2025年5月11日日曜日

建築工事標準詳細図(2-11) ~幅木

製図ビューの縮尺を変更しました

建築工事標準詳細図シリーズ第6回はシート番号2-11の幅木をいろいろと作成してみました。

幅木のモデル

ですがその前に、今まで作成した製図ビュー(詳細図)の縮尺が間違っていたことに気が付きました。1/10で作成していた製図ビューをすべて1/5に修正して再度シートにレイアウトしていますのでサンプルプロジェクトをダウンロードしてご確認ください。

尺度を修正してシートを再作成しました
サンプルプロジェクトのダウンロード

幅木

幅木は壁スイープ/リビールで作成しています。壁のスイープ/リビールは立面ビュー、断面ビュー、3Dビューでしか作成することはできないなど不便な面もありますが、一方で開口部(ドア、窓など)によって壁と一体で切り欠かれ、インスタンスパラメータ"長さ"も開口部をひき去った値となるなど便利な面も多々あります。

ビニル幅木の例

入り幅木

②の「ビニル床シート立ち上げ幅木」は壁の仕上面から壁内に入り込む入り幅木の形状になっています。

10mm入り込んでいる幅木

この形状はスイープとリビールを使って作成できます。リビールで壁を削っておいて、同じ位置にスイープを配置します。
スイープとリビールの合わせ技で

スイープのジオメトリの位置をオフセットするために、インスタンスパラメータ"側面オフセット"を調整します。
側面オフセットでジオメトリの位置を調整

木製幅木

④の木製幅木は壁仕上面と同面で幅木を納めて、8㎜の目透かしを取っています。

目透かし8mmをモデリングするのか?

これをモデリングするにも、リビールで壁の裾を切り欠いたうえで、スイープで幅木を作成すればよいです。
こんなこともできるが、やりすぎかも。。。

ただ、実際にここまで凝ったモデルを作ると修正手間も大変なので、リビールは省略して、ディテールシートと合わせて運用するのが現実的かもしれませんね。

プロファイル

スイープもリビールもプロファイルが必要です。今回作成したプロファイルは以下のファミリです。


このうち2-02のプロファイルの用途が「壁の化粧目地」で


その他は壁のスイープです。


こうしてプロファイルの用途を限定しておくと、設定時に比較的簡単に目的のプロファイルを発見できます。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください

2025年5月4日日曜日

建築工事標準詳細図(2-02)~石と打放し

石と打放しのおさまり

建築工事標準詳細図(2-02)は外壁と内壁の石のおさまりと、コンクリート打放し用の各種の目地について記載されています。

石のおさまりと打放しの納まり

サンプルプロジェクトのダウンロード

今回も製図ビューと、対応する壁タイプを作成しています。

壁の領域分割・結合とリビール

壁タイプ「2-02-13 吸音材の上ガラスクロス張り」は、下端が入り幅木のようなおさまりになっています。

-13 吸音材の上ガラスクロス張り

これを実現するにはいくつかの方法がありますが、今回はH=100 と想定して

  • 壁のリビール
  • 壁の領域分割と結合

の合わせ技で実装しました。

壁のリビールだけだと?

吸音材の厚さが25mmなので100mmx25mmのプロファイル「ボイド幅木:100x25」を作成してプロジェクトにロードします。

リビール用のプロファイル

次に壁タイプのアセンブリを編集ダイアログボックスで、ビューを断面に設定し[壁リビール]ボタンをクリックして、プロファイル「ボイド幅木:100x25」を外側下端に配置します。

壁の下端にリビールを追加する

この状態では断面はいいのですが、3Dビューで見るとリビールした部分の仕上が吸音材のマテリアルが表示されます。

矢印の位置のマテリアルが??

これは仕上の吸音材のレイヤをリビールしたので、「薄皮1枚」だけ吸音材が表示されているということだと思われます。

そこで、いったんリビールを解除して、仕上レイヤの領域を下端から100mmで分割し、構造体と結合しコンクリートのマテリアルを割り当てたうえでリビールを配置すれば見た目も問題ありません。

  1. 壁のアセンブリを編集ダイアログボックスを開く
  2. プレビューで断面を表示
  3. [壁リビール]ボタンを押して、壁のリビールを削除
  4. [領域を分割]ボタンをクリックし、仕上のレイヤを下端から100mmで分割
    外面をマウスでなぞって仮寸法が100になったらクリック

  5. [領域を結合]ボタンをクリックし、仕上と躯体の境界上にマウスを移動し、アイコンが左向きの矢印になったらクリックし、構造レイヤと結合する。

  6. このようになる

  7. [壁リビール]ボタンを押して、再度壁のリビールを設定

こうすると、幅木の部分に構造体レイヤのマテリアルが表示されます。
幅木部分に構造体のマテリアルが表示される


この場合、高さはH=100、かつ仕上レイヤの厚さ=25に固定されますが、メンテナンスなしでこの形状を保ってくれるので、高さや仕上レイヤの厚さが一律であれば便利な機能です。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください