2016年11月27日日曜日

仕上表チュートリアル(4)~シートにレイアウト

準備


下のリンクをクリックして、練習用ファイルをダウンロードしてください。このファイルはRevit2017で作成しています。

見出しをグループ化する

集計表をシートにレイアウトしましょう。その前に、先頭行の見出しの文字をグルーピングして、読み取りやすくします。

(1) A列の「仕上表名前」のセルを選択し、「部屋名」に変更する。
(2) FLからCHまでをドラッグして選択し[タイトルと見出し]の[グループ]をクリック。
連続するセルを選択して、[グループ]
(3) 結合されたセルに「レベル」と入力
結合セルにヘッダーを追加
(4) (2)-(3)を繰り返して、以下のように、床、壁、天井についてタイトルをグループ化する。
説明を追加
(5) 見出しをすべて選択し、[外観]パネルで[水平に位置合わせ]-[中心]、[垂直に位置合わせ]-[中心]で文字をセルの中心に位置合わせします。
見出しの文字をセルの中心に
(6) B、C、D、J列を選択し、[外観]パネルで[水平に位置合わせ]-[中心]、[垂直に位置合わせ]-[中心]で文字をセルの中心に位置合わせします。

列幅の調整

次にシートにレイアウトしたときの、列の幅を指定します。

(1) A列を選択し、[列]パネルの[サイズ変更]を選択
A列を選択し、[サイズ変更]
(2) 40mmと入力しOK。
列の幅を設定
(3) 同様にほかの列も幅を設定する。複数の列を選択した場合は(2)で指定する幅は複数の列全体の幅となり、個々の列幅は等分されます。

B~D(レベル) : 50mm (B,C,Dの3列を選んで50mmに指定するので、1行あたりは50/3mmです)
E~F(床)       : 75mm
G(幅木)        : 40mm
H~I(壁)       : 75mm
J(廻り縁)      : 20mm
K~L(天井)   : 75mm
M(備考)        : 30mm

シートの追加


(1) [表示]-[シート構成]-[シート]
(2) 「A3メートル単位(ロゴなし)」、「新規作成」を選択し[OK]
新規シートを作成
(3) プロジェクトブラウザで[集計表/数量]の「部屋_仕上表」を選択し、ドラッグドロップしてシートに追加する。
プロジェクトブラウザからドラッグ&ドロップ
(4) [移動]を使って、集計表の左上の角を、シートの左上の角に合わせる。
左上を合わせる。

罫線の太さを変更する


(1) C~E列を選択し、[外観]-[罫線]
(2) 太線を選択して、外側の縦線に、太線を設定する。
罫線の太さを設定
(3) (1)-(2)を繰り返して、必要な罫線を太線にする。罫線の太さはシートビューで確認します。
罫線の太さをシートで確認
出来上がった集計表は行の高さがバラバラです。次回は行の高さを統一して、さらに集計表を分割します。


2016年11月19日土曜日

仕上表チュートリアル(3)~仕上の入力

準備

今回は仕上の内容を入力します。下のリンクから練習用のファイルをダウンロードしてください。

プロジェクト(v2017)-建築_サンプルプロジェクト_仕上表_仕上入力開始.rvt

共有パラメータの設定を確認してください。設定方法はこちらを参考にしてください。

共有パラメータの追加

仕上表に必要な項目を共有パラメータとして追加します。

(1) [管理]タブ-[設定]パネル-[プロジェクトパラメータ]で[追加]をクリック。
(2) [共有パラメータ]を選択し、[選択]ボタンをクリック。
(3) 「FL」を選択しOK
共有パラメータを追加
(4) パラメータグループ「文字」、「インスタンス」、カテゴリは「部屋」を選択しOK。
部屋のパラメータとして追加
(5)プロジェクトパラメータのダイアログボックスで[OK]してコマンド終了。

以上の手順を繰り返して、


  • FL
  • SL
  • CH
  • 下地・床
  • 仕上・床
  • 仕上・幅木
  • 下地・壁
  • 仕上・壁
  • 仕上・回り縁
  • 下地・天井
  • 仕上・天井
  • 備考


の順番に追加します。追加した順番にプロパティウィンドウに表示されるので、この順番は大事です。任意の平面図を開いて、部屋を選択してプロパティウィンドゥを確認すると、下の図のようになっています。
追加した順番にプロパティウィンドゥに表示される
※仕上の入力にはRUTS(Revit User Tools)を使用します。LTを使用している場合は、RUTSが使えませんので、パラメータのタイプを「マルチラインテキスト」にするといいでしょう。

集計表で仕上表を作成


(1) プロジェクトブラウザで「部屋_仕上表並び順」を右クリックして複製し、名前を「部屋_仕上表」とする。
(2) [フィールド]の編集をクリックし、「レベル」を除去。
(3) 上記で追加した共有パラメータを「FL」から「備考」まで順番に追加する。
共有パラメータを集計表に追加
(4) [書式]タブで、「仕上表グループ」「仕上表グループ番号」「」仕上表整列番号」をそれぞれ選択して、[非表示のフィールド]にチェックを入れる。
非表示のフィールドに指定
(5) [外観]タブを下の図のように設定し、タイトルを非表示にする。
タイトルは非表示、罫線は外枠を太線に設定
OKをして、出来上がった集計表の外観を確認します。
出来上がった集計表

内容を入力する

仕上内容を入力します。このままダイレクトに集計表で編集してもいいのですが、集計表では直接複数行の入力ができないので、ここはRUTSを使って入力してみましょう。

(1) 編集したい任意のセルを選択
(2) [RUTS]タブ-[Parameter]パネル-[プロパティエディタ]
プロパティエディタ
(3) ダイアログボックスが表示されるので、仕上を入力します。
プロパティエディタには次の特徴があります。

  • ENTERで改行して、複数行入力ができる。
  • テキストボックスをクリックすると、IMEが勝手に日本語モードになる。
  • TABで次の編集テキストボックスに移動する。
  • ラベルをマウスオーバーすると元のプロパティ名がわかる。
  • テキストボックスをダブルクリックすると、他の要素の値を選択できる。
  • 英数記号は自動的に半角に変換される。

など、パラメータの編集に便利な機能がたくさんあります。
プロパティエディタで複数行入力も楽々

他の部屋の情報をコピーする


(1) 任意のセルをクリックして、プロパティエディタを起動。
(2) テキストボックスをダブルクリック。
(3) 表示された候補をダブルクリック。
テキストボックスをダブルクリックすると他の要素の値を選択できる
これらを繰り返して、仕上表を完成させます。
仕上表
次回はシートにレイアウトして、仕上表の体裁を整えます。

2016年11月12日土曜日

仕上表チュートリアル(2)~部屋の並び順

自由な並び順で仕上表を作る

前回は仕上表に表示する部屋の名称を作成して複数の部屋を1行にまとめる方法を練習しました。今回はこの部屋を、仕上表上で希望する順番に並べ替えてみましょう。

ステップは
  1. 1階、2階、共通など部屋をグルーピングする
  2. 1のグループの中でさらに部屋を希望通りに並べる
です。

ファイルの準備

下のリンクをクリックして、プロジェクトファイルをダウンロードしてください。このファイル(Revit2017)は、Revitに付属している「rac_advanced_sample_project.rvt」に手を加えたものです。

v2017 建築_サンプルプロジェクト_仕上表_部屋の並び順設定開始.rvt

部屋の並び順を設定する

グループを設定する

まずは大きく部屋をグルーピングします。この建物は3階建てなので、次のグループを準備します。

  • 1階
  • 2階
  • 3階
  • 共通

Step by step

(1) [表示]-[集計▼]-[集計表/数量]
(2) カテゴリから「部屋」、名前を「仕上表グループ設定」、集計キーでキー名を「仕上表グループ」
集計キーを作成
(3) [新しいパラメータ]で「仕上表グループ番号」を「実数」として作成する。この番号の順番に仕上表に並ぶようにする。
仕上表グループ番号を設定
(4) [集計表/数量を修正]タブ-[行]パネル-[データ行を挿入]を4回押す。
(5) 下の図のように、キー名と仕上表グループ番号を設定する。
グループ番号の設定

グループを部屋に割り当てる

作成したグループを部屋に割り当てるために、新たに集計表を作成します。

Step by step

(1) プロジェクトブラウザで集計表「部屋_仕上表名前」を右クリックして複製し、「部屋_仕上表並び順」とする。
(2) ビューのプロパティ「フィールド」の編集ボタンをクリックして、「仕上表グループ」と「仕上表グループ番号」を先頭に追加。
仕上表グループと仕上表グループ番号を追加

(3) [並べ替え/グループ化]タブで、先頭の並べ替えに「レベル」を指定し、[各インスタンスの内訳]のチェックを外す。
最初の並べ替え方法の「見出し」のチェックは外す。
「次の並べ替え方法」は「(なし)」にする。
並べ替えの設定
(4) レベル 1FL、2FL、3FLの「仕上表グループ」にそれぞれ、「1階」「2階」「3階」を割り当てる。
仕上表グループを割り当てると自動的にグループ番号も割り当てられる
(5) プロパティウィンドゥで[並べ替え/グループ化]をクリックし、先頭に「仕上表名前」を設定し、他は(なし)とする。
並べ替えの先頭に仕上表名前を設定
(6) 複数のレベル(仕上表グループ)に所属している部屋は仕上表グループが空欄になっているので(複数の値があると空白表示となる)、これを「共通」に変更する。
空白欄を「共通」に変更
(7) プロパティウィンドゥで[並べ替え/グループ化]をクリックし、下図のように設定する。
並べ替えの設定
以上でグルーピング設定は終了です。完成した仕上表の並び順は以下のようになります。
グルーピングされた仕上表

部屋の並び順

次はグループの中での部屋の並び順の設定です。例えば、仕上表グループ「1階」では、風除室
を先頭にしたいですよね。そこで、「仕上表整列番号」というプロジェクトパラメータを追加して、順番を設定します。

(1) プロパティパレットの[フィールド]の編集ボタンを押す。
(2) [新しいパラメータ]を押して「仕上表整列番号」パラメータを追加
パラメータタイプは、「文字」または「実数」がよいでしょう。
仕上表整列番号を追加
(5) 順番を仕上表名前の前にしてOK
仕上表整列番号を追加
(6) 仕上表整列番号に並ばせたい順番に番号を振る。1階は101、102、2階は201、202のように降るとよい。
仕上表整列番号を設定
(7) プロパティパレットの[並べ替え/グループ化]で以下のように設定。
仕上表整列番号を並べ替えの基準に加える
(8) 完成です。
部屋の並べ替えの完成ji
次回は仕上の情報を設定します。

2016年11月6日日曜日

仕上表チュートリアル(1)~複数の部屋を1行にまとめる

集計表で仕上表を作成

今回から数回にわたって、集計表を使った室内仕上表のまとめ方について練習しましょう。仕上表のまとめ方はいろいろありますが、このチュートリアルのやり方から、集計表を扱うコツをつかんでいただければ幸いです。

ファイルの準備

下記リンクをクリックして、練習用のプロジェクトファイルと共有パラメータをダウンロードしてください。このプロジェクトファイルはRevitに添付されている、RAC_advanced_project.rvtを改造したものです。また共有パラメータはMyDocumentなどに適当なフォルダを作成して保存しておいてください。

プロジェクトv2017(建築_サンプルプロジェクト_仕上表_複数の部屋を_開始.rvt)
共有パラメータ(RevitPeeler.txt)


複数の部屋をまとめて仕上表に表示する


仕上表では複数の部屋を1行にまとめることはよくあります。例えば

  • 廊下(1)
  • 廊下(2)
  • 廊下(3)
  • 廊下(4)
  • 廊下(5)

とあった場合、仕上表には「廊下(1)~(3)」と「廊下(4)(5)」などと記述したいですよね。ほかにも男子便所、女子便所、ハンディキャップ用便所などをひとまとめに「便所」としたいことなどが考えられます。
このためには、部屋のプロパティ「名前」のほかに、仕上表用の名前を準備する必要があります。いってみれば「本名」と「別名」が部屋のプロパティに必要であるということです。

共有パラメータ「仕上表名前」の追加

(1)[管理]-[設定]-[共有パラメータ]
(2)[参照]を押して、ダウンロードしたRevitPeeler.txtを指定して[OK]
(3)[管理]-[設定]-[プロジェクトパラメータ]
(4)[追加]
(5)[パラメータタイプ]で[共有パラメータ]を選択
(6)[選択]でパラメータグループを「仕上表」、「仕上表名前」を選んで[OK]
(7)パラメータグループを「文字」、[インスタンス]をクリックし、カテゴリから「部屋」のみを選んで[OK]

RUTSのインストール


オプションですが、今後の作業を考えるとRevit User Tools(RUTS)をインストールしておいたほうが便利です。今後の説明はRUTS前提で行いますので、最新版を右のライブラリからダウンロードしてインストールしておいてください。


集計表の作成


集計表の「部屋_名称一覧」を開いてみてください。ここには階別のすべての部屋の名前が表示されていますが、(1)や(2)など枝番のついた部屋が数多く存在します。これらをまとめて一つの名前にしていきます。

(1) プロジェクトブラウザの[集計表]-[部屋_名称一覧]を右クリックして、[ビューを複製]-[複製]
(2) 名前を「部屋_名前と仕上表名前」として、開く。
(3) プロパティウィンドゥで[フィールド]の編集ボタンをクリック。
(4) 「仕上表名前」を選択して、末尾に追加。
仕上表名前を追加

仕上表名前が空欄で追加されます。ここに、各部屋の仕上表上の名前を設定するのですが、ほとんどの場合は、名前と同じですのでまずRUTSのコマンドで、名前をコピーします。

名前を仕上表名前にコピー


(1) [RUTS]-[Parameter]-[パラメータ間コピー]
RUTSのパラメータ間コピー
(2) 表示されたダイアログボックスを次のように設定して[OK]
「名前」の値を「仕上表名前」にコピーする
以上でいったん部屋の名前が「仕上表名前」にコピーされます。

仕上表名前を設定する

あとは手作業で一部屋ずつ丁寧に、仕上表上の名前を設定します。

  • 例1 男子便所、女子便所、便所には「便所」
  • 例2 講義室(1)~はすべて「講義室」

など、仕上表で1行でまとめてしまいたい部屋には同じ「仕上表名前」を設定していきます。また枝番があっても仕上が異なるために別の行で書きたい場合は名前を変えておきます。
仕上表名前を設定する
名前は平面図に現れることはないので、仕上表上の表記通り自由に設定してください。

仕上表名の確認

集計表を新たに作成し、仕上表上にどのような名称が表示されるかを確認します。

(1) プロジェクトブラウザで[集計表]の「部屋_名前と仕上表名前」を右クリックして複製します。
(2) 複製した集計表の名前を「部屋_仕上表名前」とする。
(3) プロパティパレットの[フィールド]をクリックし、「名前」と「番号」を除外します。
レベルと仕上表名前だけにする
(4) [並べ替え/グループ化]で下の図のように設定しOK。
仕上表名前

グルーピングの確認

平面図を使って、どことどこが1行にまとまったのか確認してみましょう。

(1) [平面図]-[平面図 1階]を開く
(2) ビューのプロパティで[カラースキーム]をクリック。
(3) スキームのカテゴリを「部屋」、(なし)以外のいずれかのエントリを右クリックして「複製」
(4) 名前を「仕上表名前」
(5) タイトルを「凡例」、カラーを「仕上表名前」にする。
(6)「色は保持されません」ダイアログボックスで[OK]
カラースキーム
平面図が「仕上表名前」の値に沿って色分けされます。これを各階の平面図に割り当てれば、どの部屋がどの仕上表名前に割り当てられているかがチェックがしやすいと思います。
カラースキームを適用した平面図

次回は仕上表での並び順をコントロールします。