2026年8月30日日曜日

埋もれる白線

白線が地形ソリッドにめり込む原因

地形ソリッドに勾配を付けて駐車スペースのファミリを配置すると下の図のように床にめり込んだ状態になる場合があります。

地形ソリッドにめり込んだ駐車スペース

2つのポイントを押さえればめり込まずに配置することができます。

  • ファミリ:「常に垂直」をOFF
  • 地形ソリッド:十分な平坦面を確保する

常に垂直をオフ

ファミリプロパティ「常に垂直」をオンにすると、ファミリがホストされる面の勾配に関係なく、常に垂直に配置されるようになります。

オフにすると、ホストされる面の勾配なりに配置されます。

ファミリプロパティ「常に垂直」

駐車場の白線ファミリは「常に垂直」をオフにするとよいでしょう。するとファミリを配置するときにクリックした面に配置されます。

十分な平坦面を確保

それでもまだ、埋もれていたたり、浮いていたりすることもあります。

常に垂直をオフにするだけでは不十分

床や地形ソリッドなどに勾配を付けた場合、上面がいくつかの平面に分割されます。ファミリはクリックした面に配置されるため、その面には白線ファミリをホストするに十分な広さが必要です。

駐車スペースを配置する部分に十分な「平坦面」を確保します。勾配を付けるにしても地形ソリッドのサブ要素を編集し、駐車場ファミリを配置する部分に平坦な勾配面を作成しましょう。

平坦な勾配面を構成したうえでファミリを配置する

2026年8月23日日曜日

変圧器(MEP)

変圧器の役割

Revitの電気設備カテゴリにはいくつかのパーツタイプがあります。そしてその役割をまとめると次の表のようになります。

パーツタイプ主な役割
分電盤分岐回路へ電力を供給
配電盤より上位の配電設備
変圧器一次側→二次側へ電圧変換
設備スイッチ負荷機器への給電を開閉・遮断
他のパネル上記に当てはまらないパネル系設備

このうち変圧器の役割には注意が必要です。基本的には「電圧を変換するが、回路構成そのものを自由に変換する装置ではない」ととらえると理解しやすいです。

一次側と二次側

Revitの変圧器をプロジェクトに配置すると、インスタンスパラメータに「配電システム」と「2次配電システム」を選択できます。キュービクル内での高圧受電盤から低圧電灯盤への変圧器を考えると

1次側:三相3線 6600 V → 2次側:単相3線 200/100 V

という構成にしたいところですが、Revitの変圧器ではこのような極数(電圧線の数)の異なる配電システムの変換はできません。

三相3線6600 V から相3線200/100 Vへの変換はできない

現実には

高圧受電盤(三相3線6600V)→変圧器→低圧配電盤(単相3線200/100V)

ののような変圧器構成を考えることができますが、Revitが内部で「一次側の3本の線を、この巻線によって二次側のL1-N-L2に変換した」と電気工学的にシミュレーションしているわけではありません。

Revitの変圧器を理解するうえでは、「現実の変圧器を再現している」と考えるより、

「極数(Poles)は維持したまま、電圧だけを一次側→二次側へ変換する機器」

くらいに考えるのがよさそうです。

ですから、3相3線6600V(極数3)から変換できる配電システムは

  • 三相4線 240/415V(極数3)
  • 三相3線 400V(極数3)
  • 三相3線 200V(極数3)

などです。

三相3線6600Vから三相4線240/415Vの例

ではどうするのか?

ではキュービクル内で行っているような、

高圧受電盤(三相3線6600V)→変圧器→低圧配電盤(単相3線200/100V)

のような場合はどうすればいいでしょうか。Revitで回路が接続できるかどうかは

  • 電圧は整合しているか?
  • 極数は整合しているか?

という判断になりますので、変圧器では

一次側:三相3線6600V→二次側:三相3線200Vに設定し、

三相3線から三相3線へ。電圧のみ変換。

変圧器から供給される電圧線(極)2本を使って、単相3線200/100Vを接続することになります。

三相三線200Vに単相三線200/100Vを接続できる

低圧電灯盤(パーツタイプ配電盤)の電圧を200V、極数を2に設定すれば変圧器の二次側から出力される三相三線200Vに対して、極数、電圧ともに整合しているので接続可能というわけです。

実際の電気工学的なふるまいはさておき、Revitでキュービクルを再現するとすれば次のような構成になるでしょう。

キュービクルの中

システムブラウザ

2026年8月15日土曜日

Vulkanへの対応

Revit2027.2 新機能

Revit2027.2で グラフィック描画機能にちょっと注目すべき改善が入りました。Vulkanの採用です。


Autodesk Revit 2027 ヘルプ | アクセラレーテッド ビュー用の Vulkan ベースのグラフィックス エンジン オプション | Autodesk

いままで描画はOpenGLが使用されてきましたが、ここにきてAutodeskもOpenGLの限界とRevitモデルの巨大化を見据えて、Vulkanへの対応を始めたというところではないでしょうか?

Vulkanって何?

簡単に言うと、Vulkan(バルカン) は OpenGL の後継とも言える、高性能な3DグラフィックスAPIです。

これまで Revit の一部のグラフィックス処理では OpenGL が利用されていました。OpenGLは1992年に登場した非常に歴史の長い規格で、CADやシミュレーションなどで30年以上使われてきました。しかし

  • CPUへの負荷が大きい
  • マルチコアCPUを十分活用できない
  • GPU性能を引き出しにくい

という課題があります。

Vulkanは2016年に公開された次世代のグラフィックスAPIです。OpenGLを策定していた Khronos Group が開発したもので、OpenGLの欠点を改善しています。

特徴は

  • CPU負荷が小さい
  • GPUを直接効率よく制御できる
  • マルチスレッド対応
  • 高速描画
  • 大規模モデルに強い

という点です。Vulkanを採用することで、

  • モデル回転
  • パン
  • ズーム
  • 断面更新

などが滑らかになることが期待されます。要するに、

高性能価なグラボの恩恵を享受できるようになる可能性がある

ということです。画面更新をGPUに負担させることでCPUへの負荷を下げて、より効率的なデータ処理がなされるようになるはずです。

Vulkanを有効にするには?

現時点ではVulkanに関する特別なユーザーインターフェイスはなく、Revit.iniを直接修正するしかありません。といっても簡単なものです。

Revit.iniをみつけよう

Revit.iniはAppDataフォルダにあります。以下の一文をエクスプローラのアドレスバーに張り付ければすぐに見つかります。(一度はRevit2027を起動する必要があります。)

%APPDATA%\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2027

このフォルダ内のRevit.ini(拡張子が表示されていない場合は種類が「構成設定」になっているRevitという名前のファイルです)をメモ帳で編集するのですが、念のためにコピーを取っておきましょう。

Revit.iniをメモ帳で開き、[Graphics]セクションを検索します。そして[Graphics]セクションに

EnableAcceleratedRevitGraphicsVulkan = 1

の1行を追加します。
Revit.iniに追記

そして上書き保存し、Revit2027を起動します。

機能しているか確認

Revitを起動したら、何らかのファイルを開き3Dビューを表示し、アクセラレーテッドグラフィックスをオンにします。
3Dビューを開き、アクセラレーテッドグラフィックスをオンにする

そしてジャーナルファイルを確認しましょう。ジャーナルファイルは次の位置にあります。これもこの文字列をエクスプローラのアドレスバーに張り付けて移動してください。

%LOCALAPPDATA%\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2027\Journals

そして日付で降順に並べ替えて、最新のジャーナルファイルをメモ帳で開きます。次のような文が見つかればVulkanが機能している証拠です。

0:< ARG Configuration:
0:< Mode: Vulkan Hardware
0:<Hardware Acceleration: ON
ジャーナルファイルを確認しよう

Vulkanへの対応からみえること

Revitはざっくりいうと「計算70%、描画30%」のソフトです。Vulkanを採用することで主に描画部分が高性能化されるので、全体としては体感できるほどの効果は得られにくいかもしれません。
しかしながら、このVulkanへの対応はAutodeskがまだRevitのベース機能の改善をあきらめたわけではない、という姿勢を示していると私は考えています。Vulkanへの対応と一口で言っても簡単なことではありません。多くのリソースを割いてVulkanへの対応を始めた、という事実が重要で、将来はよりサクサク動くRevitが実現するかもしれません。

2026年8月8日土曜日

例によるタグ付け

Revit2027.2新機能

Revit2027が 2027.2にバージョンアップされて「例によるタグ付け」というとても便利な機能が実装されましたので紹介します。

手順1:お手本を作る

「例による」というぐらいなので、お手本となるようなタグを配置します。いくつでも構いません。次の図はサンプル構造.rvtの伏図で、符号とレベルの二つのタグを配置した例です。

"符号"を表示するタグと"レベル"を表示するタグ

これをお手本として他の構造フレームにもタグを作成します。

手順2:お手本を選択する

注釈タブ>タグパネル>タグ▼>例によるタグ付け

例によるタグ付け

「お手本」として作成した2つのタグを選択して"ENTER"

手順3:タグ付けする要素を選択する

お手本同様にタグ付けをする要素を選択します。CTRLキーで追加、SHIFTキーで除外できます。

お手本(黒表示)に倣って、選択した要素にタグ(緑色)が作成されます。CTRLキーを押しながらクリックすると追加され、SHIFTキーを押しながら選択すると除外されます。

選択が終了したら、修正|例によるタグ付けタブ>モードパネル>終了 で確定します。


この機能を使えば大幅にタグ付けの手間を削減することができますね!