を重ねる中で「Revitが本来持っているソフトウェアの設計思想に素直に従い、我流のルールや過剰な作り込みを排除するだけで、BIMはこんなにも軽快で快適になるのか」と驚きました。

まだまだ模索中ではありますが、ビュー、集計表、シートなど、Revit本来の趣旨に沿って丁寧に作成したつもりです。まずはデータをお手元にダウンロードいただき、モデルを自由に触ってみていただければ幸いです。今後改定を進めていく予定です。

[ 📥 サンプルモデル(Revit 2026)をダウンロードする ]

リンクをクリックし、右上の[ダウンロード]ボタンでデータをダウンロードできます。



この「脱・迷宮化」を実現するための具体的なノウハウを全4回でお届けします。次回からは、このサンプルデータ内の具体的な工夫や見どころ(図面表現・ファミリ・パラメータの扱い方)を順番に解説していきます。

2022年1月22日土曜日

折板(2)~簡略表示

 ファミリの簡略表示

前回作成した折板を屋根伏図で表示すると次のようになります。

平面図の表示としては密度が高すぎる

これでは少々密すぎるので、簡略な表示を設定してみます。モデルと異なる表示を行うために用いる方法としてはシンボル線分やマスキング領域を使用する方法が考えられます。

マスキング領域

平面図でかつ簡略と標準のときは、フォームを非表示とし、代わりにマスキング領域を表示するように設定してみます。

マスキング領域を使用して折板の範囲を作成します。

マスキング領域を作成してフォームを隠す

この状態で保存して、プロジェクトにロードします。

プロジェクトでの表示

プロジェクトに配置して、適切なレベルを作業面として折板を作成し、表示を簡略モードに切り替えると簡略表示となります。

平面(レベル)に配置した折板ファミリはこのような表示になるが・・・

ところが、前回作成したように勾配のついた作業面に配置した折板の表示は変わりません。

勾配面に配置したファミリは変化がない

実はファミリの表示設定はそのファミリの座標系に対して直交した方向にカメラがある場合は表示設定どおりに機能します。

ファミリの「上」とビューの向きが同じ

しかし、ファミリの上下左右前後とカメラの方向が一致していないときは3D同様にモデルを表示するのです。

ファミリの「上」とビューの向きが一致していない

このためビューに正対しているレベルを作業面として配置した折板ファミリは、ファミリに設定したマスキング領域が表示され、勾配のついた作業面に配置された折板はモデルが表示されている、というわけです。

簡略モデルの追加

平面図で簡略表示する、というようにビューの向きで表示を切り替えることができないので案としては二つです。

  1. 簡略モデルと標準・詳細モデルを作成してビューの表示モードに応じて切り替えるようにする。
  2. サブカテゴリ「折板-簡略」と「折板-標準・詳細」を作成してフォームに割り当てる
他の要素に影響を与えず、折板屋根だけで表示を切り替えるには2がいいでしょう。
まず、折板を包む矩形をファミリに作成します。これが簡略時に表示するフォームです。
簡略時のフォームを追加
サブカテゴリを追加します。
サブカテゴリを作成

それぞれのフォームにサブカテゴリを設定します。
フォームにサブカテゴリを割り当てる


プロジェクトにロードして、ビュー/グラフィックスの上書きで、サブカテゴリの表示を切り替えます。
簡略で平面図を表示した場合
断面では詳細に表示すればよいでしょう。
断面図では詳細に表示