2020年4月12日日曜日

Revit2021 注目の新機能

Revit2021はかなりの進化

Revit2021が4月8日にリリースされました。今回から数回に分けてその新機能についてみていきます。総評としてはかなりの進化を遂げているといえるでしょう。このバージョンは「買い」ではないかと思います。

動画による紹介

Revit2021がまだ手元にない方も、以下のURLに動画があります。英語版ですが、Revitに慣れたユーザーであれば十分にその機能を理解できると思います。
https://blogs.autodesk.com/revit/2020/04/08/whats-new-in-revit-2021/
REVIT BLOG

YouTube

こちらはサイレントですが日本語による紹介動画です。
YouTube

ヘルプ

Revitのヘルプからも、新機能を見ることができます。動画も何本かあり、日本語字幕もあるのでこちらも参考にしてください。
https://help.autodesk.com/view/RVT/2021/JPN/
ヘルプの「Revitの新機能」

開発者向けSDK

開発関連のSDKはこちらからダウンロードできます。2020年4月12日現在、デベロッパーセンターのUSサイトのみからダウンロード可能です。.Net Framework4.8が必要です。

ハイライト

今回いくつかの注目すべき機能が搭載されています。

  • 日本仕様サンプルの標準搭載
  • リアルタイムリアリスティックビュー
  • ジェネレーティブデザイン
  • 傾いた壁
  • 集計表の縞々
  • ビューフィルタの有効/無効
  • 電気回路名の自由入力
  • PDFのリンク
  • ファミリのボイドの表示非表示
などなど。中でも注目はジェネレーティブデザインの機能で、なかなか庶民にはハードルが高かったジェネレーティブデザインを、非常に身近にわかりやすく、ダイナモベースで利用できるまでに昇華させています。とやかく言われても、オートデスクの技術力・商品企画力はさすがというしかありません。ジェネレーティブデザインについては、次回レポートします。今回からいくつかに分けてこれらの新機能について紹介します。

日本仕様サンプル

ワールドワイドの様々な新機能に加えて、今回のRevit2021には注目すべきサンプルプロジェクトが添付されています。
Revit2021をインストールして立ち上げると、初期画面に日本仕様サンプルが表示されます。


きちんと日本の設計業務になじみのある図面をもったモデルが標準で搭載されています。地味ですが大変な進化です。

意匠

サンプル意匠.rvtを立ち上げると、サンプル構造.rvtをリンクした状態で立ち上がります。
意匠と構造がリンク
鉄骨造のオフィスなので、構造と意匠をリンクして使う好例となっています。シートは以下のようになっていて、様々な意匠図が作成されています。
モデルをどのように作成しているのか、いろいろな部分を参考にすることができます。また確認申請用の図面もついているので、どのように図面を作っているのかをけんとうしてみるといいでしょう。
意匠は一般図・詳細図・法規チェック図など

構造

構造モデルはRUGから提供されている構造ファミリを使って作成されています。
構造モデル
例えば、基礎梁を選択してタイププロパティを見てみると、きっちり配筋情報まで入っていることがわかります。
RC構造フレームのタイプパラメータ
構造モデルも多数の図面が搭載されています。ぜひ一つずつ開いてどのような作り方になっているか、探ってみてください。
多数の図面
構造図のお手本ですね!
伏図
軸組図

設備

ついに、私たちが見慣れた設備モデルが登場しました。こちらもRUGから供給されている設備ファミリを使ったモデルになっています。
天カセ、全熱交換器など見慣れた設備機器が!
ただ、同梱されているモデルには図面(シート)が十分に作成されていません。実はこれらのサンプルをさらに進化させたモデルが下記のHPよりダウンロード可能です。
http://bim-design.com/rug/library/
最新の日本用サンプルモデルはこちらからダウンロードできます。
バージョンは2020なのでアップグレードが必要です。
意匠モデルとのリンクが切れているので、サンプル意匠.rvtとサンプル構造.rvtをリンクしてください。どちらのファイルも以下のフォルダにあります。
C:\Program Files\Autodesk\Revit 2021\Samples

モデルだけではなく、電気空調衛生の各ジャンルの様々なリストと平面図が作成されています。
空調配管図
空調ダクト図
システムブラウザを開くと、どのようなシステムが組まれているかがわかります。
システムブラウザ
これらを参考にしながら、残りのシステムも自分でつないてみるととても良い練習になるでしょう。

次回も 2021注目の新機能について報告します。