単位長さあたりの質量はセグメントに定義できない
配管の重さを求めるためには、その配管(=セグメント)に長さあたりの質量を設定すればいいのですが、Revitのセグメントで定義できるのは呼び径、外径と内径の3種類だけで、長さあたりの質量を定義することはできません。
セグメントの定義 |
そこでJISに記載されている配管の「密度」に着目して、配管の質量を集計表で求めてみます。
配管材料密度のパラメータ
例えばVP、VM、VU管の密度は1.43グラム/立法センチメートルです。この値を配管タイプのタイプパラメータとして追加します。集計表で使うだけなのでプロジェクトパラメータでOKです。
- 設備テンプレートで新しいプロジェクトを作成
- 管理タブ>設定パネル>プロジェクトパラメータ
- プロジェクトパラメータダイアログボックスで新しいパラメータボタンをクリック
- 次の図のように設定し、配管のタイプパラメータを追加します。データタイプ密度は専門分野「一般」にありますが、ここでは専門分野「配管」の「密度」を使用します。どちらでもいいのですが、配管用の密度ということでこちらを採用します。
専門分野「配管」データタイプ「密度」 - OKを2回押してダイアログボックスを閉じます。
- プロジェクトブラウザ>ファミリ>配管>配管タイプ>プラスチック - 水をダブルクリックしてタイププロパティダイアログボックスを開く
- 配管材料密度を設定する。このタイプはセグメントとしてPVC-U - JIS K 6742を使用しているのでVP管の密度を設定します。Revitでは密度の単位は㎏/㎥なのでg/㎤の値を換算(1000倍)して、1430とします。(単位換算サイトが便利です)
単位に注意! - 設備タブ>衛生設備及び配管パネル>配管 で直径100mmの配管をいくつか作成しておきます。長さ1mの配管も作成しておくとチェックに便利です。
サンプルとして配管を作成しておく
集計表
集計表を作成して配管の質量を求めます。まず配管の容積を求めて、容積に配管材料密度をかけて求めます。いくつか段階を追って求めてみます。
- 配管断面積=pi()*((外径/2)^2-(内径/2)^2)
- 配管容積=長さ*配管断面積
- 配管質量=配管容積*配管材料密度
- 表示タブ>作成パネル>集計表▼>集計表/数量
- 新しい集計表ダイアログボックスでカテゴリから配管を選択し、名前を配管質量とします。
配管の集計表を作成する - フィールドタブで「タイプ」「配管材料密度」「外径」「内径」「長さ」のフィールドを追加
- 計算されたパラメータを追加 ボタンをクリック
- 「配管断面積」の計算フィールドを次のように設定する。式は上記よりコピーしてください。またタイプを「面積」にすることを忘れずに。
単位は面積 - 同様に「配管容積」の計算フィールドを追加します。タイプは「容積」です。
単位は「容積」 - 書式タブをクリックし、配管断面積を選択し、[形式]ボタンをクリック。丸めをカスタムにして丸目の増分を0.00000001とし表示桁数を調整します。
表示桁数を調整する - 同様に配管容積も形式を修正します。
- OKを数回押して、いったん集計表を表示します。
集計表
質量
いよいよ配管質量の計算フィールドを追加します。質量のタイプは専門分野「一般」ではなく、専門分野「配管」から選択できます。
- プロパティウィンドウのフィールドの編集ボタンを押す
- 計算されたパラメータを追加 ボタンをクリックし、「配管質量」の計算フィールドを追加する。このとき専門分野を「配管」として、「質量」を選択します。
専門分野に注意 - OKをいくつか押して集計表を表示します。
配管の質量が計算できました
計算式をまとめると
今回は確認のため段階を踏みましたが、もちろん配管質量をいきなり求めても問題ありません。
- 配管質量=長さ*pi()*((外径/2)^2-(内径/2)^2)*配管材料密度