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2026年6月13日土曜日

IfcSpaceは使えるぞ!

Formaでは表示されない部屋の属性

RVTデータをFormaにアップロードしてビューアで見るとき、いつも困るのが「部屋」の情報が一切表示されないことです。部屋には仕上の情報その他、重要な属性が含まれているのになぜかFormaで表示することはできません。

ところがIFCに変換してFormaで閲覧すると、部屋の情報をIfcSpaceとして部屋形状と属性を出力・表示することができるのです。

サンプル意匠.rvtを使って、早速やってみましょう。

手順1:Pset集計表の作成

まず、出力用の集計表を作成します。

部屋カテゴリ、名前を"Pset_仕上表"として、次のフィールドを追加します。

仕上情報として出力したいフィールドを追加する

並べ替えは特に必要ありませんが、一応レベル、番号の順にしておきます。

並べ替えは必須ではありません。
重要なのは「書式」タブの「見出し」です。この「見出し」がIfcSpaceのプロパティ名となります。見出しが重複しないように一意の名前を付けてください。

見出し名=プロパティ名

OKして出来上がった集計表を確認してください。

手順2:IFCに出力する

2026までは、IFC出力設定の「プロパティセット」タブで、

  • 集計表をプロパティセットとして書き出し
  • タイトルにIFC、Pset、Commonが含まれる集計表のみを書き出し

にチェックを入れます。

~v2026

Revit2027では、プロパティマッピングの[...]ボタンで、任意の集計表を直接指定します。また、プロパティ名もこのダイアログボックスで編集することができます。

v2027のプロパティマッピング

エリアは出力しない

IfcSpaceには部屋のほかにエリアと、設備のスペースが含まれます。エリアとスペースを出力しないようにしておくことがポイントです。

IFC出力設定の[一般]タブのカテゴリマッピングの[...]を押して、

意匠モデルではエリアとスペースのチェックを外しておきます。MEPモデルでは部屋とエリアのチェックを外すとよいでしょう。

意匠ではエリアとスペースは出力しない
MEPでは部屋とエリアを出力しない

Formaで見てみる

この状態で作成したIFCをFormaにアップロードしてビューアで表示し、モデルブラウザを見てみると、ちょっとわかりにくいですが部屋のプロパティが表示されます。

FormaでSpaceが表示される

BIMvisionで見てみる

BIMvisionで見るともっとわかりやすいです。

BIMvisionでの部屋の表示

IFCを活用すれば、部屋の情報をビューアで直接読み取ることが可能になります。

2026年5月23日土曜日

IFC座標基底

座標系の変更ができる

RevitのIFC出力では出力時の座標基準が選択できます。

  • 共有座標
  • 測量点
  • プロジェクト基準点
  • 内部原点
  • 真北に向けられたプロジェクト基準点
  • 真北に向けられた内部原点

これはIFC出力設定の地理的参照タブの座標基底から選択できます。

座標基底

それぞれ、どのような結果になるのか、次のような簡単なプロジェクトを出力して確認してみます。10m角の壁だけがあるプロジェクトです。

4隅に内部原点、測量点、プロジェクト基準点、共有座標原点を配置

検証にはBIMvisionを用いています。(Navisworksはいろいろと気を利かせて補正が入ってしまうからです。)

内部原点

真北の影響:なし

右上の2通りとB通りの交点を原点(0,0,0)として、プロジェクトの北に正対して出力されます。

内部原点


プロジェクト基準点

真北の影響:なし

BIMvisionで「プロジェクト原点」と「内部原点」を読み込んで重ねてみました。真北の越境を受けずにプロジェクトの期待に正対しています。「プロジェクト基準点」で出力すると任意の位置に座標原点(0,0,0)を移動できることがわかります。

内部原点とプロジェクト基準点

共有座標

真北の影響:あり

共有座標の原点は1通り-B通りの交点(左上)です。この点がIFC上の原点になっています。共有座標は真北を上にして出力されています。

内部原点と共有座標

測量点

真北の影響:あり

測量点は2通りとA通りの交点(右下)です。やはり真北の影響を受けていますね。

内部原点と測量点

真北に向けられたプロジェクト基準点

真北の影響:あり

プロジェクト基準点は1通りとA通りの交点(左下)です。こちらも真北の影響を受けています。

内部原点と真北に向けられたプロジェクト基準点

真北に向けられた内部原点

真北の影響:あり

内部原点は2通りとB通りの交点(右上)です。これも名前の通り真北の影響を受けています。

内部原点と真北に向けられた内部原点

しかし結局のところ「共有座標」が最強

座標基底が自由に選択できるのは素晴らしいのですが、これはIFCを受け取る側の座標の解釈に依存しています。少なくともIFC4x3の形式で、Autodesk FormaやNavisworksでこのIFCを受け取る場合は、共有座標で配置されます。

サンプル意匠でのIFC出力設定の地理的参照タブ

このまま作成したIFCはZ軸で15°回転した状態で作成されます。やはり、特定の位置に共有座標を作成して出力するのがベストです。

次回は「回転」しない、共有座標の設定につて考えてみましょう。


2026年4月26日日曜日

IFCのパラメータマッピング

Pset_Common

IFCには「Pset_〇〇Common」という標準パラメータがあります。

例:

Pset_WallCommon

Pset_DoorCommon

多くのパラメータが定義されていますが、Revitの既定のIFCエクスポータで出力されるパラメータもあれば、出力されないパラメータもあります。このような既定の機能では出力されないパラメータを出力するにはマッピングファイルを利用します。この具体的な方法を壁を例に解説します。

Pset_WallCommonの既定の出力

Pset_WallCommonの次のパラメータは、既定のエクスポータで出力されます。ただし、値が空だとパラメータ自体が出力されないので、関連するパラメータにできるだけ値を設定しましょう。(T=タイプパラメータ、I=インスタンスパラメータ)

IFC Revit 備考
Reference タイプ名(T) 文字
FireRating 耐火等級(T) 文字
ThermalTransmittance 熱伝達係数(T) 熱伝達係数 構造マテリアルの断熱情報
LoadBearing 構造(I)&構造用途(I) はい/いいえ 構造用途が"支持"のとき"はい"
IsExternal 機能(T) はい/いいえ "外部"のとき"はい"
ExtendToStructure はい/いいえ 上部がアタッチされていたら"はい"

Navisworksで確認すると次のようになっています。

Pset_WallCommon(IFC Type)

Pset_WallCommon

パラメータマッピングの手順

他の標準パラメータを出力するには、

  1. RevitにIFCパラメータ用のパラメータを準備
  2. マッピングファイルを作成
  3. マッピングファイルを使ってIFC出力
をする必要があります。今回はPset_WallCommonのうち
  • AcousticRating(文字):遮音等級
  • Compartmentation(はい/いいえ):防火区画
を追記し、
  • ExtendToStructure(はい/いいえ)
を上書きしてみます。

RevitにIFC用パラメータを追加

IFC用のパラメータをプロジェクトに追加します。用意するのは次のパラメータです

パラメータ名 T/I 対応IFCパラメータ
IFC_遮音等級 T 文字 AcousticRating
IFC_防火区画 I はい/いいえ Conpartmentation
IFC_上部接続 I はい/いいえ ExtendToStructure

これをプロジェクトパラメータとして、壁カテゴリ、IFCパラメータグループに追加します。共有パラメータである必要はありません。

管理タブ>プロジェクトパラメータ

そして、壁を選択してこれらの値を設定しておきます。

壁のインスタンスパラメータ

壁のタイプパラメータ

マッピングファイル

マッピングファイルの書式は

IFCのPset名(TAB)IFCパラメータ名(TAB)Revitパラメータ名

です。TAB区切りテキストファイルで文字コードは"UTF-8(BOM付)"です。とりあえずExcelで次のように編集します。パラメータ名は「完全一致」ですので、大文字小文字全角半角が完全に一致するように慎重に設定します。
Excelで編集すると楽です

これを"テキスト(タブ区切り)(*.txt)"として名前を付けて保存します。

タブ区切りテキストで保存する

つぎに、保存したテキストファイルをメモ帳で開き、名前を付けて保存からエンコードをUTF-8(BOM付)の変更して同じ名前で上書き保存しましょう。(パラメータ名に日本語を使用している場合はBOM付にしておいた方が文字化けの危険を避けることができます。)
エンコードを変更

マッピングファイルを使って出力

では、準備ができたのでRevitからIFCファイルを出力します。
  1. ファイル>書き出し>IFCで[設定を変更...]ボタンをクリック
  2. コピー元の設定(ここでは例として<IFC4 Reference View [建築]設定>を使います)を選択し、[選択した設定に基づいて新しい設定を作成します]ボタンをクリック、任意の名前を設定してOK

  3. プロパティセットタブの[パラメータマッピングテーブルを書き出し]の[参照]ボタンをクリックして、作成したマッピングファイルを選択します。
    パラメータマッピングファイルを指定する

  4. OK>書き出し
出力されたIFCファイルをNavisworksなどで開いて、パラメータを確認します。

Pset_WallCommon


Pset_WallCommon(IFC Type)

どんなときに使う?

このようにマッピングファイルを使うと、割とお手軽に標準パラメータセットを上書きできます。標準パラメータだけではなく、独自のPsetをマッピングファイルで出力することもできますが、独自のPsetの場合は、集計表を使ったほうが結果を目視できるし、結合パラメータや計算式や条件式も使えるので、集計表のほうが断然おススメです。
パラメータマッピングは標準パラメータの上書きが主たる目的になりそうですね。

追記:Revit2027

Revit2027ではプロパティマッピングは直接書き出し設定ダイアログボックスで指定できるようになりました。
Revit2027



2026年4月19日日曜日

書き出しIFCクラスと定義済みIFCタイプ

IFCパラメータの働きについて

 要素のインスタンスパラメータの"IFCパラメータ"グループには次の4つのプロパティがあります。

インスタンスパラメータ


タイプパラメータにもあります。

タイプパラメータ
このうち"IfcGUID"は自動で割り当てられるので、のこりの3つのパラメータ
  • IFCに書き出し
  • 書き出しIFCクラス
  • 定義済みIFCタイプ
の働きを次のデータで説明します。
Revitのデータ。右の二つのドアは同タイプ
これを普通にIFCで出力するとこうなります。

IFC(Navisworksで表示)

IFCに書き出し(タイプ)

値:「既定」「はい」「いいえ」

既定

"既定"はIFC書き出し設定に従うという意味で最も標準的な書き出し方法です。

いいえ

"いいえ"を選ぶとこのタイプはIFCに書き出されません。片開きドアのタイププロパティ"IFCに書き出し(タイプ)"をいいえに設定すると、このタイプはIFCでは出力されません。

いいえを選ぶとそのタイプは出力されない

はい(≒既定)

"はい"と既定とは実質的にはほとんど変わりません。あまり意味はないので普段は既定でよいでしょう。

書き出しIFCクラス(タイプ)と定義済みIFCタイプ(タイプ)

この情報はIFCに出力後のプロパティ、IFCTypeの IfcClassとPredefinedTypeに相当します。
IFCTypeパラメータセット

特に指定しなくても、Revitの既定のカテゴリマッピング(カテゴリとIFCクラスの紐づけ)が適用されます。定義済みIFCタイプをDoorではなく他のタイプに変更したい場合は、クリックして変更しましょう。


他にも、一般モデルカテゴリでインプレイスファミリを作った場合・・・
一般モデルファミリ

このまま出力するとIfcクラスはIfcBuildingElementProxyTypeになります。
一般モデルをIFC出力

IfcBuildingElementProxyType は「分類できない要素のための“受け皿”」です。Proxy = 代理・代替(=正体がはっきりしないものの仮の表現)なので、受け取り側に意味が伝わりません。このようなファミリはぜひIfcクラスを指定することをお勧めします。

Ifcクラスを指定する

例えばこれが家具だったとします。その場合、"書き出しIFCクラス(タイプ)"をクリックして、IfcFurnitureTypeを指定します。さらにPREDEFINEDTYPEをSOFAなどに指定します。
Ifcクラスを指定しよう

出力すると・・・・
IfcClassが変更された

これでIFCを受け取る側に要素の意味を伝えることができます。一般モデル特殊設備カテゴリおよびインプレイスファミリは特に注意して、きちんとIfcClassを指定しましょう。
ほかにも本来の用途とは異なる使い方をしている要素もIfcClassを指定してください。例えば「サンプル意匠.rvt」では外構のフェンスをカーテンウォールで作成していますが、これがフェンスであることを明確に伝えるためには IfcRailing.FENCEを指定するとよいでしょう。
フェンスをカーテンウォールで作っている

IFCに書き出し(インスタンス)

値:「タイプ別」「はい」「いいえ」

タイプ別はIFCに書き出し(タイプ)に従うという意味で、「いいえ」にすると、インスタンスごとにIFCに出力しない状態にできます。
中央のドアだけ"いいえ"に設定した場合

書き出しIFCクラスと定義済みIFCタイプ(インスタンス)

これは"書き出しIFCクラス(タイプ)"と"定義済みIFCタイプ(タイプ)"と同じ働きで、インスタンス単位でクラスとタイプを上書きするものです。

結論

  • IFC関連パラメータは基本的には既定値のままでよい
  • 一般モデル・特殊設備カテゴリ、インプレイスファミリ、本来のカテゴリの用途とは異なるモデルはIfcクラス・定義済みIFCタイプを上書きする

2026年4月12日日曜日

任意のRevitプロパティのみIFCに書き出す

オリジナルのPsetをつくる

前回はRevitプロパティをすべてIFCに書き出す方法を紹介しましたが、任意のパラメータを出力する方法を紹介します。カギとなるのはおなじみの「集計表」です。集計表を作るだけでオリジナルのPsetをつくってIFCとして出力することができます。

Revit標準添付のサンプル意匠.rvtで試してみましょう。

  1. まず集計表:20 ドア 建具表 SDを複製して名前を"Pset_Door"に変更します。
  2. 集計表のプロパティ「フィルタ」で「建具種類」「より大きい」「(空白)」としてすべてのドアを表示します。
    フィルタの設定を変更

  3. 3Dビューを表示
  4. ファイル>書き出し>IFC
  5. "設定を変更"ボタンをクリック
  6. IFC4 Reference View [建築]を選択し、ダイアログボックス左下の"選択にもどついて新しい設定を作成します。"ボタンをクリック
  7. 名前を「IFC4 Reference View [建築] _Pset集計表」などに変更しOK
  8. プロパティセットタブで"集計表をプロパティセットとして書き出し"に✔
  9. さらに"タイトルにIFC、Pset、Commonが含まれる集計表のみを書き出し"に✔
    書き出し設定

  10. OK
  11. ファイル名を指定して"書き出し"ボタンをクリック
こうして出力したIFCファイルをNavisworksで開いて見ると、建具表の情報が出力されていることがわかります。
集計表の情報がPsetになる

IFC共通プロパティセットと基本量

"IFC共通プロパティセットを書き出し"をONにすると、IFC標準の属性(Pset_○○)が自動で出力されます。
IFC共通プロパティセット

また、"基本量を書き出し"をONにすると、数量(面積・体積・長さなど)がIFCに書き出されます。Qto_〇〇という項目が該当します。ドアで言えば、"Qto_DoorBaseQuantities"です。
基本量

この二つは、原則としてONにしておきましょう。

連結フィールド

集計表で複数のパラメータの値を一つに結合して表示する結合フィールドもPsetとして出力することができます。サンプル意匠.rvtで新たに集計表"Pset_DoorMark"を作成し建具記号(建具種類+建具番号)の結合パラメータのフィールドを作成します。
結合パラメータ"DoorMark"
集計表のフィールドはこれだけでも構いません。

同じ手順でIFC出力すると・・・
結合パラメータをPsetにできる


Pset集計表を作成することで必要なパラメータのみをIFCデータに含めることができます。
わかりやすいPset集計表を作ってみよう