2023年11月12日日曜日

地形ソリッド研究(1)

道路

v2024から、地盤は地形ソリッドに変更されました。地形ソリッドを使って様々な外構要素を作る方法を考えてみます。まずは基本のアスファルト舗装道路を作成し、少し勾配もつけてみます。

アスファルト舗装道路と歩道を作ってみよう

※以下の手順は「建築テンプレート」を使うとマテリアルがそろっていて便利です。

地形ソリッドタイプ

まずは地形ソリッドタイプをそろえます。必要なタイプは

  1. アスファルト舗装
  2. 歩道
  3. 側溝
  4. 縁石

の4つです。ポイントは1・2・3のタイプは

  • 総厚さをそろえる(今回は5000mmに揃えました)
  • 最下層の土を変数とする
の二点です。

アスファルト舗装

アスファルト舗装

歩道
歩道

側溝

側溝

縁石 - 60mm

縁石 - 60mm

地形ソリッドを配置

  1. 設計GLまたはベンチマークレベルの平面図を開きます。どちらを開くかは、地形ソリッド表面の高さを決定するために便利なレベルにしましょう。
  2. 次の図のように、道路幅9m、側溝幅500mm、歩道幅3mで地形ソリッドを配置作成します。長さは50mとします。

勾配の計画

道路に勾配を付けるためにまずは詳細線分を使って勾配計画を立てます。次の図のように「折れ線」を詳細線分でスケッチし、高さを計画します。
スチレンボードを切り張りする感覚で計画する

この時重要なことは「点ではなく折れ線」を意識する、ということです。どこで地形ソリッドの面を折るかを考えながら、スチレンボードを切り張りする感覚で計画しましょう。

勾配をつける

地形ソリッドの表面に点を追加して勾配をつけます。
  1. アスファルト舗装を選択
  2. 修正|地形ソリッドタブ>形状編集パネル>点を追加
  3. モディファイヤの高さパネルで絶対を選択
  4. モディファイヤの高さパネル>高さ基準 で「現在のレベル」を選択
    絶対+現在のレベル

    • 現在のレベルとは編集対象となる地形ソリッドの基準レベルのことです。
  5. サーフェスからのオフセットの値を、勾配の計画の高さに合わせてから、クリックして点を追加します。
    アスファルト舗装に点を追加して高さ設定

  6. 同様に側溝・歩道に点を追加して高さを設定します。

縁石

歩道の外側に縁石を幅100mmで作成します。上場の高さは歩道に合わせます。
  1. マス&外構タブ>外構作成パネル>地形ソリッド
  2. タイプセレクタで「縁石 - 60mm」を選択
  3. 歩道の外側(アスファルト舗装側)に幅100mmで縁石を作成
    幅100mmで縁石を作成

  4. 修正|地形ソリッドタブ>形状編集パネル>点を追加 で、縁石の両端(この図では上下)に歩道と同じ高さの点を追加
    • 形状に関する警告が表示されますが気にせず点を追加していきます。
  5. 3Dビューで縁石の形状を確認します。
    縁石の形状を確認

  6. 縁石と側溝を結合しておくとよいでしょう。
    縁石と側溝を結合

  7. 次に歩道の反対側に、歩道の内側に向けて縁石を幅100mmで作成。
    歩道の反対側の縁石

  8. スケッチを終了すると歩道のソリッドと重複している旨の警告が表示されます。
  9. 修正|地形ソリッドタブ>形状編集パネル>点を追加 で歩道と同じ高さの点を追加
  10. 3Dビューで縁石の形状を確認します。

  11. 修正タブ>ジオメトリパネル>切り取り で、歩道→縁石 の順でクリック
  12. 歩道が縁石で切り取られます。
    歩道が縁石で切り取られる

白線

道路の白線は地形ソリッドの起伏に合わせる必要がありますが、これには「サブ区画」が便利です。
  1. 平面図を開き、アスファルト舗装を選択します。
  2. 修正|地形ソリッドタブ>地形ソリッドの成形パネル>サブ区画
  3. プロパティウィンドウで
    1. マテリアル:塗装 - 白
    2. サブ区画の厚さ:10mm
  4. センターライン(車道中央線)をスケッチする
    1. だいたい長さ5m、幅150mm、間隔5mで作成します。
    2. こちらの資料が参考になります。
  5. 車道境界線を幅150mmでスケッチ
    車道中央線と車線境界線をスケッチ

  6. モードパネル>✔
3Dビューで状況を確認します。
完成した車道・歩道

地形ソリッドタイプの総厚さを統一したことで、地形ソリッドの下端がそろっていることに注目してください。
このモデリング方法では側溝の長さを求めることはできませんが、お手軽に外構をモデリングできます。一方、インターロッキングやアスファルトや敷砂利の容積や面積はマテリアルから求めることができます。
次回は歩道部分の切り下げや、T字に交わる道路をモデリングしてみます。

2023年11月5日日曜日

集計キーで仕上表

集計キーの改善

Revit2022で集計キーの機能が改善されて、共有パラメータであれば集計キーのフィールドに追加できるようになりました。2021までは既定のシステムパラメータ及びプロジェクトパラメータのみが集計キーのフィールドとして使用できました。

v2021 例:部屋カテゴリ
2022以降では、共有パラメータも使用できるようになりました。
v2022 例:部屋カテゴリ

そこで、改めて集計キーの復習ということで、仕上表を集計キーを使ってまとめてみましょう。まずは、Revitに標準添付されているサンプル意匠.rvtを開きます。

集計キーとは

名前(キー)を指定して、ひとつまたは複数のパラメータに値のセットを設定する機能です。例えば床壁天井の仕上のセットを作成して名前(キー)をつけ、部屋にキーを指定することで、床壁天井の決まった値を間違いなく設定することができます。

集計キーの作成

具体的に仕上の集計キーを作成してみましょう。集計キーに含めるプロパティは、床・壁・天井の仕上げと、それに関連して決定されるプロパティです。

  • 仕上表 SL
  • 仕上表 FL
  • 仕上表 下地 床
  • 仕上表 仕上 床
  • 仕上表 幅木H
  • 仕上表 幅木
  • 仕上表 下地 壁
  • 仕上表 仕上 壁
  • 仕上表 廻り縁
  • 仕上表 下地 天井
  • 仕上表 仕上 天井
これらのプロパティを含めた集計キーを作成していきます。
  1. 集計表「05 部屋 仕上表」を開く
  2. 表示タブ>集計▼>集計表/数量
    1. カテゴリから部屋を選択
    2. 集計キーを選択
    3. このとき、キー名が「部屋スタイル」となっていることに注目しておいてください。キー名は任意に変更できますが、ここでは規定値のままとします。

    4. OK
  3. 使用可能なフィールドから上記のフィールドを追加
    1. フィールドを順番にダブルクリックして追加します。
      集計キーに含めるフィールド(=パラメータ)


    2. 2021より前のバージョンでは使用できるフィールドの数は限られていましたが、2022以降では共有パラメータであればフィールドとして使用できます。
    3. OK
  4. 二つの集計表ウィンドウを見やすいように上下に分割して配置します。部屋スタイル集計のタブをドラッグして、作業ウィンドウ下部にドッキングするとよいでしょう。

データ行の追加

作成した集計キーにデータ行を挿入し、フィールドの値を設定します。
  1. 集計表/数量を修正タブ>行パネル>データ行を挿入 をクリック
  2. キー名の1 を「エントランス」に書き換える
    1. 床仕上-壁仕上-天井仕上の組み合わせでキー名とします。
  3. その他のフィールドを05 部屋 仕上表の風除室の仕上と同じに設定する。
    1. ここではすでに各フィールドに値が設定されているので、プルダウンから選択するだけ。
    2. ゼロから始めた場合は、プルダウンではなく書き込む必要があります。
    3. 練習ですので、忠実に再現する必要はありません。むしろ新たに仕上をつくるような気持ちで取り組んでください。
  4. 同様に、次のデータ行を追加し、それぞれ()内の部屋の情報を参考にして、各フィールドに値を設定する。
    • 事務室(基準階:事務室)
    • 便所(基準階:WC男)
    • 店舗(1階:店舗)
    • 廊下(基準階:廊下)
    • 機械諸室・PS・EPS(共通:PS)
    • 管理諸室(1階:管理人室)
    • 給湯室(基準階:給湯室)
    • 駐車場(1階:駐車場)
      集計キー:部屋スタイルの設定

集計キーを部屋に割り当てる

出来上がった集計キーを部屋に割り当てます。
  1. 集計表「05 部屋 仕上表」を右クリック>ビューを複製>複製
    1. 名前を「05 部屋 仕上表 集計キー設定」とし開きます。
  2. プロパティウィンドウのフィールドプロパティの編集ボタンをクリック
    1. 一番最後に「部屋スタイル」を追加します。
      集計キー:部屋スタイルを追加

  3. 各部屋に集計キーを割り当てます。


    1. 集計キーを割り当てることで、キーに含まれるプロパティの値が設定されます。
    2. 集計キーに含まれるプロパティが変更できなくなっていることを確認してください。
    3. プロジェクトブラウザ>ビュー>建築>10 平面>平面図1階を開く
    4. 風除室を選択
      1. 集計キーを設定したプロパティがグレー、つまり編集不可になっていることを確認してください。
        集計キーに含まれるパラメータは編集不可

    5. 部屋のプロパティ識別情報グループに「部屋スタイル」があることを確認してください。こちらを編集しても部屋スタイルを割り当てることができます。
      集計キー「部屋スタイル」は識別情報グループにある
      集計キーの所属グループは常に「識別情報」になります。

集計キーを修正する

集計キーの各フィールドの値を修正すると、連動して仕上表も修正されます。

  1. 集計表:部屋スタイルを開く
  2. キー名「便所」の仕上表 幅木 Hの値を変更し、集計表:05 部屋 仕上表 集計キー設定 でWC男・WC女など、キー名「便所」が割り当てられた幅木Hの値が修正されていることを確認します。

集計キーの割り当てを解除する

集計キーを割り当てると、集計キーに含まれるフィールドは編集できなくなりますが、集計キーを(なし)に設定すれば、再び各フィールドを自由に編集できます。2023からは集計キーを(なし)に設定、あるいは集計キー自体を削除した場合でも、各フィールドの値は保持されます。(2022までは値がリセットされて空になっていました。)

  1. 集計表:05 部屋 仕上表 集計キー設定を開く。
  2. 任意の部屋の集計キーを(なし)に設定する。
    1. 値が保持されることを確認してください。
    2. 値が自由に編集できることを確認してください。
      集計キーを(なし)に設定しても値は保持される

集計キーを活用しよう

集計キーを利用すれば、複数の値を確実に設定することができます。また、特定の値しか入力させたくない場合などにも有効です。
2023以降のバージョンをお使いであれば、ぜひいろいろな場面で集計キーの活用を考えてみてください。

2023年10月1日日曜日

パネル集計表テンプレート(2)

各パーツについて

パネル集計表は次の4つのパーツから構成されます。それぞれのパーツには、特定のカテゴリのパラメータの値を表示することができます。

白抜き文字は表示可能なパラメータのカテゴリを示す

回路テーブルは必須項目ですが、その他のパーツは表示非表示を切り替えることができます。各パーツは自由に行列を増減・結合して、パラメータをレイアウトすることができます。

またパラメータの値は一般の集計表と同じく、計算値を表示したり、パラメータを結合して表示することも可能です。


見出し(ヘッダー)

rnd_advanced_sample_project.rvtで具体的に見ていきましょう。
  1. 管理タブ>設定パネル>パネル集計表テンプレート▼>テンプレートを編集
  2. テンプレートタイプ:分岐パネル、パネル構成:二列表示、回路横、テンプレート:Branch Panelを選択し開く
テンプレートの編集画面が開きます。<>で囲まれているセルは、パラメータ名を示しています。

パラメータを追加してみる

パラメータの追加方法は簡単です。
  1. <配線数>の下のセルをクリック
  2. パネル集計表テンプレートを修正タブ>パラメータ>カテゴリを選択で電気設備を選択
  3. パラメータを追加で「レベル」を選択

  4. Wiresの下のセルを選択し、「設置レベル:」と入力
  5. 文字パネルの「フォント」を選択し、太字にチェックしOK
  6. 文字パネルの「水平に位置合わせ▼」から「右」を選択

列を増減する

見出しパーツの列数を増やすには任意のセルを選択して、右に挿入するか左に挿入するかを選ぶだけです。


その他、行の挿入、行のサイズ変更、セルの合成などはリボンパネルに表示されている通りに操作すればよいです。

回路テーブルの編集

回路テーブルの編集は少し注意が必要です。回路テーブル内は二つのパートに分かれています。正確に言うと、新しい行を回路テーブルに追加するとこの回路テーブルのフッターとして電気設備用の行が追加されます。

回路テーブルは二つに分かれている
回路テーブルの行数は、「テンプレートオプションを設定」の「一般設定>表示されるスロット数」で決まるので、電気回路用の行を任意に追加することはできません。

プロジェクトパラメータを追加する

電気回路はシステム要素なので、任意のパラメータを追加するにはプロジェクトパラメータを追加して電気回路の関連付けます。このプロジェクトパラメータをパネル集計表に表示することができます。プロジェクトパラメータは共有パラメータである必要はありません
例えばプロジェクトパラメータ「A」を電気回路に追加した場合、回路テーブルのヘッダーをクリックすると、パラメータ「A」が追加可能になります。

負荷リスト

基本的には負荷分類ごとの情報を表記するのが目的ですが、見出しのように電気設備のパラメータを表示することもできます。
負荷分類ごとの情報を一覧に追加する場合は、先頭行の任意のセルをクリックしてパラメータを追加すれば負荷一覧に追加され

2行目以下のセルをクリックすれば任意のパラメータを単独で追加できます。

まとめ

パネル集計表は名前の通り個別のパネル(=盤)について、電気設備と電気回路のパラメータを混在させて表示できます。またセルには画像を取り込むこともできるので、盤に関する様々な情報を不整合なく効率的に管理できます。
パネル集計表はRevitMEPを使う以上は積極的に活用していくべき機能ですので、従来の図面表現にとらわれることなく、業務での活用を考えてみてください。

2023年9月9日土曜日

パネル集計表テンプレート

パネル集計表テンプレートを編集しよう

パネル集計表テンプレートはプロジェクトまたはプロジェクトテンプレートに含まれています。作成したパネル集計表テンプレートを他のプロジェクトにコピーするには「プロジェクト標準を転送」を使います。

ここではサンプルデータ「rme_advanced_sample_project.rvt」を開いて、編集方法を説明します。まずはテンプレートオプションについてです。

  1. プロジェクトブラウザ>パネル集計表>LP-2を開く
  2. 管理タブ>設定パネル>パネル集計表テンプレート▼>パネル集計表テンプレートを管理 をクリック。

    1. テンプレートタイプ:分岐パネル
    2. パネル構成:二列表示、回路横
    3. テンプレート:Branch Panel
    4. 編集(鉛筆のアイコン)をクリックし、編集画面を表示

一般設定

パーツ

パネル集計表は「見出し」「回路テーブル」「負荷リスト」「フッター」の4つのパーツから構成されます。(余談ですが、見出しとフッターとはなんともアンバランスな訳ですね。このような誤訳がパネル集計表を難しく見せていますが、基本がわかれば集計表よりも簡単です。)

見出し、回路テーブル、負荷リスト、フッター

このうち、回路テーブルはマストですが、他の三つのパーツは非表示にすることもできます。この表示/非表示の切り替えは

  1. パネル集計表テンプレートを修正タブ>テンプレートパネル>テンプレートオプションを設定
  2. 一般設定>パーツ
    一般設定>パーツ
見出し、負荷リスト、フッタのチェックボックスをオンオフすることで表示を切り替えることができます。

サイズ

一般設定のサイズセクションではパネル集計表全体の幅と、回路テーブルの行数を設定することができます。
回路テーブルの行数の変更方法は「単極ブレーカの最大数に基づく変数」と「一定値に固定」の二通りの方法があります。前者は対象となるパネル(=盤=電気設備ファミリ)のインスタンスプロパティ「単極ブレーカの最大数」の値と同じ行数が確保されます。このオプションを選択し、LP-2の「単極ブレーカの最大数」を「30」に設定すると、
単極ブレーカの最大数を30にしてみる

パネル集計表も30回路が表示可能な行数を表示します。
30回路表示可能

回路テーブル

左側のペインで「回路テーブル」を選択すると、回路テーブルに関する設定ができます。

負荷表示の自動シェーディングの働き

ひとつ前の手順で、LP2の単極ブレーカの最大数を30に変更しました。一般設定のサイズで「一定値に固定」を選択し、行数を42とし、各パネルで回路テーブルの高さが一定になるようにできます。この場合、「負荷表示の自動シェーディング」が意味を持ってきます。
自動シェーディングオンの場合
自動シェーディングをオンにしておくと、指定した回路数以上の行はシェーディングされます。一方、自動シェーディングをオフにすると
自動シェーディングオフの場合
使用不可能な行も、使用可能な行と同様の表示となります。

3相以外のパネルの場合

単相三線などの3相以外のパネルの場合、使用していない相の列をどのように表示するかを設定します。「未使用の相の列を非表示」を選択すると、単相三線の場合はC相は使用していないので、A相とB相の二列表示になります。
A・B相2列のみ表示
「未使用の相の列を表示するが無効」&「負荷表示の自動シェーディング:オフ」の場合、C相の列が表示され、ブランクが表示されます。
「未使用の相の列を表示するが無効」&「負荷表示の自動シェーディング:オフ」

「未使用の相の列を表示するが無効」&「負荷表示の自動シェーディング:オン」の場合、C相の列がシェーディングで表示されます。
「未使用の相の列を表示するが無効」&「負荷表示の自動シェーディング:オン」

負荷一覧(負荷リスト)

負荷一覧は負荷リストとも訳されており統一されていませんが、パネル(盤)に接続されている負荷分類ごとの負荷の合計を表示します。ここではどの負荷分類をどういった順番で表示するのかを指定します。

パネルに接続されている負荷のみ

パネル(盤)に接続されている負荷分類のみを表示します。

負荷分類の一定のセット

指定した負荷分類を常に表示します。

次回は各パーツの編集方法について説明します。