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2019年10月20日日曜日

ワークセット(3)

ワークセットの確認

前回は要素をワークセットに分類しました。要素がどのワークセットに属しているかを視覚的に表示する方法があります。
  1. ビューコントロールバーの[ワークシェアリング表示]>[ワークセット]
  2. 要素が色分けされて表示される。
    ワークセットごとに色分けされる
  3. ビューコントロールバーの[ワークシェアリング表示]>[ワークシェアリングの表示と設定]でワークセットタブを選択し色を確認する。
この表示を使用すれば、要素を明示的にワークセットに振り分けることができます。

閉じる(Revit)≒保管(AutoCAD)

ワークセットを閉じると、ビューごとの非表示とは異なり、プロジェクト全体でそのワークセットに属する要素は「ないもの」として扱われるため、作業のパフォーマンスが向上します。これはAutoCADのレイヤの非表示と保管の関係に似ています。

ワークセットを閉じるには

例えば、下の図では

  1. [コラボレート]タブ>[コラボレーションを管理]パネル>[ワークセット]でワークセットダイアログボックスを表示します。
  2. 開いた状態の列を「いいえ」にするとワークセットを閉じることができます。
    ワークセットを閉じる
要素がすべてのビューで表示されなくなります。
ワークセットを閉じるとパフォーマンスが向上する

最初から開かない

そもそも最初から必要なワークセットだけを開いて作業をするということもできます。
  1. [ファイル]タブ>[開く]>[プロジェクト]で目的のローカルファイルまたは中央ファイルを選択し、[開く▼]を選択。
    指定を選択
  2. 指定を選択して[開く]を選択すると下の図のダイアログボックスが表示される
  3. 必要なワークセットを選択し[開く]をクリック(閉じたいワークセットは[閉じる])
    ワークセットを開く
OK。(開くスピードも向上します。)
開くのも早い
[コラボレート]タブ>[コラボレーションを管理]パネル>[ワークセット]でワークセットダイアログボックスを表示し・・・・
開いた状態列をはいにすると
後から追加で開くこともできます。
追加で開く

図面出力時に注意

ワークセットを閉じると、プロジェクトそのものに要素がロードされないため、図面にも要素が表示されません。
図面が?な状態に
図面を出力するときは、すべてのワークセットを開いた状態にすることに注意してください。

2019年10月13日日曜日

ワークセット(2)

ワークシェアリングとワークセット

ワークシェアリングの基本的な仕組みは前回の通りですが、ワークシェアリングの仕組みを簡単に説明します。
前回の手順に従って、中央ファイルを作成し保存、ローカルファイルを開きます。
そしてローカルファイルの要素を一つ選択します。
ローカルファイルの要素を選択
そしてインスタンスプロパティを確認すると、ワークセットと編集者という二つのプロパティが追加されています。
ワークセットと編集者が追加されている
次に、選択した要素を編集、たとえば少しだけ移動してみます。そして同じようにプロパティを見てみると・・・
編集者にユーザー名が入る
編集者プロパティにユーザー名が入ります。このユーザー名は、Revitのユーザー名で、[ファイル]>[オプション]で[一般]タブのユーザー名です。
ユーザ名
これは編集した瞬間に、この要素の所有者になったことを示します。この瞬間から、ほかの編集者はこの要素を編集することができなくなります。

一時借用方式

ワークシェアリングを開始すると、基本的に「早い者勝ち」で要素の所有者になり、要素にロックがかかるのです。これは一時借用という方式で、ワークセットの所有者がいないので、すべての要素が一時借用の手続きをへて自由に編集できるということです。図示すると
一時借用のイメージ
こんな感じです。Aさんが要素を選択して、何らかの編集をしようとすると、
Aさん「この要素を編集したいのですが大丈夫ですか?」
中央DB「今、その要素は所有者がいないので、編集できます。」
Aさん「ありがとうございます。それでは編集します。」
中央DB「じゃあ、この要素の所有者にAさんを設定し、ロックしておきますね。」

直後にBさんが同じ要素を編集し始めます。
Bさん「これ編集してもいい?」
中央DB「今はその要素は所有者がいるので、編集できませんよ。」
Bさん「無念じゃ」

ここで注目するべきことは、あらゆる要素を編集しようとするたびに中央DBへの問いかけが発生するということです。
ここでパフォーマンスのカギを握るのは、各PCと中央DBを保存するサーバーとの間の通信速度とサーバーの演算能力です。要素を選択するたびに、こうした問い合わせが発生するのですから、ネットワーク環境は非常に重要です。

ワークセットを作ってみよう

こうした問い合わせをいちいち行わない方法があります。そのための仕組みがワークセットです。ワークセットとは、要素のグループのことで例えば

  • 外構
  • 外装
  • 内装
  • 設備工事
  • 躯体工事

というように、要素をグループ化して、グループ単位で中央ファイルに使用許諾を得るものです。
分け方は自由です。カテゴリ単位で分けてもいいし、レベルで分けてもいいでしょう。
ですが、一つの要素が複数のワークセットに所属することはできないので、慎重にワークセットを設定する必要があります。

ワークセットの作り方

  1. ローカルファイルを開く
  2. [コラボレート]タブ>[コラボレーションを管理]パネル>[ワークセット]
  3. [新規作成]を選択し、新しいワークセットの名前を入力しOK。
    ワークセットを追加
  4. 必要な数だけワークセットを設定する。
    ワークセットを必要なだけ作る
  5. OKを押すと、最後に作成したワークセットをアクティブにするかどうか聞いてくるのでいいえを選択。

要素にワークセットを割り当てる

次に要素にワークセットを割り当てます。
  1. たとえば外構のワークセットに、地盤や道路、駐車場などを入れたいとすればまず適切なビューで要素を選択します。
  2. 次にフィルタを用いて、必要なカテゴリの要素を選択
    ワークセット外構に設定したい要素を選択
  3. プロパティウィンドゥでカテゴリを選択し、ワークセットプロパティから外構を選択する。
    カテゴリごとでなければワークセットを設定できない
  4. これをすべてのカテゴリで繰り返す。

ワークセットの表示をコントロールする

こうしてワークセットを設定しておくと、様々なメリットがあります。まずは表示/非表示のコントロールをワークセット単位で行えるということです。
  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[表示/グラフィックス]
  2. [ワークセット]タブを選択。
  3. 表示設定から非表示を選択
    非表示
  4. ワークセットに所属する要素が非表示になったことを確認します。

グローバル設定とは?

グローバル設定とは
[コラボレート]タブ>[コラボレーションを管理]パネル>[ワークセット]
で表示されるワークセットダイアログの「全ビューに表示」の設定のことです。
グローバル設定=全ビューに表示

ワークセットのオーナーになる

ワークセットに所属する要素をすべて所有しておきたい場合は、
  1. [コラボレート]タブ>[コラボレーションを管理]パネル>[ワークセット]
  2. 必要なワークセットを選択して[編集可能]ボタンをクリック
    編集可能をクリック
  3. ワークセットに属する要素を選択し、編集者プロパティを確認
  4. 複数の要素で確認します。
    ワークセットの所有者になる
ワークセットを所有すれば、一時借用とは異なり中央DBへの問い合わせは1回で済みます。自分で所有権を放棄するまでは、ストレスのかからない状態で作業が可能です。