2014年1月19日日曜日

カーテンウォールと手摺

「カーテンウォール」と「手摺」

下の図はバルコニー手摺を「カーテンウォール」と「手摺」で作成した事例です。
手摺で作成
カーテンウォールで作成
結果としてはほとんど変わりませんが、そのモデリングの手法は大きく異なります。

「手摺」はパネル型は苦手なのか?

手摺は大まかに
  1. パネル型
  2. 竪格子型
  3. ルーバー型(横格子型)
に分かれますが、Revitの手摺は主に2と3のタイプを作成することを得意としています。カーテンウォールのパネルはグリッドに合わせて伸縮しますが、手摺の場合パネルは固定幅なので、あらかじめ割り付けを考慮してパネルを決める必要があるからです。特に端部で生じがちな端数間隔の場合、パネルを適正に配置するのは一工夫必要です。
端部のパネルがはみ出した手摺
しかしながら、「手摺」の場合、トップレールの端部を延長したり、ダブルレールにしたりと、手摺ならではの便利な機能もたくさんあります。
手摺端部を変形し、補助手摺を追加した例

「手摺」でパネル型の手摺を作成することは難しいのでしょうか?いくつかの例を見ながらパネル型の手摺を効率的に作成する方法を考えます。

手摺の基本

「手摺」はパーツの組み合わせです。プロパティダイアログの用語がよくわからないものが多いので絵で説明しましょう。
タイプパラメーターと部材の関係

手摺の主たる部材は次の5つです。

  1. 上部手すり
  2. 手すり1
  3. 手すり2
  4. 手すりの構造(非連続)
  5. 手すり子

いちおう「手すり」といえば横部材、「手すり子」といえば竪部材と訳しているようですが、非常にわかりにくいです。特に注意すべきは4の手摺の構造(非連続)です。

手すりの構造(非連続)??

(非連続)などと余計な訳語がついているのでわかりにくさが倍増しているのですが、これは非連続どころか手摺の存在範囲に連続して存在する「スイープ」です。このボタン押すと次のようなダイアログボックスが表示され、形状(プロファイル)、引き伸ばす位置(高さ・オフセット)を定義することができます。
スイープ用のプロファイルを定義する
上の図の水色の部材はCircular Handarail:25mmの形状がそれぞれの高さで6本スイープされていることがわかります。上の図で水色の横部材が6本あることを確認してください。

手摺を構成する部材のうち、手で握る部分を除く水平部材はこのダイアログで定義します。手摺は一般に水平に一定の形状を引き伸ばす部材が存在します。上の図でいうと水色の部分であり、最初のバルコニー手摺でいえば
水色の部分が「手すりの構造(非連続)」
の水色の部分です。この水平部材をうまく使えばパネルタイプの手摺も作成できるはずです。次回は強化ガラス手摺を作成しながらこの「手すりの構造(非連続)??」を活用する方法を探ります。


2014年1月4日土曜日

カーテンウォール(5)~手摺とカーテンウォール

手摺もカーテンウォールで!?

Revitには手摺という要素が存在しますが、場合によってはカーテンウォールで作成したほうがうまくいく場合もあります。下の図はマンションでよく見かけるタイプのバルコニー手摺ですが、カーテンウォールで作成しています。
カーテンウォールで作成したバルコニー手摺
このグリッドとパネルの関係はどうなっているのでしょうか?

解体してみると・・・

まずグリッドですが、立面で見てみると下の図のようになっています。
グリッドの状況
一部拡大してみます。
手摺と支柱(マリオン)、パネルを考慮しグリッドを作成
一見面倒に見えますが、グリッドは自由に作成できるので、あとからどんどん追加したり削除したりできます。
この手摺ではマリオンは4種類、パネルは3種類使用しています。
パネルはカーテンパネル・壁・空のパネルの3種類
カーテンウォールはパネルに標準壁を含めることができます。この図の水色の部分は厚さ150mmの壁を割り当てています。また、「空のパネル」を使って空白部分を作成しています。
ピンク:空のパネル 薄水色:壁

空のパネルはMetric Libraryにあるのでいろいろな場面で活用を検討してみてください。
空のパネル

手摺とカーテンウォールの使い分け

このようにカーテンウォールで手すりを作成するメリットは

  1. パネルが伸縮する
  2. 面積境界として認識される

という点です。手摺は手摺子を指定したルールに沿って配分することを目的としています。パネルの部分も手摺子として扱うので、固定幅となります。したがって、支柱の間隔に合わせていろいろな幅のパネルを用意する必要があります。
手摺のパネルは伸縮しない
カーテンウォールの場合、グリッドに合わせてパネルが伸縮するので、比較的自由かつ直感的にに割り付けを行うことができます。
カーテンパネルはグリッドに合わせて伸縮する
パネル型の手摺では多くの場合、端部に余白が生じます。手摺のパネルは固定幅なので、この余白をフレキシブルに埋めることができません。一方、カーテンウォールのパネルはグリッドに沿って伸縮するので、この余白を適切なパネルで埋めることができます。

手摺とカーテンウォールの特性をよく理解して使い分けてください。