2013年6月15日土曜日

平面図の描画システム(3)

ちょっとでも引っかかっていれば描画

前回の最後で、FLより低い庇がなぜ表示されるのか?という話をしたのですが、実はこの庇、屋根カテゴリなのですが、頂上部がわずかにFLより上にあり、メイン範囲に「チップ」しているのです。
メイン範囲に庇の頂部がわずかにかかっていると・・・
平面図に表示される

この屋根の頂部をFL±0ぴったりにした場合、庇は表示されなくなります。
庇頂部をFL±0にすると

庇はメイン範囲外になり表示されない
壁をFL~FLで作成してしまい、上のレベルの床に壁が「めり込んで」しまうことはよくありますが、このような場合でも、上の階の平面図には、下の階の壁は表示されません。
青でかこんだ壁は上部が2FL±0だが、2FLの平面図には表示されていない

平面図の描画対象となる要素は、メイン範囲の中に要素の一部が入っていなければなりません。

メイン範囲の要素

メイン範囲の要素を簡単に把握する方法があります。3Dビュー(アイソメ)を開き、ビューキューブを右クリックし、[ビューの向きに]-[平面図]-[2FL(目的の平面図ビュー名)]と選択すると、
3Dビューが断面BOXで切断されます。これは「メイン範囲」を示しています。
メイン範囲に断面BOXが設定される
しかしながらこれは「目安」でしかありません。庇は頂部のみがメイン範囲に入っていますが、実際にはすべてが描画されますから、描画される要素がすべて表示されているわけではないので注意が必要です。
庇はすべてが描画されるので、表示対象はこんな感じ?
しかしこのビューをよく見てください。バルコニーの床がありません。メイン範囲に「チップ」すらしていないのですが、平面図には表示されています。
右端のバルコニー(手すりは非表示にしています)床が表示されている

包絡に引き続き、ビューの描画システムにも「例外」が存在します。次回はこれらの例外についてのお話です。