2020年7月18日土曜日

スコープボックス(1)

通芯・レベルのグルーピング

増築などで既存棟に隣接して新棟を計画するときなど、既存棟の通り芯・レベルの情報を図面に表示したくない、という場合にはスコープボックスが役に立ちます。
次の図のように二つの建物が隣接しているとき、A棟の図面にB棟の通り芯とレベルを表示しないようにします。
A棟にはB棟の通り芯を表示したくない

手順1:スコープボックスの定義

  1. 表示タブ>作成パネル>スコープボックス
  2. 2点をクリックしてA棟を囲むスコープボックスを作成
    • スコープボックスは名前の通りボックス形状をした3D範囲です。
  3. プロパティウィンドウで名前を「A棟」とする。
  4. 同様にB棟のスコープボックスを作成する。
    コーナー(矢印)をクリックしてスコープボックスを作成

手順2:通り芯の関連付け

  1. A棟の通り芯を選択。
  2. プロパティウィンドウでスコープボックスの値を「A棟」に設定
    作成したスコープボックスに通り芯を関連付ける
  3. 同様にB棟の通り芯を選択し、プロパティウィンドウでスコープボックスの値を「B棟」に設定。

手順3:スコープボックスをビューに関連付け

  1. スコープボックスを作成したビューを複製して、A棟、B棟用の平面ビューを作成する。(スコープボックスを作成したビューは保存しておきます。)
  2. 平面図 A棟 1階を開き、プロパティウィンドウでスコープボックスの値を「A棟」に設定。
  3. 同様に平面図 B棟 1階のスコープボックスを「B棟」に設定。
    ビューにスコープボックスを関連付け

手順4:スコープボックスの表示状態を設定

  1. 平面図 全体(スコープボックスを作成したビュー)を開き、A棟のスコープボックスを選択。
  2. プロパティウィンドウでビューの表示の編集ボタンをクリック。
  3. 平面図 B棟 1階の優先を非表示に設定。
    優先設定を非表示に
  4. 同様にB等のスコープボックスを平面図A棟1階で非表示に設定。
  5. 平面図 A棟 1階を表示して状態を確認。
    A等の通り芯のみが表示されています。

同様に他の階のビューにもスコープボックスを適用して、スコープボックスのビューの表示を設定します。

範囲の調整

ビューにスコープボックスを設定すると、ビューはスコープボックスの範囲でトリミングされ、一般的なトリミングは利用できなくなります。範囲を調整するにはスコープボックスの範囲を修正します。
  1. 平面図 全体 1階を開き、スコープボックスの範囲を修正
    スコープボックスの範囲を修正
  2. スコープボックスを適用した、すべての階のビューで範囲が修正されていることを確認する。
    スコープボックスを適用したすべてのビューが更新される
スコープボックスを使用すれば、各階のビューのトリミング範囲を一致させることも容易です。