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2026年10月11日日曜日

『シンプル・確実な』Revitモデルの作り方(4)~最終回

 【第4回】共有パラメータの「過剰追加」をやめよう。組み込みパラメータがもたらす安心感と真の効率化

連載の最終回となる今回は、BIMモデルを最も深い迷宮へと突き落とす原因、「独自の共有パラメータの乱立」について考えます。

なぜか多くの現場では、Revitに最初から用意されているパラメータを使わず、新しい共有パラメータを次々と追加したがる傾向があります。しかし、その「とりあえず追加したパラメータ」が、後からモデルを扱う人を困惑させていることに気づいているでしょうか?

1. 「触る前の分析作業」という巨大な無駄

独自のパラメータが大量に仕込まれたモデルを開いたとき、オペレーターはまず何をしなければならないでしょうか?

  • 「このパラメータは何のためにあるのか?」
  • 「ここに入力すると、どのビューや集計表に影響するのか?」
  • 「入力を間違えるとシステムが崩れるのではないか?」

本来の図面を描きデータを入力する作業に入る前に、「モデルの仕様解読(分析)」という余計なステップが発生してしまいます。この非効率さこそが、「Revitは複雑で手間がかかる」という最大の誤解を生む元凶です。

2. 組み込みパラメータ(識別情報)を使えば「迷い」はゼロになる

Revitの要素には、最初から誰でも知っている標準の「組み込みパラメータ」が備わっています。本サンプルモデルでは、これらを徹底的に活用しています。

例えば、図面内の注記や属性情報は、すべて識別情報グループの「コメント」や「説明」といった標準パラメータに集約させています。

  • 誰もが同じ情報にアクセスできる: どの要素をクリックしても「識別情報かタイプ名さえ見れば大体わかる」という絶対的な安心感。

    情報を識別情報の説明に集約し表記はマルチカテゴリタグで一律に

  • タグと集計表の完全連動: 単一のマルチカテゴリタグを用意するだけで、図面注記も集計表も一瞬で連動。文字の直書きは完全ゼロに。

  • Forma等クラウド連携での強み: クラウドビューアでモデルを開いた際も、識別情報は比較的上方に表示されるため、ブラウザ上でのデータチェックが格段にスムーズ。

    プロパティと図面表記が一致する安心感

我流のルールを捨てて標準に従うだけで、モデルから「恐怖」と「迷い」が消え去り、作業効率は跳ね上がります。

部屋の仕上情報はどうでしょうか?仕上情報を記述する組み込みパラメータを活用すればIFCに出力するときでさえ標準で情報が出力されるのです。

組み込みパラメータは何もしなくてもIFCに出力される

建具のパラメータについても思い切って断捨離をすすめ、仕様はマルチラインテキストに自由に記述するようにしています。

パラメータ:仕様(タイプ)

建具の仕様情報は一つのパラメータにまとめると見やすくなります。

建具の仕様はマルチラインテキストに集約

3. 【全4回完結】脱・迷宮化サンプルモデルを今すぐ体験してみてください

全4回にわたって、「過剰表現の断捨離」「標準機能の素直な活用」「データと形状の分離」、そして「標準パラメータへの集約」をお伝えしてきました。

言葉だけではなく、実際のモデルでその「軽快さ」と「安心感」を体感していただけるよう、Revit標準添付のサンプルモデルをゼロから再構築したデータを配布しています。

特別なアドオンは一切使っていません。標準の「建築テンプレート」と標準機能だけで、どこまで美しく、軽快で、データとして正しいモデルができるかをぜひお確かめください。

[ 📥 脱・迷宮化サンプルモデル(Revit 2026)をダウンロードする ]

おわりに:ツールの「設計思想」に素直になるということ

BIMを快適に扱うための最大のコツは、技術やアドオンの追加ではなく、「ソフトウェアの設計思想に素直に従うこと」です。

我流のルールや過剰な作り込みを手放し、Revit本来の仕組みに身をゆだねてみる。それだけで、BIMはあなたを苦しめる重荷から、AI時代を生き抜く最強の相棒へと変わります。

本連載が、過剰なモデルづくりに悩む多くのBIMユーザーにとって、立ち止まり、整理するためのヒントになれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

2018年8月25日土曜日

if文

条件文ifの構文

ファミリのパラメータには条件文を組み込むことができます。構文は

=if(条件,条件が真の場合の値,条件が偽の場合の値)

です。

【条件は数字しか判断できない】

条件には他のパラメータの値を用いることができますが、その真偽の判断が可能なのは数字のみで、文字は判断できません。たとえば「文字列が一致する」などの判断はできません。

例1
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           文字
paramB           文字

✖=if(paramA=paramB,…,…)

条件式に用いることができるパラメータタイプは、
  • 数値
  • パラメータタイプが数値のパラメータ名
  • パラメータタイプがはい/いいえのパラメータ名
です。

【異なるタイプを比較するには?】

例2
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           長さ
paramB           実数

✖=if(paramA=paramB,…,…)


パラメータタイプが異なる場合は直接比較することはできません。そう、Revitは単位にうるさいのです。こういうときは「魔法の/1」を使って
○=if(paramA / 1 = paramB, …,…)
とすればOKです。

【以上・以下の判断】

大きい小さいを比較する演算子は>,<,=のみであり、>=や<=を用いることはできません。これは「未満ではない」という理屈でnotを使って条件式を作ります。notは真偽の値を反転します。

例3
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           長さ
paramB           長さ



paramAがparamB以上である
✖=if(paramA >= paramB, …, …)
○=if(not(paramA < paramB), …, …)

【値の差が±1.0に納まっている】

値が±○○以内にあることを判断するには絶対値absを使います。

例4
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           長さ
paramB           長さ



paramA-paramBが±1未満である
○=if(abs(paramA - paramB) < 1 , …, …)

paramA-paramBが±1以内(1より大きくない)である
○=if(not(abs(paramA - paramB) > 1 ), …, …)

【○○より大きく○○より小さい】

値がある範囲に収まっているかどうかを判断するにはandを使って二つの式を結合します。
andの構文  and(式1,式2)
式1と式2がともに真ならば、真を返します。つまり両方成り立っている場合だけ真を返します。

例5
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           長さ

paramAが1より大きく10より小さい場合


○=if(and(paramA>1, paramA<10) , …, …)

paramAが1以上10以下の場合


○=if(and(not(paramA < 1), not(paramA > 10)),…, …)

paramAが1以上10未満の場合


○=if(and(not(paramA < 1), paramA < 10),…, …)

【条件式をはい/いいえのパラメータが受け取るとき】

条件式を「はい/いいえ」のパラメータが受け取る場合はifは不要です。

例6
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           長さ
paramB           はい/いいえ

paramAが10より小さいとき

paramB = paramA<10

【範囲外】

ある範囲に値がないことを判断するにはORを使います。
orの構文  or(式1, 式2)
式1または式2のどちらかが真であれば真を返します。つまりどちらかが成り立っていればよい、ということです。
例7
パラメータ名 パラメータタイプ
paramA           長さ

paramAが0未満、または10より大きい
○=if(or(paramA<0, paramA>10) , …, …)
paramAが0以下、または10以上
○=if(or(not(paramA>0), not(paramA<10)) , …, …)

【二つ以上の式を判断する】

andとorは引数として式を2しか受け取ることができませんが、使い方を工夫すれば3つ以上の条件を判断することができます。
考え方のポイントは

  • ☑真=1(0でない整数)
  • □偽=0
  • andは掛け算(式1×式2)----一つでも0があれば答えは0=偽
  • orは足し算(式1+式2)-----一つでも1があれば答えは0ではない=真

とすればわかりやすいと思います。

すべての式が成り立っていることを判断するには
and(and(式1,式2),式3)
                         --------(式1×式2)×式3
and(and(式1, 式2), and(式3, 式4))
                         --------(式1×式2)×(式3×式4)
一つでも偽=0があれば答えは0=偽です。

どれかが成り立っていることを判断するには
or(or(式1,式2),式3)
                         --------(式1+式2)+式3
or(or(式1, 式2), or(式3, 式4))
                         --------(式1+式2)+(式3+式4)
一つでも真=1があれば答えは0ではない=真です。

2018年7月15日日曜日

パラメータグループの並び順は?

パラメータグループ

ファミリエディタでパラメータを作成するときに、パラメータが所属するグループを選択します。
パラメータグループ
パラメータグループは自由に選択することができますし、パラメータの整理にも役立ちます。
パラメータグループの順番は変更できない
しかしながら、新たに作成することはできません。また、パラメータグループの並び順もシステムで規定されています。

パラメータグループの並び順

沢山あるパラメータグループをうまく活用するにはその並び順を把握しておくと便利です。ファミリのパラメータグループは全部で45ありますがその並び順はどうなっているのでしょう?REVIT2018で調査してみた結果は次の通りです。
パラメータグループを全て並べてみた(ver2018)
絵が小さすぎてわかりにくいので、書き出してみます。

  1. 拘束
  2. 構成
  3. 鉄筋セット
  4. セット
  5. グラフィックス
  6. 文字
  7. マテリアルと仕上げ
  8. 分割ジオメトリ
  9. 電気
  10. 電気工学
  11. 電気 - 照明
  12. 電気 - 負荷
  13. セグメントと継手
  14. 給排水衛生設備
  15. 端部 1
  16. 端部 2
  17. 構造
  18. レイヤ
  19. スラブ形状編集
  20. 寸法
  21. 機械
  22. 機械 - フロー
  23. 機械 - 負荷
  24. 解析モデル
  25. 解析用プロパティ
  26. 解析用位置合わせ
  27. リリース / 要素荷重
  28. 構造解析
  29. 荷重
  30. モーメント
  31. フェーズ
  32. エネルギー解析
  33. IFC パラメータ
  34. 防火
  35. タイトル文字
  36. Green Building プロパティ
  37. フォトメトリック
  38. 解析結果
  39. モデル プロパティ
  40. 一般
  41. 電気 - 回路
  42. データ
  43. 表示
  44. 全凡例
  45. その他
  46. 識別情報

46のパラメータグループがありますが、25.解析用プロパティはユーザーは指定できませんので、実質使えるのは45のパラメータグループです。
ファミリ作成時にパラメータが増えて来た場合、あまりユーザーに触ってほしくないパラメータは、下のほうに表示したり、逆に主たるパラメータは上方に表示する場合などに活用してください。

プロジェクトパラメータの場合はどうなるのか?

例として、部屋のインスタンスパラメータを追加して、グループの並び順を調査してみましたが、基本的には同じです。ただ「識別情報」の位置が変わります。
  1. 拘束
  2. 構成
  3. 鉄筋セット
  4. セット
  5. グラフィックス
  6. 文字
  7. マテリアルと仕上げ
  8. 分割ジオメトリ
  9. 電気
  10. 電気工学
  11. 電気 - 照明
  12. 電気 - 負荷
  13. セグメントと継手
  14. 給排水衛生設備
  15. 端部 1
  16. 端部 2
  17. 構造
  18. レイヤ
  19. スラブ形状編集
  20. 寸法
  21. 機械
  22. 機械 - フロー
  23. 機械 - 負荷
  24. 解析モデル
  25. 解析用プロパティ
  26. 解析用位置合わせ
  27. リリース / 要素荷重
  28. 構造解析
  29. 荷重
  30. モーメント
  31. 識別情報
  32. フェーズ
  33. エネルギー解析
  34. IFC パラメータ
  35. 防火
  36. タイトル文字
  37. Green Building プロパティ
  38. フォトメトリック
  39. 解析結果
  40. モデル プロパティ
  41. 一般
  42. 電気 - 回路
  43. データ
  44. 表示
  45. 全凡例
  46. その他
この並び順をうまく利用して、わかりやすいテンプレートを目指しましょう。

2017年9月30日土曜日

ファミリパラメータ~三択

3つの値を切り替える

Autodesk University Japan 1日目のセッションで 1H-2 ファミリチュートルアル解説にお越しいただいたみなさん、ご参加ありがとうございました。セッション後に「3つの値を切り替えるトグルスイッチのようなパラメータは作れませんか?」という質問がありました。
トグルスイッチ
ダイアログボックスでよく見かけるようなトグルスイッチは残念ながら作ることはできませんが、3つ以上の値から選択する、というパラメータは作成できます。

三択パラメータの作り方

選択肢「A、B、C」のうちどれかを選択する、というパラメータを作ってみます。
  1. 作成タブ≫プロパティパネル≫ファミリタイプ
  2. はい/いいえ型のパラメータを3つ作成します。
    はい/いいえ型のパラメータを3つ作る
  3. 入力用のパラメータとして、整数型のパラメータを作成する。
    整数型のパラメータを追加
  4. 2で作成したパラメータの式を次のように設定する。
    A:=InputValue<1
    B:=InputValue=1
    C:=InputValue>1
    式を設定
  5. InputValueの値を変更して、A、B、Cの値が変わることを確認する。
これで三つの値をInputValueの数字だけで制御できます。

あまり直接的な解決法でなくて申し訳ないのですが、これならば三択に限らず、五択でも十択でも可能です。
五択の例