2022年9月17日土曜日

BIM INTEROPERABILITY TOOLS(5)

モデルチェッカー

概要

モデルチェッカーはモデルが指定したルールに従ってできているかどうかをチェックします。また、ファイルサイズやロードされているファミリのファイルサイズを検査することも可能です。

チェックセット

モデルチェッカーでチェックする内容を定義しているのが「チェックセット」です。チェックセットは既定のチェックセットが用意されていますが、独自に作成することも可能です。また、チェックセットファイルはxml形式で、そのスキーマ(書式)も公開されています。またチェックセットファイルを作成するツールとして構成設定ツールが用意されています。

レポート(チェック結果)

チェックした結果は「エクセルファイル」または「HTML」ファイルとして保存できます。全体的な流れを次に示します。

つかってみよう

まずは既成のチェックセットを使用して、その機能を体感してみましょう。

使用するチェックセットを設定する

  1. ファイル>開く>サンプルファイルで、「rac_advanced_sample_project.rvt」を開く。
  2. BIM Interoperability Tools>モデルチェッカー>設定
  3. 公共ライブラリから任意のチェックセットを選択します。まずは入門用として、「Revit 2021 Best Practices」を選んでみましょう(使用しているRevitのバージョンに合わせてください)

  4. OKするとチェックセットの項目が表示されます。
  5. 項目をクリックするとその概要が表示されます。

  6. 保存して終了

モデルチェックを実行する

  1. BIM Interoperability Tools>モデルチェッカー>実行
  2. ダイアログボックスが表示されます。現在のプロジェクトファイルがリストされています。モデルを追加ボタンを押せば複数のファイルをチェックすることもできます。
  3. レポート生成を押すとチェックが始まります。
    • このチェックセットはロードされているファミリの状況をチェックするためかなり時間がかかります。
  4. チェックが終了すると次のようなダイアログボックスが表示されます。

  5. 結果を見てみましょう。たとえばModel Element>Structural System Familiesを展開します。
    1. 赤い×印のついている「Mirrored Elements」を展開します。

    2. ここには反転コピーされているファミリインスタンスのリストが表示されています。反転されたら困るファミリ(たとえばドアのファミリで開き勝手が反転したら建具記号が異なるなどの場合が考えられます。)を検出するのに便利です。
  6. Anotative Element を展開してみましょう。使用されている文字タイプ、塗りつぶしタイプ、線種などがリストアップされていることを確認してください。

  7. 閉じる

結果のファイル保存

このレポートはBIM Interoperability Tools>モデルチェッカー>ビューレポートで何度でも表示できますが、外部ファイルに保存することも可能です。
  1. BIM Interoperability Tools>モデルチェッカー>ビューレポート
  2. HTMLをクリックし、任意のフォルダにhtmlファイルを保存します。
    1. このファイルは単一のファイルです。ローカルのリンクファイルはありません。
  3. 保存したHTMLファイルをブラウザで開く
    1. 内容はダイアログボックスと同じですが、より見やすくなっていると思います。

  4. モデルチェッカーダイアログボックスに戻って、今度はExcelのボタンをクリックし、適切なフォルダに保存してください。
  5. 保存したファイルをエクセルで開きます。
    1. シートは「Files」「Checks」「Elements」です。

    2. Filesシートにはチェックした日、プロジェクトファイルのパス、チェックセットの情報などが含まれています。
    3. Checksシートには、チェック項目とその結果が保存されています。チェック項目はそれぞれCheckID(B列)を持っています。

    4. Elementsシートには、各チェックでチェックされた要素のIDがあります。

    5. チェック項目はA列のCheckIDをみます。このCheckIDをChecksシートのB列で検索してチェックの内容を確認できます。
    6. 要素IDがあるので、Revitの管理>情報>要素IDで確認を使ってプロジェクトで確認できます。
このようにExcelのファイルはよりデータベース的な表示になっているので、データの分析に向いているでしょう。

2022年8月27日土曜日

BIM INTEROPERABILITY TOOLS(4)

オリジナルの分類コード

Standardized Data Tool(標準化ツール)では、公共の分類コードに加えて、独自の分類コードを作成して適用することができます。分類コードはエクセルで作成しますが、これは最初の「機器データ」の回で使用したエクセルファイルと全く同じフォーマットです。

共有パラメータの作成

まずは、分類番号と説明を格納する共有パラメータを作成します。「施設」「空間」「要素」それぞれに「番号」と「説明」のパラメータが必要です。つまり合計6つの「文字」の共有パラメータを作成します。

  1. 管理タブ>設定パネル>共有パラメータ
  2. 作成ボタンを押して、任意の位置に任意の名前の共有パラメータファイルを作成。
  3. グループの新規作成ボタンを押して、任意の名前のグループを作成。
  4. パラメータの新規作成を押して、次の6つの共有パラメータを「文字」タイプで作成する。
    • RevitPeeler.施設.分類番号
    • RevitPeeler.施設.分類説明
    • RevitPeeler.空間.分類番号
    • RevitPeeler.空間.分類説明
    • RevitPeeler.要素.分類番号
    • RevitPeeler.要素.分類説明
  5. OK
  6. 作成した共有パラメータファイルはプロジェクトに関係づけておく必要はないので、共有パラメータの設定は普段使用している状態に戻しておいてください。

分類ファイルの作成

分類ファイルはエクセルファイルです。ひな型となるファイルを任意のフォルダにコピーして使用します。
  1. エクスプローラで、任意の位置に分類ファイルを格納するフォルダを作成します。こでは「D:\Classification Databases」として説明を進めますが、どこでも構いませんしフォルダ名は2バイト文字を使っても問題ありません。
  2. 次の位置にある「Classification Manager Database Custom.xlsx」を、1で作成したフォルダにコピーします。
    • C:\Program Files (x86)\Autodesk\BIT\(バージョン)2019\Resources"
  3. コピーしたファイルの名前を適切な名前に変更します。
    • ここでは「オリジナル分類コード.xlsx」としました。
以上で"D:\Classification Databases\オリジナル分類コード.xlsx"が作成されました。

Parameterワークシート

オリジナル分類コード.xlsxをエクセルで開いてみましょう。いくつかのシートが並んでいます。まずParameterワークシートの使い方です。

Parameterワークシートには、作成した共有パラメータを貼り付けて、TYPEまたはINSTANCEの指定をします。これにより、共有パラメータファイルがなくても、BITが共有パラメータを生成してプロジェクトに設定できるようになります。
  1. オリジナル分類コード.xlsxをエクセルで開き、Parameterワークシートを開く。
  2. 作成した共有パラメータファイルをメモ帳で開く。
  3. メモ帳で、「PARAM」(*PARAMの直下)から下をすべて選択してCTRL+Cでクリップボードにコピー
    PARAM以下を選択してCTRL+C

  4. エクセルをアクティブにして、B4セルを選択してCTRL+Vで貼り付け。
  5. 行を移動して順番を整える(この操作は任意です)
  6. A列に「TYPE」または「INSTANCE」を設定する。
    1. 施設はプロジェクト情報に設定されるのでINSTANCEです。
    2. 空間は部屋に設定されるのでINSTANCEです。
    3. 要素はファミリに設定されるのでTYPEです。
      TYPE INSTANCEの設定

NUMBERとDESCRIPTION

分類番号と分類説明のパラメータを「Facility」「Spaces」「Product1」「Product2」のワークシートに設定します。
  1. Facilityワークシートをアクティブにし
    1. B5セルに「RevitPeeler.施設.分類番号」
    2. B6セルに「RevitPeeler.施設.分類説明

  2. Spacesワークシートで
    1. B5セルに「RevitPeeler.空間.分類番号」
    2. B6セルに「RevitPeeler.空間.分類説明」

  3. Product1およびProduct2ワークシートで
    1. B5セルに「RevitPeeler.要素.分類番号」
    2. B6セルに「RevitPeeler.要素.分類説明」

建物分類の作成

各シートに分類を設定します。分類の設定書式は各シート同じですので、ここでは施設の分類について説明します。次の図のような系統で施設分類を作成してみます。


重要なのはこのツリー構造を実現するためのレベルの値です。上から順番に読み込みますので、ここでは行の並びが重要になります。また、グレーと黒のセルは編集してはいけません
  1. Facilityワークシートをアクティブにする。
  2. B1セルにBD001(A8に転記されます)
  3. B2セルに建物(B8にB3と連結されて転記されます)
  4. B3セルに1.0.0
  5. A9以下を図のように設定。LEVELの値に注意してください。また、REVIT CATEGORYの列は空欄でOKです。

  6. 保存する

空間分類の作成

Spacesワークシートは、部屋の分類です。建物分類と同様の方法で階層構造を構成します。今度は4階層にしてみます。
  1. Spacesワークシートをアクティブにする
  2. B1セルにR001(A8に転記されます)
  3. B2セルに部屋(B8にB3と連結されて転記されます)
  4. B3セルに1.0.0
  5. A9セル以下を図のように設定。LEVELの値に注意してください。また、REVIT CATEGORYの列は空欄でOKです。

  6. 保存
要素分類の作成
Product 1/2のシートは要素の分類です。実はシートはいくらでも複製していいし、シート名は何でも構わないのです。重要なのは各シートのB4の値「Facility」「Spaces」「Element」なのです。ここではProduct1のシートに建具種類の分類を作成してみます。階層構造の作り方はFacility Spacesと同じです。これに加えて、割当先のカテゴリを「REVIT CATEGORY」の列に指定します。この値は、Introductionsワークシートに記載されています。たとえば、ドアであれば-2000023、窓であれば-2000014です。

分類は次の図のように設定して保存して閉じてください。

オリジナル分類を使用する

では作成した「オリジナル分類コード.xlsx」をBITで使用してみます。オリジナル分類コード.xlsxが、D:\Classification Databasesに保存されていることを確認しておいてください。

  1. Revitを起動し、前回説明したような壁・部屋・ドアを作成する。
  2. BIM Interoperability Toolsタブ>標準化されたデータパネル>分類を割り当てる
  3. オプションボタンを押して、選択リストグループの「パスを追加」をクリックし、D:\Classification Databaseを選択してOK

  4. 選択リストをクリックし、右上の歯車アイコン>新しいピックリストをロード

  5. 私のリスト(D:\Classification Databaseにあるエクセルファイルの一覧)から、「オリジナル分類コード.xlsx」を選択してOK。

  6. 左上に「オリジナル分類コード」と表示されていることを確認し、「ロードするにはここをクリックしてください」をクリック。
これでオリジナルの分類コードを適用する準備が整いました。あとは前回ご紹介した通りの手順でコードを割り当ててみてください。
たとえば、施設タブをクリックすると、次の図のようになっています。

これを割り当てると、プロジェクト情報に指定したパラメータが設定されて、値が設定されています。

2022年8月20日土曜日

BIM INTEROPERABILITY TOOLS(3)

Standardized Data Tool(標準化ツール)

標準化ツールはつい最近までは分類マネージャと呼ばれていました。これは「プロジェクト情報」「部屋」「建物の要素」に分類コードを設定するためのツールです。


使用できる分類コードの種類

分類コードは米国において使用されている様々な公共のコードがダウンロードできます。また、独自のコードを作成することもできます。まずは、公共のコードを使って、その使用方法を学習してみましょう。

練習

ここではRevit2021を使って使用方法を説明しますが、基本的にはどのバージョンでも同じです。まずは部屋を一つ作成します。

サンプルプロジェクトの作成

  1. 建築テンプレートを使用して新規プロジェクトを作成
  2. 平面図>レベル1を開く。
  3. 矩形の壁を作成する。大きさは適当でよい。
  4. 部屋をひとつ作成する。
  5. ドアを一つ配置する。
  6. 窓を一つ配置する。
    部屋・ドア・窓を作成する

施設分類の割り当て

  1. BIM Interoperability Tools>標準化されたデータパネル>分類を割り当てる

  2. インストール後初めて起動すると、次のようなダイアログボックスが表示されます。今回はOminClassを使用してみましょう。まず、サイドバー一番上のオプションボタンをクリックします。
    オプションボタンをクリック


  3. OmniClassを選択するとサイドバーにOmniClassのアイコンが追加されます。
    OmniClassを選択するとサイドバーにアイコンが追加される

  4. サイドバーに追加されたOmniClassアイコンをクリックすると、「施設」タブがアクティブになっていることを確認します。要素を何も選択していない場合は施設タブのみがアクティブになります。施設タブがアクティブにならない場合は何かの要素が選択されているかもしれないので解除してください。
    施設タブをクリック

  5. 11-12 Education Facility>11-12 29 Library>11-12 29 11 General Purpose Libraryを選択して「割り当てる」をクリック
    項目を選択して割り当てる
これで、この建物の用途について分類コードを割り当てました。これは「プロジェクト情報」に格納されていますので確認してみましょう。表示している[標準化されたデータダイアログボックス]はモードレスダイアログなので閉じなくてもRevitを走査することができます。
  1. 管理タブ>設定パネル>プロジェクト情報
  2. 「データ」セクションに次のパラメータが設定されていることを確認してください。
    プロジェクト情報

スペース分類の割り当て

次は部屋に分類を設定してみます。
  1. 部屋を選択すると、[標準化されたデータ]ダイアログボックスで「スペース」が選択状態になります。
  2. 検索窓で「Book」と入力しENTER
    検索窓に「Book」

  3. Book Stacksを選択して「割り当てる」
  4. 部屋のプロパティのデータセクションを確認する
    部屋のインスタンスパラメータに分類番号と説明が追加される

要素分類の割り当て

次にドアと窓に分類を設定します。
  1. ドアを選択する。
    1. 選択と同時に[標準化されたデータ]ダイアログボックスでは「要素」タブがアクティブになる。
    2. フィルタに「ドア」が設定されて項目が絞り込まれる。

  2. 21-03 10 30 10:Interior Swing Doorsを選択して「割り当てる」

  3. OmniClass Table 22を選択
  4. 22-06 48 16:Interior Wood Door Framesを選択して「割り当てる」

  5. OmniClass Table 23を選択
  6. 23-17 11 15 13:Flush Wood Doorsを選択して「割り当てる」

  7. ドアのタイプパラメータを確認する。

  8. 同様に窓を選択して、任意の分類を割り当てる
    任意の分類を割り当ててみる

このようにして、建物の要素に分類コードを設定することで、建物の中にどのような要素が配置されているかを把握することができるようになります。

2022年8月13日土曜日

BIM INTEROPERABILITY TOOLS(2)

Spatial Data Tool for Revit

今回はBITの機能のうち、「空間データ(SPATIAL DATA FOR REVIT)」の使い方を学習しましょう。


何ができるの?

対象となるカテゴリは「部屋」と「エリア」です。残念ながら「スペース」は対象ではありません。基本的な機能は次の二つです。

  1. 一つあるいは複数の共有パラメータを「部屋」「エリア」に割り当てて値を設定する
  2. 「部屋」と同じ位置にある「エリア」の間でデータを同期する
要するに部屋とエリアでパラメータの値を同期するツール、ということになります。同期できるのは、同じ名前の共有パラメータの間のみで、エリアで計測した面積の値を部屋に設定した共有パラメータに同期するなどということはできません。

練習の準備

こちらに練習用のファイルセットを準備しましたのでご利用ください。
  • 共有パラメータファイル:BITTrainingSharedParameters.txt
  • 練習用RVT(v2019)ファイル:空間データトレーニング.rvt

手順:セットアップ

  1. 空間データトレーニング.rvtを開く
    1. 平面図:レベル1とエリア プラン(床面積):レベル1を確認してください。
    2. 部屋とエリアを選択して、インスタンスパラメータの状態を確認しておいてください。特に特別なパラメータは設定されていません。
  2. BIM Interoperability Tools>空間データ>セットアップ
  3. Step 1.Start.パネルで、「Start from scratch」にチェックを入れて「次に」
  4. Step 2.Sahred Parameters File.で、「Browse」ボタンをクリックし、ダウンロードしたBITTrainingSharedParameters.txtを選択し「次に」
  5. ステップ3 パラメータパネルで、
    1. 空間データトレーニングの3つのパラメータの「+」をクリック。
    2. 「部屋に適用」と「エリアへ適用」をクリックしてONにする。
      ステップ3 パラメータ

  6. Step4. Classification Manager Databaseパネルで、「Start from Scratch」をクリックし、ファイル名を付けて保存
    1. このファイルは、今回の作業では直接使用しませんので、さほど重要ではありません。
    2. 次にをクリック
  7. ステップ5 パラメーター値パネルで、
    1. 下層のグループ:データ(何を選択してもよいがここではデータとする)
    2. 初期値の値を設定:初期値の設定は任意です。
    3. 次に
      ステップ5 パラメータの初期値設定

  8. ステップ6完了パネルで、
    1. 設定をエクスポートで、ファイルを「BITTrainingSpatial1」として保存。
    2. 終了して閉じる
  9. 部屋を選択して、インスタンスパラメータのデータグループに指定したパラメータが設定されていることを確認する。
    部屋にパラメータが追加された

  10. 同様にエリアも確認する。
    エリアにもパラメータが追加された

手順:同期

部屋とエリアでパラメータの値を同期します。
  1. 平面図:レベル1を開く
  2. 部屋1、部屋2、部屋3の空間パラメータ1~3の値を変更する。
  3. BIM Interoperability Tools>空間データ>同期
    1. 部屋はエリアにプッシュを選択
    2. エリアスキームを選択で床面積を選択
    3. また、同期空間データ パラメータ値にチェック
    4. 部屋をすべて選択
    5. 更新して閉じる

  4. エリアプラン(床面積):レベル1を開き、エリアの空間パラメータ1~3の値が部屋1~3と一致していることを確認してください。

Tips

  • 同期対象のエリアが他のエリアスキームにもある場合は、同じ手順を繰り返し、3-2で適切なエリアスキームを選択します。
  • ブランクのみをチェックすると、値を上書きしません。