2022年6月4日土曜日

共有座標系(5)~DWGの地理的位置

DWGの地理的位置を共有座標にする

AutoCADにはRevit同様に「地理的位置(=測地座標系)」を設定することができます。

AutoCADの地理的位置タブ

地理的位置をDWGで設定すると、「測地座標系」と「ベンチマークの位置」がDWGファイルに保存されます。

地理的位置が設定されたDWG/DXFファイルをリンクして、地理的情報(=測地座標系)を取り出してRevitの共有座標に設定することができます。測量図をDWGで受け取った場合などは、AutoCADでひと手間加えるだけでより簡単に共有座標系を測地座標系に一致させることができます。

AutoCADでの作業

AutoCADでの地理的位置の手順を、次のようなDWGの敷地図データをサンプルとして説明します。左上のコーナーをベンチマークとします。

  1. AutoCADで敷地データを開く。
    測量図のDWF/DXFデータ

  2. コマンドラインからGEOGRAPHICLOCATION
    1. 「マップ」を選択
    2. 「マップを使用」ボタンをクリック
    3. 敷地付近を拡大し、ベンチマークを置くべき点を右クリック>ここにマーカーをドロップ(マーカーをドラッグして位置を修正できます。)
      マーカーを設定

    4. 必要に応じて高度を設定(ここでは0のままにします)
    5. 次へ
    6. タイムゾーンを(GMT+09:00)大阪、札幌、東京を選択
    7. GIS座標系のリストから最寄りの座標系(ここでは関東を想定し、JGD2011-09)を選択
      JGD2011-09(日本測地系2011年版第9系)を選択

    8. 次へ
    9. 作図が面上で、マーカーの位置に相当する点をクリック
    10. 次に真北方向を2点で指定します。
      1. Fを入力
      2. 方位を示す2点をクリック
    11. マップがAutoCAD上に表示されます。
      測量図に地理的位置が設定された

  3. 名前を付けて保存(ここでは地理的位置_サンプル.dwgとします)
  4. AutoCADを閉じる

Revitでの作業

Revitのファイルに地理的位置(測地座標系)が設定された測量図DWG/DXFデータをリンクして、共有座標系と一致させます。
  1. Revitで建物のプロジェクトを立ち上げる
  2. 挿入タブ>リンクパネル>CADリンク
    1. 地理的位置を設定した測量図のDWG/DXFデータを指定
    2. 配置を「手動‐中心」に
    3. 現在のビューのみに☑(これはチェックをしなくても構いません。その場合はDWGの配置先のレベルを指定します)
    4. 開く
  3. 読み込んだ測量図を回転・移動・位置合わせなどで、建物の位置に合わせる。
    リンクしたDWGデータを位置合わせする

  4. リンクしたDWG/DXFデータを選択
    1. プロパティウィンドウの「共有外構」のボタンをクリック(この時点では<非共有>と表示されています。
      共有外構プロパティの編集ボタンをクリック

  5. 下段のチェックボックスを選択します。
    1. これによりDWG/DXFデータに保存された地理的位置(測地座標系)の情報を、Revitの共有座標系に一致させることができます。
      下段の選択肢を選ぶ

    2. 調整ボタンをクリック
  6. 測量点をクリップを外して、BMの位置に移動
    1. 座標値を確認します。
      座標値を確認する。共有座標系の原点が第9系の原点になっている

以上の手順で共有座標系の原点をJGD2011-09の原点に一致させることができます。