2019年9月29日日曜日

タイプ名の一覧をエクセルに出力するには?

ダイナモで簡単にできます!

現在のプロジェクトに設定されている壁タイプの一覧が必要になった場合、ダイナモを使えば簡単にその一覧を取得することができます。
もちろん壁タイプに限らず、床や屋根、構造フレームなどのファミリ名、配管タイプなど、様々な一覧をエクセルに出力することができます。

作り方


  1. [管理]タブ>[ビジュアルプログラミング]パネル>[Dynamo]
  2. 新規作成
  3. 左下の自動を手動に変更。
    自動→手動
  4. 次のノードを追加する。
    • [Revit]>[Selection]>[ElementTypes]
    • [Revit]>[Selection]>[All Elements of Type]
    • [Revit]>[Elements]>[Element]>[Name]
  5. 下の図のように接続する。
    三つのノードを接続
  6. 次のノードを追加する
    • [ImportExport]>[Data]>[ExportExcel]
    • [ImportExport]>[File System]>[File Path]で任意のファイル名を指定
    • [Input]>[Basic]>[String]、値を壁タイプ
    • [Input]>[Basic]>[Number]
    • [Input]>[Basic]>[Boolean]
  7. 下の図のように接続する
    ノードを接続
  8. 実行ボタンをクリックすると、エクセルが立ち上がって結果が表示される。
    壁タイプが出力される

例えば!~線種パターンの一覧

同じグラフを使って様々な要素タイプの名前を一覧出力できます。線種パターンを出力するには
  • [Element Types]にLinePatternElement
  • [String]に線種
    線種パターンを出力する
として実行ボタンを押すだけです。ほかにも様々な要素タイプがあるので試してみてください。

2019年9月22日日曜日

フィルタ(2)AND/OR

条件判断

フィルタの条件判断はAND(且つ)とOR(又は)があります。ANDとORを使用すれば複合的な条件文を作ることができます。その考え方は「算数」に置き換えると簡単です。

ルール - AND/OR

  • AND------×(掛け算)
  • OR--------+(足し算)

条件判断       - TRUE/FALSE

  • TRUE     =1 (≠0)
  • FLASE    =0

ANDの例

下の図の例は壁の中で
  1. タイププロパティ[機能]の値が「外部」である
  2. タイププロパティ[幅]の値が「100以上」である
  3. インスタンスプロパティ[面積]の値が「100より小さい」
の三つのルールのすべてを満たしている壁を選択するフィルタです。このフィルタを実際に作成してみましょう。

手順


  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[フィルタ]
  2. フィルタグループの新規作成
  3. 名前を「壁 外部 t100 100㎡未満」としてOK。
    フィルタを作成
  4. カテゴリグループでのみをチェック。
  5. フィルタ規則グループで下の図のように条件1を追加。
    タイププロパティ[機能]の値が「外部」である
  6. ルールを追加をクリックし、条件2を下の図のように設定。
    タイププロパティ[幅]の値が「100以上」である
  7. もう一度ルールを追加をクリックし、条件3を下の図のように設定。
    インスタンスプロパティ[面積]の値が「100より小さい」
下の図はこのフィルタをビューに適用して、前回のように青色に着色した状態です。
フィルタで着色
この場合、三つのルールがすべてTRUE=1であればANDは掛け算なので
1×1×1=1(≠0)
なので、TRUEと判断できますが、一つでもFALSE=0があると
1×0×1=0
でFALSEと判断されます。
もし、ORであれば、ORは足し算なので、一つでもTRUE=1があれば
1+0+0=1(≠0)
でTRUEと判断されます。
ORの場合は一つでもルールに合致すればTRUE

ルールを入れ子にする


3の条件を以下のように変更してみます。
  • インスタンスプロパティ[面積]の値が「100以上200以下」
これを実際に作成してみましょう。
  1. 三番目のルールを-をクリックして削除。
    ルールを削除
  2. セットを追加をクリック
    セットを追加
  3. ANDを選択し、ルールを追加をクリック
    ANDセットにルールを追加
  4. 下の図のように面積が100以上を追加。
    面積が100以上
  5. セット内のルールを追加をクリックし、面積が200以下のルールを追加
    ルールを追加
このように、ルールはつぎつぎと入れ子(ネスト)にすることができます。
ルールのネスト
理屈を理解すれば、複数のルールを組み合わせてより複雑なフィルタを作成することができます。

2019年9月15日日曜日

フィルタ(1)

フィルタとは?

ビューの表示・非表示、あるいは色や線種の上書きをコントロールしようとするには

  1. カテゴリ単位
  2. 要素単位
で可能ですが、この1と2の間に「要素のパラメータ単位」という考え方があります。これがフィルタです。
フィルタとは「要素のプロパティの値である条件に合致した要素を選択する」という働きがあり、ビューにフィルタで選択した要素の上書きを設定することができます。

フィルタの作り方

例えば壁のみを表示する、ということはカテゴリの設定で可能です。表示/グラフィックスの上書きで壁だけにチェックをいれれば、
表示/グラフィックスの上書きで壁だけにチェックをいれれば
壁だけを表示することができます。
壁だけを表示できるが
さらに、壁は壁でも外壁だけをフィルタを使って表示してみましょう。

  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[フィルタ]
  2. 新規作成をクリックし、名前を外壁としてOK。
    フィルタの新規作成
  3. 中央のカテゴリリストでを選択。
    カテゴリで壁を選択
  4. フィルタ規則を下の図のように設定。これは「タイプパラメータ機能が外部に等しいものを選択する」という意味です。
    フィルタ規則を設定
  5. OK

ビューに適用する


  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[表示/グラフィックス]
  2. フィルタタブを選択。
    フィルタタブ
  3. 追加をクリックし、外壁を選択してOK。
    フィルタを追加
  4. 投影/サーフェスのパターンを選択して、青色の塗りつぶしを設定してOK。
    青色の塗り潰しを設定
  5. OKを二度押してダイアログボックスを閉じる
    外壁が青色に

条件にあてはまるもののみを表示するには

フィルタの特性として、フィルタに適合する要素を上書きしたり非表示にすることはできても、フィルタに適合する要素だけを表示することはできません。そこで、特定の条件に合致しないものを選択する、というフィルタを作ります。

  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[フィルタ]
  2. 新規作成をクリックし、名前を外壁以外としてOK。
  3. カテゴリで壁を選択し、フィルタ規則で下の図のように、タイププロパティ機能が外部に等しくない、というフィルタを作成しOK。
    外部に等しくない
  4. フィルタを適用するビューを開く
  5. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[表示/グラフィックス]
  6. フィルタタブを選択。
  7. 追加をクリックし、外壁以外を追加して、表示のチェックを外す。
    表示のチェックを外す
  8. OKを二度押してダイアログボックスを閉じる
    フィルタを適用したビュー
まずはこれが基本です。プロパティの値にを使うことで、表現の幅が広がります。

2019年9月8日日曜日

キーノートの作り方

キーノート

タイプパラメータとマテリアルには「キーノート」というパラメータがあります。これは要素を体系的に分類わけするものです。
Revitをインストールするといくつかのキーノートがライブラリに格納されます。
メトリックライブラリのキーノート

使い方

実際に使ってみましょう。

  1. [注釈]タブ>[タグ]パネル>[キーノート▼]>[キーノート作成設定]
  2. [参照]ボタンをクリック
  3. [MetricLibrary]のRevitKeynotes_JPN.txtを選択。
  4. ビューをクリック
  5. +をクリックして展開して内容をチェックしてOK
    キーノートの内容確認
  6. ファイルパスをライブラリ位置、番号付けの規則をキーノート別に(シート別を選ぶとシートに配置されるまで番号が表示されません。)します。
    キーノートの設定
  7. OK。
このキーノートを要素に適用してみましょう。
  1. [注釈]タブ>[タグ]パネル>[キーノート▼]>[要素キーノート]
  2. 下のダイアログボックスが表示されたら、[はい]を選択して、ライブラリの注釈フォルダのキーノートタグをロードしてください。
    特にない場合はライブラリの注釈フォルダのキーノートタグ
  3. 任意の要素を選択し、タグを配置すると、キーノートダイアログボックスが開くので任意のノードを選択する。
    任意のノードを選択
  4. 配置したタグを選択して、タイプをキーノートテキストに変更して、キーノートテキストが表示されることを確認する。
    キー値もキーノートテキストも表示可能
     表示しない 
  5. キーノートを設定した要素を選択して、タイプを編集
  6. 識別情報>キーノートにキー値が設定されていることを確認する。
    キーノートが設定されている

キーノートテーブルファイルの作成

キーノートテーブルファイルは「タブ区切りテキスト」であり、文法さえ守ればだれでもオリジナルのキーノートが作成できます。
ここでば、次のようなツリー構造をもったキーノートを定義してみましょう。
工種別のキーノートを自作してみましょう
エクセルを使うのが一番簡単です。ABCの3列を使って
A列:キー値
B列:キーノートテキスト
C列:親のキー値
このC列にノードの親となるキーの値を設定します。
3列目には親のキー値を設定
このように設定すると、下の図のようなツリー構造を作ることができます。
ツリー構造で表示される
編集が終わったらテキストファイルに保存するのですが、文字コードを慎重に選択する必要があります。
[ファイル]>[名前を付けて保存]で必ずUnicodeテキストを選択します。
必ずUnicodeで保存する
それ以外の形式だと正しく認識されません。このファイルを任意の位置に配置します。
[注釈]タブ>[タグ]パネル>[キーノート▼]>[キーノート作成設定]
で作成したファイルを選択して、ビューボタンをおして確認してみましょう。

キーノートの使い方は様々考えられます。マテリアルキーノートと要素キーノートをうまく組み合わせれば、部材の拾い出し・分類作業も随分と楽になるでしょう。

2019年9月1日日曜日

NavisWorks スイッチバック

まだまだいけます Navisworks

BIM360が発展してきて、いまいち影が薄いNavisworks。最近ほとんど進化もなくバージョンのみが上がり続けているような気がしますが、まだまだNavisを使っている人も多いと思います。今日はそんなNavisworksのスイッチバックというRevitと連携する機能についてご紹介します。これを知るとNavisworksを少し見直すかもしれませんよ。

スイッチバックの目的

Revitをインストールし、さらにNavis Worksをインストールすると、Revitの外部ツールタブにスイッチバックメニューがつきます。スイッチバックの目的は

Navisworksで選択した要素をRevitでも選択する

ことにあります。Navisで見つけた不具合をすぐにRevitで修正したいときとても便利な機能です。これを使えはNavisworksの干渉チェック機能と合わせて、非常に効率よく不具合を修正することができます。

手順

Revit2020に標準添付されているプロジェクトを使用してスイッチバックのやり方を説明します。ステップは

  1. RevitからNavisworksにデータ出力
  2. Navisworksで1を読み込み
  3. Revitでスイッチバック機能をONにする。
  4. Navisworksで要素を選択しスイッチバック
  5. 3で選択している要素がRevitで選択選択される。
という流れです。

RevitからNavisworksにデータ出力


RevitからNavisWorks用のデータ(NWC)ファイルを作成します。Navisworksのデータ構成についてはこちらに詳細にかいてありますので参考にしてください。

  1. [ファイル]>[開く]>[サンプルファイル]
  2. rac_advanced_sample_project.rvtを開く
    Revitのデータ
  3. [アドイン]タブ>[外部]パネル>[Navisworks 2020]
  4. [Navisworks設定]をクリック
  5. オプションエディタでファイルをエクスポートする範囲を選ぶ(ここではプロジェクト全体を選びます)
    プロジェクト全体を選んでOK
  6. [保存]でnwcデータを保存します。

Navisworksでnwcファイルを読む

  1. Navisworksを起動
  2. [ホーム]タブ>[プロジェクト]パネル>[追加]
  3. ファイルの種類でNavisworksキャッシュ(*.nwc)を選択し、保存したnwcファイルを選択して開く
    Navisworks
  4. [N]>[名前を付けて保存]でNWFファイルを保存。
  5. [ビューポイント]タブ>[3D View]>[{3D}]でRevitのビューが転送されていることを確認してください。
    ビューを選択
Revitで作成された3Dビューがすべて転送されています。

スイッチバック

それではNavisでデータを選択し、該当する要素をRevit上でもスイッチバックを使って選択してみます。画面の左右にRevitとNavisworksを表示してみてください。

  1. Revitで[アドイン]タブ>[外部]パネル>[外部ツール▼]>[Navisworks SwitchBack 2020]
    スイッチバック開始
  2. Naviswrksで[ホーム]タブ>[選択と検索▼]>[第一オブジェクト]。選択レベルの設定は非常に重要で、ここを間違えるとスイッチバックできない場合があります。
    選択レベルの変更
  3. Navisworksで任意の要素を選択(この図では屋根を選択)
    Navisworksで屋根を選択
  4. Navisworksで[項目ツール]タブ>[スイッチバック]タブ>[スイッチバック]
    Navisworksでスイッチバック
  5. RevitにNavisworks SwitchBackという3DビューがNavisworksと同じ角度(縮小率は異なります)で作成され、屋根が選択されています。
    スイッチバック!
  6. Navisworksでビューを回転し、ほかの要素を選択してスイッチバックしてみる。
    いろいろな要素でスイッチバックしてみる
要素を選択してスイッチバックすれば、Revitでどこを修正するべきかすぐにわかります。

ビューを変更してスイッチバック

  1. Navisworksで[ビューポイント]タブ>[保存・ロード・再生]パネルで任意の3D ビューを選択する。
  2. Navisworksで何かの要素を選択して[項目ツール]タブ>[スイッチバック]
  3. RevitのNavisworks SwitchbackのビューがNavisと同じ画角になることを確認してください。
    Navisと同じカメラがRevitに

スイッチバックとビューポイントを組み合わせることで迅速に対応する要素を発見・選択することができます。