2022年5月14日土曜日

共有座標系(2)

共有敷地とは

測量点を選択すると次の図のように座標が表示されます。

共有敷地とは?

この座標が共有座標系であることは前回確認しましたが、ここに表示されている「共有敷地」とは何でしょうか?これはこの座標が共有敷地の座標であることを示しています。共有敷地と共有座標と同義であると考えてください。(表示する用語や訳語に統一感がないので混乱しますね)では共有敷地とはなんでしょうか?1行目に表示されている「測量点-既定の敷地」をクリックしてみましょう。

場所及び敷地ダイアログの敷地名と一致している

すると、場所及び敷地ダイアログが敷地タブがアクティブになった状態で表示されます。だから「共有敷地」となっているのですね。

現在に設定されている敷地の名前がそのまま測量点に表示されいることを確認してください。

ここで名前を変更ボタンをおして、敷地の名前を「敷地1」変更します。さらに複製ボタンをおして「敷地2」を作成します。そして敷地1に(現在)の表示がある状態でOKを押します。

複数の共有座標系

この状態でプロジェクト基準点を選択し、真北の角度を90度に設定します。

真北の角度を設定する
一般に真北の設定は

  1. 平面図の向きプロパティを真北に設定
  2. 管理タブ>プロジェクトの位置>位置▼>真北を回転
で行いますが、角度の値がわかっている場合はプロジェクト基準点の真北の角度を直接変更することでも可能です。
このとき測量点がプロジェクト基準点を中心に90度回転します。
敷地1の共有座標系
測量点を選択すると、座標軸を示す矢印の方向も変化していることに注目してください。
もう一度測量点-敷地1をクリックし、敷地2を選択して「現在の値にする」を選択します。
すると、また測量点の位置が変わります。
敷地2の共有座標系


つまり、共有座標系は一つのプロジェクトに対して複数設定できるのです。

測量点はなぜ移動するのか?

ずいぶんと前ですがRMP(Revit Modeling Plate)の話をしました。そのとき
  • プロジェクト基準点はRMPに乗っている
  • 測量点は地球に乗っている
ということを説明しました。今回の現象をこの理屈で説明すると、まず最初の状態は次の図のようになります。
地球側(共有敷地・共有座標)を90度回転

そして地球側を90度回転したため、地球に乗っている測量点も一緒に回転して
このような状態になった、ということです。
測量点の位置が変わったように見える

まとめ

  • 測量点座標系=共有座標系=共有敷地は複数設定できる。
  • 真北は角度がわかっていればプロジェクト基準点で設定できる。