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2024年12月28日土曜日

ゆるめの仕上表チュートリアル

集計キーでゆるく仕上表をつくる!

だいぶ前に仕上表のチュートリアルを記事にしましたが、仕上表グループ番号とか整列番号とか設定が細かすぎるのが難点でした。ところがRevit2022から集計キーの適用範囲が広がったので、一度集計キーを使った記事も掲載しましたが、もっとユルめの室内仕上表チュートリアルを作ってみました。ぜひチャレンジしてみてください。

サンプルとするプロジェクトは、Revitに標準添付されているサンプル意匠.rvtです。出来上がった仕上表のイメージは次のようなものです。フィールドの数はとりあえず最小限にしてますが、やり方がわかれば項目を追加していくことができるでしょう。

こんな仕上表を作ってみます。

手順の概略

手順は
  1. 集計キーを作る
  2. 集計キーを部屋に割り当てる
の2ステップです。

集計キーを作る

サンプル意匠.rvtを任意の位置に名前を変えて保存し開いてください。ゆるゆる仕上表作成の第一歩は部屋カテゴリの集計キーを作成することです。集計キーとはインスタンスパラメータの値のセットを作るということです。
  1. 表示タブ>作成パネル>集計▼>集計表/数量

    1. カテゴリリストから部屋を選択
    2. 名前を「室内仕上表」に変更
    3. 集計キーを選択
    4. キー名は「部屋スタイル」のまま
    5. OK
  2. フィールドタブで、プロジェクトパラメータを作成・追加していきます。


    1. 新しいパラメータボタンを押す
    2. 名前:下地仕上 階
    3. データタイプ:文字
    4. パラメータグループ:構成

  3. 同じ要領で床壁天井の下地仕上のパラメータを追加しますが、データタイプをマルチラインテキストにします。
  4. OK
次のような集計表ができます。

ポイント1

下地仕上をマルチラインテキストとしたのは、型に縛られないゆるい入力を可能にするためです。自由に仕上下地を記述します。

ポイント2

今回は手軽さ優先でパラメータはプロジェクトパラメータとしてプロジェクトに挿入しましたが、タグに表示したりODBCデータ出力に対応したい場合は、共有パラメータを作成した上で同じ手順で集計キーに追加します。

下地と仕上の設定

それでは、平面図を見ながら仕上表を作成していきましょう。サンプルの仕上表によると、1階の風除室・エントランスホール・ELVホールは同じ仕上のようです。
  1. 室内仕上表集計表を開きます。
  2. 集計用/数量を修正タブ>行パネル>データ行を挿入 をクリック
    1. 1行追加されキー名は「1」となります。
  3. 下地仕上 階 に 1階 と入力
  4. 下地仕上 名前 のセル(C1)をクリックし、右端に表示される[...]をクリック
  5. 「文字を編集」ダイアログボックスで、
    風除室
    エントランスホール
    ELVホール

    と改行して3行の値を設定してOK。

  6. 下地仕上 床 のセルD1をクリックし、右端に表示される[...]をクリック
  7. 「文字を編集」ダイアログボックスで、床の仕上を入力
    モルタル下地
    花こう岩(t25)
    ジェットバーナー仕上

    と改行しながら床の下地と仕上を入力してOK

エクセルで入力する

この調子で残りの仕上を作成していってもいいのですが、Revitでの入力は少々面倒なので、エクセルを使ってゆるく作成みましょう。まずはフォーマットをCSVに書き出します。
  1. ファイルタブ>書き出し>レポート▶>集計
  2. 任意のフォルダを指定して保存
  3. 集計表を書き出し ダイアログボックスはそのままOK
CSVファイルが出力されたらエクセルで開いてください。そしてエクセルの機能を使って効率的に仕上のデータを作成していきます。セル内改行はおなじみの「ALT+ENTER」です。出来上がったらCSVファイルとして保存します。。。。とはいえ、全部入力していては時間がかかるので、こちらから入力済みのCSVデータをダウンロードしてください。

CSV専用のエディタを使おう

これからCSVファイルの各セルの値を、Revit集計表の「文字を編集」ダイアログボックスにコピぺするのですが、Excelのセル内改行の改行コードと、Revitのマルチラインテキストの改行コードが異なるため、Excelは使えません。
そこで、CSV専用のエディタを使用します。おすすめはフリーソフトの「Cassava Editor」です。こちらからダウンロードしてインストール(杓子定規ですがあくまで自己責任でお願いします。)してみてください。

完成したCSVデータをダウンロードしCassava Editorで開きます。これで準備完了です。

集計キーを増やす

Revitの室内仕上表集計表を開き、データ行を追加します。データ行はあと12行(全部で13行)必要です。
  1. 集計用/数量を修正タブ>行パネル>データ行を挿入 をクリックしキー名が13になるまで追加する

CSVからコピペする

あとは各セルの値をCSVファイルからコピペするだけです。Cassava Editorの場合、セルをクリックした時点でセル内のすべての文字が選択されるので、すぐにCTRL+Cでクリップボードにコピーします。

そしてRevitの当該セルをクリックしB列(下地仕上 階)ならばすぐにCTRL+V、その他はセルの右端の[...]をクリックして、文字列を編集ダイアログボックスにCTRL+Vでペーストします。

後はこの作業を繰り返して、すべての情報を埋めていきます。ここは少々時間がかかりますが頑張ってください。

部屋に仕上を割り当てる

仕上表はこれで完成です。どうでしょう。かなりゆるーく作れたのではないでしょうか?ただしこれは床壁天井の仕上の組み合わせ、仕上のセットを作っただけです。次は部屋にこの仕上セットを割り当てて、部屋自体に仕上の情報を設定します。

  1. プロジェクトブラウザでビュー>建築>10平面>平面図>平面図 1階を開く
  2. ビューのプロパティでビューテンプレートの編集ボタン(10_平面_標準)をクリック
    1. カラースキームのチェックを外しOK

  3. ビューのプロパティ:カラースキームのボタンをクリック

    1. スキームのカテゴリを部屋に
    2. 任意のスタイルを一つ選択し、複製ボタン(左下のボタン)をクリック
    3. 名前を「部屋スタイル」としてOK
    4. タイトルを「部屋スタイル」
    5. パラメータを「下地仕上 名前」
    6. OK
  4. 平面図で部屋:風除室を選択
    1. プロパティ識別情報グループの一番下の部屋スタイルで1を選択

    2. 構成グループの各項目に値が設定されていることを確認します。マウスオーバーするとすべての内容が表示されます。

    3. 平面図でも色がついていることを確認します。

    4. すべての部屋に部屋スタイルを割り当てて、白抜きの部屋がなくなったら完成です。

    5. 同様に2階から上の部屋にも、部屋スタイルを割り当てましょう。

まとめ

集計キーで仕上表を作り、その内容を部屋に割り当てる、というプロセスにより仕上を確実に部屋に関連付けることができます。あとは集計表の体裁を整えてシートに張り付けるだけです。
集計キーに使用できるパラメータが増えたおかげで、仕上表の作成も随分と気楽になりました。前回は5回に及んだチュートリアルが1回で終わってしまいました。
仕上の情報は部屋のパラメータであり床壁天井のジオメトリとの直接の関係はありません。あくまでも仕上の概要を書いているだけですので、設計方針を書くようなものだと考えて、これくらいゆるいほうが実際の設計プロセスにはあいやすいのではないかと思います。

2023年11月5日日曜日

集計キーで仕上表

集計キーの改善

Revit2022で集計キーの機能が改善されて、共有パラメータであれば集計キーのフィールドに追加できるようになりました。2021までは既定のシステムパラメータ及びプロジェクトパラメータのみが集計キーのフィールドとして使用できました。

v2021 例:部屋カテゴリ
2022以降では、共有パラメータも使用できるようになりました。
v2022 例:部屋カテゴリ

そこで、改めて集計キーの復習ということで、仕上表を集計キーを使ってまとめてみましょう。まずは、Revitに標準添付されているサンプル意匠.rvtを開きます。

集計キーとは

名前(キー)を指定して、ひとつまたは複数のパラメータに値のセットを設定する機能です。例えば床壁天井の仕上のセットを作成して名前(キー)をつけ、部屋にキーを指定することで、床壁天井の決まった値を間違いなく設定することができます。

集計キーの作成

具体的に仕上の集計キーを作成してみましょう。集計キーに含めるプロパティは、床・壁・天井の仕上げと、それに関連して決定されるプロパティです。

  • 仕上表 SL
  • 仕上表 FL
  • 仕上表 下地 床
  • 仕上表 仕上 床
  • 仕上表 幅木H
  • 仕上表 幅木
  • 仕上表 下地 壁
  • 仕上表 仕上 壁
  • 仕上表 廻り縁
  • 仕上表 下地 天井
  • 仕上表 仕上 天井
これらのプロパティを含めた集計キーを作成していきます。
  1. 集計表「05 部屋 仕上表」を開く
  2. 表示タブ>集計▼>集計表/数量
    1. カテゴリから部屋を選択
    2. 集計キーを選択
    3. このとき、キー名が「部屋スタイル」となっていることに注目しておいてください。キー名は任意に変更できますが、ここでは規定値のままとします。

    4. OK
  3. 使用可能なフィールドから上記のフィールドを追加
    1. フィールドを順番にダブルクリックして追加します。
      集計キーに含めるフィールド(=パラメータ)


    2. 2021より前のバージョンでは使用できるフィールドの数は限られていましたが、2022以降では共有パラメータであればフィールドとして使用できます。
    3. OK
  4. 二つの集計表ウィンドウを見やすいように上下に分割して配置します。部屋スタイル集計のタブをドラッグして、作業ウィンドウ下部にドッキングするとよいでしょう。

データ行の追加

作成した集計キーにデータ行を挿入し、フィールドの値を設定します。
  1. 集計表/数量を修正タブ>行パネル>データ行を挿入 をクリック
  2. キー名の1 を「エントランス」に書き換える
    1. 床仕上-壁仕上-天井仕上の組み合わせでキー名とします。
  3. その他のフィールドを05 部屋 仕上表の風除室の仕上と同じに設定する。
    1. ここではすでに各フィールドに値が設定されているので、プルダウンから選択するだけ。
    2. ゼロから始めた場合は、プルダウンではなく書き込む必要があります。
    3. 練習ですので、忠実に再現する必要はありません。むしろ新たに仕上をつくるような気持ちで取り組んでください。
  4. 同様に、次のデータ行を追加し、それぞれ()内の部屋の情報を参考にして、各フィールドに値を設定する。
    • 事務室(基準階:事務室)
    • 便所(基準階:WC男)
    • 店舗(1階:店舗)
    • 廊下(基準階:廊下)
    • 機械諸室・PS・EPS(共通:PS)
    • 管理諸室(1階:管理人室)
    • 給湯室(基準階:給湯室)
    • 駐車場(1階:駐車場)
      集計キー:部屋スタイルの設定

集計キーを部屋に割り当てる

出来上がった集計キーを部屋に割り当てます。
  1. 集計表「05 部屋 仕上表」を右クリック>ビューを複製>複製
    1. 名前を「05 部屋 仕上表 集計キー設定」とし開きます。
  2. プロパティウィンドウのフィールドプロパティの編集ボタンをクリック
    1. 一番最後に「部屋スタイル」を追加します。
      集計キー:部屋スタイルを追加

  3. 各部屋に集計キーを割り当てます。


    1. 集計キーを割り当てることで、キーに含まれるプロパティの値が設定されます。
    2. 集計キーに含まれるプロパティが変更できなくなっていることを確認してください。
    3. プロジェクトブラウザ>ビュー>建築>10 平面>平面図1階を開く
    4. 風除室を選択
      1. 集計キーを設定したプロパティがグレー、つまり編集不可になっていることを確認してください。
        集計キーに含まれるパラメータは編集不可

    5. 部屋のプロパティ識別情報グループに「部屋スタイル」があることを確認してください。こちらを編集しても部屋スタイルを割り当てることができます。
      集計キー「部屋スタイル」は識別情報グループにある
      集計キーの所属グループは常に「識別情報」になります。

集計キーを修正する

集計キーの各フィールドの値を修正すると、連動して仕上表も修正されます。

  1. 集計表:部屋スタイルを開く
  2. キー名「便所」の仕上表 幅木 Hの値を変更し、集計表:05 部屋 仕上表 集計キー設定 でWC男・WC女など、キー名「便所」が割り当てられた幅木Hの値が修正されていることを確認します。

集計キーの割り当てを解除する

集計キーを割り当てると、集計キーに含まれるフィールドは編集できなくなりますが、集計キーを(なし)に設定すれば、再び各フィールドを自由に編集できます。2023からは集計キーを(なし)に設定、あるいは集計キー自体を削除した場合でも、各フィールドの値は保持されます。(2022までは値がリセットされて空になっていました。)

  1. 集計表:05 部屋 仕上表 集計キー設定を開く。
  2. 任意の部屋の集計キーを(なし)に設定する。
    1. 値が保持されることを確認してください。
    2. 値が自由に編集できることを確認してください。
      集計キーを(なし)に設定しても値は保持される

集計キーを活用しよう

集計キーを利用すれば、複数の値を確実に設定することができます。また、特定の値しか入力させたくない場合などにも有効です。
2023以降のバージョンをお使いであれば、ぜひいろいろな場面で集計キーの活用を考えてみてください。

2015年6月28日日曜日

集計表~用途別面積表

階別・用途別の面積表

前回は、住戸タイプの各階別の分布を集計表を使って調べましたが、今回は同様に面積を部屋用途ごと、階ごとに集計してみましょう。
階別・用途別に面積表を作成する

面積用途を作成する

まず、前回の住戸タイプ同様、面積用途を表す集計キーを作成します。

(1) [表示]-[集計]-[集計表/数量]
(2) カテゴリで「部屋」、集計キーを選択し、下の図のように設定します。
集計キー 「面積用途」 を作成
(3) [パラメーターを追加]を選択し、「面積用途番号」を作成します。前回同様、このパラメーターの型は整数にすることが重要です。
パラメータータイプは「整数」

(4)フィールドタブと並べ替えタブは以下のようになります。
面積番号を上位にする

面積番号で並べ替える

面積用途

[データ行を挿入]をクリックして、使用する面積用途を追加します。
面積用途を追加

カラースキーム

次に平面図で面積用途を各部屋に設定しますが、このとカラースキームを使うと便利です。平面図のビューを開き、ビューのプロパティ[カラースキーム]をクリックします。
カラースキームをクリック
カテゴリから「部屋」を選択し、リストからなにかを選んで複製し、名前をつけます。
既存を複製して名前をつける

タイトルを設定し、色から「面積用途」を選択します。面積用途がリストされるので、必要に応じて色を変えてOK。
面積用途の色を編集する

平面図が面積用途ごとに色分けされます。部屋を選択し、プロパティ「面積用途」を変更します。
平面図を色で確認しながら面積用途を設定する
このときビュープロパティで「カラースキームの場所」を「前景」にしておけば、色が階段などで白抜きになることがありません。

面積表の作成

各部屋に面積用途が設定できたら、集計表を作成します。前回の応用ですので、よく注意して設定してみてください。

まず、[表示]-[集計]-[集計表/数量]で集計表を作成します。カテゴリは部屋を選び、今度はそのままOKで次に進みます。

使用可能なフィールドからまず、「レベル」「面積」「面積用途番号」を選択します。

次に、「計算値」を押してください。前回を思い出してください。ここではif文を使って条件を設定するのですが、ちょっと注意が必要です。面積を求めるのですから以下のように設定します。
タイプは「面積」、計算式は「if(面積用途番号=1,面積,0)」
この計算式は、「もし、部屋の"面積用途番号"が1ならば、その部屋の"面積"を返し、そうでなければ0を返しなさい」という意味です。

同様にほかの計算式も以下のように設定します。



最後のフィールドとして、合計値を設定します。

並べ替えタブではレベルごとに並べ替えられるように、次のように設定します。
並べ替えタブの設定
書式では二つ重要なポイントがあります。
面積と面積用途番号を「非表示」にする
専用・共用・便所・設備・合計の位置合わせを右に、合計を計算にチェックを入れる
以上の設定で以下のような集計表が完成します。
階別・用途別面積表