2019年5月5日日曜日

住戸タイプと住戸間仕切

部屋のフェーズはちょっと変わっている

ずいぶん以前にフェーズについての解説をしました。一般にモデル要素には「寿命」があり、どのフェーズで作られてどのフェーズで壊されるのかを設定することができます。
要素のフェーズには「構築されたフェーズ」と「解体されたフェーズ」がある。
しかし、部屋にはこの「寿命」の設定がありません。
部屋のインスタンスプロパティには[フェーズ]があるのみ

部屋の寿命はそのフェーズに限られています。いわば「一代限り」というわけです。さらに新しいフェーズを作成し、そのフェーズを表示すると部屋はなくなってしまいます。
次のフェーズではもう前のフェーズの部屋は表示されない。
つまり、それぞれのフェーズに部屋を作成する必要があるというわけです。部屋はそのフェーズに存在する境界要素(床・壁・天井・屋根)によって設定されるため、部屋そのものには寿命の設定がありません。

住戸プランに応用できる

つまり、部屋はフェーズさえ異なれば同じ位置に存在できるわけです。そこで集合住宅の住戸割プランと住戸内間仕切プランをフェーズをわけて作成してみます。
フェーズの作成

  1. 建築テンプレートで新しいプロジェクトを作成します。
  2. [管理]タブ>[フェーズ]パネル>[フェーズ]を選択。
  3. 下の図のように「住戸タイプ」「住戸間仕切」のフェーズを作成します。
    住戸タイプ、住戸間仕切のフェーズを追加
  4. [平面図]>[レベル1]を表示し、名前を「レベル1-住戸タイプ」とする。
  5. フェーズフィルタを[完全表示]、フェーズを[住戸タイプ]に設定。
    ビューを作成
  6. 下の図のように壁を作成して、壁の「構築されたフェーズ」を[住戸]と「解体されたフェーズ」を[なし]とする。
    壁の「構築されたフェーズ」を[住戸]と「解体されたフェーズ」を[なし]とする
  7. 部屋を配置して、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプと名前をつけ、フェーズが[住戸タイプ]であることを確認する。
    ェーズが[住戸タイプ]であることを確認
  8. [平面図]>[レベル 1-住戸タイプ]を右クリックし、[ビューを複製]>[複製]。
  9. 作成したビューの名前を[レベル1-住戸間仕切]とし、「フェーズ」を[住戸間仕切]とする。
    フェーズを住戸間仕切とする
  10. 下の図のように間仕切壁をいくつか作成し、部屋を配置する。間仕切壁の[構築されたフェーズ]は「住戸間仕切」、部屋の[フェーズ]は「住戸間仕切」となっていることを確認する。
    間仕切壁を追加。構築されたフェーズが[住戸間仕切]
  11. [平面図]>[レベル 1-住戸タイプ]、[レベル1-住戸間仕切壁]を切り替えて表示を確認する。
レベル 1-住戸タイプ
レベル1-住戸間仕切壁
建具やキッチンなどのほかの要素も、それぞれのビューで入力すれば適切にフェーズが設定されます。