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2021年8月14日土曜日

電気器具ファミリ(6)~表示の調整

記号と表示の設定

作成した記号を電気器具ファミリにネストして、表示を調整します。コンセントは平面図では記号、立面図ではその形状を表示します。それぞれちょっとしたポイントがありますので、動画でご確認ください。


参考データ(バージョン2021)

記号のデータ

電気器具ファミリのデータ(記号ネスト前)


2021年7月11日日曜日

電気器具ファミリ(2)~極数

 コネクタの設定

形状が作成できたら次はコネクタを設定します。ファミリはコネクタを介して回路を経由して盤に接続されます。まずは電気コネクタをファミリに配置します。

コネクタの位置は「参照面」または「フォームの面」の中央に配置することができます。

  1. 3Dビューを表示し、「面」のフォームを選択。
  2. ビューコントロールバーから「要素を非表示」を選択して非表示にする。
    基準面のフォームを非表示にする

  3. コンセントの裏側を表示する。
  4. 作成タブ>コネクタパネル>電気コネクタ
  5. 配置パネル>面を選択し、コンセントの任意の面をクリックしてコネクタを配置する。
    コネクタを配置

電気コネクタのシステムタイプ

作成した電気コネクタを選択し、プロパティウィンドウを確認してください。コネクタのプロパティはシステムタイプによって、内容が変化します。

システムタイプの種類

電気コネクタには次のシステムタイプがあります。
------電力------
電力 - 平衡
電力 - 不平衡
電力 - 平衡を選択した場合のプロパティ

------弱電------
データ
電話
警備
火災報知
ナースコール
監視制御
通信
弱電のシステムタイプを選択した場合

電力系のシステムタイプを選択すると、極数、電圧など電力に関する情報を設定することができますが、弱電系のシステムタイプを選択した場合、システムタイプ以外に設定する項目はありません。
コンセントは電力を消費するので、「電力 - 平衡」または「電力 - 不平衡」を選択します。では「電力 - 平衡」と「電力 - 不平衡」は何が異なるのでしょうか?そのためにはまず極数について理解しておく必要があります。

極数とは

極数とは、このファミリが配電システムから引き出す電圧線の数、つまり電極数を示しています。極数はファミリが必要とする電圧と接続先の配電システムによって決まります。

単相2線式 100Vに接続する場合(100V=極数1)

単相2線式100Vの場合、電圧線を1本取り出せば100Vの電力を得ることができます。したがって極数は1となります。
単相二線式 100Vから100Vを取り出す


単相2線式 200Vに接続する場合(200V=極数1)

単相二線式200Vから200Vを取り出す場合は、引き出す電圧線は1本ですので極数は1です。
単相二線式 200V から200Vを取り出す

単相3線式 100/200Vに接続する場合(100V=極数1、200V=極数2)

次の図では単相三線100/200Vの配電システムに、コンセントを接続し100Vと200Vを取り出してます。
単相三線式から200Vと100Vを取り出す
200Vの電圧と取り出すためには、2本の電圧線に接続する必要があるので、極数は2です。また100Vの電圧と取り出すには、1本の電圧線に接続するので、極数は1です。

三相3線式 200Vに接続する場合(200V=極数2)

三相三線200Vの場合は、3本すべてが電圧線で、どの2つの組み合わせも200Vですので、これも200Vの場合は極数は2です。
三相三線から200Vを取り出す場合

三相4線式 240/415Vに接続する場合(200V=極数1)

三相四線240V/415Vの配電方式から、200Vを取り出す場合は、引き出す電圧線は1本だけでよいので極数は1となります。極数は1、2、3が設定可能です。この配電方式の場合、400Vを取り出す場合、極数が3となります。
三相4線から200Vと400Vを取り出す

このように同じ200Vの電圧でも、接続する配電方式(Revitでは配電システム)により、極数は異なります。一方100Vの場合はいずれの配電方式でも極数は1となります。

次回は、平衡と不平衡の違いについてです。

2021年6月27日日曜日

電気器具ファミリ(1)~形状

コンセントをつくる

MEPの電気器具カテゴリでコンセントのファミリを作成してみます。MEPの電気分野の機能はなかなかよくできているのですが、ドキュメント化されていないことが多いので、コンセントのファミリを作成しながら理解を深めていきましょう。

コンセントファミリを作る手順は大筋次のような流れになります。

  1. モデルの作成
  2. コネクタの設定
  3. 電気記号の設定
  4. モデルと記号の表示設定
ひとつずつ進めていきましょう。

目標

今回は、次の図のような基本的なコンセントを作成してみます。
コンセントのファミリをつくる

寸法は次の図を参考にします。
参考図

ファミリの配置方法

ファミリテンプレートを選択する時重要なことは「ファミリの配置方法」です。Revitのファミリには次の配置方法があります。
  1. OneLevelBased
    家具のように、1点をクリックして任意の位置に配置
  2. OneLevelBasedHosted
    ドアのように1点をクリックしてかつ壁などのホスト要素にとりつく
  3. TwoLevelsBased
    柱のように上と下のレベルを指定して配置する要素
  4. ViewBased
    注釈のようにビューに依存する点配置の要素
  5. WorkPlaneBased
    参照面または何らかの要素の面に取り付く要素
  6. CurveBased
    線基準のモデル要素
  7. CurveBaseedDetail
    線基準の注釈要素
  8. CurveDrivenStrucural
    構造フレーム
  9. Adaptive
    アダプティブコンポーネント
コンセントは壁面に取り付きますので2と思うかもしれませんが、この配置方法を選択すると配置面は壁に限定されてしまいます。またリンクインスタンスにある壁は「面」としてしか認識できません。
コンセントの場合、適切な配置方法は「1」または「5」です。今回は「5」の面に取り付くファミリとして作成してみます。

テンプレートの選択

  1. ファイル>新規作成>ファミリ で「一般モデル(メートル単位)、面付き.rft」を選択
  2. プロパティパネル>ファミリカテゴリとパラメータ で電気器具を選択しOK。

カテゴリについて

コンセントのカテゴリは電気器具です。電気関連のカテゴリは、電気器具をはじめ電気設備、照明器具、照明装置などのカテゴリがありますが、末尾の二文字が重要で
設備>器具>装置
というヒエラルキーがあります。
設備>器具>装置
最上位の電気設備は盤類であり、次に電力を消費するカテゴリとしてで電気器具と照明器具、弱電類として○○装置というカテゴリがあります。

モデルの作成

今回はモデルの大きさは固定なので、参照面は使わずにモデルを作成します。(パラメータを用いてサイズを変更できるようにするならば、参照面が必要です)
Revitのモデルは製造用ではないのであまり細かく作りすぎないようにします。ポイントは「おさまりが検討できる」「それっぽく見える」ことです。

  1. 作成タブ>フォームパネル>押し出し
  2. 描画パネルから選択(緑色の線)を選択
  3. オプションバーの奥行を9、オフセットを35として、垂直の参照面を選択して左右にオフセット。
  4. オプションバーのオフセットを60として水平の参照面から上下にオフセット。
    左右に35、上下に60

  5. 描画パネルのフィレット円弧を選択し、オプションバーの連結と半径にチェックを入れて、半径尾10とし、コーナーを成型する。
    コーナーを10mmで面取りする

  6. もう一度描画パネルから選択(緑の線)を選択し、左右に15、上下に35
  7. 修正パネル>コーナーへトリムでコーナーを直角に成型する。

  8. モードパネル>✔
  9. 作成したフォームを選択し、クリップボードパネル>コピー
  10. クリップボードパネル>貼り付け▼>同じ位置に位置合わせ
  11. モードパネル>押し出しを編集
  12. 外周のスケッチラインを削除して、モードパネル>✔

  13. プロパティパネルの押し出し終端の値を10、押し出し始端の値を-25として適用
  14. 3Dビューで形状を確認する。

  15. フォームをすべて選択し、プロパティパネルのマテリアルの関連付けボタンを押す。
  16. 新規作成ボタンを押して、名前をコンセントパネルとしてOK。
    フォームのマテリアルをパラメータに関連付ける

  17. プロパティパネルのファミリタイプをクリックし、既定の高さにコンセントの取り付け高さの基本として200を設定する。これは参照面の交点の位置の高さを示します。
  18. 名前を付けて保存します。
以上の手順でコンセントのモデルの部分の設定はできました。次回はコネクタの設定について詳細に説明します。