2026年4月26日日曜日

IFCのパラメータマッピング

Pset_Common

IFCには「Pset_〇〇Common」という標準パラメータがあります。

例:

Pset_WallCommon

Pset_DoorCommon

多くのパラメータが定義されていますが、Revitの既定のIFCエクスポータで出力されるパラメータもあれば、出力されないパラメータもあります。このような既定の機能では出力されないパラメータを出力するにはマッピングファイルを利用します。この具体的な方法を壁を例に解説します。

Pset_WallCommonの既定の出力

Pset_WallCommonの次のパラメータは、既定のエクスポータで出力されます。ただし、値が空だとパラメータ自体が出力されないので、関連するパラメータにできるだけ値を設定しましょう。(T=タイプパラメータ、I=インスタンスパラメータ)

IFC Revit 備考
Reference タイプ名(T) 文字
FireRating 耐火等級(T) 文字
ThermalTransmittance 熱伝達係数(T) 熱伝達係数 構造マテリアルの断熱情報
LoadBearing 構造(I)&構造用途(I) はい/いいえ 構造用途が"支持"のとき"はい"
IsExternal 機能(T) はい/いいえ "外部"のとき"はい"
ExtendToStructure はい/いいえ 上部がアタッチされていたら"はい"

Navisworksで確認すると次のようになっています。

Pset_WallCommon(IFC Type)

Pset_WallCommon

パラメータマッピングの手順

他の標準パラメータを出力するには、

  1. RevitにIFCパラメータ用のパラメータを準備
  2. マッピングファイルを作成
  3. マッピングファイルを使ってIFC出力
をする必要があります。今回はPset_WallCommonのうち
  • AcousticRating(文字):遮音等級
  • Compartmentation(はい/いいえ):防火区画
を追記し、
  • ExtendToStructure(はい/いいえ)
を上書きしてみます。

RevitにIFC用パラメータを追加

IFC用のパラメータをプロジェクトに追加します。用意するのは次のパラメータです

パラメータ名 T/I 対応IFCパラメータ
IFC_遮音等級 T 文字 AcousticRating
IFC_防火区画 I はい/いいえ Conpartmentation
IFC_上部接続 I はい/いいえ ExtendToStructure

これをプロジェクトパラメータとして、壁カテゴリ、IFCパラメータグループに追加します。共有パラメータである必要はありません。

管理タブ>プロジェクトパラメータ

そして、壁を選択してこれらの値を設定しておきます。

壁のインスタンスパラメータ

壁のタイプパラメータ

マッピングファイル

マッピングファイルの書式は

IFCのPset名(TAB)IFCパラメータ名(TAB)Revitパラメータ名

です。TAB区切りテキストファイルで文字コードは"UTF-8(BOM付)"です。とりあえずExcelで次のように編集します。パラメータ名は「完全一致」ですので、大文字小文字全角半角が完全に一致するように慎重に設定します。
Excelで編集すると楽です

これを"テキスト(タブ区切り)(*.txt)"として名前を付けて保存します。

タブ区切りテキストで保存する

つぎに、保存したテキストファイルをメモ帳で開き、名前を付けて保存からエンコードをUTF-8(BOM付)の変更して同じ名前で上書き保存しましょう。(パラメータ名に日本語を使用している場合はBOM付にしておいた方が文字化けの危険を避けることができます。)
エンコードを変更

マッピングファイルを使って出力

では、準備ができたのでRevitからIFCファイルを出力します。
  1. ファイル>書き出し>IFCで[設定を変更...]ボタンをクリック
  2. コピー元の設定(ここでは例として<IFC4 Reference View [建築]設定>を使います)を選択し、[選択した設定に基づいて新しい設定を作成します]ボタンをクリック、任意の名前を設定してOK

  3. プロパティセットタブの[パラメータマッピングテーブルを書き出し]の[参照]ボタンをクリックして、作成したマッピングファイルを選択します。
    パラメータマッピングファイルを指定する

  4. OK>書き出し
出力されたIFCファイルをNavisworksなどで開いて、パラメータを確認します。

Pset_WallCommon


Pset_WallCommon(IFC Type)

どんなときに使う?

このようにマッピングファイルを使うと、割とお手軽に標準パラメータセットを上書きできます。標準パラメータだけではなく、独自のPsetをマッピングファイルで出力することもできますが、独自のPsetの場合は、集計表を使ったほうが結果を目視できるし、結合パラメータや計算式や条件式も使えるので、集計表のほうが断然おススメです。
パラメータマッピングは標準パラメータの上書きが主たる目的になりそうですね。