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2018年7月1日日曜日

窓ファミリ作成チュートリアル(10)~障子2

ファミリテンプレート

ベースとなるファミリが作成できたらこれをファミリテンプレートにします。ファミリテンプレートを作成するのは驚くほど簡単で、拡張子rfaをrftに変更するだけです。
拡張子をrftにするだけでファミリテンプレートに!
このファミリテンプレートを使って、FIX窓を作成します。

障子の作成

まずは参照面をつかって、ガラスの範囲と、障子芯を作成します。
  1. [R(ファイル)]>[新規作成]>[ファミリ]
  2. 作成した障子.rftを指定して開く。
  3. [立面図]>[正面]を開き、下の図のように参照面を有効WHの内側に3本作成して、寸法を作成しロックする。平面ビューの切断位置が+1200なので、高さは1200以上取るようにします。
    参照面を作成して寸法でロック
  4. [平面図]>[参照レベル]
  5. 障子(ガラス)の芯として、下の図のように参照面を作成し寸法でロック。
    障子(ガラス)芯を参照面で作成し寸法でロック
  6. [立面図]>[右]
  7. [作成]タブ>[フォーム]パネル>[押し出し]
  8. 上部に下の図のようにスケッチラインと寸法を作成する。参照面にはロックし、幅は障子芯の前後に15mmのラインを作成し寸法を使ってロック。
    上部框のスケッチ
  9. 同様に下框もスケッチする。
    下框のスケッチ
  10. [モード]パネル>[✔編集モードを終了]
  11. [立面図]>[正面]
  12. 上下框の左右を一番端の参照面にロック。
    框の両端を参照面にロック
  13. サブカテゴリを「フレーム/マリオン」に設定し、マテリアルを[マテリアル_障子]に関連付ける。
  14. [平面図]>[参照レベル]を開き、同様に左右の框を押し出しで作成。
    左右の框を押し出しで作成
  15. [立面図]>[正面]で高さを上下の框の内法にロックする。
    上下をロック
  16. 作成した上下左右の框を選択し、[モード]パネル>[表示設定]で下の図のように設定。
    フォームは前後(立面)以外は表示しない

平面・断面の表示を作成する

フォームは平面・断面では表示しない設定にしたので、マスキング領域を利用して框の平面表示と断面表示を作成します。
  1. [平面図]>[参照レベル]
  2. [作業面]で[参照面:下]を選択。
  3. [注釈]タブ>[詳細]パネル>[マスキング領域]
  4. サブカテゴリを「フレーム/マリオン」に指定して、左右の框をスケッチして、参照面とフォームにロックする。
    左右の框をマスキング領域で作成する
  5. [モード]パネル>[✔編集モードを終了]
  6. 作成したマスキング領域を選択し、[モード]パネル>[表示設定]で下の図のように設定。
    インスタンスが切断された場合のみ表示に✔
  7. [立面図]>[右]を選択して、同様にマスキング領域を作成する。
    上下の框をマスキング領域で表現

ガラス

ガラスはいろいろ話しだすと長くなるので、詳細はドアのチュートリアルにゆずり、ガラスの部品をロードして使用します。
Google Drive
A360 Drive
  1. [挿入]タブ>[ライブラリからロード]パネル>[ファミリをロード]で、ダウンロードした窓_ガラス.rfaをロード。
  2. [平面図]>[参照レベル]
  3. [作成]タブ>[モデル]パネル>[コンポーネント]
  4. タイプセレクタで「窓_ガラス」を選択。
  5. プロパティウィンドゥで[高さ]を1500に指定して、画面内をクリックして配置。
  6. 左右のハンドルをドラッグして、内側の参照面にロック。
    ガラスの左右端を参照面にロック
  7. [表示]タブ>[作成]パネル>[断面]で、断面図を作成し表示する。
    断面図を作成
  8. 上下のハンドルをドラッグして、参照面にロック。
    上下の参照面にロック
  9. ガラス芯を参照面に位置合わせしてロック。
  10. プロパティウィンドゥで[反転表示]を、インスタンスパラメータ[反転表示]を作成して関連付ける。
    反転表示を関連付ける
  11. 窓_ガラスを選択し、[タイプ編集]で「マテリアル_ガラス」を「マテリアル_ガラス」タイプパラメータを作成して関連付ける。
    マテリアル_ガラス

ガラスの線

ガラスの線は窓_ガラスファミリに単線で作成されていますが、ネストにする場合はその描画条件のレベルを框と合わせておく必要があります。

  1. [平面図]>[参照レベル]
  2. [作業面を編集]で[参照面:下]を選択。
  3. [注釈]タブ>[詳細]パネル>[シンボル線分]
  4. サブカテゴリで「ガラス[切り取り]」を指定して、ロックをかけながら、ガラスの線を作成する。
    ガラスの詳細線分を作成
  5. 作成した線分を選択し、[モード]パネル>[表示設定]で下の図のように設定。
    インスタンスが切断された場合のみ表示に✔
  6. [立面図]>[右]
  7. [作業面を編集]で[参照面:中心(左/右)]を選択。
  8. 同様にガラスに線を作成しロック、表示設定を行う。


これでFIX窓ができました。サイズを変更してふるまいをチェックしてください。

同様の方法で、様々な種類の障子を作成します。



2018年4月29日日曜日

窓ファミリ作成チュートリアル(1)

窓をつくる

ファミリ作成チュートリアル第2弾として、窓枠を作ってみます。RC枠、ALC枠、つらいち納まりの枠を作りましょう。窓は複雑なファミリですが、部品に分ければそれぞれはそれほど複雑ではありません。まずは共通部品として

  • 窓枠
  • 水切
  • 額縁

の順に部品を作成してみましょう。

窓枠

枠だけのファミリを作成します。

パラメータの準備

  1. [ファイル]タブ>[新規作成]>[ファミリ]
  2. 「一般モデル(メートル単位).rft」を選択
  3. [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリカテゴリとパラメータ]でファミリカテゴリから「窓」を選択しOK。
    ファミリカテゴリとパラメータ
  4. [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]
  5. [新しいタイプパラメータ]ボタンを押して、新たにタイプパラメータを作成し、値を設定し、ロックします。
    • 枠見付上:35
    • 枠見付下:60
    • 枠見付左右:35
    • 枠見込:70
      [新しいパラメータ]ボタン
  6. パラメータの表示順序もわかりやすく並べ替えましょう。
    タイプパラメータを追加し、値を設定してロックする
  7. OK
  8. [管理]タブ>[設定]パネル>[オブジェクトスタイル]
  9. [投影]の太さをすべて 1 とする。
    オブジェクトスタイル
  10. [OK]
  11. 名前を「窓枠.rfa」として任意のフォルダに保存する。

参照面とパラメータの割り当て

参照面を作成して、作成したパラメータを割り当てます。

  1. [平面図]-[参照レベル]ビューを開く。
  2. [作成]タブ>[基準面]パネル>[参照面]
  3. 下の図のように参照面を作成し、寸法を作成する。
    参照面を作成する
  4. 寸法を選択し、[修正|寸法]タブ>[寸法にラベルを付ける]パネル>[ラベル]から下の図のようにラベルを選択する。
    寸法にラベルを追加
  5. [立面図]>[左]ビューを開く(左側が平面図の上になる)
  6. 平面図と同様に、下の図のように参照面を作成し、寸法を作成し、ラベルを作成する。また、有効開口上を示す参照面は作業面として利用するために名前「有効開口上」をつける。
    • 参照面の名前について
      • 参照面に名前をつけると、作業面として利用できるようになります。
      • 識別を容易にするために、作業面として使う見込みがなくても、できるだけ名前を付けておくことをお勧めします。
  7. [ファイル]タブ>[保存]

フォームの作成

参照面を使って枠のフォームを作成します。フォームの形状は「おさまりが検討できる」ことを基本に考えて、枠の外形線を基本に抽象化します。
  1. [平面図]-[参照レベル]ビューを開く。
  2. [作成]タブ>[フォーム]パネル>[押し出し]
  3. [修正 作成 | 押し出し]タブ>[描画]パネルから適切なツールを選択し、下の図のようにスケッチラインを作成して、参照面にロックします。
    スケッチラインを参照面にロックすることが重要です。
  4. プロパティウィンドウで、[サブカテゴリ]を[フレーム/マリオン]
  5. [マテリアル]の関連付けボタンをクリックし、「マテリアル 枠」というタイプパラメータを作成する。
    マテリアルの関連付け
  6. [修正 作成 | 押し出し]タブ>[モード]パネル>[編集モードを終了]
  7. [立面図]-[正面]を表示する。
  8. 作成したフォームを選択し、形状ハンドルをドラッグして、下の図の矢印で指し示した参照面にロックする。
    確実にロックしましょう
  9. [立面図]-[左]を表示する。
  10. [作成]タブ>[フォーム]パネル>[押し出し]で、下の図のように上枠をスケッチし、参照面にロックする。
    上枠
  11. さらに下の図のように下枠をスケッチする。まず、左側に15mmの線を作成し、寸法をつけてロックする。
    寸法でロックする
  12. その後、下と右を作成して参照面にロック。
    下と右を追加して参照面にロックする
  13. [修正]パネル>[位置合わせ]で、右の長い線の先端を、レベルと重なっている参照面にロックする。(①→②の順に選択)
    [位置合わせ]を使ってスケッチラインの端部②を参照面①にロック
  14. 最後に斜めの線を作成する。
    斜めの線が最後
  15. プロパティウィンドウで、[サブカテゴリ]を[フレーム/マリオン]
  16. [マテリアル]の関連付けボタンをクリックし、「マテリアル 枠」というタイプパラメータを選択する。
  17. [修正 作成 | 押し出し]タブ>[モード]パネル>[編集モードを終了]
  18. [立面図]-[正面]を表示する。
  19. 作成したフォームを選択し、形状ハンドルをドラッグして、下の図の矢印で指し示した参照面にロックする。
    形状ハンドルをドラッグして左右の参照面にロック
  20. [ファイル]>[保存]

平面図と立面図での表示

フォームは抽象化されているので、図面表記にふさわしい表示とするために、シンボル線分を利用し、平面図や立面図では一部のフォームを非表示に設定します。
  1. [平面図]-[参照レベル]ビューを開く。
  2. 左右のフォームを選択し、[修正|フレーム/マリオン]タブ>[モード]パネル>[表示設定]
  3. [平面図/天井伏図]と[平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)]のチェックを外してOK。
    [表示設定]
  4. [注釈]タブ>[詳細]パネル>[マスキング領域]
  5. [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]で「フレーム/マリオン[切り取り]」を選択
  6. 下の図のようにスケッチを作成し、参照面にロックする。一部は寸法を使ってロックする。
    マスキング領域
  7. [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]で「<非表示>」を選択し、残りの部分に線を作成する。
    <非表示>でスケッチ
  8. 右側にも同様にスケッチを作成する。
  9. [モード]パネル>[スケッチを終了]
  10. [モード]パネル>[表示設定]
  11. [インスタンスが切断されたときのみ表示]にチェック(これをチェックしないと、描画範囲に入ったらいつでも切断されていなくても表示されてしまいます。)
    表示設定
  12. [立面図]-[左]を表示する。
  13. 上下枠のフォームを選択し、[モード]パネル>[表示設定]
  14. [前/後]を除くすべてのチェックを外しOK。
    表示するのは前後だけ
  15. 4~9の手順で下の図のように上枠と下枠にマスキング領域を作成する。
    マスキング領域

  16. 作成したマスキング領域を選択し、11と同様表示設定を行う。
  17. [平面図]-[参照レベル]を表示する。
  18. [作成]タブ>[作業面]パネル>[セット]で[レベル:参照レベル]を選択。
  19. [注釈]タブ>[詳細]パネル>[マスキング領域]
  20. [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]で「フレーム/マリオン[投影方法]」を選択。
  21. 下の図のように下枠の見えかかりを作成する。
    スケッチラインは参照面に確実にロックする
  22. プロパティウィンドウで[前景で表示]のチェックを外す。前景で描画の説明はこちらを参考にしてください。
    前景で描画をOFF
  23. 保存する。

◆なぜマスキング領域を作成するのでしょうか?◆

窓カテゴリは平面図の表示がちょっと特別なカテゴリで、切断面よりも上にある要素でも平面図上に表示されしまいます。つまり平面図上に上枠が表示されてしまうのです。
そうなると、上枠と下枠の間にある障子が、上枠に隠れて表示されないことになります。そこで、上枠と下枠のフォームを平面図では非表示とし(手順13~14)、マスキング領域を作成し障子が表示されるようにしてみました。
枠.rfa

テスト

作成した枠をプロジェクトにロードして表示をチェックします。平面図・断面図・立面図・天井伏図で表示を確認してください。最初はFL±0で挿入されるので、オフセットの値を900程度にして、平面図や天井伏図の切断面にかかるようにしてチェックしてください。
平面図
断面図
また、枠見込や幅、高さのタイプパラメータを変更して振る舞いが正しいかどうか確認してください。

次回は水切の作成です。